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【発明の名称】 自脱型コンバイン
【発明者】 【氏名】宮本 彰

【氏名】豊田 功

【氏名】新保 喜崇

【氏名】坂田 淳哉

【要約】 【課題】従来のコンバインでは、全長が長く、また排気される粉塵が座席へ流出する、という問題もあった。

【解決手段】前方に刈取部4を配設する自脱型コンバインに、回転軸が左右方向である扱胴31と、該扱胴31後下方に配設され前方に送風を行う唐箕43と、本体前部に配設され楊穀筒20後方に排出口117aが開口している吸排塵ファン47と、刈取部4の回動支点を構成する回動支点ケース103に配設されて刈取部4の駆動軸を兼用する該吸排塵ファンの吸排塵軸102とを、備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設される吸排塵ファンと、軸方向が刈取部の回動支点位置と重複する該吸排塵ファンの駆動軸とを有することを特徴とする自脱型コンバイン。
【請求項2】 前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設される吸排塵ファンと、軸方向が刈取部の回動支点位置と重複し、かつ刈取部の駆動軸を兼用する該吸排塵ファンの駆動軸とを有することを特徴とする自脱型コンバイン。
【請求項3】 前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設され楊穀筒後方に排出口が開口している吸排塵ファンとを有することを特徴とする自脱型コンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの刈取部及び吸排塵ファンの技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自脱型のコンバインでは、刈取部の後方に軸方向が縦方向である扱胴が配設され、扱胴の下方には揺動選別装置があり、その下方には唐箕が配設され、後方へ向けて籾を楊穀等へ搬送する第一コンベア、再度選別を行うべく情報へ搬送を行う第二コンベア、その後方には粉塵を排出する吸排塵ファンが配設されていた。扱胴による脱穀処理を受けるには、円筒部材である扱胴の軸方向に略平行に刈取られた稲が挿入される必要があり、刈取部から稲を搬送する搬送装置は挿入側末端では略水平方向の傾きとなっていた。したがって、刈取部下方から扱胴までの搬送装置は前後方向にコンバイン全体長のうち、かなりの部分を占めていたのである。しかも、籾の選別処理は扱胴より開始されるため、扱胴を基点として籾の選別処理に関わる装置が配置される。従来では、扱胴より後部の車体に該選別処理に関わる装置を配置していたため、コンバインの全長は搬送装置の前後長と扱胴以下の選別処理装置全体がなす前後長とを合わせた長さより長いものとなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このため扱胴以下の選別処理を従来のように、後方に向けて行うのではなく、前方に向けて行い、コンバインの全体長を短縮してコンバイン本体の小型化を実現したいのである。しかしこの場合、選別処理が扱胴より前方へ向けて行われるため、吸排塵ファンが従来と異なり、コンバイン本体前部に配設され、排気される粉塵をそのまま排気しては運転席側に粉塵が降りかかってしまうのである。これに加えて、一層の小型化の促進を図るため、コンバイン本体長の短縮に繋がる改良を加えたいのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。請求項1記載の如く、前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設される吸排塵ファンと、軸方向が刈取部の回動支点位置と重複する該吸排塵ファンの駆動軸とを有するものである。
【0005】請求項2記載の如く、前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設される吸排塵ファンと、軸方向が刈取部の回動支点位置と重複し、かつ刈取部の駆動軸を兼用する該吸排塵ファンの駆動軸とを有するものである。
【0006】請求項3記載の如く、前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設され楊穀筒後方に排出口が開口している吸排塵ファンとを有するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を基に説明する。最初に、コンバインの全体的な構成を説明する。図1はコンバインの全体斜視図、図2は同じく全体側面図、図3はコンバインの脱穀部及び選別部の構成を示す側面図である。
【0008】図1から図3までに示すように、本実施例におけるコンバインの扱胴31はその回転軸心が左右方向に配置され、機体前後方向の長さが短くなるように配設している。このコンバインはクローラ式走行装置1上に機体を支持しており、該クローラ式走行装置1はトラックフレーム2に遊転輪や従動輪等を支持し、該トラックフレーム2に機体フレーム9を固定している。機体フレーム9上に選別部4、その上に脱穀部3が配置され、該脱穀部3は扱胴31やフィードチェーン32より構成され、選別部4は揺動選別装置41や唐箕や流穀板等より構成される。該脱穀部3上にグレンタンク19が配置される。機体前端に刈取部6が配置され、横搬送装置5や引起し装置8や刈刃10や株元搬送装置26や穂先搬送装置27等より構成される。
【0009】前記刈取部6の進行方向右側に操縦部14が配置され、該操縦部14はステップ15の後部に座席16を配置し、前部に操作コラム11を立設し、該操作コラム11上に丸型のハンドル17を配置して操向できるようにし、その側部に主変速レバー18を配置している。前記脱穀部3上にグレンタンク19が配置され、選別後の穀粒が揚穀筒20を経由して投入される。そして、機体後部上にエンジン22が載置され、ミッションケースを介してクローラ式走行装置1を駆動できるようにしている。該エンジン22の側部には排藁処理部21が配置されている。
【0010】次に、各部の構成を詳述する。まず、刈取部6の横搬送装置5の構成について説明する。図4は横搬送装置を具備した刈取部の平面図、図5は横搬送装置と株元搬送装置の受継部分を示す平面図、図6は本発明の係る横搬送装置のタインの正面図、図7は同じく平面図である。
【0011】図4、図5に示すように、横搬送装置5は、複数のタイン51・51・・・と横送りチェーン52等より構成され、該タイン51は横送りチェーン52の外周上に一定間隔をおいて枢支され、該横送りチェーン52を駆動スプロケット54、従動スプロケット55、56に巻回する。駆動スプロケット54は引起し装置を収納する後述の左右引起しケース81L・81R間に配設され、該駆動スプロケット54の左側方に従動スプロケット55を配設し、該従動スプロケット55の斜後方上方に従動スプロケット56を配設し、平面視で、駆動スプロケット54、従動スプロケット55、56の回転軸が鈍角三角形の頂点にくるように配置する。また、このとき、駆動スプロケット54及び従動スプロケット55の前面では横送りチェーン52は刈刃10の刃面と平行となり、該従動スプロケット56は、株元搬送装置26の最前部に配設された駆動スプロケット63の直前方にくるよう配置する。こうして、平面視で、横搬送装置5の横送りチェーン52の回転面と株元搬送装置26の縦送りチェーン62の回転面とをラップさせて構成する。
【0012】そして、駆動スプロケット54と従動スプロケット55との間、及び、駆動スプロケット54と従動スプロケット56の間にガイド杆50を設けて後述するタイン51の基部51bをガイドして、横送りチェーン52が回動されて前方及び左側方位置ではタイン51・51・・・が突出するようにし、後方位置では収納位置となるようにしている。
【0013】このようにして横搬送装置5を刈刃10の斜後方に配置すれば、穀稈はまず刈刃10で刈られ、刈られた稈のみを横搬送装置5により側方へ搬送するため、穀稈を刈り取る際に横搬送装置5により無理に引っ張られることなく、刈刃10での抵抗は生じないのである。また、横搬送装置5の後端部と株元搬送装置26の前端部とをラップさせたことにより、穀稈を前記タイン51・51・・・で引っ掛けて、横搬送装置5から株元搬送装置26へと正確に受け渡し、受継ぎの際の穀稈のこぼれを減らすことができるのである。
【0014】さらに、このような構成の横搬送装置5では従来、各引起しケース毎に備えていた掻込スターホイールや掻き込みベルト等は必要なく、駆動スプロケット54、55、56にタイン51・51・・・を設けた横送りチェーン52を巻回した簡単な構造で、従来に比べて部品点数が減り、その結果、機体総重量の低減化が図れるのである。
【0015】ここで、横搬送装置5のタイン51について説明する。図6及び図7に示すように、前記タイン51は、爪部51aと基部51bとで構成されている。該爪部51aの素材には合成樹脂を使用し、平面視、「へ」字状に形成加工する。そして、該爪部51aの内側に曲げた折曲部51cを回転方向側に向けて、該基部51bを横送りチェーン52に枢結する。
【0016】また、図5に示すように、タイン51・51・・・が従動スプロケット56周りを回るときには、該タイン51の基部51bはガイド杆50から外れ、株元搬送装置26の前端に当接すると進行方向とは逆方向(図5においては前方)に押し倒され、そのまま倒された姿勢を保ちながら旋回する。
【0017】このようにタイン51・51・・・を構成することにより、穀稈を該タイン51の折曲部51cでしっかりと把持して搬送し、搬送途中でも穀稈の零れがないのである。そして、該タイン51・51・・・が株元搬送装置26の前端に当接して急に前方に回動すると、搬送されてきた穀稈はそのまま慣性力で後方へ投げ出されるのである。こうしてタイン51・51・・・の効力を殺し、穀稈を確実に株元搬送装置26へと受け渡しているのである。
【0018】次に、横搬送装置5、引起し装置8、株元搬送装置26、及び穂先搬送装置27等の駆動部をチェーンケース70に収納して構成した刈取部6の別形態の実施例について説明する。図8は刈取部の駆動部を内蔵したチェーンケースの平面図である。
【0019】本形態においては、株元搬送装置26の前部に配設された駆動スプロケット64と穂先搬送装置27の前部に配設された駆動スプロケット67とを回転軸74aに周設し、また、該回転軸74aに縦搬送装置駆動スプロケット74を周設する。
【0020】そして、該縦搬送装置駆動スプロケット74の斜後方右側には刈取部駆動第二軸100からの入力スプロケット72を配設し、該入力スプロケット72の前方には横搬送装置駆動スプロケット77を配設し、該横搬送装置駆動スプロケット77の左方には引起し装置駆動スプロケット75を配設し、平面視で、入力スプロケット72の駆動軸72a、横搬送装置駆動スプロケット77の回転軸77a、引起し装置駆動スプロケット75の回転軸75aとが鋭角三角形の頂点にくるように配置し、縦搬送装置駆動スプロケット74は入力スプロケット72と引起し装置駆動スプロケット75との中間位置に配置する。
【0021】また、入力スプロケット72と縦搬送装置駆動スプロケット74との中間位置には従動スプロケット73を配設し、引起し装置駆動スプロケット75と横搬送装置駆動スプロケット77との中間位置には従動スプロケット76を配設し、横搬送装置駆動スプロケット77と入力スプロケット72との中間位置には従動スプロケット78を配設する。そして、前記入力スプロケット72乃至78にチェーン71を巻回し、チェーンケース70に収納する。
【0022】尚、前記縦搬送装置駆動スプロケット74の回転軸74aはチェーンケース70の外側に突出させており、該回転軸74aの突先に株元搬送装置26の駆動スプロケット64、及び穂先搬送装置27の駆動スプロケット67とを配設した構成である。また、同様に、前記チェーンケース70の外側に入力スプロケット72の駆動軸72a、横搬送装置駆動スプロケット77の回転軸77a、引起し装置駆動スプロケット75の回転軸75aを突出させ、該駆動軸72aの突先にはウォーム79を周設し、該回転軸77aの突先には駆動スプロケット57を周設し、該回転軸75aの突先には駆動スプロケット82を周設する。
【0023】前記ウォーム79の後方には刈取部駆動第二軸100が横設され、該刈取部駆動第二軸100の後方には前後方向に前記刈取駆動軸104が配設されている。そして、該刈取駆動軸104の前端に固着しているべベルギヤ104bは刈取部駆動第二軸100中途部に固着しているべベルギヤ107aと噛合している。また、該刈取部駆動第二軸100の右端にはウォームホイール100bが固着しており、該ウォーム79と該ウォームホイール100bとが噛合し、減速して入力スプロケット72を駆動している。
【0024】そして、前記株元搬送装置26の駆動スプロケット64の斜前方左側には従動スプロケット65を配設し、また、該駆動スプロケット64の斜後方左側には従動スプロケット66を配設し、スプロケット64、65、66及び株元搬送装置26後端の図示せぬ従動スプロケットとを縦送りチェーン60により巻回する。
【0025】また、株元搬送装置26の上方にあっては、前記穂先搬送装置27の駆動スプロケット67の斜前方左側には従動スプロケット68を配設し、また、該駆動スプロケット67の斜後方左側には従動スプロケット69を配設し、スプロケット67、68、69及び穂先搬送装置27後端の図示せぬ従動スプロケットとを縦送りチェーン61により巻回する。
【0026】そして、前記横搬送装置5の駆動スプロケット57の前方に従動スプロケット58を配設し、該従動スプロケット58の左方に従動スプロケット59を配設し、平面視で、駆動スプロケット57、従動スプロケット58、59の回転軸が鈍角三角形の頂点にくるように配置してタイン51・51・・・を植設した横送りチェーン53を巻回する。また、該従動スプロケット59は、株元搬送装置26の最前部に配設された従動スプロケット65、及び穂先搬送装置27の最前部に配設された従動スプロケット68の直右方にくるよう配置する。こうして、平面視で、横搬送装置5の横送りチェーン53の回転面と株元搬送装置26の縦送りチェーン60の回転面、及び穂先搬送装置26の縦送りチェーン61の回転面とをラップさせて構成する。
【0027】また、前記引起し装置8の駆動スプロケット82と引起し装置8前端の図示せぬ従動スプロケットとを図示せぬタインを植設した引起しチェーン81により巻回する。
【0028】このようにしてチェーンケース70を配設することにより、該チェーンケース70を基部として、各搬送装置5、8、26、27や分草板7を釣支するパイプ、刈刃10等を取り付けることができ、強固な躯体構造を形成することができる。また、入力スプロケット72からの入力に対して1本のチェーン71により、各搬送装置5、8、26、27の駆動スプロケット74、75、77を駆動しているので、ウォームとウォームホイールとを噛み合わせて減速し、入力スプロケット72の回転数を落とすだけで、容易に各搬送装置5、8、26、27の駆動スプロケット74、75、77の回転数を変えることができるのである。
【0029】次に、このような刈取部6における駆動伝達構成について説明する。図9は刈取部の駆動構成を示す平面断面図である。
【0030】図1に示すように、刈取部6は、引起し装置8の前端に三角形状の分草板7が配置され、該分草板7の後方に刈刃10が配置され、そして、該刈刃10のやや後方上方に横搬送装置5が配設される。
【0031】そして、図9に示すように、後述する吸排塵駆動軸102の一端に固着している駆動プーリー101に伝達された動力は、コンバイン本体に前後方向回動可能に軸支されている刈取回動支点ケース103へ入力される。吸排塵駆動軸102は刈取回動支点ケース103内部でべベルギヤ102bを固着しており、刈取駆動軸104の一端と固着しているべベルギヤ104aと噛合している。また吸排塵駆動軸102は、刈取回動支点ケース103に回動自在に軸支されている。刈取駆動軸104は外周をアーム105によって覆われ、刈取回動支点ケース103から横搬送装置5後下方に配設されている刈取軸ケース106に、駆動力を伝達可能としている。
【0032】刈取軸ケース106内部で、刈取駆動軸104の他端に固着しているべベルギヤ104bは横搬送駆動軸107の左端に固着しているべベルギヤ107aと噛合している。横搬送駆動軸107の中途部にはウォームホイール107bが固着しており、横搬送装置5の前記駆動スプロケット54と同軸に固着されるウォーム108と噛合して、横搬送装置5を駆動可能としている。
【0033】横搬送駆動軸の右端に固着しているべベルギヤ107cは、伝達軸109の後端に固着しているべベルギヤ109aと噛合している。また伝達軸109は前部で、横搬送装置5下方に配設される三軸ケース110に入力し、伝達軸109前端にはべベルギヤ109bを固着している。三軸ケース110内には、左右方向に伝達軸111が回動自在に延設され、伝達軸111に固着しているべベルギヤ111aは伝達軸109前端のべベルギヤ109bと噛合している。
【0034】刈刃10は上刃10a、下刃10b及び上刃10aと固着する揺動部材10cより構成され、上刃10aは固定金具により左右方向揺動可能に支持固定され、下刃10bはコンバイン本体と固着している。図9に示すように、伝達軸111はべベルギヤ111a右方でも図示せぬベベルギヤを固着しており、該ベベルギヤと噛合するベベルギヤを上端に設けた刈刃駆動軸が伝達軸111下方に配設され、該刈刃駆動軸の回転運動は図示せぬクランク機構により揺動部材10cを左右方向に揺動させるのである。
【0035】また、伝達軸111の左端に固着しているベベルギヤ111bは引起し用駆動軸112下端に固着しているベベルギヤ112aと噛合しており、引起しケース81Lへ駆動力を伝達可能としている。また、ベベルギヤ111aは図示せぬ引起し用駆動軸と固着しているベベルギヤと噛合しており、引起しケース81Rへ駆動力を伝達している。
【0036】次に、前記刈取部6等の各駆動部へのエンジン22からの動力伝達経路について説明する。図10は三軸駆動ケースを示す平面断面図である。
【0037】図3に示すように、エンジン22より出力される動力は、図示せぬHST(無断変速装置)を介してミッションケース200に入力する。ミッションケース200の出力軸は唐箕43の唐箕駆動軸120を兼ねており、ミッションケース200の右方で唐箕43に入力し、ミッションケース200より左方に延出して左端に駆動プーリー121を固着している。駆動プーリー121上方には、扱胴、縦搬送装置、フィードチェーンの駆動に関わる駆動プーリー122が配設され、駆動プーリー121前方には一番コンベア44の駆動に関わるプーリー123及び、二番コンベア46の駆動に関わるプーリー124が配設されている。駆動プーリー121・122・123・124はベルト125を巻回しており、プーリー126・127・128によってたるみを防止して、駆動力を伝達している。これらのプーリー、ベルトはコンバイン本体の左側に位置している。また、二番コンベア46の駆動軸155は左端でプーリー124と固着すると共に、右端でプーリー156と固着している。駆動プーリー156の上方には吸排塵ファン47や前記刈取部6の駆動に係わる駆動プーリー101が配設され、駆動プーリー101後方にはプーリー129が配設されている。駆動プーリー101・124、プーリー129はベルト130を巻回しており、プーリー131によってたるみを防止して、駆動力を伝達している。したがって、これらプーリー、ベルトはコンバイン本体の右側に位置しているのである。
【0038】図2、図10に示すように、前記駆動プーリー122は、入力軸132と固着しており、入力軸132の右部は三軸駆動ケース133内に貫入している。三軸駆動ケース133内部で入力軸132はギヤ134を固着しており、扱胴駆動軸31aの左端に固着しているギヤ136と噛合している。扱胴駆動軸31aは三軸駆動ケース133右方に延出されており、扱胴31と固着して、扱胴31を回動可能にしているのである。続いて、ギヤ136は伝達軸137の右端に固着しているギヤ138と噛合しており、伝達軸137の左端に固着しているウォーム139は後方に向けて延設されているFC駆動軸140前端に固着しているウォームホイール141と噛合している。FC駆動軸140は三軸駆動ケース133後方へ延出して、後端でスプロケット142と固着しており、フィードチェーン32を駆動可能としている。なお、入力軸132、扱胴駆動軸31a、伝達軸137、FC駆動軸140はいずれもベアリングによって三軸駆動ケース133に軸支されており、駆動プーリー122からFC駆動軸140への動力伝達を可能としている。
【0039】次に、縦搬送装置12の回動支点及び駆動軸について説明する。図11はA−A切断線における三軸駆動ケースを示す側面断面図、図12はB−B切断線における三軸駆動ケースを示す側面断面図である。
【0040】図2、図10に示すように、前記三軸駆動ケース133内部において、FC駆動軸140後部に固着しているベベルギヤ143は、縦搬送回動支点軸144右端に固着しているベベルギヤ145と噛合している。なお、縦搬送回動支点軸144はFC駆動軸140左方に延設されており、側面視では重複するのである。縦搬送回動支点軸144左端に固着しているベベルギヤ146は、縦搬送回動支点軸144左方で略上方に延出している縦搬送駆動軸147下端に固着しているベベルギヤ148と噛合している。図10のA−A切断線における側面断面図である図11に示すように、該縦搬送駆動軸147上端には駆動プーリー149が固着しており、株元搬送装置26を構成する駆動プーリー149及び図示せぬプーリー、それらのプーリーを巻回するベルト150とを駆動可能に構成している。
【0041】そして、図10、図11に示すように、三軸駆動ケース133後部では左方に向けて、縦搬送回動支点軸144を覆うように円筒形状である回動支点部133aが、縦搬送回動支点軸144を中心軸として三軸駆動ケース133と一体的に設けられている。また、図10のB−B切断線における側面断面図である図12に示すように、縦搬送駆動軸147を軸支する縦搬送ケース151が、回動支点部133a内部にて前後回動可能に枢支されている。縦搬送ケース151は縦搬送駆動軸147を軸支する円錐台形状である軸支部151aと、回動支点部133aに枢支される軸方向を縦搬送回動支点軸144と一致させる円筒形状の枢支部151bとが上下に固着して構成されており、枢支部151b内部にて縦搬送回動支点軸144を軸支している。このため回動支点部133a上部には、長孔133bを前後方向に向けて穿設して、縦搬送ケース151を前後回動可能かつ三軸駆動ケース133と一体的構成としているのである。したがって三軸駆動ケース133は、扱胴駆動軸31a、FC駆動軸140、縦搬送駆動軸147の三軸すべてを内装している一体型駆動ケースを構成しているのである。
【0042】このような三軸駆動ケース133を介して該縦搬送装置12は駆動されると共に、該縦搬送装置12を構成する株元搬送装置26及び穂先搬送装置27は、図示せぬフレーム等によって相互に連結されており、縦搬送回動支点軸144を回動中心とする上下回動を行うのである。縦搬送装置12の上下回動機構については後述する。株元搬送装置26及び穂先搬送装置27は相互が平行な位置関係で配設されており、図2に示すように、相互間を垂直に貫入している駆動伝達軸152・153がそれぞれの図示せぬプーリーに固着して、駆動力の伝達を行っているのである。したがって、図11に示すように、穂先搬送装置27のプーリー群によって巻回されている図示せぬベルト及び株元搬送装置26のベルト150は、縦搬送駆動軸147の回転によって同時に駆動され、かつ、縦搬送駆動軸147の縦搬送回動支点軸144周りの回動によって相互が同時に回動させられるのである。
【0043】次に、刈取部6の回動支点及び駆動軸について説明する。図13は揺動本体と二番還元スロワーの構成を示した斜視図、図14は吸排塵ファンの排出口と楊穀筒の前後位置関係を示す側面断面図、図15は刈取部の上下回動状態を示す全体側面図、図16は別形態の三軸駆動ケースを示す平面断面図、図40は縦搬送装置回動機構及び刈取部回動機構を示す全体側面図、図41は縦搬送装置回動機構の要部を示す側面図、図42は縦搬送装置回動機構及び刈取部回動機構を示す全体平面図、図43は別形態の縦搬送装置回動機構及び刈取部回動機構を示す全体側面図、図44は別形態の縦搬送装置回動機構及び刈取部回動機構を示す全体平面図、図45は別形態の縦搬送装置回動機構を示す全体側面図である。
【0044】まず、吸排塵ファン47の駆動軸を、刈取部6の回動支点及び駆動軸とする場合について説明する。本発明に係わる吸排塵ファン47は、図2、図13に示すように、籾の揺動選別が前送りで行われるため、コンバイン本体右方前部に配設されている。そして、この吸排塵ファン47は、籾と共に揺動選別装置41から落下し、コンバイン本体後部に配設される唐箕43からの送風によってコンバイン本体前部へ搬送されていく粉塵を吸引して、コンバイン本体外へ排出するのである。
【0045】図9に示すように、吸排塵ファン47に駆動力を伝達する吸排塵駆動軸102は、刈取回動支点ケース103より右方に延出しており、吸排塵ファン47を貫設している。図9、図14に示すように、吸排塵ファン47は、吸排塵駆動軸102と、該吸排塵駆動軸102に固設されている吸引羽根115をファンケーシング116によって被覆し、ファンケーシング116後下方にファン排出筒117を延設している。また、粉塵を吸引するための吸引口116aが、ファンケーシング116の左側面に穿設されている。
【0046】ファン排出筒117の排出口117aはファン排出筒117の後端に設けられており、吸引口116aを通じて吸気された排気が排出口117aよりコンバイン本体外へ排出される。また、排出口117aは楊穀筒20後方に位置しており、座席16よりも後方である。
【0047】このように、揺動選別装置41前方に吸排塵ファン47が配設されているにも関わらず、排出口117aが楊穀筒20後方に位置しているため、排気される粉塵が座席16に立ち上ってくることがないのである。また、楊穀筒20が壁となって、座席16側へ粉塵が流れていく障害として機能し、作業者に粉塵が降りかかるのを防止している。
【0048】また、吸排塵ファン47の駆動に関わる吸排塵駆動軸102が、刈取部6を駆動させる駆動軸を兼ねるため、部材点数を減らして軽量化を図ることが出来るのである。さらに、図15に示すように、刈取部6の回動支点位置が、コンバイン本体中の高い位置にある吸排塵駆動軸102となっているため、引起しケース81L・81Rを有する引起し装置8の後方への傾斜角度が小さなものとなり、株元搬送装置26・穂先搬送装置27等の縦搬送装置の回動範囲を大きくとっても、刈取部6と接触することがないのである。
【0049】まとめとして、刈取部6、縦搬送装置12、フィードチェーン32の駆動及び回動機構(フィードチェーン32は除く)について、コンバイン本体での位置関係に従って説明する。図40、図42に示すように、刈取部6の駆動及び回動支点に関わる吸排塵駆動軸102はコンバイン本体前部上方に配設され、縦搬送装置12及びフィードチェーン32の駆動に関わる扱胴駆動軸31aはコンバイン本体中央部上方に配設されている。扱胴駆動軸31a後方にはFC駆動軸140が後方に向けて延設され、縦搬送回動支点軸144が該FC駆動軸140と側面視重複するように配設されている。また、該縦搬送回動支点軸144より株元搬送装置26に向けて縦搬送駆動軸147が延設されている。縦搬送回動支点軸144は縦搬送装置12の回動支点を兼ねている。以上は、前述するとおりである。なおコンバイン本体前下部には油圧シリンダ170が設けられており、刈取部6の一構成部材である刈取軸ケース106と接続している。以上構成により、油圧シリンダ170の伸縮によって刈取軸ケース106は前後回動する。また、吸排塵駆動軸102右端では刈取回動支点ケース183が該吸排塵駆動軸102を軸支し、該刈取回動支点ケース183と刈取軸ケース106とはアーム184によって接続されている。したがって、油圧シリンダ170の伸縮により、刈取部6は吸排塵駆動軸102を回動支点として上下回動を行うのである。
【0050】縦搬送装置12の上下回動機構について説明する。コンバイン本体中央部には、側面視「く」字形状の補助フレーム9bが機体フレーム9に固着している。そして該補助フレーム9bの折曲部近傍には、縦搬送昇降部172が設けられており、該補助フレーム9bによって支持固定されている。縦搬送昇降部172下方に配設されるモータ173からは、上方に向けて回動軸174が延出している。回動軸174上には摺動部材175が螺合されており、該回動軸174の回動にしたがって該摺動部材175は上下摺動するものである。なお摺動部材175の左側面には平板175aが固着しており、またガイドレール177と接触している。このため、回動軸174の回動に伴って摺動部材175が回動することはないのである。平板175aの左側面には突起部材176が固着しており、ガイドレール177は延出方向に沿って長孔177aを穿設している。このため、該長孔177a内部に沿って該突起部材176を摺動可能としている。ガイドレール177は前方に配設されている回動部材178と固着しており、機体フレーム9と固着している回動支点軸180を軸支している。そして回動部材178前端に固着しているアーム179と、穂先搬送装置27に固着しているブラケット181とは、相互に回動可能に連結されている。
【0051】したがって、縦搬送装置12の回動は、以下のようにして行われるのである。まずモータ173の駆動により回動軸174が回動して摺動部材175を上下摺動させる。摺動部材175と固着している突起部材176の上下摺動により、ガイドレール177は回動し、したがって回動部材178も回動する。そしてアーム179が上下昇降することで、ブラケット181と固着している縦搬送装置12が上下回動を行うのである。なお、株元搬送装置26及び穂先搬送装置27が固着していることは、前述のとおりである。
【0052】また縦搬送昇降部172の配設位置に関しては、図45に示すような別形態とすることも可能である。側面視「く」形状の補助フレーム9cを、前記補助フレーム9bより下方位置に配設し、該補助フレーム9cにて縦搬送昇降部172を支持固定するのである。このとき縦搬送昇降部172は、穂先搬送装置27を上下昇降させることで、縦搬送装置12の回動を行うのである。
【0053】そして、扱胴駆動軸31aを、刈取部6の回動支点及び駆動軸とする別形態の実施例について説明する。図16に示すように、三軸駆動ケース133と扱胴31との間には、扱胴駆動軸31aを軸支する刈取回動支点ケース157が配設されている。本実施例では、図9に示す前記刈取駆動軸104及びアーム105をそれぞれ延長した刈取駆動軸159及びアーム160が用いられており、刈取駆動軸159後端に固着しているベベルギヤ159aは、刈取回動支点ケース157内部で扱胴駆動軸31aに固着しているベベルギヤ158と噛合している。吸排塵駆動軸102を扱胴駆動軸31aに、刈取駆動軸104を刈取駆動軸159に、アーム105をアーム160に、刈取回動支点ケース103を刈取回動支点ケース157に、その他ベベルギヤ等を変更することを除いて、本実施例と前記実施例とは同一の構成である。
【0054】このように、刈取部6の回動支点を扱胴駆動軸31aとすることで、刈取部6の駆動力を扱胴駆動軸31aより得ることが出来るのである。したがって、特別に回動支点や刈取部6の駆動軸を設ける必要がなく、部材点数の減少に寄与することとなる。また、扱胴駆動軸31aより後上方に延設されているFC駆動軸140と側面視で重複する位置に縦搬送回動支点軸144が設けられ、しかも扱胴駆動軸31aの近傍位置であるため、刈取部6及び縦搬送装置12をそれぞれ上下に回動する場合でも、両者の位置関係がほとんど変わらないのである。したがって、刈取部6及び縦搬送装置12を上下回動して作業位置を変更しても、刈取部6から縦搬送装置12への良好な稲の搬送が期待できるのである。
【0055】別形態の場合におけるまとめとして、刈取部6、縦搬送装置12、フィードチェーン32の駆動及び回動機構(フィードチェーン32は除く)について、コンバイン本体での位置関係に従って説明する。図43、図44に示すように、縦搬送装置12及びフィードチェーン32の駆動に関わると共に、刈取部6の駆動及び回動支点を兼ねる扱胴駆動軸31aはコンバイン本体中央部上方に配設されている。扱胴駆動軸31a後方にはFC駆動軸140が後方に向けて延設され、縦搬送回動支点軸144が該FC駆動軸140と側面視重複するように配設されている。また、該縦搬送回動支点軸144より株元搬送装置26に向けて縦搬送駆動軸147が延設されている。縦搬送回動支点軸144は縦搬送装置12の回動支点を兼ねている。以上は前述するとおりである。また、縦搬送装置12の上下回動機構に関しては、前述の吸排塵駆動軸102を刈取部の駆動、回動支点とする場合と同様である。なおコンバイン本体前部中央には、接続部材182を介して油圧シリンダ171が機体フレーム9上端と接続されている。油圧シリンダ171下端は刈取部6の一構成部材である刈取軸ケース106と接続している。以上構成により、油圧シリンダ171の伸縮によって刈取軸ケース106は前後回動する。また、扱胴駆動軸31a右端では刈取回動支点ケース183が該扱胴駆動軸31aを軸支し、該刈取回動支点ケース183と刈取軸ケース106とはアーム184によって接続されている。したがって、油圧シリンダ170の伸縮により、刈取部6は扱胴駆動軸31aを回動支点として上下回動を行うのである。
【0056】ここで、以上のような構成よりなる刈取部6から、脱穀部3、選別部4にかけての構成について、その概略を説明する。図1、図2、図13に示すように、前記刈取部6は引起し装置8の前方に三角形状の分草板7が配置され、該分草板7の後部に刈刃10が配設され、該刈刃10の上方に横搬送装置5が配設されている。また、引起し装置8の後部から進行方向左側の機体側部に沿って脱穀部3の後側部まで株元搬送装置26および穂先搬送装置27が配設されている。尚、前記株元搬送装置26は従来の下部搬送装置と縦搬送装置を兼ねた構成となっている。
【0057】そして、前記フィードチェーン32は脱穀部3の後部でグレンタンク19の下方に位置して左右略水平方向に配置され、該フィードチェーン32の上部に略平行に挟扼杆33が配置され、穀稈の株元を挟持して進行方向左から右方向へ搬送するようにしている。穀稈の穂先側は穂先搬送装置27の後部から機体左上部に開口した脱穀入口3aに案内されて投入され、脱穀部3の扱胴31の回転によって脱粒される。本実施例では脱穀部3を上扱式としており、扱胴31の高さを低くして重心が下がるようにして機体の重量バランスの向上を図っている。
【0058】前記扱胴31の下方は受網35にて覆われ、該受網35の下方に選別部4が配設されている。選別部4は、後部を支点として前後方向に揺動させる揺動選別装置41と、該揺動選別装置41の前端に配置して揺動させるふるい線42と、揺動選別装置41の後下方に設けて後部下方から前部上方に選別風を供給する唐箕43と、前記揺動選別装置41の前下方に設けて漏下する穀粒を揚穀筒20に取り出す一番コンベア44や一番樋と、前記ふるい線42の下方に設けて漏下する穀粒や藁屑等が混じる二番還元物を取り出す二番コンベア46や二番樋と、二番コンベア46の左端から二番還元物を跳ね飛ばして脱穀部3に戻すスロワー48と、前記ふるい線42上方右側の吸引口からふるい線42上面の藁屑および粉塵等を吸い込んで機外に排出させる吸排塵ファン47等より構成されている。
【0059】また、前記扱胴31の後端右側を四番口として、扱胴31後右側から排藁処理部21に排藁が排出され、排藁コンベアをなくして機体の軽量化とコンパクト化を図っている。また、脱穀部3の上部にグレンタンク19が配置され、前後方向では座席16後部から機体後部までとすることで、穀粒を収納する容量をできるだけ大きくしている。
【0060】このような構成において、穀稈は引起し装置8によって引き起こされて株元が刈刃10によって切断され、そして、該株元は横搬送装置5によって斜後方へ掻き込まれて株元搬送装置26に受け渡される。そして、株元搬送装置26及び穂先搬送装置27に穀稈を挟持して機体左側部に沿って起立した状態のまま後方へ搬送し、株元をフィードチェーン32に受け継ぎ、穂先を脱穀入口3aに案内する。該フィードチェーン32により挟持された穀稈は右方へ搬送されながら、扱胴31の回転によって脱粒し、排藁は右端より排藁処理部21に送られて細断され、機体後方より圃場に放出される。扱胴31下面を覆う受網35を通過した穀粒や塵埃等は揺動選別装置41上に落下し、藁屑や塵等は風選別と揺動選別によって前方へ送られる。精粒はチャフフィンやグレンシーブ等を通過して流穀板等にガイドされて一番樋上に落下して、一番コンベア44によって右側方へ送られて、揚穀筒20を介してグレンタンク19に収納される。ふるい線42を通過して落下した二番物は二番樋上に落下して二番コンベア46で左端に搬送し、スロワー48で跳ね飛ばして再度脱穀部3に返され、再び脱穀される。そして、藁屑や塵等は吸排塵ファン47より吸引されて機外に排出されるようにしているのである。
【0061】次に、このうちの脱穀部3の受網35に関し、その着脱構成について説明する。図17は受網の着脱構成の一実施例を示すコンバインの平面図、図18は受網の着脱構成の別実施例を示すコンバインの正面図である。
【0062】すなわち、従来は脱穀部3上部に載置したグレンタンク19を回動する等して、脱穀部上部カバーを開放し、脱穀部3上方より扱胴31の回転方向に受網35を着脱していたのであるが、本実施例では、図17に示すように、受網35を機体側方より取り出す構成としている。
【0063】具体的には図17に示すように、機体右側方の排藁処理部カバー24を後部を支点として左右方向に回動し、脱穀部3右側方を開放して、フィードチェーン32や各搬送装置26、27、28とは反対側の脱穀部3右側方より受網35を受網受け36に沿って右方向にスライドさせ、着脱する。尚、排藁処理部カバー24は前部を支点として左右方向に回動する構成としてもよい。
【0064】あるいは図18に示すように、排藁処理部カバー25を下部を支点として上下方向に回動し、脱穀部3右側方を開放して、フィードチェーン32や各搬送装置26、27、28とは反対側の脱穀部3右側方より受網35を受網受け36に沿って右方向にスライドさせ、着脱する。尚、排藁処理部カバー25は上部を支点として上下方向に回動する構成としてもよい。
【0065】このように構成することにより、わざわざグレンタンク19を回動することなく、排藁処理部カバー24(又は25)を開放するだけで受網35を着脱できるのである。また、扱胴31の下側面形状に沿った側面視、半円状の受網35は該受網35と略同形状の受網受け36に嵌挿されており、従来のように該受網35を脱穀部3上方から扱胴31の回転方向に沿って着脱したのでは、受網35と受網受け36との間の摩擦抵抗が大きくなり、かなりの力を要したのであるが、本実施例のように受網35を機体左右方向に受網受け36に沿ってスライドさせれば、それほど力も要らず、容易に着脱できるのである。また、本実施例では扱胴31を上扱式としているため脱穀部3の上部で穀稈が詰まったときなどでは、該穀稈を抜かずとも、扱胴31下方の受網35を脱穀部3右側方より容易に着脱できるのである。このように、受網35の掃除等も容易に行え、メンテナンス性の向上を図ることができるのである。
【0066】さらに、脱穀部3右側方より受網35を着脱する構成では、脱穀部3上部に機体上面を載置面としてグレンタンク19を載置でき、その結果、機体前後方向及び左右方向の重心バランスがよくなり安定性が向上する。
【0067】また、脱穀部3右側方を開放して受網35を取り出し、脱穀部3をメンテナンスできるように構成したので、脱穀部3の後方にはメンテナンス用の開放口等は必要なく、よって、該脱穀部3後方にエンジン22を載置する構成とすることが可能となる。こうして、機体後部にエンジン22を配設することにより、機体前部から中央部にかけて刈取部6、脱穀部3、選別部4等の重量部との重量バランスを保ち、安定性の良い構成とすることができるのである。
【0068】また、フィードチェーン32や各搬送装置26、27、28とは反対側の脱穀部3右側方より受網35を着脱するので、機体左側部に穀稈の搬送経路を確保して、安全に作業を行えるのである。
【0069】次に、脱穀部3の送塵弁34の構成について説明する。図19はコンバインの脱穀部の側面図、図20は同じく正面図、図21(a)は操作レバーが左右中央位置における送塵弁の作用を説明する図、図21(b)は操作レバーが左位置における送塵弁の作用を説明する図、図21(c)は操作レバーが右位置における送塵弁の作用を説明する図である。
【0070】図19、図20に示すように、送塵弁34は、扱胴31により横送りされる穀稈や藁屑を扱室30内で滞留させ、その移動時間を調節するものであり、該送塵弁34は扱胴31前方に配設されている。そして、送塵弁34は箆部34a・34a、基盤34b、操作レバー37等により構成され、該基盤34bの両側面に箆部34a・34aを固設し、ピン97により機体フレーム9より立設した支持板96と該基盤34b前面の中心位置とを枢結する。そして、ピン97前部と操作レバー37の下部とを締結し、該操作レバー37を座席16後側方、脱穀入口3a側へと立設する。そうしてオペレータは操作レバー37を左右方向に回動して、基盤34bを回転させ、箆部34a・34aを扱胴の回転軸心に対して傾ける。
【0071】すなわち、図21(a)、図21(b)に示すように、操作レバー37を左方向へ押すと、基盤34bは時計回りに回転し、箆部34a・34aは正面視で右斜め上がりに傾斜し、回転方向に沿って送られてくる穀稈を該箆部34a・34aでブロックし、脱穀出口3b側へ跳ね返して、穀稈送り方向(脱穀出口3b方向)への位相を進めるのである。こうして、送塵弁34により穀稈の送り方向(脱穀出口3b方向)への移動が促進され、そのもみほぐし時間が短くなるのである。
【0072】逆に、図21(a)、図21(c)に示すように、操作レバー37を右方向へ引くと、基盤34bは反時計回りに回転し、箆部34a・34aは正面視で左斜め上がりに傾斜し、回転方向に沿って送られてくる穀稈を該箆部34a・34aでブロックし、脱穀入口3a側へ跳ね返すのである。こうして、送塵弁34により穀稈は脱穀部3で滞留し、たっぷりと時間をかけてしっかりともみほぐされ、脱穀出口3bまで送られるのである。
【0073】そして、操作レバー37を左右中央位置に戻せば、図21(a)に示すように、基盤34bは回転して箆部34a・34aが扱胴の回転軸心と直交し、穀稈は箆部34a・34aに案内されて略回転方向に沿って送られ、そのもみほぐし時間は操作レバー37を左右両端に回動したときの略中間となり、ほどよく扱がれるのである。
【0074】ところで、従来の送塵弁の配置位置は、扱胴31の上方の扱室30上面、あるいは、扱胴31後方の扱室30後側面より垂設し、該送塵弁と操縦部14の操作レバーとの間をリンク機構を介して連結していたのであるが、このように送塵弁34を配置構成することにより、従来使用していたリンク機構を廃止でき、部品点数の削減ができるとともにコストの削減ができ、また、重量の軽減にもなるのである。
【0075】次に、選別部4の揺動選別装置41の構成について説明する。図22は脱穀部3及び選別部4の構成を示した正面図、図23は還元スロワーと揺動本体との位置関係、及び揺動本体の斜面の形設位置を示した平面図であり、図24は斜面の具体的構成を示した拡大斜視図である。
【0076】図2・図3等に示すように、該揺動選別装置41は揺動リンク機構によって前後揺動自在に支持される揺動本体220を有している。該揺動本体220は機体前後方向に長い形状として略水平に配置され、その後方側の略半部は扱胴31の下側を全面的に覆うように設けられ、その前端は前記二番コンベア46の直上方近傍まで延出されている。
【0077】図3・図22に示すように、この揺動本体220は前記揚穀筒20を配置した側と機体左右方向反対側に被装されたカバー251を取り外せば、揚穀筒20と機体左右方向反対側の側方へ揺動本体220を抜き出すことができるように構成している。このように側方に揺動本体220を抜脱可能としたことから、揺動本体220後方のスペースを有効利用することができる。本実施例では、揺動本体220の後方のスペースにエンジン22を配置することで、機体のコンパクト化を図っている。また、揚穀筒20と反対側の側方へ抜脱可能としているので、揚穀筒20との干渉を考慮する必要がないことから、揺動本体220をコンパクトなレイアウトにて配置することができ、これによっても機体のコンパクト性の向上が図られる。
【0078】図3に示すように、該揺動本体220の後端側には脱穀部3の受網35からの落下物を受けるグレンパン221を配設し、該グレンパン221には多数の細かい波部(図外)を形成して、揺動本体220の揺動により該落下物を均平しながら前方に送るようにしている。該グレンパン221の前方には多数のチャフフィンを設けたチャフ部222を配設しており、グレンパン221の前端に設けた図示せぬふるい線により、グレンパン221上の穀粒や藁屑を該チャフ部222に跳ね飛ばすようにしている。該チャフ部222においては、上記グレンパン221下方に配設された唐箕43が発生する圧風による風選別、及び比重選別を行う。そして、該チャフフィンの間隙から落下するものを一番物として選別して前記一番コンベア44に送っている。塵や藁屑等の比重の小さいものは上記唐箕43による圧風により吹き飛ばされて、揺動本体220の前端縁に設けられたふるい線42上に受け止められ、吸排塵ファン47により吸引されて取り除かれる。それ以外のものが二番物として選別され、二番コンベア46に送られる。
【0079】そして、選別された後の上記二番物については、扱胴31を収容する扱室へ戻し、再び脱穀・選別を行うように構成している。以下、このための二番還元スロワー48の構成を説明する。この二番還元スロワー48は、図22に示す如く二番コンベア46の終端側に配置され、該スロワー48のケーシング211に二番物を跳ね上げるための回転羽根210を収納している。該ケーシング211は筒部255を上方に一体的に凸状に設けた構成とし、該筒部255を後上方へ延出して、その端部を開放させて排出口252としている。ここで、この排出口252は上記扱室近傍に配置されているが、図3に示すように、その高さは扱胴31の回転軸心より低くしており、更にこの排出口252の向きは図3の黒塗り矢印に示されるように、該扱胴31の回転により該扱胴31の外周が移動する方向(図3に白抜き矢印で示される方向)に略沿うように設けているのである。これによって、扱胴31の二番物の取込み性が向上されて、該排出口252近傍の詰まりの発生が低減されることとなる。また、排出口252から排出された二番物が直ちに扱胴31下面を覆う受網35に落下するために、二番物の再処理が迅速に行われることとなる。
【0080】また、該二番物を扱室へ投入する位置としては、図22に示すように、扱胴31の始端、即ち脱穀入口3aに近い側の端部としており、この構成とすることで、二番物に含まれる枝梗付着粒や穂切粒等が扱胴31終端に至るまでに十分に揉みほぐされ、しごき作用が不足なく働くことになる。従って、該枝梗付着粒等が扱胴31終端から四番物(排藁)として排出されたり、脱粒ができず再度二番物として集められるロスが顕著に低減されることとなる。また、扱胴31の下面は上述のとおり全面を受網35で覆う構成としているが、図22に示すように、該扱胴31の始端側一定領域の下面を、受網35ではなく該受網35に接続されて設けられる板状の受け部分253にて覆うように構成することもでき、この構成において上記二番還元スロワー48は、この受け部分253上に二番物を投入するように構成することもできる。この板状の受け部分253はチリや穀粒等を受網35へ均平しながら流し込む役割を果たすことから、ここに二番物を投入することにより、受網35の濾過が良くなり、これによって受網35の詰まりの発生を抑制できるのである。
【0081】ただし、二番還元スロワー48の構成例は以上に示すものに限らず、以下に示すような構成によっても、スロワーの詰まりを防止する構成とすることができる。以下、この構成例を説明する。
【0082】この二番還元スロワー48は図13に示すように二番コンベア46の終端側に配置され、図23に示すように、前記揺動本体220の前方であって、かつ、その機体左右方向幅L2が、該揺動本体220の機体左右方向幅L1と重複する部分(Lw)を有するような位置に配置している。該スロワー48の回転羽根210を収納する該ケーシング211は上方を開放し、更に後上方に斜状に延出したガイド板212を接続して設けて、該ガイド板212の先端は適宜湾曲されて上記扱胴31の前端近傍に位置させている。上記二番コンベア46のコンベア軸214はスロワー48のケーシング211内に延出され、該延出部分に上記回転羽根210が固着されており、スロワー48が上記二番コンベア46とともに駆動されるようにしている。従って、二番樋に落下した二番物は、該二番コンベア46の駆動によりスロワー48のケーシング211内に送られ、上記回転羽根210の回転によって、揺動本体220の上方に向けて跳ね上げられる。
【0083】ここで、上記二番還元スロワー48から扱室へ至る二番物の経路は、前述した二番還元スロワーのように筒状の経路に構成しないこととしている。即ち、該経路の上側は前記ガイド板212により規制されるが、下側は規制されない構成としている。従って、二番物に湿材が含まれると筒状の経路では詰まりが頻発し、スロワー還元方式では還元をスムーズに行うことができないのが通例とされていたが、本実施例のように下側を開放した経路とすることにより、詰まりの発生が著しく低減されるのである。
【0084】尚、この構成によると、図13の太い矢印に示されるように、この跳ね上げられた二番物が扱室に至る場合と至らない場合とがあり、扱室に至った二番物は再び脱穀・選別されるが、扱室に届かなかった二番物は揺動本体220の上に落下することとなる。この落下した二番物をスロワー48へ再び戻すために、上記揺動本体220の該二番還元スロワー48と重複する(ラップする)部分の前端には、前下がり形状の斜面213が設けられている。従って、扱室に届かなかった二番物は、揺動本体の該斜面213上に落下することとなり、その斜面213を伝って再びスロワー48のケーシング211内に戻されることとなる。従って、該落下した二番物が一番物に混入する事態は防止される。また、スロワー48によって跳ね上げられた二番物は、該斜面213を形設した部分の上側を通過することとなり、言い換えれば、この還元のための二番物の経路が上記揺動本体220と干渉しない構成とすることができる。この結果、スロワー48及び揺動本体220のコンパクト性に優れたレイアウトを提供できるのである。
【0085】次に、上記揺動選別装置41に圧風を供給する唐箕43の構成を説明する。図25は唐箕の支持構成及び風路を形成する側板との位置関係を示した平面図、図26は唐箕及びヒレ部の構成を示した側面図である。
【0086】この唐箕43は横断流型としており、機体左右方向にファン軸202を支持し、該ファン軸202には中空枠組状の唐箕基体203を設けてあり、該唐箕基体203の外周には断面円弧状の羽根204を多数設けている。従って、ファン軸202を駆動して該羽根204を回転させることにより、前方に向けて圧風を発生させて、上記選別部4に対して選別風を供給するようにしている。ここで図25に示すように、この唐箕43の一側の軸方向端部は選別風の風路を構成する一側側方の枠板206より突出しないように、適宜距離(図25で示す距離L)だけ内方側に位置させており、該側方の枠板206に該唐箕43の端面を覆うケーシングとしての役割を担わせている。これによりケーシングを省略でき、部品点数の削減やコンパクト性の向上を図ることができるとともに、該側方の枠板206を曲げ加工する必要もないので、工数も低減される。
【0087】ただし、この構成では、唐箕43と枠板206との隙間部分(上記距離Lだけの隙間)において唐箕43の圧力損失が発生することとなる。本実施例では、この圧力損失を低減するために、該羽根204の先端が描く軌跡に沿う輪郭を有する形状に構成したヒレ部208を、該枠板206に図26の如く設けている。これにより、枠板206に沿う部分の風速の低下が防止され、風力の分布が均一である良質な選別風を安定して供給できることとなる。
【0088】一方、上記隙間部分形成側と反対側においては、唐箕43の端面は側方の枠板209より突出させるとともに、該側方の枠板209を適宜曲げ加工して、該突出した唐箕43の端面を覆うケーシングとしての役割を担わせている。従って、この枠板209側においても圧力損失は防止され、均一な圧風を揺動選別装置41へ提供するよう構成している。ただし、上記反対側の唐箕43の端面も上述と同様に側方の枠板209より内方に位置させ、更に上記ヒレ部を設けることとしても差し支えない。
【0089】次に、グレンタンク19の構成について説明する。図27はグレンタンクの構成を示す平面図、図28はグレンタンクの切欠部を示す側面図、図29はグレンタンク及び籾受棒の収納状況を示す平面図、図30は籾受棒の構成を示す拡大側面図である。
【0090】図3、図27、図28に示すように、前記一番コンベア44は左右方向に配設され、該一番コンベア44の穀粒搬送終端位置である右端部からは、揚穀筒20が立設され、該揚穀筒20の下部と前記一番コンベア44右端部とを連通しており、選別した穀粒を、前記選別部4から揚穀筒20を介してグレンタンク19内に投入できるようにしている。そして、該揚穀筒20の上部には、支持パイプ402が回動自在に外嵌され、該支持パイプ402には、収納位置19bでのグレンタンク19の進行方向右側前部が固定されている。
【0091】このような構成において、グレンタンク19は、排出位置19aと収納位置19bとの間を自由に移行することができ、図示せぬロック機構により、各位置19a・19bに固定できるようにしている。
【0092】また、図27、図30に示すように、前記グレンタンク19下部には、平面視円形状の籾出口404aを開口したシャッターガイド404が内装され、該シャッターガイド404に設けた溝部404bには、前記排出位置19aで左右方向に摺動可能にシャッター403を挿着し、該シャッター403には、機体内方に平面視矩形状の開口部403aを開口すると共に、機体外側には取っ手403bを形成している。そして、前記籾出口404aは、グレンタンク19下部に垂設された籾出パイプ410に連通され、該籾出パイプ410内には、下方より穀粒袋407の口が内挿されており、該穀粒袋407の下部は、機体下部から水平に突設された袋受け台406上に載置されている。
【0093】このような構成において、前記取っ手403bを把持して機体外側に引き出すと、シャッター403が溝部404bにガイドされて摺動し、前記開口部403aと籾出口404aにより、シャッター403とシャッターガイド404との共通の開口部(以下「開口重複部」とする)が形成され、該開口重複部からグレンタンク19内に貯留された穀粒が落下する。そして、この落下した穀粒は、前記籾出パイプ410を通って穀粒袋407内に落入される。なお、取っ手403bの引き出し程度を変えることにより、前記開口重複部の面積を変化させ、穀粒袋407への穀粒落入速度を調整することができる。
【0094】すなわち、グレンタンク19は、選別した穀粒を搬送し投入する揚穀筒20を中心にして、機体内外方に回動可能な構成としたので、この揚穀筒20を回動支点のフレームとすることができ、専用のフレーム構造が不要となる。従って、部品点数を少なくすることができ、重量及び部品コストの低減が図れるとともに、構造が簡単となりメンテナンスがしやすくなる。
【0095】また、グレンタンク19は、貯留した穀粒を排出する籾出口404aを有すると共に、前記揚穀筒20を中心にして、排籾作業時には機体外方の排出位置19aまで回動し、非排籾作業時には機体内方で脱穀部3上方の収納位置19bまで回動できるようにしている。従って、揚穀筒20に加えて籾出口404aもグレンタンク19側に設ける構成となるため、グレンタンク19と揚穀筒20との接続、及びグレンタンク19と籾出口404aとの接続はいずれも常に維持されていることから、その接続部からの籾漏れは発生せず、従来の収納式グレンタンクのようなシール構造を別途に設ける必要がない。
【0096】さらに、非排籾作業時には、グレンタンク19は機体内方にある収納位置19bまで回動して収納するので、機体全幅を狭くして機体のコンパクト化を図れることはもちろん、小さなスペースにもコンバインを格納することができる。また、収納位置19bは脱穀部3上方にあるため、機体全幅までグレンタンク19の幅を拡大することができ、機体がコンパクトながらも十分な貯留量を確保することができる。更には、貯留量が少々変化しても、グレンタンク19が機体側方にある場合に比べると、貯留量変動が機体の左右バランスに及ぼす影響を著しく抑制することができるのである。
【0097】また、図29に示すように、前記収納位置19bにおいては、グレンタンク19の進行方向左側前部には切欠部19cが形成され、進行方向右側には前後に平行に切欠部19dが形成されている。このうち切欠部19cは、座席16と脱穀入口3aとの間で、平面視で進行方向に左斜めにカットされており、収納位置19bにあるグレンタンク19によって、走行中のオペレータの作業が邪魔されないようにしている。また、切欠部19dは、図27に示すように、排出位置19aにおいては、座席16と籾出口404aとの間で、平面視で進行方向に右斜めにカットされており、排出位置19aのグレンタンク19によって、穀粒排出中のオペレータの作業が邪魔されないようにしている。
【0098】すなわち、グレンタンク19には、収納位置19bにおいて、座席16のオペレータによる前記脱穀入口3aの目視・操作が可能な切欠部19cを設けるので、オペレータは座席16に着座したままで脱穀入口3aを視認して、扱深さや詰まりの有無を即座に把握することができ、脱穀条件の適正化、及び脱穀トラブルの防止を図ることができる。さらに、必要に応じて、オペレータが、そのまま脱穀入口3aに手を伸ばして詰まりを解消したりゴミなどを除去することができ、迅速な対応処置を施すことができるのである。
【0099】そして、グレンタンク19には、前記排出位置19aにおいて、座席16のオペレータによる前記籾出口404a周辺の目視・操作が可能な切欠部19dを設けるので、オペレータが座席16に着座したままで籾出口404aを視認して穀粒袋407の溜まり具合を確認することができるため、該穀粒袋407の交換タイミングを把握して迅速な交換処理を行うことができる。
【0100】また、図27、図30に示すように、前記排出位置19aにおける籾出口404aを挟むようにして、支持パイプ409・409が機体側部で進行方向前後位置に固設され、該支持パイプ409・409には、側面視逆L字状の籾受棒405・405の一端が回動可能に垂直に内挿され、他端は水平に機体側方に延出され、その延出端405aには、前記穀粒袋407の一部が係止できるようにしている。そして、排出位置19aでの排籾作業が終わり、前記グレンタンク19を揚穀筒20を中心に回動させて収納位置19bに収納した後には、前記籾受棒405・405も、図29に示すように、回動して機体内方に収納できるようにしているのである。
【0101】すなわち、籾出口404a近傍に、グレンタンク19からの穀粒を投入する穀粒袋407を係止するための籾受棒405を設け、該籾受棒405を機体内方に収納可能に配設するので、非排籾作業時には、グレンタンク19を機体内方の収納位置19bまで回動して収納すると共に、籾受棒405・405も回動して収納できるようにしたので、機体全幅を一層狭くすることができ、機体のコンパクト化を更に進めることができるのである。
【0102】次に、このグレンタンク19に関し、形態の異なる別実施例1及び別実施例2について説明する。図31はグレンタンクの別実施例1を示すコンバインの平面図、図32はグレンタンクの別実施例2を示すコンバインの平面図、図33は電動モータの制御フロー、図34はグレンタンクの排出口を示す側面図、図35はグレンタンクの排出口を示す側面断面図である。
【0103】別実施例1では、図31及び図34に示すように、グレンタンク191を縦長に構成してその後部を機体後面より突出させ、該グレンタンク191の後部を下方へ延出して排出口190を設ける。また、機体後面には籾袋載置台90が配設され、該籾袋載置台90は機体フレーム9の後端下部で軸支されている。また、該籾袋載置台90の上方にあっては、機体フレーム9より後方に向けて籾袋支持棒94・94が回動自在に取り付けられている。そして、穀物排出時には該籾袋載置台90を右方へ回動してその上面に籾袋99を載置し、籾袋支持棒94・94を籾袋99の上部の挿込孔に挿し込んで支持し、前記排出口190を該籾袋99の開口部に嵌め合わせるのである。
【0104】また、前記グレンタンク191の底部には前後方向に排出コンベア38が配置され、該排出コンベア38を電動モータ98で駆動し、すなわち、該電動モータ98の駆動軸にはギア188を周設し、排出コンベア38の回転軸前端にはギア189を周設し、該ギア188、189を噛合させて動力を伝達し、収納された籾を後方へ排出できるように構成している。
【0105】このように構成することにより、グレンタンク191内の一局部に堆積した籾を排出コンベア38により、均一にならすとともに後方へ搬送し、よって、グレンタンク191の底面を後方に延出してその底面積を大きくとることができ、その結果、タンク容量を大きくすることができるのである。
【0106】別実施例2では、図32及び図34に示すように、グレンタンク192を右方へ延出してその右部を機体右側面より突出させ、該グレンタンク192の右部を下方へ延出して排出口190を設ける。また、機体右側面には籾袋載置台90が配設され、該籾袋載置台90は機体フレーム9の右側端下部で軸支されている。また、該籾袋載置台90の上方にあっては、機体フレーム9より右方に向けて籾袋支持棒94・94が回動自在に取り付けられている。そして、穀物排出時には該籾袋載置台90を右方へ回動してその上面に籾袋99を載置し、籾袋支持棒94・94を籾袋99の上部の挿込孔に挿し込んで支持し、前記排出口190を該籾袋99の開口部に嵌め合わせるのである。
【0107】また、前記グレンタンク192の底部には左右方向に排出コンベア39が配置され、該排出コンベア39を電動モータ98で駆動し、すなわち、該電動モータ98の駆動軸にはギア188を周設し、排出コンベア38の回転軸左端にはギア189を周設し、該ギア188、189を噛合させて動力を伝達し、収納された籾を右方へ排出できるように構成している。
【0108】このように構成することにより、グレンタンク192内の一局部に堆積した籾を排出コンベア39により、均一にならすとともに右方へ搬送し、よって、グレンタンク192の底面を右方に延出してその底面積を大きくとることができ、その結果、タンク容量を大きくすることができるのである。
【0109】さらに、前記両実施例(別実施例1、別実施例2)において、図35に示すように、前記排出口190の上部にはシャッター95を配設して排出口190を塞ぎ、該シャッター95は図35において手前方向へスライドさせて着脱する。そして、該シャッター95の上方のグレンタンク191の後面(またはグレンタンク192の右側面)には圧力センサからなる詰りセンサ92が配設されている。該詰りセンサ92からは接続ハーネス93が延出されており、該接続ハーネス93は、図33に示すように、制御線を介してコントローラ180に接続されている。そして、該コントローラ180と前記排出コンベア39を駆動する電動モータ98とを制御線により接続し、詰りセンサ92に一定以上の圧力が加わる場合は、詰りセンサ92より信号が発せられコントローラに伝達される。このとき、コントローラ180は電動モータ98を停止して、排出コンベア39による籾搬送作業を停止させるのである。
【0110】ここで、前後左右位置を図35を基に説明すると、前記該詰りセンサ92は、グレンタンクの内部に向けて突出する検出部92aと、該検出部92aの右方のスイッチ92bとから構成されている。前記検出部92aの左面は右方下方に向けて緩やかに傾斜させ形設している。よって、排出コンベア38(又は排出コンベア39)によって右方に排出された籾が溜まって排出口190付近に堆積して検出部92aを圧迫し、堆積量が規定の許容範囲を超えて一定以上の圧力を検出部92aに加える場合には、検出部92aは下部を中心として図中の二点鎖線の如く右方へ回動し、スイッチ92bが「ON」するように構成している。スイッチ92bは通常は「OFF」状態であり、検出部92aの右方回動時のみ「ON」状態に移行する。尚、詰りセンサ92は前記圧力センサに限定するものではない。
【0111】そうして、籾袋99が満杯になって取り換えるときなどには一度シャッター95を閉めるのであるが、このとき、排出コンベア38(または39)は尚駆動しているため、シャッター95上面には籾が溜まり出し、このように排出口190の上方に詰りセンサ92を配設したことにより、籾がシャッター95上面に一定量以上堆積すると、該詰りセンサ92が働いて、該排出コンベア38(または39)の駆動を停止し、よって、排出口190上方で籾が詰まったり、脱ぷすることを未然に防ぐのである。
【0112】次に、機体フレーム9等からなる本コンバインのフレーム構成について説明する。図36はフレーム構造を示す斜視図、図37は脱穀部フレームを途中部で分割して回動可能に構成したフレーム構造を示す側面図、図38は図37における脱穀部フレームの拡大側面図、図39は側板に締結される受網の網枠を示す側面図である。
【0113】図2、図36に示すように、クローラ式走行装置1と一体的に構成されるトラックフレーム2の上面に、メインフレーム301・302が固設されている。該メインフレーム301・302は、それぞれ左右に横設され、一定の間隔を隔てて前後に配置されている。
【0114】メインフレーム301・302の左右両端部には、左右一対の機体フレーム9・9が立設されており、該機体フレーム9は、例えば、枠フレーム310、縦フレーム311、及び横フレーム312により構成されている。枠フレーム310はパイプ状部材を屈曲して枠状に形成されており、例えばメインフレーム301から一旦斜後上方へ張出した後に上方へ延出し、上端部から前方へ延出してメインフレーム302よりも前方へ達し、前端部から下方へ屈曲され途中部で斜後下方へ延出して、メインフレーム302に接続されている。
【0115】縦フレーム311はパイプ状部材により形成され、メインフレーム301から上方へ延出して、上端部が枠フレーム310と接続されている。横フレーム312はパイプ状部材により形成され、縦フレーム311の途中部から前方へ延出して、前端部が枠フレーム310と接続されている。
【0116】このように、機体フレーム9は、枠フレーム310、縦フレーム311、及び横フレーム312を一体的に連結して構成されており、左右一対の機体フレーム9・9は、メインフレーム301・302により互いに連結されている。
【0117】また、図36に示すように、脱穀部3に設けられ扱胴31の下方を覆う受網35が機体フレーム9・9により取付支持されている。受網35は、網体35aの左右両端部に網枠35aを取り付けて構成されている。該受網35における左右一方の網枠35aは、複数のボルト部材316により締結されることで、前記横フレーム312と連結されている。
【0118】図39に示すように、受網35の左右他方の網枠35aには、複数のボルト締結孔35cが形成されており、左右他方の網枠35aは、機体フレーム9の外側に取り付けられる側板303よりも外側に配置されている。該網枠35aは、締結孔35cを用いてボルト部材により側板303に締結されている。即ち、該網枠35aは側板303を介して機体フレーム9と連結されている。
【0119】そして、受網35は機体の左右方向へスライド可能に構成されており、脱穀部3に収納された受網35を取り出す場合には、機体フレーム9に締結された左右一方の網枠35aのボルト部材316を取り外すとともに、側板303に締結される左右他方の網枠35aのボルト部材316を取り外して、該受網35を外側へ引き出すようにしている。このように、受網35の脱穀部3への取り付けを、該受網35を機体フレーム9及び側板303に締結して行うことで、ボルト部材316の締結・取り外しと、受網35の左右方向へのスライド操作のみで、簡単に受網35の着脱を行うことができるように構成している。
【0120】本コンバインにおいては、以上のようなフレーム構造に構成しており、クローラ式走行装置1側のメインフレーム301・302に固設される機体フレーム9・9に、刈取部6や脱穀部3や横搬送装置5やグレンタンク19等の車体部の構成部材が一体的に取り付けられている。そして、前記メインフレーム301・302に左右一対の機体フレーム9・9を立設して、該メインフレーム301・302と左右の機体フレーム9・9とを一体的に連結しているので、機体フレーム9をパイプ部材等の軽量な部材で構成しつつ、高強度のフレーム構造に構成することができ、機体の軽量化を図ることができる。
【0121】また、機体フレーム9の横フレーム312に、受網35の網枠35bを締結して連結することにより、該機体フレーム9が補強されて、フレーム構造の強度を向上させることができる。さらに、左右の機体フレーム9・9は網枠35bにより連結されており、フレーム構造の強度をさらに向上させている。
【0122】また、図37に示すように、機体フレーム9の上方には脱穀部フレーム9aが付設されており、脱穀部3の上方を覆う脱穀部カバー320(図2図示)を該脱穀部フレーム9aにより支持している。脱穀部フレーム9aはパイプ状部材により構成され、機体フレーム9の上方で前後方向に横設されており、その前端部及び後端部を下方へ屈曲して、それぞれ機体フレーム9と接続している。即ち、脱穀部フレーム9aは、その前端部及び後端部にて機体フレーム9により両持ち支持されている。
【0123】図37、図38に示すように、該脱穀部フレーム9aは、前後途中部で分割されており、前方に位置する回動フレーム331と、後方に位置する固定フレーム332とで構成されている。前記脱穀部カバー320は、脱穀部フレーム9aの回動フレーム331に支持されている。該回動フレーム331は、機体フレーム9との接続部における回動支点331aを中心に上下回動に支持されており、該回動フレーム331の後端と固定フレーム332の前端とが連結具333により連結されている。該連結具333は操作レバー333aを操作するにより、回動フレーム331と固定フレーム332との連結状態を切り換えることができ、該連結具333を連結解除状態とすると、回動フレーム331が上方回動可能となる。
【0124】このように、脱穀部カバー320を回動フレーム331と固定フレーム332とに分割し、該回動フレーム331を上下回動可能に構成することで、回動フレーム331に支持される脱穀部カバー320を開閉することが可能となっている。これにより、脱穀部3内の整備等を行う際には、該脱穀部カバー320を開けて脱穀部3の上方から作業することが可能となり、整備性を向上することができる。
【0125】また、回動フレーム331を下方回動して固定フレーム332と連結した状態においては、脱穀部フレーム9aは機体フレーム9に両持ち支持されることとなるので、特別に補強部材を追加したり重厚な部材を用いたりすることなく、脱穀部フレーム9aを高強度に構成することが可能となり、該脱穀部フレーム9aを軽量に構成しながら、上扱式に構成される脱穀部3から加わる応力に耐え得るだけの強度で、脱穀部カバー320を支持することが可能となる。
【0126】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果がある。すなわち請求項1記載のように、前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設される吸排塵ファンと、軸方向が刈取部の回動支点位置と重複する該吸排塵ファンの駆動軸とを有するので、刈取部の回動支点位置がコンバイン本体中の高い位置となる。このため引起しケース後方への傾斜角度が小さなものとなり、株元搬送装置や穂先搬送装置等の縦搬送装置の回動範囲を大きくとっても刈取部と接触することがない。
【0127】請求項2記載のように、前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設される吸排塵ファンと、軸方向が刈取部の回動支点位置と重複し、かつ刈取部の駆動軸を兼用する該吸排塵ファンの駆動軸とを有するので、部材点数を減らして軽量化を図ることが出来る。
【0128】請求項3記載のように、前方に刈取部を配設する自脱型コンバインであって、中心軸が左右方向である扱胴と、該扱胴後下方に配設され前方に送風を行う唐箕と、本体前部に配設され楊穀筒後方に排出口が開口している吸排塵ファンとを有するので、排気される粉塵が座席に立ち上ってくることがないだけでなく、楊穀筒が壁となって座席側へ粉塵が流れていく障害として機能し、作業者に粉塵が降りかかるのを防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年4月13日(2000.4.13)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−292629(P2001−292629A)
【公開日】 平成13年10月23日(2001.10.23)
【出願番号】 特願2000−112670(P2000−112670)