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【発明の名称】 豆脱粒機
【発明者】 【氏名】松ヶ崎 久男

【氏名】松ヶ崎 真秀

【要約】 【課題】脱粒部での豆実の損傷を防止し品質が高い豆実を収穫し得、長期使用により脱粒爪が損傷したり摩耗した場合のメンテナンスを安価に行うことができる豆脱粒機を提供する。

【解決手段】脱粒爪10を、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有するナイロン材で形成し、さらに長さ方向端部に、豆殻を連打して脱粒機能を奏する拡大頭部12aを備えるので、脱粒部bにおける豆実の損傷を防止しながら、品質が高い豆実を確実に収穫し得る。脱粒爪10を、ドラム本体11の外周面に着脱可能に複数装備したので、長期の使用等により脱粒爪10が損傷したり摩耗した場合、任意の脱粒爪10のみ交換できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも供給部と、この供給部の後方部位に配備される脱粒部と、この脱粒部の排出側部位に配備される選別部とを備えてなる豆脱粒機において、上記脱粒部が少なくとも一つの脱粒ドラムを有し、該脱粒ドラムは、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する脱粒爪を、ドラム本体の外周面に交換可能に複数装備してなることを特徴とする豆脱粒機。
【請求項2】 上記脱粒爪をドラム本体の外周面に交換可能に装備する手段が、二つ折りにした脱粒爪の折り目部分をドラム本体の外周面に押さえ付ける押え部材と、該押え部材をドラム本体に着脱自在に取付ける取り付け手段と、押え部材で押さえ付けられる脱粒爪の折り目部分とドラム本体外周面との間に介在し脱粒爪をドラム本体外周面に立ち上げる立上げ部材とを備えてなる請求項1記載の豆脱粒機。
【請求項3】 上記脱粒爪は、二つ折り可能な所望の弾性材料で形成され、その長さ方向両端部に、豆殻を連打して脱粒機能を奏する拡大頭部を備えたものである請求項2記載の豆脱粒機。
【請求項4】 上記脱粒爪は、ナイロン等の合成樹脂材からなることを特徴とする請求項1又は2又は3記載の豆脱粒機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトラクター等により牽引されて大豆、小豆、その他の豆類の収穫作業に使用される豆脱粒機に関し、特に、脱粒部に供給された豆殻を連打して殻を開き豆実を殻から分離させる脱粒部の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種豆脱粒機として、少なくとも供給部と、この供給部の後方部位に配備される脱粒部と、この脱粒部の排出側部位に配備される選別部とを備え、脱粒部の脱粒ドラムは、ドラム本体の周面に多数の脱粒爪を有する構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の豆脱粒機では、脱粒爪が硬質金属製の爪体であることから、豆殻を連打する際に豆実が損傷する虞れがあり、収穫された豆実の品質が低下する虞れがあった。また、従来の豆脱粒機は、ドラム本体の周面に多数の脱粒爪を一体的に設けた構造のものであり、長期の使用等により脱粒爪が損傷したり摩耗した場合、脱粒ドラム全体を交換しなければならず、メンテナンスに費用がかかる等の問題があった。
【0004】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、脱粒部における豆実の損傷を防止して品質が高い豆実を収穫することができ、且つ長期の使用により脱粒爪が損傷したり摩耗した場合のメンテナンスを安価に行うことができる豆脱粒機を提供することにある。
【0005】
【課題を達成するための手段】上述の課題を達成するために本発明に係る豆脱粒機は、少なくとも供給部と、この供給部の後方部位に配備される脱粒部と、この脱粒部の排出側部位に配備される選別部とを備えてなる豆脱粒機において、上記脱粒部が少なくとも一つの脱粒ドラムを有し、該脱粒ドラムは、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する脱粒爪を、ドラム本体の外周面に交換可能に複数装備してなることを特徴とする。
【0006】このような構成によれば、脱粒爪を、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有するものから形成したので、脱粒部における豆実の損傷を防止して品質が高い豆実を収穫することができる。また、脱粒爪を、ドラム本体の外周面に交換可能に複数装備したので、長期の使用により脱粒爪が損傷したり摩耗した場合、任意の脱粒爪のみを交換することができる。
【0007】上記脱粒爪をドラム本体の外周面に交換可能に装備する手段は、二つ折りにした脱粒爪の折り目部分をドラム本体の外周面に押さえ付ける押え部材と、該押え部材をドラム本体に着脱自在に取付ける取り付け手段と、押え部材で押さえ付けられる脱粒爪の折り目部分とドラム本体外周面との間に介在し脱粒爪をドラム本体外周面に立ち上げる立上げ部材とを備えてなるものとすると良い。
【0008】このような構成によれば、脱粒爪の交換を、簡単な構造で容易に行うことができる。ここで、押え部材としては、ドラム本体の軸方向に沿う押え杆で構成することが例示できる。この押え杆は、例えば、長手方向両端部に下方へ折曲する雄ネジ部を形成し、ドラム本体周面にこの雄ネジ部が挿入される通孔を設け、ドラム内側に突出する雄ネジ部に、取り付け手段としてのナット部材を螺合させて締付けることで、ドラム本体の外周面に着脱自在に取付けることができる。立上げ部材としては、ドラム本体の軸方向に沿う断面略コ字形のチャンネル材からなるものが例示できる。該チャンネル材の左右の立上がり面部に沿って、脱粒爪がドラム本体外周面に立ち上がるようになる。
【0009】豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する脱粒爪としては、ナイロン等の合成樹脂材料や、ワイヤブラシなどの軟質金属製のものが例示できるが、ナイロン製の合成樹脂製とした場合、脱粒部における豆実の損傷防止に対し、より有効である。より具体的には、二つ折り可能な所望の弾性材料で形成され、その長さ方向両端部に、豆殻を連打して脱粒機能を奏する拡大頭部を備えた構造とすると良い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。本例では図1に表すように、トラクター等により牽引される車輪付き車体を有する豆脱粒機を示す。この豆脱粒機の基本構造は、送込みコンベヤ1と食込みローラー2からなる供給部aと、この供給部aの後方部位に配備され、周面に脱粒爪10を有するメインドラムとしての脱粒ドラム3、サブドラムとしての脱粒ドラム4、この主副両ドラム3,4の真下に配設される受パンチングメタル5からなる脱粒部bと、この脱粒部bの下方部位に配備され、例えばクランク機構等の周知の揺動装置により前後方向に揺動する動きを成す第1揺動枠6と第2揺動枠7とからなる選別部cとを有する周知の基本構造からなり、ピックアップ部8により拾い上げられて茎ごと供給部aから機枠9内に導入されてくる豆類を脱粒部bにて脱穀した後、選別部cによる豆実の選別を行うように構成してなる。
【0011】脱粒ドラム3,4は、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する脱粒爪10を、ドラム本体11の外周面に交換可能に複数装備してなる。ドラム本体11は、少なくとも一方の側面を開放するかあるいは開閉可能とした円筒体からなり、その外周面の周方向に対し互いに平行をなすよう、多数の脱粒爪10を適宜間隔ごとに配置してある。
【0012】それぞれの脱粒爪10は、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する素材、本例ではナイロン製の合成樹脂材料からなり、図2〜図3に示す構造により、ドラム本体11の外周面に装備される。すなわち、脱粒爪10は、所定長さのナイロン製の線状体12を複数並列状に並べると共に隣合せる線状体12同士の長さ方向中心部分を接着または溶着し、且つその中心部分を折り目部分13として各線状体12を二つ折りにし、その折り目部分13を、押え部材、取り付け手段、立上げ部材によりドラム本体11の外周面に解除可能に押さえ付けてある。また夫々の線状体12は、二つ折り可能な長さを有すると共に、その長さ方向両端部に、豆殻を連打して脱粒機能を奏する拡大頭部12aを備えた構成とする。
【0013】押え部材は、ドラム本体11の軸方向に沿う押え杆14からなり、該押え杆14の長手方向両端部には下方へ折曲する雄ネジ部15,15を形成する。一方、ドラム本体11の周面には雄ネジ部15,15が挿入される通孔16を設けると共に、ドラム本体11の内側に突出する雄ネジ部15,15には、取り付け手段としてのナット部材17を螺合させて締付けることで、ドラム本体11に押え杆14を着脱自在に取付けてある。
【0014】立上げ部材は、ドラム本体11の軸方向に沿う断面略コ字形のチャンネル材18からなり、該チャンネル材18を押え杆14とドラム本体11の外周面の間に配置し、チャンネル材18の内側に押え杆14を横臥状に挿入する。折り目部分13を押え杆14でドラム本体11の外周面に押さえ付けられた脱粒爪10の各線状体12は、折り目部分13の外側にチャンネル材18の左右の立上がり面部19,19が立ち上がり、これら立上がり面部19,19に沿って脱粒爪10の各線状体12がドラム本体11外周面に立ち上がるようになる。
【0015】このような構成によれば、ナット部材17,17を緩めて押え杆14による押さえ力を解除すれば、脱粒爪10を押え杆14とチャンネル材18の間、すなわち押え杆14とドラム本体11外周面の間から抜いて容易に交換することができる。
【0016】以上の如く構成した本例の豆脱粒機によれば、ピックアップ部8により拾い上げられて供給部aへと茎ごと導入されてくる豆類は送込みコンベヤ1と食込みローラ2で脱粒部bへと送られる。脱粒部bでは、脱粒ドラム3,4が駆動回転し、夫々の脱粒爪10が豆殻を連打して殻を開き豆実を殻から分離させる。豆殻から分離された豆実は脱粒部bから選別部cに送られ、同選別部cにおいて豆実と豆殻との選別が行われる。脱粒部bにおいては、脱粒爪10が、豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する合成樹脂材からなるので、豆実の損傷を防止して品質が高い豆実を収穫することができる。また、脱粒爪10は、その先端部分に豆殻を連打して脱粒機能を奏する拡大頭部12aを備えた構成であり、この拡大頭部12aがその重量と、線状体12の弾性により、豆殻を繰り返し殴打し、豆実の損傷を防止しながら、品質が高い豆実を確実に収穫することができる。また、長期の使用等により脱粒爪10が損傷したり摩耗した場合、ドラム本体11の開放側の側面から手を入れて任意の脱粒爪10に対応するナット部材17,17を緩めることで、その脱粒爪10を容易に交換することができる。
【0017】以上、本発明の実施形態の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において種々の変更が可能である。また本例では、トラクター等に牽引される走行タイプの豆脱粒機について例示したが、これに限定されるものではなく、エンジンを搭載した自走式タイプの豆脱粒機、或いは作業場等に設置して使用される据置き(設置)タイプの豆脱粒機も本発明は対象としていることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】本発明の豆脱粒機は叙上の如く構成してなるから下記の作用効果を奏する。
(請求項1)
・豆実が損傷しない程度の所望の硬度を有する脱粒爪を用いるので、豆実の損傷を確実に防ぐことができる。よって、品質が安定した商品価値の高い豆実の収穫が可能となる。
・脱粒爪を、ドラム本体の外周面に交換可能に複数装備したので、長期の使用により脱粒爪が損傷したり摩耗した場合、任意の脱粒爪のみを交換することができる。よって、メンテナンスにかかる手間とコストを軽減し得る等の効果がある。
【0019】(請求項2)
・二つ折りにした脱粒爪の折り目部分を、押え部材と、取り付け手段と、立上げ部材とでドラム本体の外周面に押さえ付けるようにすることで、脱粒爪の交換を、簡単な構造で容易且つ確実に行うことができるなどの効果がある。
【0020】(請求項3)
・脱粒爪先端に拡大頭部を有し、この拡大頭部がその重量と、脱粒爪自身の弾性により、豆殻を繰り返し殴打し、豆実の損傷を防止しながら、品質が高い豆実を確実に収穫することができるなどの効果がある。
【0021】(請求項4)
・脱粒爪をナイロン製の合成樹脂製とすることで、脱粒部における豆実の損傷防止に対しより顕著な効果が得られると共に、脱粒爪の製作コストを軽減し得る等の効果がある。
【出願人】 【識別番号】397029264
【氏名又は名称】サカエ農機株式会社
【出願日】 平成12年5月31日(2000.5.31)
【代理人】 【識別番号】100068607
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 政名 (外3名)
【公開番号】 特開2001−340013(P2001−340013A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−163584(P2000−163584)