| 【発明の名称】 |
分葱の栽培法 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉山 稔
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| 【要約】 |
【課題】春の通常の分葱の収穫期より以前の,分葱のシーズンオフの秋場や冬場,早春等に,分葱の収穫を行うことができる,栽培効率のよい分葱の栽培方法を提供する。
【解決手段】分葱の植え付けに際して,翌春の収穫期に十分に分けつ成長した分葱の大きさを想定して,その生育中に間引くことを不要とする間隔で分葱の球根を植え付けるとともに,植え付けた球根と球根の間に,成長の過程で間引くことを想定した分葱の球根を植え付け,分葱の成長の過程で,間引くことを想定した分葱を繰り返し間引いて収穫し,最後の収穫を通常の分葱の収穫期(3月末〜4月)より以前に行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 分葱の植え付けに際して,分けつ成長した分葱の大きさを想定して,その生育中に間引くことを不要とする間隔で分葱の球根を植え付けるとともに,植え付けた球根と球根の間に,成長の過程で間引くことを想定した分葱の球根を植え付け,分葱の成長の過程で,間引くことを想定した分葱を間引いて収穫し,最終の収穫を翌春の通常の分葱の収穫期以前に行うことを特徴とする分葱の栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,分葱(わけぎ)の生育特性を利用した分葱の栽培方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】分葱は,葱科の植物に属し,茹でて葱ぬた等にして食べると非常に美味しく,春の野菜として人気があり,また,栽培も非常に簡単なことから,古来より日本のいたる所で広く栽培されている。過去の葱の栽培方法について,先行技術を調べてみると,特開昭58−60918,特開昭58−138320,特開昭63−141518,特開平2−49515,特開平2−283213,特開平2−283214,特開平3−236721,特開平4−27321,特開平4−360618,特開平6−22642,特開平6−209645,特開平7−246024,特開平7−327512,特開平8−56476等をみることができるが,いずれも,長葱(棒葱,白葱)の栽培方法に関するもので,分葱の栽培方法に関する文献は,全く存在していない。 【0003】分葱は,通常,8月末〜9月初めにその球根を植え付け,翌年の3月末〜4月末頃に収穫期を向かえており,植え付けに際しては,大きく分けつ(株分け)成長した収穫期の分葱の大きさを想定して,各畝に15〜20cmの間隔で1箇所に3個程度の球根を植え付けている。このような方法で分葱の植え付けを行うと,翌年の収穫期まで,施肥と草取り以外は何も農作業を必要とせずに収穫期を向かえることができるので,今日でも,この方法が最も合理的な分葱の栽培方法と考えられている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】従って,生育期間中の秋場や冬場等に,途中で分葱を収穫してしまうと,非常に高価な価格で取引される点では有利であるが,それ以降は,その部分の土地を遊ばせてしまうことになり,しかも,翌年の収穫期には,その部分の分葱の収穫を行うことができなくなるので,栽培効率が悪くなる。本発明はこのような現状に鑑みて行われたもので,分葱の生育期間中の秋場,冬場,春場に分葱を収穫することができる,栽培効率のよい分葱の栽培方法を提供することを目的とするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は,上述の目的を達成するもので,次の構成よりなるものである。すなわち,本発明は「分葱の植え付けに際して,分けつ成長した分葱の大きさを想定して,その生育中に間引くことを不要とする間隔で分葱の球根を植え付けるとともに,植え付けた球根と球根の間に,成長の過程で間引くことを想定した分葱の球根を植え付け,分葱の成長の過程で,間引くことを想定した分葱を間引いて収穫し,最終の収穫を翌春の通常の分葱の収穫期以前に行うことを特徴とする分葱の栽培方法」を要旨とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】以下,本発明を詳細に説明する。分葱の生育過程を詳細に観察すると,分葱は他の農作物とは異なる分葱に固有の生育過程を有していることが分かる。まず,8月末〜9月初旬に分葱の球根を植えつけると,生育の初期には,その球根自身の養分を用いて生育し,1カ月程でほぼ30〜40cm程度の草丈に成長し,この当たりから分けつ(株分け)が始まり,生育・株分け・生育・株分けを繰り返しながら十二分に成長し,翌春の収穫期を向かえる。この過程で特異な点は,生育過程の分葱が,いずれも収穫期の分葱とほぼ同じ30〜40cm程度の出荷できる草丈に成長している点にある。このことは驚くべき発見であり,今日まで長年にわたって見過ごされてきた事柄である。 【0007】この点に着眼することができれば,植え付けに際して従来の植えつけ密度より濃密度で植え付け,分葱の成長の過程で込み過ぎてきた分葱を適宜間引くことにより,収穫期の分葱とほぼ同じ大きさの分葱を出荷することが可能となり,分葱の栽培方法として非常に合理的である。これを消費者の立場からみれば,秋場〜冬場のシーズンオフ等にも,新鮮な分葱を安く豊富に味わうことが可能となるのであるから,本発明方法は,生産者,消費者の双方に利益をもたらす,極めて有用な画期的な栽培方法ということができる。このような本発明の栽培方法は,分葱の生育特性を利用した栽培方法であるから,分葱とは生育特性の異なる他の農作物に,本発明の栽培方法を適応することは不可能である。 【0008】本発明方法の第一の特徴は,分葱の植え付けに際して,分けつ成長した収穫期の分葱の大きさを想定して球根を植え付ける,従来の植え付け間隔で分葱の球根を植え付けるとともに,植え付けた球根と球根の間に,成長の過程で間引いて収穫することを想定して,分葱の球根を過剰に植え付ける点にある。分葱の栽培方法は,地方によって異なるようではあるが,通常の従来の作付け方法によれば,各畝に15〜20cmの間隔で1箇所に3個程度の球根を植えつける方法が一般的である。従って,本発明方法では,これより密に15cm当たり4個以上,好ましくは6個以上,さらに好ましくは9個以上の分葱の球根を植え付ける。植え付け密度の上限は,球根同士が互いに僅かに接触する密度である。 【0009】この密植方法は,いかなる方法で行ってもよいが,まず,15〜20cmの間隔で1箇所に3個ずつ,一辺が3〜5cmの正三角形のほぼ頂点付近に分葱の球根を植え付け,続いて,隣り合う植え付け部分と植え付け部分の間に,生育の過程で間引いて収穫することを想定して,分葱の球根をできるだけ多く植え付ける。他の植え付け方法としては,5〜10cmの列間隔で,2〜数列にて,各列とも分葱の球根をほぼ等間隔で,15〜20cm当たり4個,6個,8個等の適宜の濃い密度で植え付ける。この球根の植え付けは,隣り合う球根が互いに僅かに接触するごとき最大密度で植え付けることもでき,この場合には,最小の作付け面積で最大の収穫量をあげることができる。 【0010】上述のごとくして分葱の球根を植え付けると,生育初期には,分葱は自分自身の球根の養分を主に用いて成長を始め,ほぼ一カ月後に,30〜40cmの草丈に密集して成長するので,本発明方法では,ここで植え付け時に間引くことを想定して植え付けた分葱の第1回目の間引き収穫を行う。このときの間引き収穫は,分葱を1本おきに間引いてもよいし,2本おきに2本ずつ間引いてもよく,次回の間引き収穫を想定しながら適宜の方法で間引き収穫を行う。間引き収穫に際しては,間引いた分葱の隣の分葱の根を傷つけることがしばしば起きるので,間引いた後には,適度の覆土と十分な冠水を行うように心掛けるとよい。 【0011】第1回目の間引き収穫後,分葱は自分自身の根から養分を吸収し,葉の光合成によって,分けつ(株分け)と生育を続け,その1カ月後には,第1回目にどこを間引いたのか全く分からない程に成長し,30〜40cm丈の密集した分葱となる。本発明方法では,ここで第2回目の間引き収穫を行う。このようにして,本発明方法では,1カ月に1回程度の周期で分葱の収穫を繰り返しつつ,翌春の通常の分葱の収穫期(3月末〜4月頃)より以前に,予定した最終の分葱の収穫を行う。従って,本発明方法では,値段が下がってしまう従来の春の分葱の収穫期(3月末〜4月頃)より以前に,すなわち秋場〜冬場,早春等の分葱のシーズンオフに,間引きつつ収穫を5〜6回行うことができるので,分葱の生産者は,本発明方法によって有利な高価格で,多大な利益を享受することができるようになる。 【0012】分葱は,厳冬期の1〜2月頃には,成長が緩慢となり,間引き収穫を行うことができなくなるので,この時期にも間引き収穫を行いたい場合には,分葱にビニールトンネルを敷設すれば,厳冬期でも引き続き,分葱の間引き収穫を行うことができ,値段が下がる通常の分葱の収穫期(3月末〜4月頃)より以前に,分葱の最後の収穫を有利に行うことができる。本発明の分葱の栽培方法は,肥料分を水に溶かしてポンプで循環させる水耕栽培法に応用することもでき,本発明方法は,むしろ,この水耕栽培法に最も適した栽培方法であると言うこともできる。 【0013】水耕栽培法で本発明の実施を行う場合には,分葱の植え付けに際して,所定の面積の栽培容器に,分葱の球根を互いに接触するほどの高密度でセットし,次に分葱が30〜40cm丈の出荷できる大きさの草丈に成長したところで,第1回目の間引き収穫を行う。この水耕栽培法においても,分葱と分葱の間にある分葱を文字どおり間引いて収穫を行ってもよいが,水耕栽培法の場合には,一部の分葱をまとめて収穫した後,その残りの分葱を栽培容器の全体に均一に分散させる方法を採用する方が,作業性の点から合理的であるので,この方法が推奨される。 【0014】第1回目の間引き収穫の後,分葱の草丈が密集して30〜40cmに再度成長してきたところで,第2回目の間引き収穫を行う。第2回目の収穫も,第1回目の間引き収穫と同様にして行えばよい。第3回目以降の間引き収穫も同様にして行い,最終収穫期まで,適宜の周期で繰り返し繰り返し間引き収穫を行いつつ,最終の収穫期を向かえる。上述の水耕栽培法で分葱の栽培を行う場合には,室内で温度,湿度,日照(人工照明,照度,時間等)等をコントロールしながら分葱の栽培を行うことができるので,四季を問わず工場生産方式で分葱の生産を一年中実施することも可能である。本発明は,以上の構成よりなるものである。 【0015】 【作用】本発明のごとく,最終の収穫期に分けつ成長した分葱の大きさを想定して,その生育中に間引くことを不要とする間隔で分葱の球根を植え付けるとともに,植え付けた球根と球根の間に,成長の過程で間引くことを想定した分葱の球根を植えつけると,従来,不可能であった秋場や冬場等の分葱のシーズンオフに一定の周期で間引きながら繰り返し収穫しつつ,最終の収穫期まで収穫して市場に出荷することができるようになる。 【0016】 【発明の効果】本発明の分葱の栽培方法によれば,値段が下がってしまう従来の春の分葱の収穫期(3月末〜4月)より以前に,すなわち秋場〜冬場又は早春等の分葱のシーズンオフに,繰り返し間引きつつ収穫し,出荷を行うことができるようになり,分葱の生産効率を,従来の数倍に飛躍的に向上することができる。従って,分葱の生産者は,本発明方法により,分葱の生産量を飛躍的に拡大することができるようになるが,そればかりでなく,分葱のシーズンオフの有利な価格で,多大な利益を享受することもできるようになる。これを消費者の立場からみれば,秋場〜冬場又は早春等のシーズンオフに,新鮮な分葱を豊富に味わうことができるようになる。従って,本発明方法は,生産者,消費者の双方に多大な利益をもたらす,極めて有用な画期的な栽培方法ということができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598118891 【氏名又は名称】杉山 稔
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| 【出願日】 |
平成11年8月25日(1999.8.25) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−61340(P2001−61340A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月13日(2001.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−238576 |
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