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【発明の名称】 根菜類の通風乾燥方法およびその装置
【発明者】 【氏名】金子 常雄

【氏名】土門 正幸

【氏名】池田 智

【氏名】関 達夫

【要約】 【課題】玉葱などの根菜類を効率よくしかも均等に乾燥することができる根菜類の通風乾燥方法およびその装置を提供する。

【解決手段】乾燥しようとする玉葱の堆積部2に熱風発生部3および吸引送風部4をそれぞれ並設する。非通気性シート5で玉葱の堆積部2を熱風発生部3および吸引送風部4に掛かるように覆う。吸引送風部4の空気吸引作用により玉葱の堆積層6に密着しかつ熱風発生部3および吸引送風部4にわたる密閉空間7を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 玉葱、ニンニクまたはラッキョウなどの根菜類を通風により乾燥する方法であって、乾燥しようとする根菜類の堆積層を形成してその堆積層に熱風発生装置および吸引送風装置をそれぞれ並設するとともに、非通気性シートで根菜類の堆積層を熱風発生装置および吸引送風装置に掛かるように覆い、吸引送風装置の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生装置および吸引送風装置にわたる密閉空間を形成して、根菜類を吸引熱風により乾燥することを特徴とする根菜類の通風乾燥方法。
【請求項2】 玉葱、ニンニクまたはラッキョウなどの根菜類を通風により乾燥する装置であって、乾燥しようとする根菜類の堆積部と、この堆積部を挟んで一方に熱風発生部を、かつ他方に吸引送風部をそれぞれ設け、非通気性シートで根菜類の堆積部を熱風発生部および吸引送風部に掛かるように覆って、吸引送風部の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生部および吸引送風部にわたる密閉空間を形成して成ることを特徴とする根菜類の通風乾燥装置。
【請求項3】 根菜類の堆積部は、通風を妨げないコンテナに根菜類を収めて形成することを特徴とする請求項2記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項4】 根菜類を収めたコンテナを熱風発生部と吸引送風部との間に複数個並置して根菜類の堆積部を形成することを特徴とする請求項3記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項5】 根菜類を収めたコンテナを積み重ねて根菜類の堆積部を形成することを特徴とする請求項3または4記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項6】 根菜類の堆積部は、非通気性シートを敷いた上に形成することを特徴とする請求項2、3、4または5記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項7】 パレット上に根菜類を収めたコンテナを載置して根菜類の堆積部を形成することを特徴とする請求項3、4または5記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項8】 密閉空間を形成する非通気性シートに窓をあけ、この窓に空気吸引作用により吸着して閉じる窓蓋を設けていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項9】 非通気性シートの窓は、根菜類の堆積部の上面に当たる部位に設けてあることを特徴とする請求項8記載の根菜類の通風乾燥装置。
【請求項10】 密閉空間を形成する非通気性シートを熱風発生部と吸引送風部のそれぞれ外装体に止着手段により着脱自在に止着することを特徴とする請求項2ないし9のいずれかに記載の根菜類の通風乾燥装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、玉葱、ニンニクまたはラッキョウなどの根菜類を通風により乾燥する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】玉葱などの根菜類の貯蔵にあたっては、貯蔵中の腐敗を防ぐため適度に乾燥を施す必要がある。従来、そのための手段としては、特開昭52−88164号公報、特開昭58−183014号公報または実願平1−114690号(実開平5−30626号)のマイクロフィルムに掲載されているものが知られている。
【0003】すなわち、特開昭52−88164号公報または実願平1−114690号(実開平5−30626号)のマイクロフィルムには、合成樹脂製シートで構成した庫内に農産物を堆積状に収納し、送風機により熱風を圧送して乾燥する装置が、特開昭58−183014号公報には、コンテナの底部に気体噴出用ダクトを配設し、この気体噴出用ダクトから熱風を噴出させてコンテナに収容した農産物を乾燥する方法と装置が、それぞれ掲載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のこの種の乾燥手段よっては、堆積状に収納した農産物に熱風を圧送して乾燥するものであるから、堆積している農産物の送風機からの熱風が噴き当たる部分は早く乾燥するが、堆積層中や排風側の部分はほとんど乾燥しなかったり乾燥が遅れる現象を呈し、乾燥貯蔵する農産物は乾燥ムラにより品質低下をきたしたり、また貯蔵中に変質を起こすことが避けられなかった。
【0005】そこで、本発明は、このような問題点を解決すべく、乾燥しようとする根菜類の堆積層に熱風発生装置および吸引送風装置をそれぞれ並設し、非通気性シートで根菜類の堆積層を熱風発生装置および吸引送風装置に掛かるように覆って、吸引送風装置の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生装置および吸引送風装置にわたる密閉空間を形成することにより、密閉空間を根菜類の堆積層の占める空間と略一致させて無駄な通風空間を無くしたうえ、根菜類の堆積層に吸引作用により熱風を均等に流通させて、根菜類を効率よくしかも均等に乾燥することができる根菜類の通風乾燥方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は次のように構成した、すなわち、本発明の請求項1に係る根菜類の通風乾燥方法は、玉葱、ニンニクまたはラッキョウなどの根菜類を通風により乾燥する方法であって、乾燥しようとする根菜類の堆積層を形成してその堆積層に熱風発生装置および吸引送風装置をそれぞれ並設するとともに、非通気性シートで根菜類の堆積層を熱風発生装置および吸引送風装置に掛かるように覆い、吸引送風装置の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生装置および吸引送風装置にわたる密閉空間を形成して、根菜類を吸引熱風により乾燥することを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の請求項2に係る根菜類の通風乾燥装置は、玉葱、ニンニクまたはラッキョウなどの根菜類を通風により乾燥する装置であって、乾燥しようとする根菜類の堆積部と、この堆積部を挟んで一方に熱風発生部を、かつ他方に吸引送風部をそれぞれ設け、非通気性シートで根菜類の堆積部を熱風発生部および吸引送風部に掛かるように覆って、吸引送風部の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生部および吸引送風部にわたる密閉空間を形成して成ることを特徴とするものである。
【0008】本発明の請求項3に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項2記載の構成において、根菜類の堆積部は、通風を妨げないコンテナに根菜類を収めて形成することを特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項4に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項3記載の構成において、根菜類を収めたコンテナを熱風発生部と吸引送風部との間に複数個並置して根菜類の堆積部を形成することを特徴とするものである。
【0010】本発明の請求項5に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項3または4記載の構成において、根菜類を収めたコンテナを積み重ねて根菜類の堆積部を形成することを特徴とするものである。
【0011】本発明の請求項6に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項2、3、4または5記載の構成において、根菜類の堆積部は、非通気性シートを敷いた上に形成することを特徴とするものである。
【0012】本発明の請求項7に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項3、4または5記載の構成において、パレット上に根菜類を収めたコンテナを載置して根菜類の堆積部を形成することを特徴とするものである。
【0013】本発明の請求項8に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項2ないし7のいずれかに記載の構成において、密閉空間を形成する非通気性シートに窓をあけ、この窓に空気吸引作用により吸着して閉じる窓蓋を設けていることを特徴とするものである。
【0014】本発明の請求項9に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項8記載の構成において、非通気性シートの窓は、根菜類の堆積部の上面に当たる部位に設けてあることを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項10に係る根菜類の通風乾燥装置は、請求項2ないし9のいずれかに記載の構成において、密閉空間を形成する非通気性シートを熱風発生部と吸引送風部のそれぞれ外装体に止着手段により着脱自在に止着することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図面は本発明に係る根菜類の通風乾燥装置として玉葱の通風乾燥装置を例示する。図1はその第1の実施の形態を示す全体斜視図、図2は同上縦断側面図、図3は同上縦断正面図、図4は第2の実施の形態を示す全体斜視図、図5は同上縦断正面図、図6は第3の実施の形態を示す全体斜視図、図7は同上縦断側面図、図8は第4の実施の形態を示す全体斜視図、図9は同上縦断側面図、図10は第5の実施の形態を示す窓蓋を開いた態様の縦断正面図、図11は同上窓蓋を閉じている態様の縦断正面図、図12はコンテナの斜視図、図13はその積み上げ態様の一例を示す斜視図、図14は第6の実施の形態を示す全体斜視図、図15は同上縦断側面図、図16は第7の実施の形態を示す全体斜視図、図17は同上縦断側面図である。
【0017】図1ないし図3において、1は玉葱の通風乾燥装置である。この玉葱の通風乾燥装置1は、乾燥しようとする玉葱の堆積部2と、玉葱の堆積部2を挟んで一方に熱風発生部3を、かつ他方に吸引送風部4をそれぞれ並設して成り、非通気性シート5で玉葱の堆積部2を熱風発生部3および吸引送風部4のそれぞれの外装体に掛かるように覆って構成されている。そして、吸引送風部4の空気吸引作用により玉葱の堆積部2における玉葱の堆積層6に密着しかつ熱風発生部3および吸引送風部4にわたる密閉空間7が形成されるようになっている。玉葱の堆積部2は、通風を妨げないコンテナ8(図12参照)に玉葱を収め、そのコンテナ8を熱風発生部3と吸引送風部4との間に複数個並置して形成するものである。熱風発生部3はバーナ9を備えており、10はその燃焼管、11は排気管、12は外気導入口である。また、吸引送風部4は吸引送風機13を備えており、吸引送風部4の排気口14に接続したダクト15は建屋16の外に開口している。
【0018】以上のように構成された玉葱の通風乾燥装置1において、吸引送風部4は、その吸引作用により熱風発生部3の外気導入口12から適量の外気を吸入するとともに密閉空間7内が適当な負圧となる空気吸引能力を有するものである。このため、吸引送風部4の吸引送風機13を駆動すると、熱風発生部3の外気導入口12から導入された外気が熱風となって玉葱の堆積部2の堆積層6を流通するとともに、密閉空間7内が負圧になることにより、玉葱の堆積部2を熱風発生部3および吸引送風部4のそれぞれの外装体に掛かるように覆っている非通気性のシート5が玉葱の堆積層6に密着して、玉葱の堆積層6の体積と略一致した無駄のない密閉空間7が形成される。そして、このように玉葱の堆積層6には吸引作用により熱風が均等に流通するので、玉葱は効率よくしかも均等に乾燥される。
【0019】図4および図5に示す実施の形態においては、玉葱の堆積部2を、非通気性シート17を敷いた上に形成している。その他の構成は図1ないし図3に示すものと同じである。この実施の形態によれば、負圧になる密閉空間7の密閉性が増し、また設置場所が土間のようなところでも土などが吸い上げられることがない。
【0020】本発明に係る玉葱の通風乾燥装置1においては、図6および図7に示すように、密閉空間7を形成する非通気性シート5を熱風発生部3の外装体18と吸引送風部4の外装体19に、止めバンドなどの止着手段20,20により着脱自在に止着して、密閉空間7の熱風発生部3と吸引送風部4に対する密閉性を確実に保持させることができる。その他の構成は図4および図5に示すものと同じである。
【0021】玉葱の堆積部2は、図8および図9に示すように、玉葱を収めたコンテナ8を熱風発生部3と吸引送風機4との間に並設するとともに、その上にさらに、玉葱を収めたコンテナ8を積み重ねて形成している。そして、このようにすることにより、乾燥する玉葱の量が多い場合でも、玉葱の堆積部2をその熱風発生部3と吸引送風部4との間の層厚を増すことなく形成することができ、効率よくしかも均等な乾燥ができる。なお、その他の構成は図1ないし図3に示すものと同じである。この実施の形態においては、図13に示すように、コンテナ8をパレット21の上に積み上げることにより、玉葱を収めたコンテナ8の運搬にあたってリフトを使用することができて作業が容易である。また、図1ないし図3、図4および図5、図6および図7に示す実施の形態においても、玉葱の堆積部2の形成にパレット21を使用することができる。
【0022】玉葱の堆積部2を熱風発生部3および空気吸引部4に掛けて覆って密閉空間8を形成する非通気性のシート5には、図10および図11に示すように、点検や吸引空気量の調整などのための窓22をあけるとともに、この窓22に空気吸引作用により吸着して閉じる窓蓋23を設けた構成とすれば、乾燥中の玉葱の状態が的確かつ容易に点検でき、また、この窓22の開口度を調節することにより、吸引風量を調整したり熱風の温度を容易に調整することができる。
【0023】図14及び図15に示す実施の形態においては、正面側と背面側に対称的に空気吸引口24,24を有する吸引送風部4の各空気吸引口24,24と、その各空気吸引口24,24に対応して設けた熱風発生部3,3との間に、乾燥しようとする玉葱の堆積部2,2をそれぞれ設け、上記各玉葱の堆積部2,2を吸引送風部4の外装体19と各熱風発生部3,3の外装体18に掛かるように非通気性シート5で覆って構成されている。そして、吸引送風部3の空気吸引作用により玉葱の堆積部2,2における玉葱の堆積層6に密着しかつ熱風発生部3,3および吸引送風部4にわたる密閉空間7が形成されるようになっている。玉葱の堆積部2,2は、通風を妨げないコンテナ8に玉葱を収め、そのコンテナ8を各熱風発生部3,3と吸引送風部4との間に複数個並置して形成するものである。なお、その他の構成は図1ないし図3に示すものと同じである。
【0024】このように、異なる方向の空気吸引口24,24を有する吸引送風部4の各空気吸引口24,24とそれに対応する熱風発生部3との間に、吸引送風部4の空気吸引作用により根菜類の堆積層6に密着しかつ吸引送風部4および各熱風発生部3,3にわたる密閉空間7をそれぞれ形成することにより、根菜類の堆積部2を複数に分けて吸引風の流通抵抗を小さくして、多量の根菜類であっても効率よく均等に乾燥することができる【0025】また、玉葱の堆積部2,2は図16及び図17に示すように、玉葱を収めたコンテナ8を各熱風発生部3,3と吸引送風機4との間にそれぞれ並設する図14及び図15の実施の形態のものに、その上にさらに、コンテナ8を積み重ねて形成することにより、乾燥する玉葱の量が多い場合でも、玉葱の堆積部2,2を各熱風発生部3,3と吸引送風部4との間の層厚を増すことなく形成することができるので、より効率よくしかも均等な乾燥ができる。
【0026】本発明に係る根菜類の通風乾燥装置は、玉葱のほか、ニンニク、ラッキョウ、馬鈴薯などの根菜類はもとより、豆類などの乾燥にも使用することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る方法によれば、乾燥しようとする根菜類の堆積層に熱風発生装置および吸引送風装置をそれぞれ並設し、非通気性シートで根菜類の堆積層を熱風発生装置および吸引送風装置に掛かるように覆って、吸引送風装置の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生装置および吸引送風装置にわたる密閉空間を形成することにより、密閉空間を根菜類の堆積層の占める空間と略一致させて無駄な通風空間を無くしたうえ、根菜類の堆積層に吸引作用により熱風を均等に流通させて、根菜類を効率よくしかも均等に乾燥することができる効果が得られる。
【0028】本発明に係る装置によれば、乾燥しようとする根菜類の堆積部と、この堆積部を挟んで一方に熱風発生部を、かつ他方に吸引送風部をそれぞれ設け、非通気性シートで根菜類の堆積部を熱風発生部および吸引送風部に掛かるように覆って、吸引送風部の空気吸引作用により根菜類の堆積層に密着しかつ熱風発生部および吸引送風部にわたる密閉空間を形成することにより、密閉空間を根菜類の堆積層の占める空間と略一致させて無駄な通風空間を無くしたうえ、根菜類の堆積層に吸引作用により熱風を均等に流通させて、根菜類を効率よくしかも均等に乾燥することができる効果が得られる。
【出願人】 【識別番号】000001465
【氏名又は名称】金子農機株式会社
【出願日】 平成12年6月9日(2000.6.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−352834(P2001−352834A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−173697(P2000−173697)