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【発明の名称】 竹樹液採取方法
【発明者】 【氏名】大前 友夫

【要約】 【課題】

【解決手段】節1にて底部が形成される中空円筒状の稈2を、節1の近傍を回避して横方向に切断して、その環状切断面4に、稈2の肉厚部22内に組織される少なくとも導管8を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液Sを、稈2および節1から形成される容器3に溜めて、該樹液Sを採取するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】自生または栽培されている竹において、節にて底部が形成される中空円筒状の稈を、節の近傍を回避して横方向に切断して、その環状切断面に、稈の肉厚部内に組織される少なくとも導管を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液を、稈および節から形成される有底円筒内部に溜めて、該樹液を採取する竹樹液採取方法。
【請求項2】環状切断面に、該環状切断面から中空部にむかって斜め下方向に傾斜するテ−パ面を設け、このテ−パ面に、稈の肉厚部内に組織される少なくとも導管を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液を、稈および節から形成される有底円筒内部に溜めるようにしている請求項1記載の竹樹液採取方法。
【請求項3】稈の肉厚部の内周壁に、長手方向に所定長さの切り込みを設けた請求項1または2記載の竹樹液採取方法。
【請求項4】稈を横方向に切断する位置が、稈の上端部である請求項1から3記載の竹樹液採取方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、竹の樹液を採取する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】竹は、単子葉植物綱、イネ科に属し、稈が木質化する多年生植物であり、日本各地に自生がみられるだけでなく、栽培も多くなされている。そして、その樹液は飲用も可能な安全なものであり、効能としては美肌作用、アトピ−性皮膚炎などの炎症を抑える作用を有していることが知られている。竹の具体的な構造としては、まず、図1に示すように、連続する多数の稈A,A,A…と、各稈A,A,A…間に形成される節B,B,B…とから構成されている。そして、各稈A,A,A…の内部は中空円筒状となっており、節Bで仕切られている。また、稈Aの肉厚部Cには、地中から吸い上げた水や無機塩類を葉に供給する導管Dと、葉で光合成された有機物を体内各部に供給する師管Eとを主な構成要素とする維管束Fが散在している。ところで、従来、竹の樹液を採取する方法としては、図7に示すように、竹の稈Aにドリルなどで穴Gをあけ、その穴Gの近傍に樋のような小さな受け口Hを当接させた状態でヒモIなどで固定し、稈部Aから滲出する樹液Sを受け口H内部に溜めるというものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、穴をあけた場所が維管束の通っている部分である可能性は低いため、上記の方法では樹液は出にくく、したがって、採取するのに非常に時間がかかるという不具合があった。また、竹に穴Gをあけ、その穴G近傍に受け口Hを当接させた状態で固定するという煩雑な作業を必要とするので、大変手間がかかるという不具合があった。さらに、前記受け口Hに採取した樹液を運ぶ際には、その受け口Hから樹液が溢れやすく、取り扱い性に欠けるという不具合もあった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、簡単な方法で大量の樹液を確実に採取できる方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明における竹樹液採取方法は、自生または栽培されている竹において、節にて底部が形成される中空円筒状の稈を、節の近傍を回避して横方向に切断して、その環状切断面に、稈の肉厚部内に組織される少なくとも導管を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液を、稈および節から形成される有底円筒内部に溜めて、該樹液を採取するものである。
【0006】また、節にて底部が形成される中空円筒状の稈を、節の近傍を回避して横方向に切断し、その環状切断面に、該環状切断面から中空部にむかって斜め下方向に傾斜するテ−パ面を設け、このテ−パ面に稈の肉厚部内に組織される少なくとも導管を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液を、稈および節から形成される有底円筒内部に溜めるようにしてもよい。
【0007】また、稈の肉厚部の内周壁に、長手方向に所定長さの切り込みを設けてもよい。
【0008】また、稈を横方向に切断する位置を、稈の上端部としてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】本発明の竹樹液採取方法は、図2に示すように、まず、節1の近傍を避けて稈2を横方向に切断して、稈2と節1により容器3を形成する。尚、切断する位置は、切断してもすぐに竹が枯れることのないように、なるべく高い位置とするのが望ましい。次に、図3に示すように、環状切断面4から中空部Jにむかって斜め下方向に傾斜する形状に、環状切断面4をテ−パ加工する。さらに、図4に示すように、テ−パ面5から長手方向下方に向かって、稈2の内壁23に複数の切り込み6を入れる。稈2を横方向に切断して、その環状切断面4をテ−パ加工することにより、稈2の肉厚部22に散在している維管束7が切断され、テ−パ面5に導管8および師管9が開口し、根から葉へ水や無機塩類を供給する導管8から主に樹液Sが滲み出てくる。また、葉で光合成された有機物を各器官に供給する師管9からも、少量の樹液が逆流して滲み出てくる。このように滲み出てくる樹液Sを、図5に示すように、前記テ−パ面5および切り込み6から稈2の内壁23を伝わせて底部24に溜めていく。そして、樹液Sを、所定量溜めたのちに、図6に示すように、その樹液Sを溜めている稈2の下方に連接する稈2bの上端部を横方向に切断して、樹液Sの溜まった容器3を分離して、容器3内の樹液Sを別の容器(図示せず)に移しかえる。
【0011】上記のような方法によれば、稈2を切断し、その切断面4にテ−パ加工および切り込み加工を施すという簡単な方法で、稈2の肉厚部22に散在している維管束7内の少なくとも導管8をテ−パ面5に切断開口させ、樹液Sを効果的に採取することができる。具体的には、竹の大きさや植生場所によっても異なるものの、半日で容器3の約半分から一杯の樹液を採取することができるので、樹液Sを短時間で大量に効率よく溜めることができる。また、樹液Sが溜まれば、樹液Sを溜めている稈2の下方の稈2bの上端部を切断して採取するので、下方の稈2bにも同様にして樹液Sを更に溜めることができる。したがって、この方法を繰り返すことにより、樹液Sを複数回連続して採取することができる。
【0012】このようにして、採取した樹液Sには、美肌作用や、アトピ−性皮膚炎などの炎症を抑える作用があるので、化粧水や、薬用ロ−ションとして利用できる。また、入浴剤としても使用することができる。
【0013】以上の実施形態において、稈2の環状切断面4を蓋で覆うようにすれば(図示せず)、樹液中の水分の蒸発や、ゴミなどの混入を防ぐことができる。
【0014】以上の実施形態では、テ−パ面5から長手方向下方に向かって、稈の内壁23に複数の切り込み6を形成したが、この切り込み6は必ずしも形成する必要はない。
【0015】なお、切断方法としては、節1の近傍を避けて稈2を横方向に切断して、この環状切断面4に導管8および師管9を切断開口させるだけでもよい。この場合において、環状切断面4に長手方向下方に向かって、稈2の内壁23に複数の切り込み6を形成してもよい。
【0016】また、節1の近傍を避けて稈2を斜め方向に切断してもよい。
【0017】なお、容器3内に溜まった樹液Sをスポイドのようなもので、吸い上げてもよい。
【0018】また、容器3内に溜まった樹液Sをしばらく放置し、樹液Sを乾燥させて粉末状にしてから採取してもよい。このように粉末状にすることにより、採取運搬時にこぼす危険性を低減できる。また、粉末状の入浴剤などとしても、利用できる。
【0019】
【発明の効果】本発明の竹樹液採取方法によれば、自生または栽培されている竹において、節にて底部が形成される中空円筒状の稈を、節の近傍を回避して横方向に切断し、その環状切断面に、稈の肉厚部内に組織される少なくとも導管を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液を、稈および節から形成される有底円筒内部に溜めて、該樹液を採取するので、簡単な方法で樹液を大量かつ確実に採取することができる。また、採取容器や、採取器具が不要であるのでコストがかからない。また、竹は日本各地に多数自生しているので、原料の入手が容易である。
【0020】また、環状切断面に、該環状切断面から中空部にむかって斜め下方向に傾斜するテ−パ面を設け、このテ−パ面に稈の肉厚部内に組織される少なくとも導管を切断開口させ、該切断開口部から滲み出る樹液を、稈および節から形成される有底円筒内部に溜めるようにした場合には、テ−パ面を介して樹液を効果的に稈の内部に導入することができる。
【0021】また、稈を横方向に切断した後に、稈の肉厚部の内周壁に、環状切断面から長手方向下方に所定長さの切り込みを設けた場合にも、切り込みを介して樹液を効果的に稈の内部に導入することができる。
【0022】また、稈を横方向に切断する位置が、稈の上端部である場合には、稈と節により形成される容器の容量を最大にすることができるので、樹液を効率よく採取できる。また、稈と節は長手方向に連続して形成されているので、切断された稈の下方の稈からも、同様にして採取することができる。したがって、同一の竹から複数回採取することができる。
【出願人】 【識別番号】599117439
【氏名又は名称】大前 友夫
【出願日】 平成11年8月20日(1999.8.20)
【代理人】 【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳 (外1名)
【公開番号】 特開2001−57821(P2001−57821A)
【公開日】 平成13年3月6日(2001.3.6)
【出願番号】 特願平11−233986