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【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】赤嶋 晋

【氏名】石井 真嗣

【要約】 【課題】軟らかい豆類はスクリューを有するオーガを介して機外に排出すると傷つくため、穀粒タンクの取出し口から流下して穀粒袋に袋詰めしていたが、作業性が悪いため、穀粒タンク下部の搬出コンベアに連結し傾動可能な穀粒排出装置を設けることにより、排出高さを高くして大きな袋にも排出できるコンバインを提案している。しかし、穀粒タンクをオープンして保守管理するための回動支持構造は、オーガを回動支点に利用できないため、新たに設ける必要がある。

【解決手段】底部にスクリュー式の搬出コンベア11を軸装した穀粒タンク5と、前記搬出コンベア11に下部を連結連通した穀粒排出装置13とを設け、該穀粒排出装置13と前記穀粒タンク5とを、機体を支持するシャーシ枠100より突設した支点軸105a・105bにより、一体的に回動可能に構成し、更に、脱穀部2又は該脱穀部を保持する部材55により支持するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンバインにおいて、バケットコンベアなどの穀粒排出装置を、穀粒タンク後方に設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通し傾動可能な穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置と前記穀粒タンクとを、機体を支持するシャーシ枠より突設した支点軸により、一体的に回動可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】 前記支点軸を、脱穀部又は該脱穀部を保持する部材により支持することを特徴とする請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】 前記穀粒排出装置の本体先端部には、排出口を回動自在に設け、該排出口は、穀粒排出装置の傾動角度にかかわらず手動又は自動で略水平に制御可能な構成にすると共に、該排出口又は排出口近傍には、穀粒を下方に誘導可能なガイドホースを連接させることを特徴とする請求項2又は請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】 前記穀粒排出装置の排出駆動の入切を行うクラッチスイッチは、穀粒排出装置又は穀粒排出装置近傍に配設することを特徴とする請求項2又は請求項3又は請求項4記載のコンバイン。
【請求項6】 コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通すると共に穀粒タンク背面に固設した穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置と穀粒タンクとを、穀粒排出装置に設けた支点軸により、一体的に回動可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項7】 前記穀粒排出装置の側壁を、穀粒タンク背面の側壁の一部で兼用することを特徴とする請求項6記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穀粒タンク内の穀粒を傷つけることなく、しかも排出高さを高い位置に設定可能な穀粒排出装置を設けたコンバインにおいて、穀粒排出装置の配置構成、穀粒タンクを機体外側に回動可能な回動支持部の構造、穀粒排出装置の排出部の構造、及びクラッチスイッチの配置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、穀粒の排出は、排出オーガや、袋詰め装置により行われていた。このうち、排出オーガの場合は、穀粒は、穀粒タンクの側面から一旦揚穀された後、略水平に延出された排出オーガ内を搬送され、排出オーガ先端から、横付けしたトラックなどに排出されていた。また、袋詰め装置の場合は、選別された穀粒が揚穀された後、トップサッカという小型のタンクを通って、機体側部に設けた袋詰め装置内の穀粒袋に、落入されるようにしていた。
【0003】また、大豆のように穀粒が軟らかい上に土などの異物が混入しやすい豆類の場合は、刈り取り・脱穀・選別した後の排出作業を、スクリュー式で搬送距離も長い前記排出オーガにより行うと、穀粒が傷つきやすく、穀粒品質の低下を招く。そこで、従来は、大豆などの豆類については、前記トップサッカを有する袋詰め装置を搭載した、豆専用又は他の穀物と兼用のコンバインを使用し、穀粒の汚損や損傷を最小限に抑えるようにしていた。しかし、この袋詰め装置によっては、前記穀粒袋をそれほど大きくできないために多数の袋に分けて袋詰めしなければならず、そのための袋詰め作業や運搬作業に、時間や手間がかかり、作業効率が低かった。そこで、本発明者らは、底部に搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通した穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置を、前記搬出コンベアを中心として傾動可能に構成することにより、排出高さを高くでき、大きな袋にも容易に排出可能なコンベアについて提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記排出オーガや袋詰め装置では、いずれも機体側部又は前部において揚穀した穀粒を、機体上部又は側部に設けた長い排出オーガや幅広の袋詰め装置により、機外へ排出するようにしていたため、機体高さ、機体幅共に大きく、走行中に圃場の作物を傷つけたり、機体の格納に大きなスペースが必要となる、という問題があった。
【0005】また、従来の排出オーガ式のコンバインにおいては、コンバイン内部の保守管理作業を容易にするため、排出オーガに内設するスクリューの中心を回動中心とし、排出オーガ自身を回動支点にして、穀粒タンクを機体外側に回動しオープンできるようにしていた。このような構造における回動支点の支持強度は極めて高く、穀粒タンクオープンに十分な強度を有する回動支持部が形成されていた。しかしながら、前記穀粒排出装置は、チェーン外周にバケットを連設させたバケット式コンベアや、ベルト外周に搬送板を突設させた搬送板式コンベアなどを使用しており、従来の排出オーガ式のようにスクリューを内装していないため、穀粒排出装置自体を回動支点とすることができず、それに代わる回動支持部を設ける必要があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、コンバインにおいて、バケットコンベアなどの穀粒排出装置を、穀粒タンク後方に設けたものである。
【0007】請求項2においては、コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通し傾動可能な穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置と前記穀粒タンクとを、機体を支持するシャーシ枠より突設した支点軸により、一体的に回動可能に構成したものである。
【0008】請求項3においては、前記支点軸を、脱穀部又は該脱穀部を保持する部材により支持するものである。
【0009】請求項4においては、前記穀粒排出装置の本体先端部には、排出口を回動自在に設け、該排出口は、穀粒排出装置の傾動角度にかかわらず手動又は自動で略水平に制御可能な構成にすると共に、該排出口又は排出口近傍には、穀粒を下方に誘導可能なガイドホースを連接させるものである。
【0010】請求項5においては、前記穀粒排出装置の排出駆動の入切を行うクラッチスイッチは、穀粒排出装置又は穀粒排出装置近傍に配設するものである。
【0011】請求項6においては、コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通すると共に穀粒タンク背面に固設した穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置と穀粒タンクとを、穀粒排出装置に設けた支点軸により、一体的に回動可能に構成したものである。
【0012】請求項7においては、前記穀粒排出装置の側壁を、穀粒タンク背面の側壁の一部で兼用するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係わるコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じくの背面図、図4は穀粒排出装置の下部の背面図、図5は穀粒排出装置の上部の背面図、図6は同じく側面一部断面図、図7は排出口自動水平制御の説明図、図8は操作スイッチの平面図、図9は穀粒排出装置及び排出口の駆動制御ブロック図、図10は本発明に係わる回動支持部の構造を示す斜視図、図11は支点軸を支持するステーの配設構成を示す平面配置図、図12は同じく別形態の配設構成を示す平面図、図13はガイドホースを連接した穀粒排出装置の背面図、図14はガイドホースの使用状況を示す説明図、図15は搬送板式の排出コンベアを設けたコンバインの背面図、図16は支点軸を穀粒排出装置に設けた配設構成を示す背面図、図17は同じく平面図、図18は穀粒排出装置の穀粒タンクへの固定構成を示す平面断面図、図19は穀粒排出装置の穀粒タンクへの別形態の固定構成を示す平面断面図である。
【0014】初めに、本発明に係わるコンバインの全体構成について、図1乃至図3により説明する。クローラ1上にはシャーシ枠100が搭載され、該シャーシ枠100上には脱穀部2が搭載され、該脱穀部2の前方には、フィーダ室3を介して刈取部4が連設されると共に、脱穀部2の横側方には穀粒タンク5が搭載され、該穀粒タンク5の前方側には、運転部6が連設されている。
【0015】さらに、前記脱穀部2の下方には、揺動選別装置9が配置され、該揺動選別装置9の下方に横設された一番コンベア8の終端部には、連通してバケット式の揚穀コンベア7が立設されている。該揚穀コンベア7の上下部に軸支されたスプロケット14・15間にはコンベアチェーン16が巻回され、該コンベアチェーン16上には複数のバケット17が列設されており、前記揺動選別装置9で選別された一番物などの精粒は揚穀コンベア7下部の円弧状の受部に蓄えられ、該受部に蓄えられた精粒はコンベアチェーン16上のバケット17により掬い上げられ、そのまま揚穀コンベア7の上部まで搬送される。
【0016】そして、該揚穀コンベア7の上部は連結パイプ68を介して穀粒タンク5に連通され、該穀粒タンク5に搬送されてきた精粒は、回転する図示せぬレベリングディスクなどで弾き飛ばされて、穀粒タンク5内に均一に分散され均等に貯留できるようにしている。該穀粒タンク5の下部桶10には、スクリュー式の搬出コンベア11が軸装され、該搬出コンベア11の終端部は、穀粒タンク5後方に配設されたバケットコンベアなどから構成穀粒排出装置13下部に連通されており、穀粒タンク5内に貯留された穀粒を、穀粒排出装置13内の排出コンベア56によって、機体側方に排出できるようにしている。そして、穀粒排出装置13の近傍には、該穀粒排出装置13と前記穀粒タンク5とを一体的に回動可能な、本発明に係わる回動支持部57を設けているのである。
【0017】すなわち、コンバインにおいて、後述するバケットコンベアなどの穀粒排出装置13を、穀粒タンク5後方に設けたので、機体後部の空間を活用することができ、従来の機体上部又は側部に設けた長い排出オーガや幅広の袋詰め装置に比べ、機体高さ、機体幅を小さくして、走行中の作物の損傷を防止すると共に、機体の格納スペースを小さくすることができるのである。
【0018】次に、このような全体構成よりなるコンバインにおいて、穀粒排出装置13について詳細に説明する。まず、穀粒排出装置13の傾動構造について説明する。図1、図3、図4に示すように、前記搬出コンベア11の終端部には受継ぎケース12が連結され、該受継ぎケース12には、穀粒排出装置13の下部が回動自在に連通されている。
【0019】そして、この回動支点と同軸上に駆動スプロケット22が配設され、該駆動スプロケット22の駆動軸23上には中間プーリ70が固設されている。該中間プーリ70は、ベルト72を介して、図示せぬエンジンからの動力が伝達される中間プーリ69に連結されると共に、中間プーリ69と中間プーリ70との間にはテンションプーリ71が介設されている。そして、該テンションプーリ71をベルト72側に移動し押圧することにより、ベルト72が緊張し、エンジンからの動力が、中間プーリ69から中間プーリ70を介して駆動スプロケット22に伝達できるようにしている。
【0020】また、前記穀粒タンク5の背面5bからはステー26が後方に突設され、該ステー26に設けられた回動軸24には、昇降シリンダ25の基部が左右回動自在に軸支され、該昇降シリンダ25から延出されたピストンロッド25aの先部は、ステー27を介して、穀粒排出装置13の上下途中部のサイドフレーム18に回動自在に連結されている。
【0021】このような構成において、昇降シリンダ25を駆動してピストンロッド25aを伸縮させると、前記搬出コンベア11を中心にして穀粒排出装置13を傾動させることができる。つまり、ピストンロッド25aを縮めると、図3に示すように、穀粒排出装置13を機体側に牽引して上昇させて格納位置13aに格納することができ、逆に、ピストンロッド25aを延ばして機体外方に押出して下降させることにより、穀粒排出装置13の先端を所定高さの排出位置13bに設定することができ、高い位置で離間して配置されたコンテナ29などへの排出作業を確実に行うことができる。従って、従来の袋詰め作業に比べて作業性を大きく向上させることができ、穀粒が傷つきやすい大豆などの豆類の場合であっても、穀粒の品質を低下させることなく、高効率で排出作業を行うことができるのである。
【0022】次に、穀粒排出装置13の搬送構造について説明する。図3乃至図5に示すように、穀粒排出装置13では、搬送方向に平行に前記サイドフレーム18・18が配設され、該サイドフレーム18・18間には図示せぬ複数の連結フレームが横架・連結されると共に、サイドフレーム18・18の外側面には側板30・30が貼設されている。搬送終端側(図5で上部)には、背面視略扇状の排出カバー32が固設され、該排出カバー32には、従動軸21が側板30・30の前後に枢支され、該従動軸21には従動スプロケット20が外嵌・固定されており、該従動スプロケット20と前記駆動スプロケット22との間にはチェーン28が巻回されている。そして、該チェーン28の外周には特定間隔でバケット59・59・・が設けられており、該バケット59・59・・内に穀粒を蓄えるようにしているため、穀粒排出装置13の搬送終端側が上昇して上搬送面の斜度が著しく大きい場合でも、穀粒を確実に上方に搬送できるようにしている。
【0023】なお、本実施例の排出コンベア56は、前述した如く、チェーン28の外周に設けたバケット59により穀粒を掬い上げて搬送するバケット式であるが、穀粒を汚損したり損傷しない搬送形式であればよく、特に限定されるものではない。例えば、図15に示すような搬送板式としてもよい。この場合は、前記駆動軸23には駆動プーリ60が固設され、穀粒排出装置13上部には前後に従動軸21を有する従動プーリ61が軸支され、該従動プーリ61と前記駆動プーリ60には、適宜間隔おきに搬送板73・73・・が外周方向に立設されたベルト74が巻回されている。このような搬送板式にすると、搬送中の穀粒の脱落はバケット式に比べて若干多くなるものの、構造が簡単なために、部品コストの低減が図れる上、搬送中に詰まりなどが発生した場合でも対応が容易となる。また、前記揚穀コンベア7についても、バケット式の代わりに搬送板式を適用してもよい。この場合も同様に、該揚穀コンベア7の上下部に軸支されたプーリ75・76間にはベルト77が巻回され、該ベルト77上には複数の搬送板78が列設されている。
【0024】なお、前記チェーン28の駆動については、本実施例では、エンジンからの動力を中間プーリ69を介して得るようにしているが、チェーン28の駆動軸23を、クラッチを介して搬出コンベア11のコンベア軸11aに連結連動させ、該コンベア軸11aからチェーン28の駆動力を得るようにしてもよい。このような構成では、構造が簡単となり、部品コストの低減やメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0025】次に、穀粒排出装置13の排出構造について説明する。図5乃至図7に示すように、前記排出カバー32下部の内側面間には、筒体33が横設固定され、該筒体33には回動軸34が内挿されて前後に延出され、該回動軸34の前後端部34a・34bは、排出カバー32の外方に配設された背面視扇状の排出部材31の内側面間に固着されている。そして、該排出部材31と前記排出カバー32のいずれにも、この同一の前記回動軸34を中心として円弧部31b・32bが形成されると共に、排出側には、排出口31aとカバー口32aとが設けられ、その外側には、これら排出部材31と排出カバー32を雨や埃などから守るための保護カバー79を外装している。また、回動軸34の前端部34a上には従動ギア36が固設され、該従動ギア36には駆動ギア35が噛合され、該駆動ギア35は、排出カバー32の外側面に固設された回動モータ37により回転駆動できるようにしている。
【0026】このような構成において、回動モータ37を駆動することにより、前記排出部材31を回動軸34を中心に回動させ、排出部材31の排出口31aを、穀粒搬出装置13の傾動状況にかかわらず常に水平に設定できるようにしている。
【0027】また、図13に示すように、前記保護カバー79にガイドホース67を吊設した構造とすることができる。この場合該ガイドホース67上端の吊り下げ部67bは、前記保護カバー79の先部で排出口31a下方位置に横架された支軸83に回動可能に軸支され、ガイドホース67下端の噴出口67cが、穀粒排出装置13の傾動角度にかかわらず常に下方を向くようにされている。さらに、ガイドホース67の本体を、自在に屈曲・伸縮可能な蛇腹部67aから形成することで、排出作業中でもガイドホース67を屈曲・伸縮して排出箇所を容易に変更することができ、また、図14に示すように、穀粒排出装置13を格納位置13aに格納したままで、噴出口67cを把持してガイドホース67を屈曲させ、コンテナ29の方に誘導することにより、穀粒排出作業を行うことも可能である。
【0028】このように、前述した排出口31aの水平制御構成に加え、該排出口31a又は排出口31a近傍に、穀粒を下方に誘導可能なガイドホース67を連接させるので、排出時の穀粒の飛散等を防ぎ、目標位置に確実に排出することができ、また、本実施例のように、自在に屈曲・伸縮可能なガイドホース67であれば、目標位置の変更も容易に行うことができるのである。
【0029】次に、穀粒排出装置13の制御構成について説明する。図1、図4、図7に示すように、穀粒排出装置13の昇降回動の基部となる受継ぎケース12には、ポテンショメータ等よりなる傾動角度センサ39の検出部が連結され、傾動角度センサ39は搬出コンベア11の筒体側に取り付けられており、該傾動角度センサ39により、穀粒排出装置13の地面との対地角度である傾動角度41を検出するようにしている。また、図5乃至図7に示すように、排出口31aの回動の基部となる回動軸34にも、ポテンショメータ等よりなる排出口角度センサ38の検出部が連結され、該排出口角度センサ38はセンサブラケット42を介して排出部材31に取り付けられており、該排出口角度センサ38により、穀粒排出装置13の排出口31aとの相対角度である排出口角度40を検出するようにしている。
【0030】また、図1乃至図3、図8に示すように、前記運転部6、穀粒排出装置13近傍のうち、少なくとも一箇所に排出操作パネル43・44を配設し、該排出操作パネル43・44には、穀粒排出装置13の昇降回動操作に係わる前・後・中立の三段階の入力を可能とする昇降レバー45及び昇降回動操作の入切を行うシーソ式の昇降入切スイッチ46と、同様に前記排出部材31の回動操作に係わる前・後・中立の三段階の入力を可能とする回動レバー47及び回動操作の入切を行うシーソ式の回動入切スイッチ48とが設けられている。さらに、排出部材31の回動操作については、排出口31aの水平制御を、手動から自動に切り換える水平制御切替スイッチ49を設けている。これらのレバー45・47、入切スイッチ46・48・49、及び角度センサ38・39は、いずれも図9に示すように、コンバインのコントローラ50に接続されている。
【0031】該コントローラ50には前記昇降シリンダ25への圧油の送油を切替えるための電磁バルブ53が接続され、該電磁バルブ53は前記昇降レバー45、昇降入切スイッチ46を操作することにより切替えられ、穀粒排出装置13を手動で昇降回動できるようにしている。
【0032】また、コントローラ50には、駆動ユニット52を介して回動モータ37が接続され、該回動モータ37は前記回動レバー47、回動入切スイッチ48を操作することにより正逆転駆動されて、排出部材31が手動で回動される構成となっている。さらに、前記水平制御切替スイッチ49を「ON」にして自動制御に切り換えた場合には、コントローラ50は、前記傾動角度センサ39と排出口角度センサ38とにより検出された傾動角度41と排出口角度40との値をもとに、排出口31が水平となるように回動モータ37を自動で駆動するものとする。
【0033】このように、排出口31aを手動又は自動で略水平に制御可能な構成としたので、穀粒排出装置13がどのような姿勢にあっても、排出口31aが穀物排出の抵抗となって排出不能状態を招いたり、詰まりを発生することがなく、穀物排出を淀みなく行うことができる。また、穀物の排出方向が大きく逸脱することなく、前記コンテナ29などから穀粒が零れるのを防止することができる。
【0034】さらに、穀粒排出装置13には、傾動手段である昇降シリンダ25を設け、該昇降シリンダ25の操作スイッチを、運転部6、穀粒排出装置13近傍のうち少なくとも一箇所に配設するようにしたので、排出作業時の状況に応じた排出作業を迅速かつ確実に行うことができ、作業効率を大きく高めることができる。例えば、排出操作パネルを穀粒排出装置13近傍に配置した場合には、間近で穀粒の排出状況を確認しながら、排出操作パネル44の昇降レバー45・昇降入切スイッチ46を微調整できるため、排出高さを正確に設定することができるのである。そして、排出操作パネルを穀粒排出装置13近傍に加えて、運転部6にも配置した場合には、コンバインを畦際まで走行させて停止した後、座ったままで運転席の排出操作パネル43の昇降レバー45・昇降入切スイッチ46を操作し、排出高さを略調整し、微調整は穀粒排出装置13近傍の排出操作パネル44の昇降レバー45・昇降入切スイッチ46により行うようにすることができ、排出高さの設定を迅速かつ確実に行うことができるのである。
【0035】また、図1、図7、図9に示すように、主変速レバー54には、レバー位置を検出するスイッチなどの車速センサ51が設けられ、該車速センサ51は前記コントローラ50に接続されており、車速が所定速度以上に設定された場合には、コントローラ50は、前記傾動角度センサ39により検出された傾動角度41の値をもとに、穀粒排出装置13が格納位置13aにまで昇降回動するように電磁バルブ53を自動で制御し、昇降シリンダ25を伸縮駆動するようにしている。
【0036】このように、穀粒排出装置13は、コンバインの走行速度が所定速度に達すると、自動的に格納位置13aまで回動し収納するようにしたので、従来のオーガに比べると排出位置は低いものの、走行中に衝突する恐れがなく、また、別位置まで移動し排出作業を再開する際には、常に初期の格納位置13aに復帰しているため、排出位置の調整を容易に行うことができる。
【0037】また、図4、図9に示すように、前記テンションプーリ71などから構成されるクラッチ機構81も前記コントローラ50に接続され、該コントローラ50にはクラッチスイッチ80が接続されており、該クラッチスイッチ80により、テンションプーリ71を図示せぬアクチュエータで移動できるようにしている。これにより、前記ベルト72を弛緩・緊張させ、エンジンからの動力の排出コンベア56への断接を行うようにしている。
【0038】そして、このクラッチスイッチ80は、図3、図10に示すように、後で詳述する回動支持部57の角パイプ107の上部背面に配設されると共に、クラッチスイッチ80にはクラッチレバー80aが設けられており、該クラッチレバー80aを操作すると、アクチュエータが駆動されてテンションプーリ71がベルト72側に移動し、排出コンベア56の排出駆動の入切が行える構成となっている。ここで、回動支持部57は穀粒タンク5を支持するのに十分な支持強度を有するものであり、この回動支持部57にクラッチスイッチ80を取り付けることにより、高い取付強度を確保できるようにしている。
【0039】なお、本実施例では、クラッチ機構81としては、テンションプーリ71を使用したが、特に限定されるものでなく、電磁クラッチなどを用いてもよい。例えば、前述したような、駆動軸23を搬出コンベア11のコンベア軸11aに連結連動させ、該コンベア軸11と駆動軸23との間にクラッチを設けた場合などには、該クラッチを電磁クラッチとした上で、該電磁クラッチの電磁力の入切をクラッチスイッチ80で制御する構成にすることもできる。また、クラッチスイッチ80についても、本実施例のようなレバー式以外に、ワイヤー式、ロッド式、ボタン式などでもよく、特には限定されない。
【0040】このように、穀粒排出装置13の排出駆動の入切を行うクラッチスイッチ80を、穀粒排出装置13又は穀粒排出装置13近傍に配設することで、排出状況を近くで逐一確認しながらクラッチスイッチ80を入切することができるため、コンテナ29内の穀粒袋にできるだけ多くの穀粒を排出したい場合などのように、きめ細かな駆動操作が要求される作業でも、的確に対応することができる。さらに、穀粒排出装置13内での穀粒詰まりなどのトラブルの発生に対しても、近くで逐一確認できるため、該トラブルを未然に防止することができ、たとえ、実際にトラブルが発生した場合であっても、迅速に対応することができる。特に、図3に示すように、穀粒排出装置13の側板30に確認窓82などを設けておけば、穀粒詰まりなどを直ちに発見して対応することができるのである。
【0041】次に、以上のような構成からなる穀粒排出装置13を穀粒タンク5と一体的に機体外側に回動可能な、本発明に係わる回動支持部57について、図1乃至図3、図10乃至図12により説明する。図1乃至図3に示すように、回動支持部57は、穀粒排出装置13の後方で、前記シャーシ枠100上に配設されており、機体後方を回動支点にできるようにしている。図3、図10に示すように、このシャーシ枠100は、フレーム100a・100b・100c等から構成され、このうちフレーム100c上には、脱穀部2や揺動選別装置9等を内設する支持ケース55が載置固定されている。
【0042】前記フレーム100aの後部上には角パイプ107が立設され、該角パイプ107の下部背面からは、側面視台形状のリブ108・108が後方に突設され、該リブ108・108の下縁は、前記フレーム100a上面に固着されており、リブ108・108により、フレーム100a上への角パイプ107の取り付けを補強するようにしている。
【0043】また、角パイプ107の上部左右側面からは、上ステー90・90が前方に突設され、該上ステー90・90の先端間には、上支点軸104aを立設する上支持部材104が挟持固定されている。同様にして、角パイプ107の下部側面からも下ステー91・91が前方に突設され、該下ステー91・91の先端間には、下支点軸105aを立設する下支持部材105が挟持固定されている。更に、下支持部材105の下端は、前記フレーム100a上面に固着されており、角パイプ107のフレーム100a上への取り付けを一層強固なものとしている。そして、これら上下の支点軸104a・105aには、パイプ状の軸受け92a・93bが水平回動自在に外嵌されており、該軸受け92a・93aは、前記穀粒タンク5より水平に延出された、上下の回動ステー92・93の先端に固着されている。
【0044】このような構成において、穀粒排出装置13を背面に付設した穀粒タンク5を、回動ステー92・93を介して、支点軸104a・105aに軸支することができ、穀粒タンク5を機体外側に回動してオープンすることができる。
【0045】すなわち、コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベア11を軸装した穀粒タンク5と、前記搬出コンベア11に下部を連結連通し傾動可能な穀粒排出装置13とを設け、該穀粒排出装置13と前記穀粒タンク5とを、機体を支持するシャーシ枠100より突設した支点軸104a・105aにより、一体的に回動可能に構成したので、強固なシャーシ枠100により回動支持部57を支持することができて支持強度が高まり、穀粒タンク5を迅速かつ確実にオープンできるため、コンバイン内部の保守管理作業の容易化を図ることができる。なお、本実施例では、支持部材104・105は2個であるが、その個数は限定されるものではなく、必要に応じて増加させ、支持構造を一層強化することができる。
【0046】さらに、脱穀部2等を内設する前記支持ケース55の側面には、ボルトなどで締結固定可能な固定部材112が固設され、該固定部材112からは支持ステー111が側方に延設され、該支持ステー111の先部には、連結板110を介して、前記角パイプ107の上下途中部が連結固定されており、支持ステー111により角パイプ107を強固に支持できるようにしているのである。
【0047】このような構成においては、前記支点軸104a・105aを設けた角パイプ107は、該角パイプ107と支持ステー111、支持ケース55、フレーム100bとから形成される背面視四角形の一辺を構成しており、角パイプ107の支持強度を著しく強化する構造となっている。
【0048】すなわち、前記角パイプ107を、前記リブ108・108や下支持部材105に加え、脱穀部2を保持する支持ケース55により支持ステー111を介して支持するので、角パイプ107のフレーム100a上への取り付けを、一層強固なものとすることができるのである。
【0049】なお、本実施例の回動支持部57は、機体後方、すなわち穀粒排出装置13の後方に配設されているが、穀粒排出装置13と前記穀粒タンク5とを、シャーシ枠100より突設した支点軸で一体的に回動可能な位置であればよく、配設位置は特に限定されるものではない。例えば、機体前方に配設してもよく、この場合には、前記運転部6の直後方を支点軸とし、穀粒タンク5が前方に回動しオープンされる構造となる。
【0050】ここで、前記回動ステー92・93は、図11に示すように、平面視L字状であり、穀粒タンク5の背面5bで、穀粒排出装置13と支持ケース55との間より、外側側方に延出され、回動ステー92・93の右端には軸受け92a・93aが固設され、前記支点軸104a・105aと嵌合して、穀粒排出装置13と穀粒タンク5とを、位置62から位置63まで同時に回動できるようにしている。
【0051】あるいは、図12に示すように、穀粒タンク5の外側面5aから一旦側方に張り出してから後方に回り込むようにして平面視コ字状の回動ステー94・95を構成し、該回動ステー94・95の後端を前記支点軸104a・105aと回動可能に嵌合するようにしてもよい。ただし、この場合の上回動ステー94は、図3に示すように、たとえ穀粒排出装置13が排出位置13bまで傾倒しても、穀粒排出装置13右側部が図12の上回動ステー94に接触することのないように、十分な張り出し幅を確保しておく必要がある。
【0052】従って、以上のような構成をとることにより、回動支点部57をシャーシ枠100及び脱穀部2等に直結することができ、大容量の穀粒タンク5をオープンした時であっても、穀粒タンク5の取り付けが不安定となることなく、迅速かつ確実にコンバイン内部の保守管理を行うことができるのである。
【0053】なお、以上述べた穀粒排出装置13は、いずれも傾動可能なタイプに関するものであるが、穀粒タンク5背面に固設されて傾動しないタイプでは、支持構造を、より簡単にすることができる。すなわち、図16乃至図18に示すように、穀粒タンク5の背面5bには、連結部86を介して穀粒排出装置87が固設され、該穀粒排出装置87の背面にあたる側板30aからは、平面視L字状の一対の上ステー84b・84bが後方に突設され、該上ステー84b・84bの平行部間には、筒状の上軸受け84aが固設されて、上軸受け部84が形成されている。同様の構成よりなる下軸受け部85と、前記上軸受け部84とが、前記支点軸104a・105aにそれぞれ水平回動自在に外嵌され、穀粒排出装置87と、該穀粒排出装置87前面に固設された穀粒タンク5とが、一体的に回動できるようにしている。
【0054】このように、コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベア11を軸装した穀粒タンク5と、前記搬出コンベア11に下部を連結連通すると共に穀粒タンク5背面に固設した穀粒排出装置87とを設け、該穀粒排出装置87と穀粒タンク5とを、穀粒排出装置87に設けた支点軸104a・105aにより、一体的に回動可能に構成したので、軸受けは直接、穀粒排出装置87に設けられ、前述したように穀粒タンク5から複雑な形状に延出された回動ステーの先部に改めて軸受けを設ける必要がなく、部品点数の低減だけでなく、支持強度の強化も図ることができるのである。
【0055】また、図18に示すように、穀粒搬出装置87は、左右の前記サイドフレーム18・18と、前後の前記側板30a・30bとから形成され、そのうち、前側板30bは穀粒タンク5の背面5b上にボルトなどで締結・固定されているが、図19に示すように、前記前側板30bを省略して、該前側板30bの代わりに、穀粒タンク5の背面5bを用いるようにすることもできる。すなわち、このように穀粒排出装置87の前側板30bを、穀粒タンク5の背面5bの一部で兼用するので、確実に部品点数を減少させ、組み立て性の向上を図ることができるのである。
【0056】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1のように、コンバインにおいて、バケットコンベアなどの穀粒排出装置を、穀粒タンク後方に設けたので、機体後部の空間を活用することができ、従来の機体上部又は側部に設けた長い排出オーガや幅広の袋詰め装置に比べ、機体高さ、機体幅を小さくして、走行中の作物の損傷を防止すると共に、機体の格納スペースを小さくすることができるのである【0057】請求項2のように、コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通し傾動可能な穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置と前記穀粒タンクとを、機体を支持するシャーシ枠より突設した支点軸により、一体的に回動可能に構成したので、強固なシャーシ枠により支点軸を支持できるため、前記穀粒排出装置においても穀粒タンクを迅速かつ確実にオープンすることができ、コンバイン内部の保守管理作業の容易化を図ることができるのである。
【0058】請求項3のように、請求項2記載の支点軸を、脱穀部又は該脱穀部を保持する部材により支持するので、支点軸の支持を一層強化することができる。
【0059】請求項4のように、請求項2又は請求項3記載の穀粒排出装置の本体先端部には、排出口を回動自在に設け、該排出口は、穀粒排出装置の傾動角度にかかわらず手動又は自動で略水平に制御可能な構成にすると共に、該排出口又は排出口近傍には、穀粒を下方に誘導可能なガイドホースを連接させるので、排出時の穀粒の飛散等を防ぎ、目標位置に確実に排出することができ、また、自在に屈曲・伸縮可能なガイドホースを使用すれば、この目標位置の変更も容易に行うことができるのである。
【0060】請求項5のように、 請求項2又は請求項3又は請求項4記載の穀粒排出装置の排出駆動の入切を行うクラッチスイッチは、穀粒排出装置又は穀粒排出装置近傍に配設するので、排出状況を近くで逐一確認しながらクラッチスイッチを入切することができるため、できるだけ多くの穀粒を排出したい場合などのように、きめ細かな駆動操作が要求される作業でも、的確に対応することができる。さらに、穀粒排出装置内での穀粒詰まりなどのトラブルの発生に対しても、近くで逐一確認できるため、トラブルを未然に防止することができ、たとえ、トラブルが発生した場合であっても、迅速に対応することができる。
【0061】請求項6のように、コンバインにおいて、底部にスクリュー式の搬出コンベアを軸装した穀粒タンクと、前記搬出コンベアに下部を連結連通すると共に穀粒タンク背面に固設した穀粒排出装置とを設け、該穀粒排出装置と穀粒タンクとを、穀粒排出装置に設けた支点軸により、一体的に回動可能に構成したので、軸受けは直接、穀粒排出装置に設けられ、穀粒タンクより複雑な形状に延出された回動ステーの先部に軸受けを設ける必要がなく、部品点数の低減だけでなく、支持強度の強化も図ることができるのである。
【0062】請求項7のように、請求項6記載の穀粒排出装置の側壁を、穀粒タンク背面の側壁の一部で兼用するので、部品点数を減少させ、組み立て性の向上を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【識別番号】391025914
【氏名又は名称】八鹿鉄工株式会社
【出願日】 平成12年5月24日(2000.5.24)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−327216(P2001−327216A)
【公開日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【出願番号】 特願2000−152418(P2000−152418)