| 【発明の名称】 |
中晩柑類果実の樹上越冬用袋 |
| 【発明者】 |
【氏名】村上 一郎
【氏名】高橋 和男
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| 【要約】 |
【課題】比較的大玉な果実を被包した際の上下開口部の閉塞性の点、更には防水、防霜や耐久性等の点においても優れた特長を有し、特に、樹上にての越冬を良好に可能とし、良好な果実の保護、成長促進を図ることのできる中晩柑類果実の樹上越冬用袋を提供すること。
【解決手段】単繊維太さが1〜10デニールの化学繊維糸を仮撚り加工し、伸縮性を付与した原糸を用いて筒状編地袋に編成した後、該筒状編地袋に対して長手方向に1m当たり1〜40回の撚りを掛けての熱処理と、撥水加工を施し、編地上に多数のしわと撥水性を保有せしめた中晩柑類果実の樹上越冬用袋。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】単繊維太さが1〜10デニールの化学繊維糸を仮撚り加工し、伸縮性を付与した原糸を用いて筒状編地袋に編成した後、該筒状編地袋に対して長手方向に1m当たり1〜40回の撚りを掛けての熱処理と、撥水加工を施し、編地上に多数のしわと撥水性を保有せしめたことを特徴とする中晩柑類果実の樹上越冬用袋。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、中晩柑類の果実を被包して、樹上にての越冬を良好に可能とし、良好な成長促進を図ることのできる中晩柑類果実の樹上越冬用袋に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、路地で栽培される中晩柑類の果実は、風雨の侵入、霜害、鳥・虫害その他の自然災害から果実を保護しつつ、成長促進させる必要があり、近年、各種化学繊維を用いた、編地横方向における最大伸長率5%以上、目付が60〜250g/m2 の筒状編地からなる袋などが、生育保護のために用いられている(実公昭57−19973号公報)。 【0003】このような袋は、十分な横方向の伸縮性があり、果実への袋掛け作業が著しく簡単であるほか、光線透過率、通風性、フィット性など果実の保護、成長促進など顕著な効果を奏し、特に温州ミカンを中心に柑橘の果実保護として利用されてきている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の筒状編地袋は、比較的大玉な中晩柑類の果実を被包した場合、上下開口部の閉塞が十分でなく、風雨、日光、害虫の侵入による変退色、虫害、鳥害、その他の自然災害の防止が十分できないという問題がある。 【0005】このような問題は、そのような比較的果実の大玉な中晩柑類を樹上にて越冬させて成長させる場合には、厳冬期は霜、凍結による果皮、果肉の損傷が起こるため、特に大きな問題であった。 【0006】また、編地を構成する原糸に収縮性がないため編み目がずれやすく、風雨、日光、害虫の侵入による変退色、虫害、鳥害、その他の自然災害の防止が十分できないという問題がある。 【0007】また、編地を構成する原糸の単糸デニールが小さいと耐久性に乏しく、逆に太すぎるとフイット性も悪く、取り付け等の作業性も良くなく、また果実の生育に応じて被包し保護することが難しくなる問題がある。 【0008】また、厳冬期、撥水加工を施してない保護袋が風雨にさらされた場合、編み目に浸透した水が凍結して、果実の果皮および果肉の品質を悪くするという問題がある。 【0009】本発明は、このような従来の果実の保護・成長促進用袋の持つ特長点を生かしつつ、特に果実を被包した保護袋の上下開口部の閉塞性の点、更には耐久性、フイット性や厳冬期の果実の凍結防止の点において優れた特長を有し、特に、樹上にての越冬を良好に可能とし、良好な成長促進を図ることの出来る中晩柑類果実の樹上越冬用袋を提供することを目的とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成する本発明の中晩柑類果実の樹上越冬用袋は、以下の構成からなるものである。 【0011】すなわち、単繊維太さが1〜10デニールの化学繊維糸を仮撚り加工し、伸縮性を付与した原糸を用いて筒状編地袋に編成した後、該筒状編地袋に対して長手方向に1m当たり1〜40回の撚りを掛けての熱処理と、撥水加工を施し、編地上に多数のしわと撥水性を保有せしめたことを特徴とする中晩柑類果実の樹上越冬用袋である。 【0012】 【発明の実施の形態】以下、更に詳しく本発明の中晩柑類果実の樹上越冬用袋について説明をする。 【0013】本発明の中晩柑類果実の樹上越冬用袋は、果実を被包した際、該袋の上下開口部を閉塞するための編み組織に加え、筒編された連続した長さの該袋に長手方向1メートル当たり1〜40回、好ましくは3〜7回の撚りを掛けた後、熱処理を施し、編地上に多数のしわを保有することを要件とする袋である。 【0014】ここで、本発明で言う多数のしわとは、単位面積当たりにおいてしわを多数本有していることを言い、具体的には、中でも好ましくは10〜100本/cm2程度、より好ましくは20〜60本/cm2 程度のしわ本数を有していることである。 【0015】また、上述の撚り数は、しわの発生に重大に影響するため、撚り数1回未満ではしわ数が不足して果実を被包した際該袋の上下開口部の閉塞が十分でなく、40回を超える場合では袋がねじれて袋掛けの作業性が損なわれるので好ましくない。 【0016】なお、本発明で言う「しわ」とは、連続、もしくは不連続な、長さ方向の螺旋状のしわのことをいい、方向は左回り、右回り、いずれのものでもよい。 【0017】また、本発明の編地を構成する糸素材は、化学繊維を仮撚り加工し、伸縮性を付与したものを用いることが重要である。用いられる仮撚機は、従来からある任意のものでよく、撚り数は2000〜2800T/mが好ましく、2000T/m未満では果実を被包した際該袋の上下開口部の閉塞が十分でなく、2800T/mを超える場合には果実を締め付けて、その成長促進を阻害することがあるので好ましくない。また、本発明の編地を構成する糸・繊維束の単繊維太さは1〜10デニール、好ましくは3〜5デニールである。 【0018】かかる単繊維の太さは、編地袋の破損、耐久性、保温性に影響を及ぼすため1デニール未満では、袋掛け作業時に単繊維が切れやすく、耐久性、保温性も悪くなる。一方、10デニールを超えるものでは光透過量が少なくなり果実の生長、着色が悪くなる傾向にある。 【0019】本発明に用いることのできる化学繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などがある。 【0020】なお、かかる編地袋の目付は、60〜250g/m2 、また横方向の最大伸長率は、好ましくは5%以上、より好ましくは20%以上である。 【0021】さらに、本発明の編地袋は、連続した筒状編地袋に編成した後等の適宜の時点において撥水加工による防水性が付与されているたことを要件とする。該撥水加工の条件や撥水剤は、従来から知られている条件のもので良いが、筒状に編成する前の原糸に撥水加工する場合は、編成時に撥水剤の脱落等が起こる場合があり、防水性が低下する場合もあるので、一般には好ましくない。 【0022】該編地袋は、白色のものでよいが、黒色、灰色などの適宜の着色がされているものであってもよい。 【0023】 【実施例】単繊維デニール4.5dのポリエステルフイラメント12本を1束とし、仮撚機を用いて仮撚加工した仮撚糸を筒編機で筒編地に編成した。 【0024】次に、編成した筒編地に長手方向に1メートル当たり3回の撚りを掛けて熱処理し、しわを付与した後、市販の撥水剤を用いて撥水加工を施した。 【0025】上記で作った筒編地を果実の大きさに応じて切断して作った袋は、横方向の収縮性、柔軟性に優れた果実の保護袋であった。 【0026】こうして得られた本発明に係る中晩柑類果実の樹上越冬用袋を用いて果実を被包したところ、作業性、フイット性、更には上下開口部の閉塞性において良好なものであった。 【0027】本発明に係る中晩柑類果実の樹上越冬用袋を用いて、中晩柑類の一種デコポンの果実を11月〜3月の厳冬期に袋掛けした結果、寒害、凍害、鳥害の被害を受けず果皮の変色、油胞の黒変などの果皮障害、果肉部分の黄濁、す上がり、異味などがなく良質で十分な大きさの果実を得ることができた。 【0028】 【発明の効果】以上述べたとおりの本発明によれば、路地で樹上越冬させる中晩柑類果実を被包した際、上下開口部の閉塞性に優れ、かつ、霜・風雨の侵入防止性及び保温性が良く、また、作業性、フイット性を損なうことなく、繰り返し使用に耐える良好な強度を保有する樹上越冬用袋を提供できるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592251190 【氏名又は名称】東洋殖産株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月23日(1999.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093665 【弁理士】 【氏名又は名称】蛯谷 厚志
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| 【公開番号】 |
特開2001−57819(P2001−57819A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−235286 |
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