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【発明の名称】 穀粒排出装置
【発明者】 【氏名】河野 健治

【氏名】土居 義典

【氏名】内田 博也

【氏名】岡崎 秀範

【要約】 【課題】オーガ受けに収納中の排穀オーガが伸縮するおそれのない穀粒排出装置を提供すること。

【解決手段】穀粒排出用の伸縮螺旋を内部に有するオーガ5の不使用時にオーガ5を収納する断面凹部形状のオーガ受け35にオーガ5が収納されることを検出して、オーガ5の伸縮を禁止する伸縮禁止センサ45を取り付ける。伸縮禁止センサ45が排穀オーガ5が収納されたことを検知すると、排穀オーガ伸縮用駆動モータ24(図4)の駆動が禁止され、排穀オーガ5の伸縮が禁止される。こうして、オーガ受け35に排穀オーガ5が収納された状態では排穀オーガ5が伸縮することができないため、オーガ受け35及び排穀オーガ5が損傷することがない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒排出用の伸縮螺旋を内部に有するオーガと、該オーガの不使用時にオーガを収納する断面凹部形状のオーガ受けとを備えた穀粒排出装置において、オーガ受けには、排穀オーガが収納されることを検出して、排穀オーガの伸縮を禁止する伸縮禁止センサを取り付けたことを特徴とする穀粒排出装置。
【請求項2】 排穀オーガがオーガ受けに収まる限界の位置まで下降したときの排穀オーガの中心軸を通る垂線より、オーガ受けの断面凹部形状の端部側に先端が伸びるような長さを有し、オーガ受けに収納される排穀オーガの重みで作動するセンサーバーを設けたことを特徴とする請求項1記載の穀粒排出装置。
【請求項3】 走行装置上に穀稈を刈り取る刈取装置と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置と脱穀して得られた穀粒を一次的に貯蔵するグレンタンクとグレンタンク内の穀粒を順次排出する請求項2記載の穀粒排出装置を備えたコンバインにおいて、伸縮禁止センサはセンサーバーの基部を脱穀装置側のオーガ受けの側面に取り付けたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインや穀粒専用運搬車などの穀粒排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のコンバインの穀粒排出装置は、図20に示す本出願人の先発明(特開平9−54号)に開示したように、穀粒を一時貯留するグレンタンク3の底部に水平方向に穀粒を搬送する底部螺旋10を設け、該底部螺旋10に連接して縦方向に穀粒を搬送し、かつ縦軸回りに旋回自在の揚穀筒4と、該揚穀筒4に連接して横方向に穀粒を搬送し、上下昇降自在で、かつ長さ方向にズーム伸縮自在の固定搬送筒6と移動搬送筒7とからなる排穀オーガ5を設ける構成になっている。
【0003】そして、排穀作業時に排穀すべき位置にオーガ排出口9を配置するために、揚穀筒4を旋回し、固定搬送筒6と移動搬送筒7を昇降し、かつ移動搬送筒7をズーム伸張あるいはズーム短縮し、また、刈取り作業時、路上走行時など排穀作業を行わないときには、移動搬送筒7をズーム短縮させてコンバイン上のオーガ受け35に着座、収納する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のコンバインにおいて、排穀オーガ5による排穀運転時には、固定搬送筒6と移動搬送筒7を昇降し、かつ移動搬送筒7をズーム伸張あるいはズーム短縮してオーガ排出口9から排穀するが、このとき固定搬送筒6と移動搬送筒7内に設けられた搬送螺旋14の回転により穀粒がオーガ排出口9に向けて順次搬送される。
【0005】排穀オーガ5による排穀運転をしないときは排穀オーガ5はオーガ受け35に収納されるが、オーガ受け35に収納中の排穀オーガ5が伸縮すると、排穀オーガのみならすオーガ受けも損傷を受けるおそれがあるが、従来のそのような不具合に対する対策は講じられていなかった。
【0006】そこで、本発明の課題は、オーガ受けに収納中の排穀オーガが伸縮するおそれのない穀粒排出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、次の構成により解決される。
(1)穀粒排出用の伸縮螺旋を内部に有する排穀オーガ5と、該オーガ5の不使用時に排穀オーガ5を収納する断面凹部形状のオーガ受け35とを備えた穀粒排出装置において、オーガ受け35には、オーガ5が収納されることを検出して、排穀オーガ5の伸縮を禁止する伸縮禁止センサ45(図9)を取り付けた穀粒排出装置。
(2)排穀オーガ5がオーガ受け35に収まる限界の位置まで下降したときのオーガ5の中心軸を通る垂線より、オーガ受け35の断面凹部形状の端部側に先端が伸びるような長さを有し、オーガ受け35に収納されるオーガ5の重みで作動するセンサーバー45a(図9)を設けた前記(1)記載の穀粒排出装置。
(3)走行装置上に穀稈を刈り取る刈取装置34と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置37と脱穀して得られた穀粒を一次的に貯蔵するグレンタンク3とグレンタンク3内の穀粒を順次排出する前記(2)記載の穀粒排出装置を備えたコンバインにおいて、伸縮禁止センサ45はセンサーバー45aの基部を脱穀装置側のオーガ受け35の側面に取り付けたコンバイン。
【0008】
【作用】伸縮禁止センサ45(図9)がオーガ受け35に排穀オーガ5が収納されたことを検知すると、伸縮用駆動モータ24(図4)の駆動が禁止され、排穀オーガ5の伸縮が禁止される。こうして、オーガ受け35に排穀オーガ5が収納された状態では排穀オーガ5が伸縮することができないため、オーガ受け35及び排穀オーガ5が損傷することがない。また、排穀オーガ5をオーガ受け35に自動収納する際に、排穀オーガ5の短縮が間に合わないときはオーガ受け35に収納されてからも排穀オーガ5が短縮を続けてオーガ受け35を壊すおそれがあるが、伸縮禁止センサ45を設けることにより、オーガ受け35を壊すことはなくなる。
【0009】上記伸縮禁止センサ45のセンサーバー45aの長さは、図11に示すように、排穀オーガ5がオーガ受け35に収まる限界の位置(図11(a)で参考線で示す排穀オーガ5の位置)まで下降して来た排穀オーガ5の中心軸を通る垂線(図11(a)の仮想線X)より、オーガ受け35の受け部材35aの端部側に先端が伸びるような長さのセンサーバー45aを設ける。こうして排穀オーガ5の伸縮禁止範囲が大きくなり、オーガ受け35を壊すおそれがない。
【0010】オーガ受け35は図10にその側面図を示すようにグレンタンク3側と脱穀装置37側にオーガ受け部材35aの側面があるが、その脱穀装置37側の受け部材35aの側面をグレンタンク3側の側面より長くする。その理由は伸縮自在の排穀オーガ5の外部に取付けられたローラなどの部品があるため、オーガ受け35に収納時には排穀オーガ5が背の高いグレンタンク3と干渉しないように、オーガ受け35の中央垂線Oより排穀オーガ5の中心軸線を通る垂線Xを脱穀装置37側に所定の長さLだけずらして下降させることができるからである。このようにオーガ受け35の脱穀装置37側の受け部材35aの側面をより長くすることで排穀オーガ5を収納しやすくすることができる。
【0011】また、排穀オーガ5に取り付けている多くの部品が、グレンタンク3と干渉しないように脱穀装置37側にずらして排穀オーガ5を下降させるように調整しているので、伸縮禁止センサ45の基部を脱穀装置37側の受け部材35aの側面に取り付けることで伸縮禁止センサ45が確実に動作する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下図面と共に説明する。図1は本発明のコンバインの左側面図であり、図2はコンバインの正面図であり、図3はコンバインの右側面図である。また、図4はコンバインの排穀用のオーガ部分の構造を説明する図である。
【0013】図1ないし図3を参照して、コンバインの機能の概略を説明する。コンバインは、クローラ1を有する車台2の上に操縦席40を設けて、該操縦席40においてオペレータが操縦、操作して圃場に植立する穀稈を刈り取る刈取装置34、この刈り取られた穀稈を供給搬送装置で搬送した後、これを脱穀する脱穀装置37、脱穀された穀粒を収容するグレンタンク3、このグレンタンク3の底部に設けた底部螺旋10(図4)によって後方へ排出される穀粒をコンバインの外部へ搬送する排穀オーガ5などから構成される。
【0014】排穀オーガ5は、底部螺旋10の後端部に連接されて上方へ搬送する揚穀筒4および揚穀筒4に連接され、横方向へ穀粒を搬送する固定搬送筒6、移動搬送筒7などからなる。移動搬送筒7の先端にはオーガ排出口9が設けられている。
【0015】図1に示すコンバインは、車台2の下部にゴムなどの可撓性材料を素材として無端帯状に成型した左右一対のクローラ1を持ち、乾田はもちろんのこと、湿田においてもクローラ1が若干沈下するだけで自由に走行できる構成の走行装置を備え、車台2の前部には刈取装置34を搭載し、車台2の上部には図示しないエンジンならびにグレンタンク3、脱穀装置37、操縦席40を備えている。
【0016】コンバインのグレンタンク3に貯留された穀粒は底部螺旋10から排出されるが底部螺旋10は、図4に示すように、グレンタンク3の底部に軸装して設け、始端側を機外の伝動軸11にクラッチ装置12を介して連結し、終端側を揚穀筒4の下部まで延長して、内装している揚穀螺旋13の下端部に接続して構成している。
【0017】そして、排穀オーガ5(図4)は、前記揚穀筒4の上部に上下方向へ昇降自由に接続する固定搬送筒6と、これに接続する移動搬送筒7とから構成されているが、以下、その構成を具体的に説明する。
【0018】まず、固定搬送筒6は、図4に示すように、基部を前記揚穀筒4の上部に連結し、先端部を外方に延長して設け、その筒内には、始端部を前記揚穀螺旋13に接続した搬送螺旋14を内装して、揚穀筒4から受け継いだ穀粒を搬送する構成としている。
【0019】移動搬送筒7は、図4に示すように、先端部にオーガ排出口9を開口して設け、基部側を前記固定搬送筒6の先端側から挿入嵌合して摺動自由に転結している。また、伸縮螺旋15は図4に示すように移動搬送筒7内において、先端部をオーガ排出口9の上方位置に軸受して後部を固定搬送筒6側に延長して前記搬送螺旋14の軸内に摺動自由に挿入した伝動軸16を軸架して設け、この伝動軸16に多数の螺旋単体17(図5)を摺動自由に嵌合して相互の間隔を調節できるように構成している。
【0020】また、図4に示すように、伸縮駆動装置23は揚穀筒4の上部位置に装備した伸縮用駆動モータ24に減速装置を介して螺旋軸25の基端部を連結して強制駆動する構成としている。そして、移動装置26は上記螺旋軸25の螺旋溝に係合している伝動ピンを介して、強制的に軸方向に移動するように設け、前記固定搬送筒6の基部側に一体的に連結して構成している。
【0021】なお、伸縮駆動装置23は、図4に示すように、排穀オーガ5の最縮側と最伸張側とにそれぞれリミットセンサS1、S2を設け、前記移動装置26がリミットセンサS1またはリミットセンサS2に達すると伸縮用駆動モータ24を自動停止する構成としている。
【0022】また、移動搬送筒7の先端部の位置が種々変化し得るが、排穀オーガ5の先端部の位置はズームオーガの長さの中間位置でオーガ受け35に収納される場合が多い。
【0023】なお、伸縮用駆動モータ24は、操縦席40の操作パネル(図示せず)に設けたスイッチ(伸縮スイッチ)のオン操作に基づいて、正転または逆転方向に駆動されて螺旋軸25を回転駆動する構成とし、螺旋軸25が正転すれば、係合している移動装置26を介して移動搬送筒7を伸張し、逆転すれば縮小方向に強制的に移動する構成としている。
【0024】このようにして、移動搬送筒7は固定搬送筒6に嵌合した状態で固定搬送筒6に沿って伸び縮みして、先端部のオーガ排出口9の位置を、排穀オーガ5の基部の揚穀筒4に対して、遠ざけたり、近づけたり調節して穀粒の落下位置を選択できる構成としている。
【0025】なお、図4において、昇降油圧シリンダ27は排穀オーガ5を昇降させ、オーガ旋回モータ28はその回転軸に設けられた旋回ギア29にかみ合う揚穀筒4の外周部に設けられた駆動ギヤ30を介して揚穀筒4の旋回を行う。
【0026】そして、支持ローラ31は図4に示すように移動搬送筒7の基部位置の下部に軸架して設け、固定搬送筒6の周面を転動しながら支持する構成にしている。また、移動搬送筒7の基部位置の上部には、案内車輪32を設け、該案内車輪32を案内する案内レール(図示せず)を固定搬送筒6の長手方向に設けている構成である。
【0027】前述のごとく構成されたコンバインを作業させながら前進させると、植立穀稈はコンバイン作業としては刈取装置34(図1)により刈り取られ、その後、脱穀装置37の始端部へと搬送され、フィードチェン38で搬送されながら脱穀選別される。脱穀装置37で脱穀選別された穀粒は、グレンタンク3内へ一時貯留され、該グレンタンク3内の穀粒が満杯になると、オーガ受け35(図4)から排穀オーガ5を離脱させて、該排穀オーガ5からトラック等の荷台へと穀粒を排出する。
【0028】このとき、オーガ排出口9の位置が短い場合には、移動搬送筒7を伸ばして、より遠くへと穀粒を排出するようにする。また、移動搬送筒7を伸縮させて、穀粒をトラック荷台へ均一に排出するようにする。このようにして、グレンタンク3内の穀粒を排出し終えると、排穀オーガ5を再びオーガ受け35へと収納する。
【0029】図4に示す移動搬送筒7の伸縮螺旋15は合成樹脂製の複数の螺旋単体17からなっている。図5には螺旋単体17の斜視図を示す。図6には螺旋単体17の別の角度から見た斜視図を示す。図7には、複数の螺旋単体17が連結しながら、互いに最も離れた状態の伸縮螺旋15を構成する側面図を示し、図8には複数の螺旋単体17が連結しながら、互いに最も近づいた状態の伸縮螺旋15を構成する側面図を示す。
【0030】螺旋単体17は、図5、図6に示すように前記伝動軸16(図7)に摺動自由に嵌合する外周部が円筒状の軸受ボス18と、その外周面に支持固定され、軸受ボス18の外周をほぼ一周するスパイラル形状の螺旋体20と該螺旋体20を軸受ボス18に接続するためのスペーサ19とからなる。スペーサ19は軸受ボス18の両端部に接続され、かつ、その外周面のほぼ両端部に螺旋体20が接続固定されている。スペーサ19は軸受ボス18に螺旋体20を接続固定するための接続部分を構成し、また複数の螺旋単体17を連結しながら、かつ互いに離れたり、接近したりすることができる構成になっている。
【0031】そのため、スペーサ19は螺旋体20と同じく軸受ボス18の外周をほぼ一周するようにスパイラル状になっており、図7に示すように、複数の螺旋単体17が連結しながら、互いに最も離れた状態にある時には、互いに隣接するスペーサ19の肉厚部19a(図5)同士と係合可能になっている。また、軸受ボス18の長さAは図5に示すように、スペーサ19の長さBの約半分であり、またスペーサ19の内径を軸受ボス18の外径より若干大きくしているので、複数の螺旋単体17は図8に示すように螺旋体20が隣接の螺旋体20に最も接近したときには、隣接の軸受ボス18との間に間隔ができないように近接させることができる。このとき軸受ボス18の外周とスペーサ19の内周の間にある穀粒はスペーサ19に設けた孔19bから外部に逃がすことができる。
【0032】図9にオーガ受け35の側面図を示すが、オーガ受け35に排穀オーガ5が伸縮することを禁止する伸縮禁止センサ45を取り付ける。オーガ受け35は断面凹部形状の受け部材35aと、該受け部材35a上に設けられたゴム製の弾性部材35bからなっており、この弾性部材35b上に不使用時の排穀オーガ5が収納される。伸縮禁止センサ45の基部はオーガ受け35の受け部材35aの側面に設けられ、その基部に設けられたバネ(図示せず)と、該バネで常時上方に付勢され、オーガ受け35の断面凹部形状を横切る方向に伸びているセンサーバー45aからなり、排穀オーガ5がオーガ受け35に収納されたとき、排穀オーガ5の重みで伸縮禁止センサのセンサーバー45aがバネの付勢力に抗して下方に押されることで、図示しないスイッチをオンさせる等の機構でオーガ受け35に排穀オーガ5が収納されたことを検知する装置である。伸縮禁止センサ45がオーガ受け35に排穀オーガ5が収納されたことを検知すると、移動搬送筒7の伸縮用駆動モータ24(図4)の駆動が禁止され、排穀オーガ5の伸縮が禁止される。伸縮禁止センサ45は図9で説明したバネ方式のものに限らず、ポテンショメータ、その他適宜の機構からなるものを使用することができる。
【0033】オーガ受け35に排穀オーガ5が収納された状態では排穀オーガ5が伸縮することができないため、オーガ受け35及び排穀オーガ5が損傷することがない。また、排穀オーガ5をオーガ受け35に自動収納する際に、排穀オーガ5の短縮が間に合わないときはオーガ受け35に収納されてからも排穀オーガ5が短縮を続けてオーガ受け35を壊すおそれがあるが、伸縮禁止センサ45を設けることにより、オーガ受け35を壊すことはなくなり、オーガ受け35内に排穀オーガ5の存在することを確実に検出することができる。
【0034】また、オーガ受け35は図10にその側面図を示すようにグレンタンク3側と脱穀装置37側にオーガ受け部材35aの側面があるが、その脱穀装置37側の受け部材35aの側面をグレンタンク3側の側面より長くすることが望ましい。
【0035】その理由は、伸縮自在の排穀オーガ5は標準の伸縮しないオーガ(図示せず)と比較して筒径が大きく、また、筒外部にローラなどの部品があるため、オーガ受け35に収納時には排穀オーガ5が背の高いグレンタンク3と干渉しないように、オーガ受け35の中央垂線Oより排穀オーガ5の中心軸線を通る垂線Xを脱穀装置37側に所定の長さLだけずらして下降させるためである。このようにオーガ受け35の脱穀装置37側の受け部材35aの側面をより長くすることで排穀オーガ5を収納しやすくすることができる。
【0036】また、排穀オーガ5に取り付けている多くの部品が、グレンタンク3と干渉しないように脱穀装置37側にずらして排穀オーガ5を下降させるように調整しているので、伸縮禁止センサ45の基部を脱穀装置37側の受け部材35aの側面に取り付けることで伸縮禁止センサ45が確実に動作する。
【0037】伸縮禁止センサ45のセンサーバー45aの長さは次の通りとすることが望ましい。図11のオーガ受け35の側面図に示すように、排穀オーガ5がオーガ受け35に収まる限界の位置(図11(a)で参考線で示す排穀オーガ5の位置)まで下降して来た排穀オーガ5の中心軸を通る垂線(図11(a)の仮想線X)より、オーガ受け35の受け部材35aの端部側に先端が伸びるような長さのセンサーバー45aを設ける。こうして排穀オーガ5の伸縮禁止範囲が大きくなり、オーガ受け35を壊すおそれがなくなる。
【0038】図11(b)に示すように排穀オーガ5の中心軸を通る垂線(図11(a)の仮想線X)に先端が達しない長さのセンサーバー45xを用いる場合には、排穀オーガ5がオーガ受け35にすべり落ちるとき、センサーバー45xがつっかえ棒になってしまう可能性がある。また、このような短いセンサーバー45xを用いると、排穀オーガ5の伸縮禁止範囲が小さくなり、オーガ受け35を壊す可能性がある。
【0039】図12のオーガ受け35の斜視図に示すようにオーガ受け35に排穀オーガ5が近づくことを検知できる近接センサ46をオーガ受け35に取り付けると、接触型のセンサに比べて、部品点数が少なくなりコストが少なくて良い。また近接センサ46は赤外線センサ、磁気センサなどの非接触センサからなるため、排穀オーガ5表面を傷つけることもない。
【0040】また、図13の斜視図に示すように螺旋単体17の螺旋体20の両側の端面20aが鋭角構造になるようにすることにより、各螺旋単体17の螺旋体20が籾(穀粒)の流れをスムーズに引き継ぐことができ、効率的に籾の搬送が可能となる。
【0041】以下、螺旋単体17を金属製とした場合の本発明の実施の形態についた説明する。図14(図14(a)は金属製の螺旋単体の短縮時の状態を表し、図14(b)は金属製の螺旋単体の伸張時の状態を表す。)に示すように軸受ボス18とプレート47と螺旋体20からなる螺旋単体17のスペーサ19の両端にカギ状の突起47aを持つ構成とすると、部品点数が少ない螺旋単体17が得られる。また、軸受ボス18とプレート47を溶接しただけでも伸縮動作が可能であり、螺旋体20の工作精度によることなく、安定した製品を得ることが出来る。
【0042】図15(a)に示す金属製の螺旋単体17の表面全体にメッキを施す。従来は図15(b)に示すように摺動性向上のため、軸受ボス18にのみメッキを施していたが、条件の悪い環境で使用を続けていると、プレート47、螺旋体20からサビが発生し、それが伝動軸(図示せず)に落下して螺旋単体17の摺動性が低下する欠点があった。
【0043】しかし、図15(a)に示すように金属製の螺旋単体17の表面全体にメッキを施すことで、サビが発生しないため摺動性の低下がなく、耐久性が大幅に向上する。
【0044】また、移動搬送筒7の固定搬送筒6側の端部側にある螺旋単体17の金属製の螺旋体20の表面には窒化処理を施すことで固定搬送筒6からの引き継ぎ部の移動搬送筒7の螺旋体20の摩耗を防ぎ、耐久性が大幅に向上する。
【0045】以上は、オーガ受け35に収納されるときに排穀オーガ5が伸縮することを禁止する必要がある場合の説明を中心に行ったが、オーガ受け35に収納された後に排穀オーガ5を伸縮することが避けられない場合の対策について説明する。
【0046】前記したような状況では、オーガ受け35には図16のオーガ受け35の側面図に示すようにオーガ受け35のオーガ受け底部にローラ35cを設けておくことで対応できる。
【0047】オーガ受け35のオーガ受け底部にローラ35cを設けると、オーガ受け35上でも金属製又は合成樹脂製の排穀オーガ5を伸縮させることができ、オーガ受け35の損傷、排穀オーガ5の表面の塗装のはがれなどを防止することができる。そのため、図9などのオーガ受け35の構成で伸縮禁止センサ45を設けること又はオーガ受け35上で排穀オーガ5が伸縮しないようにするコントローラ(図示せず)を設置するコストが不要になる。
【0048】また、オーガ受け35に設けたローラ35cの表面を合成樹脂でコーティングしておくと、オーガ受け35上で排穀オーガ5が伸縮した場合にも排穀オーガ5表面の塗装を傷付けることがない。また排穀オーガ5をオーガ受け35上に収納する時の衝撃による排穀オーガ5の変形も防ぐことができる。
【0049】金属製の伸縮性の排穀オーガ5に限らないが、図16に示すローラ35cを設けたオーガ受け35を用いる場合には、図17のフローチャートに示すように排穀オーガ5をオーガ受け35に収納するにあたり、排穀オーガ5がオーガ受け35に向けて下降する際に排穀オーガ5が縮みきっていない場合は一旦、短縮操作を中止し、オーガ受け35に排穀オーガ5が収納された後に、短縮動作を再開する構成にする。
【0050】排穀オーガ5がオーガ受け35に対してずれて下降してきた場合は、ローラ35c以外の部位と接触し、その時、縮み運動によりオーガ受け35と排穀オーガ5本体が損傷する。そこでオーガ受け35に設けたローラ35cの特徴を最大限に生かすため、オーガ受け35に収納後に排穀オーガ5が短縮するようにする。
【0051】図17のフローチャートで排穀オーガ5をオーガ受け35に収納するための動作が始まると、排穀オーガ5が旋回して予め設定されているオーガ受け35の真上に排穀オーガ5が来ると(オーガ旋回モータ28(図4)付属のポテンショメータにて検出することができる)、スイッチS1(図4)に移動搬送筒7の端部が接続することで排穀オーガ5が最縮位置にあることを検出できるが、排穀オーガ5が最縮位置にあることが分かると、排穀オーガ5がオーガ受け35に収納されるまでの所定時間だけ下降させた後、昇降油圧シリンダ27(図4)の駆動を停止させる。
【0052】また排穀オーガ5が最縮位置にまだ来てない場合には、排穀オーガ5の短縮動作を行う伸縮用駆動モータ24の駆動を一旦停止させた後、排穀オーガ5がオーガ受け35に収納されるまでの所定時間だけ下降させた後、下降動作を停止させる。そしてオーガ受け35に収納された排穀オーガ5を最縮位置にまで短縮させる動作を再開する。このとき排穀オーガ5はオーガ受け35のローラ35cの回転により抵抗無くスムーズに最縮位置にまで短縮させることができる。
【0053】図18に示すように、排穀オーガ5の移動搬送筒7(固定搬送筒6でも同様)の先端部(開口部9側)にある螺旋単体17’の螺旋体(図示せず)の最大径は長さDとし、螺旋体と移動搬送筒7の内周面との隙間は長さsとし、その他の移動搬送筒7(固定搬送筒6でも同様)内の螺旋単体17の螺旋体(図示せず)の最大径を長さd、その螺旋体と移動搬送筒7の内周面との隙間は長さSそして、長さDと長さd及び長さsと長さSの間にはそれぞれ次のような関係が成立するように設計する。D>d及びS>s【0054】上記の関係が成立する構成を移動搬送筒7に適用すると、移動搬送筒7の先端部の前記隙間の長さsが小さいので、この隙間の長さs部分に籾(穀粒)が入らないので、刈取作業中にこの部分から籾が外部に落下する不具合はない。また、移動搬送筒7の先端部以外の前記隙間の長さSは比較的大きいので、ここに籾が入り込んでも螺旋体と移動搬送筒7の内周面とが干渉して異音の発生することはない。
【0055】従来の排穀オーガ5の移動搬送筒7では、その先端部だけでなく全体に螺旋単体17の螺旋体最大径は長さdであり、螺旋体と移動搬送筒7の内周面との隙間は長さSであったので、移動搬送筒7の先端部において隙間は長さSが大きすぎて、この部分に籾が残り、刈取作業中粒が落下する不具合があった。
【0056】また、それを改善するために、排穀オーガ5の移動搬送筒7の全体で螺旋単体17の螺旋体の最大径は長さD、螺旋体と移動搬送筒7の内周面との隙間は長さsとすれば、前記隙間は長さsが小さいので、移動搬送筒7の先端部から籾が外部に落下する不具合はないが、移動搬送筒7の中央部分で螺旋体と移動搬送筒7の内周面とが干渉して異音を発生する不具合があった。
【0057】しかし、上記したように図18の構成により前記従来技術の不具合は解消し、干渉音の発生はなく、また移動搬送筒7の先端部から籾が外へ漏れるのを防止することができる。
【0058】図19には排穀オーガ5(移動搬送筒7)の先端部に取り付けた安全装置の構成を示す(図19(a)は移動搬送筒7の先端部側面一部断面図、図19(b)は移動搬送筒の先端部平面図、図19(c)は図19(a)のA−A線矢視図)。
【0059】排穀オーガ5を伸ばすとコンバインの刈取装置34の最先端部に位置する分草杆(図示せず)の先端より排穀オーガ5の先端がさらに前方に位置するため、刈取作業中の排穀オーガ5の先端に障害物等が突き当たることがあり、排穀オーガ5の破損、障害物の破損等のおそれがあった。
【0060】そこで、図19に示すように排穀オーガ5(移動搬送筒7)の先端の開口部9の適所にエンジン停止用センサ49を取付け、この開口部9の先端が障害物に当たって変形すると変形部分がエンジン停止用センサ49に当たることで、エンジンが停止される。
【0061】こうして、従来の排穀オーガ5であれば障害物に当たれば障害物が壊れるか、オーガ全体が壊れていたが、図19に示すエンジン停止用センサ49を設備することによりエンジン停止が作動するため、排穀オーガ5の破損、障害物の破損を防止できる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成12年5月8日(2000.5.8)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義
【公開番号】 特開2001−314116(P2001−314116A)
【公開日】 平成13年11月13日(2001.11.13)
【出願番号】 特願2000−134429(P2000−134429)