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【発明の名称】 椰子の繊維製プランター及びその製造方法
【発明者】 【氏名】佐藤 匠

【氏名】奥村 明彦

【要約】 【課題】側壁に容易に穴を空けることができるようにする。

【解決手段】椰子の繊維と、互いに絡み合う椰子の繊維同士を緩やかに接着して、全体に柔軟性を持たせると共に側壁に容易に穴を空けることができる接着剤とでプランター1を構成する。着剤は生ゴムを主原料として構成する。このプランター1の製造方法は、椰子の繊維をほぐして小分けする第1工程と、乾いても硬くならない接着剤を小分けした椰子の繊維に噴霧して半乾き程度に乾燥させる第2工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維をかるく圧延する第3工程と、上記接着剤を椰子の繊維に再び噴霧して半乾き程度に乾燥させる第4工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維を成形型に入れて圧縮成形する第5工程とからなり、上記第4工程と第5工程とを、要求される成型品の堅さ及び肉厚に応じて複数回繰り返す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 椰子の繊維と、互いに絡み合う椰子の繊維同士を緩やかに接着して、全体に柔軟性を持たせると共に側壁に容易に穴を空けることができる接着剤とを備えて構成されたことを特徴とする椰子の繊維製プランター。
【請求項2】 請求項1に記載の椰子の繊維製プランターにおいて、上記接着剤が、生ゴムを主原料として構成されたことを特徴とする椰子の繊維製プランター。
【請求項3】 椰子の繊維をほぐして小分けする工程と、乾いても硬くならない接着剤を小分けした椰子の繊維に噴霧して半乾き程度に乾燥させる工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維を成形型に入れて圧縮成形する工程とから構成されたことを特徴とする椰子の繊維製プランターの製造方法。
【請求項4】 椰子の繊維をほぐして小分けする第1工程と、乾いても硬くならない接着剤を小分けした椰子の繊維に噴霧して半乾き程度に乾燥させる第2工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維をかるく圧延する第3工程と、上記接着剤を椰子の繊維に再び噴霧して半乾き程度に乾燥させる第4工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維を成形型に入れて圧縮成形する第5工程とからなり、上記第4工程と第5工程とを、要求される成型品の堅さ及び肉厚に応じて複数回繰り返すことを特徴とする椰子の繊維製プランターの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椰子の繊維を接着剤で固めて容器状に形成した椰子の繊維製プランター及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】椰子の繊維を用いて作られたプランターは一般に知られている。このプランターは、例えば図2に示すように容器状に形成されるが、この容器の形状を維持できるように十分な強度が持たされている。即ち、このプランターは、椰子の繊維を強力な接着剤で固めて、プラスティック容器と同程度の強度が持たされている。
【0003】これにより、プランター内に用土を入れて、草花を植える。さらに、好みに応じてプランターの側壁にナイフ等で穴を空け、側壁から草花を出すように植えることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記構成のプランターでは、容器の形状を維持できるように椰子の繊維を強力な接着剤で固めているため、側壁に容易に穴を空けることができないという問題点がある。
【0005】本発明は以上述べたような点に鑑みてなされたもので、容器としての形状を維持しつつ側壁に容易に穴を空けることができるようにした椰子の繊維製プランター及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決するために第1の発明に係る椰子の繊維製プランターは、椰子の繊維と、互いに絡み合う椰子の繊維同士を緩やかに接着して、全体に柔軟性を持たせると共に側壁に容易に穴を空けることができる接着剤とから構成されたことを特徴とする。
【0007】上記構成により、接着剤で繊維同士を緩やかに接着して全体に柔軟性を持たせているので、側壁に穴を空ける場合は、ナイフやはさみで椰子の繊維を切断するだけで済む。これにより、プランターの側壁に容易に穴を空けることができる。
【0008】第2の発明に係る椰子の繊維製プランターは、第1の発明に係る椰子の繊維製プランターにおいて、上記接着剤が、生ゴムを主原料として構成されたことを特徴とする。
【0009】上記構成により、生ゴムを主原料とする接着剤は乾いても硬くならず、椰子の繊維同士を緩やかに接着する。なおここで「接着剤が硬くならない」とは、乾いた後に強固に固まって一切変形しないのではなく、乾いても柔軟性を保ち、椰子の繊維同士をしなやかに結合する状態をいう。これによりプランターは、柔軟性を有し、側壁に容易に穴を空けることができる。
【0010】第3の発明に係る椰子の繊維製プランターの製造方法は、椰子の繊維をほぐして小分けする工程と、乾いても硬くならない接着剤を小分けした椰子の繊維に噴霧して半乾き程度に乾燥させる工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維を成形型に入れて圧縮成形する工程とから構成されたことを特徴とする。
【0011】上記構成において、椰子の繊維を小分けする工程では、プランターの大きさや肉厚等を考慮した量の繊維を予め設定しておく。接着剤を噴霧する工程では、繊維全体に接着剤を吹き付ける。即ち、内部に位置する繊維の表面にもむらなく接着剤を吹き付ける。椰子の繊維を圧縮成形する工程では、椰子の繊維を成形型に入れて圧縮することで繊維同士を絡み合わせる。絡み合った繊維は、その表面に接着剤が付着しているため、繊維同士が結合する。これにより、椰子の繊維は成形型に沿った形状の容器になる。このとき、接着剤は乾いても硬くならないものを使用しているため、互いに絡み合う椰子の繊維同士を緩やかに接着して、全体に柔軟性を有し、側壁に容易に穴を空けることができるプランターとなる。
【0012】第4の発明に係る椰子の繊維製プランターの製造方法は、椰子の繊維をほぐして小分けする第1工程と、乾いても硬くならない接着剤を小分けした椰子の繊維に噴霧して半乾き程度に乾燥させる第2工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維をかるく圧延する第3工程と、上記接着剤を椰子の繊維に再び噴霧して半乾き程度に乾燥させる第4工程と、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維を成形型に入れて圧縮成形する第5工程とからなり、上記第4工程と第5工程とを、要求される成型品の堅さ及び肉厚に応じて複数回繰り返すことを特徴とする。
【0013】上記構成において、第1工程では、プランターの大きさや肉厚等を考慮した量の繊維を予め設定しておく。第2工程では、繊維全体に接着剤を吹き付ける。即ち、内部に位置する繊維の表面にもむらなく接着剤を吹き付ける。第3工程では、椰子の繊維をかるく圧延することで、ある程度薄くなって、成形型に入れての圧縮成形がし易くなる。第4工程では、第2工程と同じように、内部に位置する繊維の表面にもむらなく接着剤を吹き付ける。第5工程では、椰子の繊維を成形型に入れて圧縮することで繊維同士を絡み合わせる。このとき、第3工程で予めかるく圧延してある程度繊維同士を絡み合わせているので、成形型に合わせて容易に形を整えていくことができる。絡み合った繊維は、その表面に接着剤が付着しているため、繊維同士が結合する。これにより、椰子の繊維は成形型に沿った形状の容器になる。このとき、接着剤は乾いても硬くならないものを使用しているため、互いに絡み合う椰子の繊維同士を緩やかに接着して、全体に柔軟性を有し、側壁に容易に穴を空けることができるプランターとなる。
【0014】このとき、プランターの用途や大きさ等の条件の違いによって成型品に要求される堅さ及び肉厚が異なるため、それぞれの条件に応じて上記第4工程と第5工程とを複数回繰り返す。これにより、プランターの用途や大きさに適した堅さ及び肉厚にすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る椰子の繊維製プランターを示す斜視図、図3は本実施形態に係る椰子の繊維製プランターの製造方法を示す工程図である。
【0016】[椰子の繊維製プランター]本実施形態に係る椰子の繊維製のプランター1は図1に示すように構成されている。このプランター1は主に容器本体2とワイヤースタンド3とから構成されている。
【0017】容器本体2は、パーム椰子の繊維を接着剤で固めて形成されている。接着剤は、生ゴムを主原料として構成されている。具体的には、ゴムのりが用いられる。ゴムのりは乾いても硬くならず、椰子の繊維同士を緩やかに接着する。このゴムのりが椰子の繊維の1本1本にむらなく塗布されている。これにより、椰子の繊維は、互いに絡み合う部分でゴムのりによって接着されている。繊維同士は密着しておらず、十分な隙間を有して緩やかに接着されている。このため、プランター1は全体に柔軟性を有し、側壁も柔らかく構成されている。
【0018】ワイヤースタンド3は、ワイヤー4を折り曲げて、容器本体2が収納できるように組まれている。さらに、足部5と取っ手6も形成されている。容器本体2はこのワイヤースタンド3にその上側から収納される。
【0019】[椰子の繊維製プランターの製造方法]次に、本実施形態に係る椰子の繊維製プランターの製造方法について、図3に基づいて説明する。
【0020】[第1工程]本工程では、図3(A)に示すように、椰子の繊維をほぐして小片10に小分けする。小分けする小片10の量は、プランター1の大きさや肉厚等を考慮して予め設定しておく。即ち、大きなプランター1を作る場合は、小片10の量(小分けする繊維量)を多めにする。肉厚のプランター1にする場合も同様である。
【0021】[第2工程]本工程では、図3(B)に示すように、乾いても硬くならない接着剤(上述したゴムのり)を小分けした椰子の繊維である小片10に噴霧して半乾き程度に乾燥させる。具体的には、噴霧装置11で接着剤を霧状にして小片10に吹き付ける。このとき、小片10の繊維全体にむらなく吹き付ける。即ち、外側に位置する繊維だけでなく、内部に位置する繊維にもその表面にむらなく接着剤を吹き付ける。そして、半乾き程度に乾燥するまで待つ。
【0022】[第3工程]本工程では、図3(C)に示すように、接着剤が半乾き状態の椰子の繊維である小片10をかるく圧延する。即ち、一対の圧延ローラ12,13の間に小片10を通してかるく圧延する。これにより、繊維間がある程度詰まって薄くなる。これは、第5工程で成形型14に小片10を入れて圧縮成形するときに、容易に変形して成形し易くするためである。
【0023】[第4工程]本工程では、図3(D)に示すように、第2工程と同じように、軽く圧延された小片10に、再び噴霧装置11で接着剤を霧状にして吹き付ける。小片10の内部に位置する繊維の表面にもむらなく接着剤を吹き付ける。そして、半乾き程度に乾燥するまで待つ。
【0024】[第5工程]本工程では、図3(E)に示すように、接着剤が半乾き状態の小片10を臼型の成形型14に入れ、杵15で圧縮して、成形型14の形状に成形する。このとき、小片10内では、成形型14内に入れられて杵15で圧縮されることで、繊維同士が絡み合う。絡み合った繊維は、その表面に接着剤が付着しているため、接触部分で結合する。これにより、小片10は成形型14に沿った形状の容器に変形していく。小片10は第3工程で予めかるく圧延されてある程度繊維同士が絡み合っているので、成形型14に合わせて容易に形を整えることができる。
【0025】このとき、接着剤は乾いても硬くならないものを使用しているため、互いに絡み合う椰子の繊維同士は緩やかに接着する。このためプランター1は、全体に柔軟性を有し、側壁に容易に穴を空けることができるようになる。
【0026】[追加工程]プランター1の用途や大きさ等の条件の違いによって成型品に要求される堅さ及び肉厚が異なるため、それぞれの条件に応じて上記第4工程と第5工程とを複数回繰り返す。これにより、プランターの用途や大きさに適した堅さ及び肉厚にする。
【0027】[動作]以上のように構成された椰子の繊維製プランター1では次のようにして草花が植えられる。
【0028】上記製造方法で製造された容器本体2をワイヤースタンド3に入れ、容器本体2内の用土を入れる。草花は、容器本体2の上側から植えると共に、必要に応じて側壁からも植える。
【0029】側壁から植えるときは、容器本体2の適当な位置にナイフやはさみで切れ込みをいれる。このとき、容器本体2は上記製造方法で柔らかく成形されているため、その側壁をナイフ等で容易に切り開くことができる。
【0030】そして、切り開いた穴に草花の苗を差し込む。容器本体2の全周の複数の穴を空けて、草花の苗をそれぞれ差し込む。
【0031】[効果]以上のように、容器本体2に柔軟性を持たせて柔らかく成形しているため、ナイフやはさみでプランターの側壁に容易に穴を空けることができる。
【0032】プランター1の容器本体2は、椰子の繊維と、生ゴムを主原料とした接着剤だけを材料として構成しているので、使い終えて捨てる場合、自然に分解されて土に戻る。即ち、自然環境に影響を及ぼすことがなくなる。
【0033】また、容器本体2が椰子の繊維と、生ゴムを主原料とした接着剤で出来ているため、植えられる草花の根に悪影響を及ぼすこともない。
【0034】さらに、椰子の繊維も接着剤も自然の安価な材料であるため、プランター1の製造コストを大幅に低減することができる。
【0035】[変形例]上記実施形態では、プランター1を5段階の製造工程で成形したが、第3工程及び第4工程は、必要に応じて省略してもよい。例えば、プランター1が小さい場合や肉薄の場合は、第3工程で小片10を薄くしなくても、十分に型成形することができる。
【0036】この場合も、上記実施形態同様の作用、効果を奏することができる。
【0037】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によれば次のような効果を奏することができる。
【0038】(1) 椰子の繊維と、この繊維を接着する接着剤とで、プランターに柔軟性を持たせたので、ナイフやはさみでプランターの側壁に容易に穴を空けることができるようによる。この結果、プランターの側壁に草花を容易に植え付けることができるようになる。
【0039】(2) プランターを、椰子の繊維と、生ゴムを主原料とする接着剤とで構成したので、そのまま捨てても、自然に分解されて土に戻る。即ち、自然環境に影響を及ぼすことがなくなる。さらに、植えられる草花の根にも悪影響を及ぼすことがなくなる。
【0040】(3) 椰子の繊維も接着剤も自然の安価な材料であるため、プランターの製造コストを大幅に低減することができる。
【出願人】 【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
【出願日】 平成11年7月30日(1999.7.30)
【代理人】 【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸
【公開番号】 特開2001−37339(P2001−37339A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−216290