| 【発明の名称】 |
マルチング材 |
| 【発明者】 |
【氏名】直木 哲
|
| 【要約】 |
【課題】植え付けられた直物Pの根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすこと。
【解決手段】植え付けられた直物Pの根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすマルチング材10であって、シート状基材の表面にワラ部材12を積層してなり、その少なくとも2カ所をニードル加工部13aで縫い合せたこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 植え付けられた直物の根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすマルチング材であって、このマルチング材は、シート状基材の表面にワラ部材を積層してなり、その少なくとも2カ所をニードル加工部で縫い合せてなるマルチング材。 【請求項2】 植え付けられた植物の根元や周辺の土壌表面を被覆して、これら植物や土壌の保温や保湿等の保護並びに周辺土壌に雑草がはえてくることの防草効果をもたらすためのマルチング材であって、このマルチング材を、前記植物の根元に当てられる防草シートと、この防草シートの表面に隙間なく縫い付けられるワラ部材とにより構成し、かつ、前記防草シートを、麻等の植物繊維とレーヨン等の生分解混紡材とによって構成し、前記ワラ部材を、稲ワラ、麦ワラあるいはカヤ等の植物乾燥材によって形成するようにしたことを特徴とするマルチング材。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、植物の保護を行うための被覆材、すなわち、植物の根元を覆って使用されるマルチング材に関し、全体をシート状に構成したマルチング材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】植物は、その成育が順調となるためには、根元に十分な水分があり、できるだけ温暖な環境条件が整っていることが必要である。また、植え付けた植物に与えた肥料が他の雑草に吸収されてしまわないようにするために、除草作業を行うことも、植物の成育を十分なものとするためには必要である。特に、法面の植生や荒れ地の植林等を人工的に行う場合、その施工後の植物の成育が順調となるようにして植生等のコストを低減しようとすれば、上述した環境条件を十分整え、除草作業も定期的に行う必要がある。 【0003】特に、造成された切土法面や臨海地のような地に樹木を成育させようとする場合、合成樹脂製等のポットで育苗した所謂「ポット苗」(通常は幼苗である)を使用するのであるが、このポット苗を十分育成させるためには、上述した条件の確保が重要となっている。 【0004】このようなポット苗や周辺土壌の保温や保湿等を図るために、苗の根元にマルチング材を敷くことが考えられる。植物のためのマルチング材としては、合成樹脂シートによって構成した「マルチ」がよく知られているが、このマルチは根元の温室効果を期待しながら、主として、草が生えないようにするために使用されている。このような合成樹脂シートからなるマルチは、安価に提供することができる反面、あくまでも腐らない合成樹脂を使用していることから、その使用後の処理に困るものとなっている。それだけでなく、マルチは、合成樹脂シートによって薄く形成されているから、山野での施工時には簡単に破れてしまい、使用目的を果せないものとなっている。 【0005】このため、この種のポット苗のためのマルチング材としては、図9に示すように、稲ワラ部材を使用することが従来より行われている。図9に示した従来例では、大量の稲ワラを表層土の上に敷き詰め、これらの稲ワラの上面に飛散防止用ワラ縄を張り、この飛散防止用ワラ縄をU字形針金等のピンで止めるようにしたものである。この稲ワラは、保温性や保湿性が十分であり、しかもポット苗が十分成育した2〜4年後においては土に還元されるため、植物の肥料ともなって、非常に有用なものである。 【0006】しかしながら、このような稲ワラを大量に使用したマルチング材は、これを法面等に施工することは多大の労力を必要とし、その使用が困難であり、また風等によって稲ワラが簡単にバラけてしまうという問題があるものである。特に、単に敷いただけの、あるいはワラ縄で押さえただけの稲ワラは、太陽光を表層土に届かせる隙間ができ易く、そのために雑草が生えやすいものとなっているのである。それだけでなく、近年の日本においては、稲ワラを大量に入手することは非常に困難になってきており、図9に示したような稲ワラを大量に使用した植物保護のための施工は、事実上非常に困難なものとなっている。 【0007】そこで、本発明者等は、稲や麦のワラ部材による植物の保護効果を十分発揮させるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のような経緯に基づいてなされたもので、その解決しようとする課題は、植物保護のためのマルチング材を稲ワラ等を使用して構成するにあたって、その効果を十分なものとすることである。 【0009】すなわち、本発明の目的とするところは、保温、保湿、及び防草効果が高く、安定的かつ安価に供給することができて、植物の保護を十分行うことのできるマルチング材を、簡単な構成によって提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するために、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、「植え付けられた直物Pの根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすマルチング材10であって、このマルチング材10は、シート状基材11aの表面にワラ部材12を積層してなり、その少なくとも2カ所をニードル加工部13aで縫い合せてなるマルチング材10」である。 【0011】すなわち、この請求項1のマルチング材10は、シート状基材11aの表面にワラ部材12を積層してなり、その少なくとも2カ所をニードル加工部13aで縫い合せてなるものであり、植え付けられた直物Pの根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすようにしたものである。 【0012】また、以上の課題を解決するために、請求項2に係る発明の採った手段は、後述する実施の形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、「植え付けられた植物Pの根元周辺土壌表面に被覆して、これら植物Pの保温や保湿等の保護を行うためのマルチング材10であって、このマルチング材10を、植物Pの根元や幹の表面に当てられる防草シート11と、この防草シート11の表面に隙間なく縫い付けられるワラ部材12とにより構成し、かつ、防草シート11を、麻等の植物繊維とレーヨン等との混紡材によって構成し、ワラ部材12を、稲ワラ、麦ワラあるいはカヤ等の植物乾燥材によって形成するようにしたことを特徴とするマルチング材10」である。 【0013】すなわち、本発明に係るマルチング材10は、基本的には、稲ワラや麦ワラあるいはカヤ等の乾燥植物体をある程度の厚みで重ね合わせたワラ部材12を有するものである。そして、これらの乾燥植物体からなるワラ部材12がバラけないようにするために、このワラ部材12の裏側に、麻、ジュート、綿等の植物繊維を主材として、これに自然環境で腐食し易いレーヨン等を混紡させた防草シート11によって裏打ちしたものである。 【0014】このマルチング材10は、図6〜図8に示すように、麻等の植物繊維とレーヨン等とからなる防草シート11を、植物Pの根元周辺土壌表面に直接接触するようにして設置されるものであり、接触するものが土壌表面であれば文字通り雑草が生えるのを防止するとともに保水し、または防草シート11の接触する植物Pの周辺土壌表面を寒さからの保護(保温)し、またや保水を行うものである。何故なら、この防草シート11は、地表に光りを殆ど通さないからである。そして、この防草シート11の表面側になるワラ部材12は、土壌表面の保温、保水を行い、結果として、当該マルチング材10は、植物Pの保護を十分行って成育を助けることになるのである。 【0015】勿論、ワラ部材12は、防草シート11の表面に縫付糸13によって縫い付けられているものであるから、図9に示した従来の施工方法のように大量に使用しなくても、表土等の表面を少ない量の稲ワラや麦ワラ等によって保温のための隙間ない覆いが確実に行い得るのである。しかも、稲ワラ等は、縫付糸13によって防草シート11に縫い付けてあるから、これらが風によって吹き寄せられることもなく、植物Pの根元周辺土壌表面を完全に覆うことを、長期間にわたって安定して発揮するものである。 【0016】このように、このマルチング材10は、麻等の植物繊維とレーヨン等との混紡材である防草シート11と、稲ワラ等を広げたワラ部材12とを縫付糸13によって一体化したものであるから、全体が軽くなっているだけでなく、例えば図7あるいは図8に示したポット苗を、法面20等に植え付けるに際して、例えば図6に示すように、これをある程度の下地作りをした法面20上に単に敷いておき、ワラ部材12のワラ方向にナイフを入れて下側の防草シート11に切れ目を入れる。この切れ目から植物Pを植え付け、防草シート11やワラ部材12を少し均せば、植物Pの根元をマルチング材10によって完全に覆うことができるのであり、このマルチング材10の施工作業は非常に簡単に行えるのである。 【0017】また、このマルチング材10は、防草シート11にしろワラ部材12にしろ、自然環境に置かれたとき、土中等の微生物によって分解されるものであり、ポット苗のような植物Pが十分成育する2〜6年後位には完全に分解して、これらの植物Pの栄養分つまり肥料となるのである。勿論、この完全分解するまでの間は、上述した植物Pのための保温、保水及び除草効果を発揮していることは言うまでもない。 【0018】そして、このマルチング材10は、一年を通して工場生産可能な防草シート11と、十分乾燥させたワラ部材12とを使用して、両者を縫付糸13によって一体化したものであるから、例えば合成樹脂製のフィルムやシートからなる袋内に収納して保存しておくことにより、年間を通して安定供給することが十分可能となるものである。特に、全体がシート化されていることは、これを丸めておくことができるという点で、その保管を安定して行うことができるのである。 【0019】従って、本発明に係るマルチング材10は、年間を通して安定供給することができ、その施工作業も法面等においても簡単に行えて、ポット苗のような幼苗から植物Pの保護を十分行うものであり、植物Pの保護及び育成を十分かつ簡単に行えるのである。 【0020】 【発明の実施の形態】次に、上記のように構成した本発明に係るマルチング材10を、図面に示した実施の形態に基づいて説明すると、図1及び図4には、本発明に係るマルチング材10の全体が示してある。このマルチング材10は、図2及び図5にも示したように、土壌の表面側になるシート状基材11aあるいは防草シート11の表面に、稲ワラ等の乾燥植物体をニードル加工部13aまたは縫付糸13によって縫い付けたものであり、これらの植物乾燥体は、ワラ部材12となっているものである。すなわち、このマルチング材10は、基本的には、ある程度の厚みを重ね合せたワラ部材12を利用するものであるが、このワラ部材12がバラけないようにするために、このワラ部材12にシート状基材11aあるいは防草シート11を裏打ちしたものである。 【0021】シート状基材11aは、ワラ部材12を平面的に支持できれば何であってもよく、一方防草シート11は、後述するように、ある程度の限定された材質のものである。一方、図1に示したマルチング材10では、これを構成しているワラ部材12が一定の厚さに積層されるものであるため、その一部に、図1及び図2に示したように、苗木挿入用切欠部14を形成しておくものである。 【0022】防草シート11としては、土中で完全腐食し易い麻、ジュート、綿(いずれも既に何かに使用されて、所謂再利用するものであっても十分である)等の植物繊維を主材としたものであり、これに腐食し易いレーヨン等を混紡してシート状にしたものである。つまり、この防草シート11は、植物繊維とレーヨン等との混紡材によって製糸して、これによって織物としてもよいし、混紡材による不織布としてもよいものである。レーヨンは、綿等の植物繊維だけではシートとしたときの強度が不足すると考えられるので、全体の強度補償を行うために使用するものである。 【0023】また、本実施形態のものでは、植物繊維中に10〜50%程度のレーヨンを混入させたものであるが、この程度であれば、前述した植物繊維とほぼ同時的に、太陽光や土中の微生物等によって完全に腐食させられるものである。 【0024】ワラ部材12は、文字通り稲ワラや麦ワラあるいはカヤ等の乾燥植物体を材料としたものであり、国内産は勿論、外国産のものも使用される。このワラ部材12を構成するための麦ワラなら初夏に入手でき、稲ワラやカヤ等は秋に入手でき、さらに外国産も使用すれば、ほぼ年間を通して十分な供給が得られるものである。このような稲ワラをワラ部材12とするためには、これを前述した防草シート11に対して、3〜5キログラム/m2程度広げるのが適当である。 【0025】このワラ部材12を防草シート11表面に一体化する縫付糸13としては、上述したレーヨンによって構成したものであってもよいし、ジュート等の植物繊維によって形成した綱を利用してもよいものである。いずれにしても、この縫付糸13としては、防草シート11やワラ部材12とともに、2〜6年後程度で完全に腐食するようなものであればよい。 【0026】さて、以上のように構成したマルチング材10を使用して、植物Pの保護を行うには、図6〜図8に示したようにすると良い。 【0027】・図6の工法この図6では、所謂「ポット苗」である植物Pの保護を行う施工例を示したものであり、この植物Pは、法面20上に所定間隔で配置されるのであるが、これらの植物Pの根元の保護が十分行えるような面積のマルチング材10に切断して、このマルチング材10を適宜間隔に配置したものである。勿論、これら各マルチング材10を通して、植物Pが法面20上に植え付けられる。各マルチング材10の間の表土上には、必要に応じて、植生植物の吹付工が行われる。このような吹付工を施しても、各植物Pがマルチング材10によって保護されているため、植生植物が植物Pの周辺土壌に生育できず、その結果肥料分を吸収してしまうことがないことは前述した通りである。 【0028】このような施工は、工場内の緑化が必要な地面、宅地造成地や道路脇の法面20、ダムの斜面等、乾燥の激しい地面に適している。 【0029】・図7の工法この図7では、法面20にポット苗を植え付け、その全体に本発明に係るマルチング材10を付設したものである。この場合には、巻回しておいたマルチング材10を、法面20の上から転がすだけでよいが、各植物Pの法面20に対する植え付けは、マルチング材10の展開前であっても、また展開後であってもよい。 【0030】このような施工は、宅地造成地や道路脇の法面20、ダムの斜面等の、土中の栄養分は比較的多いが、乾燥の激しい地面に適している。 【0031】・図8の工法この図8の工法は、上記図7に示した工法と基本的には同じであるが、法面20の表面に客土を行い、この客土が流れないようにMによって保護している点が異なる。 【0032】この施工方法は、土中の栄養分が少なく、また乾燥し易い土地に適したものである。 【0033】 【発明の効果】以上、詳述した通り、まず請求項1の発明においては、上記実施の形態において例示した如く、「植え付けられた直物Pの根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすマルチング材10であって、このマルチング材10は、シート状基材11の表面にワラ部材12を積層してなり、その少なくとも2カ所をニードル加工部13aで縫い合せてなるマルチング材10」にその構成上の特徴があり、これを植え付けられた直物Pの根元やその周辺の土壌表面を被覆して、これらの植物や土壌を保温および保湿し、周辺土壌に雑草がはえることの防草効果をもたらすものである。 【0034】また、請求項2の発明においては、「植え付けられた植物Pの根元やその周辺土壌等を被覆して、これら植物Pやその周辺土壌の保温や保湿等の保護を行うためのマルチング材10であって、このマルチング材10を、植物Pの根元や幹の表面に当てられる防草シート11と、この防草シート11の表面に隙間なく縫い付けられるワラ部材12とにより構成し、かつ、防草シート11を、麻等の植物繊維とレーヨン等との混紡材によって構成し、ワラ部材12を、稲ワラ、麦ワラあるいはカヤ等の植物乾燥材によって形成するようにしたこと」にその構成上の特徴があり、これにより、保温、保湿、及び防草効果が高く、安定的かつ安価に供給することができて、植物の保護を十分行うことのできるマルチング材10を、簡単な構成によって提供することができるのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】591228731 【氏名又は名称】イビデングリーンテック株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年8月6日(1999.8.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083932 【弁理士】 【氏名又は名称】廣江 武典
|
| 【公開番号】 |
特開2001−45881(P2001−45881A) |
| 【公開日】 |
平成13年2月20日(2001.2.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−224235 |
|