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【発明の名称】 植物栽培袋
【発明者】 【氏名】大嶋 和雄

【要約】 【課題】温度管理、湿度管理等を、簡単化、容易化できるだけではなく、製造の自動化、量産化に適するよう形成して低廉化を可能にし、更には移植の際に容器を、簡単、容易に除去できるようにする。

【解決手段】二枚の樹脂シート1を重合させると共に、左右の側辺部2の上部と上辺部3とを開放させて、他の周辺部4を一定の間隔でスポット溶着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二枚の樹脂シートを重合させると共に、左右の側辺部の上部と上辺部とを開放させて、他の周辺部が一定の間隔でスポット溶着されてなることを特徴とする植物栽培袋。
【請求項2】 請求項1記載の植物栽培袋であって、二枚の樹脂シートを重合させるのに代え、一枚の樹脂シートが折り返され、この樹脂シートの折り返し箇所が底辺部とされると共に、左右の側辺部の上部と上辺部とを開放させて、左右の側辺部が一定の間隔でスポット溶着されてなることを特徴とする植物栽培袋。
【請求項3】 請求項1記載の植物栽培袋であって、二枚の樹脂シートを重合させるのに代え、一枚の樹脂シートが折り返され、この樹脂シートの折り返し箇所が一方の側辺部とされると共に、他方の側辺部と底辺部とが他方の側辺部の上部を開放させて、一定の間隔でスポット溶着されてなることを特徴とする植物栽培袋。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物栽培袋に関し、更に詳しくは例えばポリエチレン樹脂やビニール樹脂等の合成樹脂で形成した植物栽培袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の袋状の植物栽培用具としては、例えば下部に排水口を形成し、植物の芽を出させるための開口を周面の適宜位置に形成したものや(実開昭59ー70444号公報、同59ー83331号公報参照)、土壌を備えてなるもの(実公平2−28687号公報参照)、或いは本出願人の提案に係る、灌水の貯溜部を備えてなるもの等がある(実公平7ー26920号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところでこの種の栽培袋は、加温、保温等の温度調節や、湿度管理等を簡単に行なうことができるだけではなく、大量に使用するものであるから、安価に提供できるよう、製造を容易化でき製造コストを低廉化できるよう形成されているのが望ましい。
【0004】しかるに従来品は、周囲を完全に封止した上面開口状の袋に所望の加工を施してなるものであった。従って従来品によると、保温、保湿等の管理を上面の開口部から行なうことができるだけであり、又製造面、コスト面でも、袋の加工、排水孔の孔開け加工が必要になったから、製造コストが高く付くことになるのを避けられなかった。
【0005】又従来品は、成育した苗を袋から移植する場合、この種の袋が樹脂製で破きにくいことから、作業者は先ず袋を苗と共に逆さにし、次に袋の底を引っ張って苗から抜き取る必要があった。従って従来品を使用すると、苗の移植の際に、煩わしさがあり、使い勝手が悪いものであった。
【0006】本発明は、このような従来品の問題点に鑑み、提案されたものである。従って本発明の技術的課題は、温度管理、湿度管理等を、簡単化、容易化できるだけではなく、製造の自動化、量産化に適するよう形成して低廉化を可能にし、更には移植の際に容器を、簡単、容易に除去できるよう形成した植物栽培袋を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
【0008】即ち本発明は、図1に示されるように、二枚の樹脂シート1を重合させると共に、左右の側辺部2の上部と上辺部3とを開放させて、他の周辺部4が一定の間隔でスポット溶着されてなることを特徴とする(請求項1)。
【0009】ここで樹脂シート1としては、ポリエチレン樹脂、ビニール樹脂等がある。二枚の樹脂シート1は、同じ大きさ、同じ厚さに選定されるのが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】又通常、樹脂シート1は透明状に形成されるのが好ましいが、黒色塗料等を樹脂液に混練して黒色等に着色されるのでも良い。又二枚の樹脂シート1は、同じ例えばポリエチレン樹脂のシートによる必要はなく、例えばポリエチレン樹脂のシートとビニール樹脂のシートとが組み合わされてなるのでも良い。本発明は、このように二枚の樹脂シート1を重合させて、所定位置をスポット溶着してなるため、栽培条件に合わせて各樹脂シート1を最適なものに選定して製造できる、という利点がある。
【0011】又本発明の場合、溶着箇所5の間隔は任意である。この間隔が例えば広く選定されると、水はけが良くなり、成育した苗を移植する際、二枚の樹脂シート1の引き剥がし操作を容易に行なえる。しかしその反面、保水性が悪くなるから、本発明の場合、スポット溶着する間隔は、袋の大きさ、形状、種苗や用土の種類等により、適宜選定されるので良い。
【0012】又本発明は、図5、図6に示されるように、二枚の樹脂シート1を重合させるのに代え、一枚の樹脂シート1が折り返され、この樹脂シート1の折り返し箇所が底辺部10とされると共に、左右の側辺部2の上部と上辺部3とを開放させて、左右の側辺部2が一定の間隔でスポット溶着されてなるのでも良い(請求項2)。
【0013】この場合は、溶着箇所5を減少でき、その分、簡単、容易に製造でき、又成育した苗の移植時に、袋の上辺部3を引き剥がしたとき底辺部10を介して繋がっているため、完全に分離することがない。従ってこれによれば、樹脂シート1の散乱を防止でき、廃棄し易くなる、という利点がある。なお5は、溶着箇所である。
【0014】又本発明の植物栽培袋は、図7、図8に示されるように、二枚の樹脂シート1を重合させるのに代え、一枚の樹脂シート1が折り返され、この樹脂シート1の折り返し箇所が一方の側辺部2aとされると共に、他方の側辺部2bと底辺部10とが他方の側辺部2bの上部を開放させて、一定の間隔でスポット溶着されてなるのでも良い(請求項3)。
【0015】この場合は、図6、図7の実施形態の場合と同様、製造を容易化でき、樹脂シート1の散乱を防止できるだけではなく、底辺部10からの水はけ、吸水が可能であるから、保水、保湿管理を容易化できる、という利点がある。なお5は、溶着箇所である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に従って説明する。
【0017】本発明は、図1等に示されるように、二枚の樹脂シート1を重合させると共に、左右の側辺部2の上部と上辺部3とを開放させて、他の周辺部4を一定の間隔でスポット溶着してなる。
【0018】上記の樹脂シート1は、この実施形態では二枚とも同じ厚さの透明のポリエチレン樹脂で方形状に形成されている。
【0019】5は、スポット溶着した溶着箇所である。この実施形態の場合、左右の側辺部2の最上端の溶着箇所5aは、袋の中央部よりやや上の位置に選定され、左右の側辺部2が大きく開放されるよう形成されている。
【0020】次にこの実施形態の本発明栽培袋の使用例を、図9に従って説明する。作業者は、先ず土壌6(図2、図3等参照)を最上端の溶着箇所5aの下方位置まで入れ、次に水を入れた容器7(図10参照)内に、本発明品を収納させる。本発明品は、隣り合う溶着箇所5の位置が開口部8に形成されている。従ってこの開口部8から、容器7内の水は土壌6に浸透する。
【0021】次に作業者は、容器7から本発明品を取り出し、土壌6に含まれた余分の水分を開口部8から自然排水させる。
【0022】その後、作業者は、種まき、又は苗を植え付け、加温、保温の必要があれば、袋の上部の左右位置をホッチキスの針9で止める。但し、気温が高い場合は、種まき、又は苗を植え付けた後の、袋内の高温障害を防ぐため、この種のホッチキス止めは不要である。ホッチキスで止め付ける位置は、図4に示されるように、袋上部の両端よりでも良い。苗が成長し、ホッチキスで止めた上部に届くようになったら、ホッチキスの針9を外し、上部を開放する。なお育苗時の給水は、袋上部を開口して行なうが、袋ごと水槽に浸して行なうこともできる。
【0023】本発明は、袋上部のホッチキス止めの有無に関係なく、内部空間の温度が上昇すると対流が発生し、上辺部3から暖気が放出される。又土壌6の表層に近い、最上端の溶着箇所5a近辺の側辺部2の間隙などから外気が入るため、これによれば内部空間の温度や湿度を管理し易くなる。
【0024】而して成育した苗を移植する場合は、先ず二枚の樹脂シート1の上辺部3を把持し、互いを引き離すよう引っ張る。これにより樹脂シート1は、溶着箇所5から引き剥がされる。次にこの状態で苗を取り出し、新しい苗床に植え付け、樹脂シート1は廃棄する。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明品は、二枚の樹脂シートを重合させると共に、左右の側辺部の上部と上辺部とを開放させて、他の周辺部を一定の間隔でスポット溶着してなる。
【0026】従って本発明を使用すれば、温度管理、湿度管理等の栽培環境を簡単、容易に創出できるだけではなく、製造上、自動化、量産化し易いため、製品を安価に供でき、又樹脂シートを引き剥がすことで育成した苗を、袋から取り出すことができるから、移植の際の苗の取り出し作業を、簡単、容易にできる。
【出願人】 【識別番号】593172577
【氏名又は名称】大嶋 和雄
【出願日】 平成11年7月29日(1999.7.29)
【代理人】 【識別番号】100084571
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 玄陽
【公開番号】 特開2001−37344(P2001−37344A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−214518