| 【発明の名称】 |
コンバインにおける排出オーガ装置の制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】梶岡 律子
|
| 【要約】 |
【課題】コンバインにおける穀粒の排出オーガが不注意で作動しないようにする。
【解決手段】コンバインの運転部には、排出オーガの作動を禁止するための作動禁止スイッチを設け、オーガ操作制御装置は、作動禁止スイッチのON操作により(S1:ON)、前記排出オーガを非作動状態に保持する(S2)。また、副変速レバー位置を検知するセンサで検知された変速位置の信号を記憶手段にて記憶し、判別し、前記変速位置が路上走行位置であるときには(S3:路上走行)、前記排出オーガの全ての作動を禁止するように制御する(S2)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、その走行速度を変速するための副変速レバーと、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガとを備えてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの操作制御手段には、前記副変速レバー位置を検知する検知手段と、該検知手段にて検知された変速位置の信号を記憶する記憶手段とを備え、前記操作制御手段は、前記変速位置が路上走行位置であるときには、前記排出オーガの作動を禁止するように制御することを特徴とするコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置。 【請求項2】 エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガとを備えてなるコンバインにおいて、コンバインの運転部には、排出オーガの作動を禁止するための作動禁止スイッチを設け、該作動禁止スイッチのON操作により、前記排出オーガを非作動状態に保持するように制御する操作制御手段を有することを特徴とするコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置。 【請求項3】 エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガと、前記排出オーガの動力を継断するためのオーガクラッチと、該オーガクラッチを継断作動させるクラッチアクチュエータと、を備えてなるコンバインにおいて、前記クラッチアクチュエータにおけるオーガクラッチの入り状態と切断状態とを検知するセンサと、該センサの出力信号を記憶する不揮発性メモリとを備え、コンバインの電源を投入したとき、不揮発性メモリに記憶された信号を参照し、オーガクラッチを切断状態に保持するように制御する操作制御手段を備えたことを特徴とするコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインにおける排出オーガ装置の制御装置の構成に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来から、例えば、特開平9−252619号公報や特開平12−41474号公報などに開示されているように、コンバインにおいて、脱穀した穀粒を一旦走行機体上の穀粒タンクに貯留し、それから、畦際などに横付けしたトラック(運搬車両)の荷台等に前記穀粒タンク内の穀粒を排出するための排出オーガは、コンバインに搭載したエンジンからの動力を継断するオーガクラッチを介して穀粒タンクからの穀粒を垂直方向に搬送する垂直スクリューコンベヤを内蔵した縦オーガ筒と、該縦オーガ筒の上端に連設され、起伏揺動可能な横オーガ筒(先端に下向きの排出口がある)とから構成されていた。そして、この横オーガ筒の横向き方向を変更するため、水平回動用アクチュエータにて縦オーガ筒をその垂直軸線回りに回動させる。他方、横オーガ筒の先端の高さ位置を変更するためには、縦オーガ筒と横オーガ筒の基部との間に油圧シリンダ等の上下回動用用アクチュエータを設けていた。 【0003】これらのアクチュエータは、運転部及び前記横オーガ筒の先端部にそれぞれ設けた操作部により駆動停止の操作が可能であり、特に運転部に設けた操作部では、横オーガ筒が走行機体の上面の所定位置に略水平状に収納される収納位置から走行機体の側方の設定された向きにセットするセット位置へ自動的に移動させるオートセット操作と、逆に前記セット位置から収納位置に戻すオートリターンの操作をスイッチ操作一つで実行できる構成も開示されていた(特公平6−42807号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、路上走行中に誤って、前記オートセット及びオートリターンの操作スイッチを押下してしまったり、オーガクラッチがONの状態、もしくは前記水平回動用アクチュエータや上下回動用用アクチュエータが作動状態のまま一旦電源をOFFとしたとき、再度の電源ONにて電源投入前の作業が続行されると、オペレータの意志に反して前記排出オーガから穀粒が排出されたり、横オーガ筒が急に移動するという不都合があり、安全性に問題があった。 【0005】そこで、本発明は、これらの問題を解消し、安全性の高いコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置を提供することを技術的課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この技術的課題を解決するため、請求項1に記載した発明のコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置は、エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、その走行速度を変速するための副変速レバーと、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガとを備えてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの操作制御手段には、前記副変速レバー位置を検知する検知手段と、該検知手段にて検知された変速位置の信号を記憶する記憶手段とを備え、前記操作制御手段は、前記変速位置が路上走行位置であるときには、前記排出オーガの作動を禁止するように制御するものである。 【0007】そして、請求項2に記載した発明のコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置は、エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガとを備えてなるコンバインにおいて、コンバインの運転部には、排出オーガの作動を禁止するための作動禁止スイッチを設け、該作動禁止スイッチのON操作により、前記排出オーガを非作動状態に保持するように制御する操作制御手段を有するものである。 【0008】そして、請求項3に記載した発明のコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置は、エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガと、前記排出オーガの動力を継断するためのオーガクラッチと、該オーガクラッチを継断作動させるクラッチアクチュエータと、を備えてなるコンバインにおいて、前記クラッチアクチュエータにおけるオーガクラッチの入り状態と切断状態とを検知するセンサと、該センサの出力信号を記憶する不揮発性メモリとを備え、コンバインの電源を投入したとき、不揮発性メモリに記憶された信号を参照し、オーガクラッチを切断状態に保持するように制御する操作制御手段を備えたものである。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面(図1〜図10)に基づいて説明する。 【0010】本発明に係る汎用コンバイン1は、左右一対の走行クローラ2,2にて支持された走行機体3の前面に、刈取前処理装置4を昇降調節可能に装着するとともに、前記走行機体3に、エンジン5と、前記刈取前処理装置4から送られた穀稈を脱穀するための脱穀部6と、搖動選別及び風選別を行うための選別部7とを搭載するように構成されている。 【0011】刈取前処理装置4には、図1及び図2に示すように、横長でバケット状のプラットホーム8における前端下部に刈刃9が横設され、当該プラットホーム8の前側上方に、左右一対の昇降リンク11,11を介して掻き込みリール10が配設してある。刈刃9にて刈取った穀稈はプラットホーム8内に掻き込まれる。プラットホーム8内には、横送りオーガ12を横設しており、当該横送りオーガ12を回転駆動させることによって、プラットホーム8の左右中央から進行方向に向かってやや左寄り位置に、前記刈取られた穀稈を集積するようにしている。尚、プラットホーム8の両側前端には、分草体を配設している。 【0012】プラットホーム8における前記穀稈の集積部から後方に延びた略矩形筒状のフィーダハウス13の後端は、脱穀部6の前端側における穀稈投入口に連通するとともに、走行機体3に対して昇降回動自在に支持されている。そして、走行機体3の前端とフィーダハウス13の下面とを油圧シリンダ15にて連結することにより、刈取前処理装置4は昇降調節可能に構成される。尚、前記穀稈投入口の前方には、左右水平方向に回転軸心を有する円筒状のビータ21を配設しており(図1及び図3参照)、前記集積された穀稈は、フィーダハウス13内の搬送コンベア14にてビータ21の前端側へ搬送された後、当該ビータ21によって、脱穀部6へ強制的に搬送される。 【0013】また、フィーダハウス13の上方であって、走行機体3の前端には、運転席17、操向丸ハンドル18及び各種レバーやスイッチ類を備えた操作盤が配置された運転室16を有する(図1及び図2参照)。当該運転室16は、プラットホーム8内や掻き込みリール10等が見渡せるように視界が良好な位置にあり、左右両側より乗降できるようにしている。 【0014】走行機体3内における脱穀部6には、図1、図2に示すように、第一扱室22と第二扱室23とを隣接させ、両扱室22,23内の扱胴24,25を、その回転軸線が平行となるように配設している。即ち、走行機体3の前側寄りの第一扱室22内にはロータ状の第一扱胴24を、その後側の第二扱室23内には同じくロータ状の第二扱胴25を、それぞれの回転軸線が汎用コンバイン1の進行方向に対して左右水平方向に延びるように配設している。尚、各扱胴24,25の外周面には、図示しない複数の扱歯を有するスクリュー羽根をそれぞれ螺旋状に巻回突設している。 【0015】各扱胴24,25の下方には、それぞれ円弧状の受け網26,27を、各スクリュー羽根から所定距離隔てて配置し、各扱胴24,25の上方には、それぞれ上部カバーを配置して、各扱室22,23が構成されている。また、前低後高に緩やかな円弧状となるように傾斜させた第一受け網26の右側後部には、連通口を、第二扱胴25における上部外周面の接線方向に向かって延びるように形成している。当該連通口の後端は、第二扱胴25における回転軌跡の前端部近傍まで延出されている。第二受け網27の左側後部には、排出口を設けている。 【0016】第一扱胴24における外周面のうち前記連通口に接近する部位には、図2に示すように、第一扱胴24の半径方向に突出する複数枚の板状の送り羽根24bが形成され、同様に、第二扱胴25における外周面のうち前記排出口に接近する部位には、第二扱胴25の半径方向に突出する複数枚の板状の送り羽根25bが形成されている。 【0017】前記排出口の後側下方には、ガイドプレートを走行機体の後方に向かって延びるように設け、当該ガイドプレートの後側上方には、排稈を強制的に後方へ送り出す排稈ビータ31を設けている(図1参照)。当該排稈ビータ31は、前記各扱胴24,25の外径に比べて、その外径を小さくした組立容易な形状であり、その回転速度を第二扱胴25の回転速度よりも速くして、その周速度を各扱胴24,25より同等以上の速度とすることにより、排稈を後方に送り出す性能を高めている。 【0018】この構成において、前記エンジン5の出力軸からプーリ及びベルト伝動により、前記各扱胴24,25が図1において反時計方向に回転すると、フィーダハウス13から穀稈投入口20へ搬送された穀稈は、第一扱室22内の第一受け網26上に引き込まれ、この第一受け網26上を連通口に近づく方向に送られながら脱穀処理される。次いで、第一扱胴24の送り羽根24bにて排出された未処理穀稈は、連通口を介して、第二扱室23内の第二受け網27上に引き込まれ、この第二受け網27上を排出口に近づく方向に送られながら脱穀処理される。 【0019】脱穀後の排稈は、第二扱胴25の送り羽根25bにて、排出口より排出され、排稈ビータ31が図1において反時計方向に回転することによって、ガイドプレート上に引き込まれる。次いで、前記排稈は、前記排稈ビータ31の後方に配設された吸引ファン32に取込まれたのち、走行機体3の後端に左右全幅に渡って横架されたチッパー式のスプレッダ33に受け継がれて、当該スプレッダ33における複数の鉈状の刃によって切断され、走行機体3の後端から圃場に排出される。各受け網26,27を漏下した排藁混じりの穀粒は、後述する選別部7に落下させて選別される。 【0020】尚、前記各上部カバーにおける水平状に形成した上部内周面には、送塵弁34,34が、左右水平方向に適宜間隔を隔てて回動自在に枢支しており、当該送塵弁34,34を回動操作することによって、穀稈が各扱胴24,25内を移動する時間は、穀稈の品種や穀稈の状態に合わせて調整される。 【0021】脱穀部6の下方に配置された選別部7は、図1に示すように、走行機体3の前後方向に一体的に搖動する搖動本体36、選別風を発生させる唐箕ファン40、選別された一番物を左右方向に搬送する一番受樋の一番スクリューコンベヤ41及び二番物を搬送する二番受樋の二番スクリューコンベヤ42等により構成されている。これらのスクリューコンベヤ41、42は、図1に示すように、側面視で走行クローラ2,2の後側上方に横設されている。 【0022】グレンパン36aからの処理物(穀粒)は一番受樋にて受けられ、チャフシーブ39によって選別された処理物(穀粒)は及び二番受樋にて受けられ、一番スクリューコンベヤ41の左端部に連通して立状に配設したバケット式の揚穀コンベア43及び二番スクリューコンベヤ42の左端部に連通するように設けた還元コンベア44並びに走行クローラ2,2が互いに干渉しないように構成されている。 【0023】搖動本体36は、第一扱胴24の前端下方から選別部7の後端までにわって配置され、搖動リンク機構37(図3参照)によって前後方向に搖動自在に支持されている。搖動本体36前部には、各扱胴24,25の下方に渡って落下した穀稈を受けるグレンパン36aを形成している。当該グレンパン36aは、側面視波状に形成されており、グレンパン36a上に落下した穀稈は、搖動本体36の搖動にて後方に搬送される。 【0024】グレンパン36aの後端には、フルイ線を連設し、当該フルイ線38の下方から搖動本体36の後端部にかけて、搖動本体36の左右水平方向に横架した複数のチャフフィンから成るチャフシーブ39を配設している。当該チャフシーブ39の下方における搖動本体36の底面には、落下口を設け、図示しないクリンプ網を被装している。また、搖動本体36のグレンパン36aにおける前後中途部の下方には唐箕ファン40を横設している。 【0025】この構成において、前記エンジン5の出力軸からプーリ及びベルト伝動にて唐箕ファン40及び搖動本体36等を駆動させると、各受け網26,27から落下した排藁混じりの穀粒は、グレンパン36a及びチャフシーブ39によって、排藁と微塵混じりの穀粒とに分離され、排藁は走行機体3の後端から圃場へ排出される。微塵混じりの穀粒は、グレンパン36a及びチャフシーブ39の下方を流れる唐箕ファン40からの選別風によって、穀粒と微塵とに分離され、微塵は走行機体3の後端から圃場へ排出される。 【0026】選別された穀粒のうち二番受樋に集まったものは、二番スクリューコンベヤ42及び還元コンベア44を介して第一扱室22内へ還流させる。一番受樋に集まった穀粒は、一番スクリューコンベヤ41及びバケット式の揚穀コンベア43を介して脱穀部6上に設けられたグレンタンク(穀粒タンク)45に集積される。 【0027】グレンタンク45は、その下端側が前後の傾斜板により下窄まり状に形成されており、グレンタンク45の上部には、穀粒を前後方向に均等分散させるためのレベリングオーガ46(図4参照)もしくは回転羽根からなるレべリングディスク47(図1参照)が配設されている。グレンタンク45の下部には、走行機体3の幅方向の一方(実施形態では走行機体3の右端)の受継ぎ口49に向かって穀粒を送るためのスクリューコンベヤからなる横移送装置48と、前記受継ぎ口49から走行機体の後端側の排出オーガ51の縦オーガ筒51aに向かって穀粒を移送する後向き移送装置50とを備える。なお、横移送装置48の上方には断面山形の横長の庇体52を配置することにより、グレンタンク45内の穀粒がスクリューコンベヤを圧密して穀粒移送の障害になるのを防止している。 【0028】前記グレンタンク30の内部に貯留された穀粒を排出する排出オーガ51は、図1、図2、図4、図5及び図6に示すごとく、内部に縦スクリューコンベヤ(図示せず)を内蔵し、軸線が略垂直方向となるように立設した縦オーガ筒51aと、その上端に連設して横方向軸線の引継ぎスクリュー(図示せず)が内蔵された引継ぎ部ケース51cと、該引継ぎ部ケース51cの一側に設けた継手部箇所で起伏回動自在に連結された横スクリューコンベヤ53を内蔵した横オーガ筒51bとにより構成されている。 【0029】また、エンジン5からの動力は、ベルトテンション型のオーガクラッチ54(図3、図4及び図9参照)を介してグレンタンク45における前記横移送装置48と移送装置50のスクリューコンベヤに伝達される一方、該スクリューコンベヤの後端のベベルギヤ等を介して前記縦スクリューコンベヤ及び横スクリューコンベヤ53に伝達される。 【0030】図9に示すように、オーガクラッチ54は、駆動プーリ90と従動プーリ91とに巻回したベルト92を緊張させたり緩めるテンションプーリ93が、基端を中心に回動するテンションアーム94の先端に装着されてなる。そして、テンションアーム94の中途部と、クラッチアクチュエータとしての正逆回転可能なモータ95により回動するクランクアーム96の先端とを付勢バネ98付きのワイヤ97にて連結する。また、前記クランクアーム96をアシストバネ99にて所定の方向に付勢している。モータ95を正回転してクランクアーム96を図9の実線位置にするとき、ワイヤ97を介してテンションアーム94の先端のテンションプーリ93がベルト92を緊張させてクラッチ入りの状態となり、逆に、モータを逆回転させるとクランクアーム96が前記と略180度異なる位置になってワイヤ97を緩め、テンションプーリ93がベルト92から離れてクラッチ切りの状態となる。前記モータ95内もしくはクランクアーム96と一体的に回転する部分には、カム(図示せず)を設け、このカムがクラッチ入りの位置に配置したリミットスイッチ100a及びクラッチ切りの位置に配置したリミットスイッチ100bにそれぞれ当接(押圧)すると、モータ9」の回動が停止する。このオーガクラッチの継断の操作は、後述する第1操作部65及び第2操作部66の所定のオーガクラッチスイッチ69(72)のスイッチ操作にて実行できる。 【0031】図6に示すように、正逆回転可能な駆動モータ等の旋回用アクチュエータ55に取付く駆動ギヤ56から旋回可能な縦オーガ筒51aの外周に固着した従動ギヤ57に動力伝達することにより、当該縦オーガ筒51aがその軸線回りに左右に旋回し、引継ぎ部ケース51cと共に前記横オーガ筒51bが左右に旋回できるように構成されている。なお、前記旋回用アクチュエータ55はブレーキ付きの駆動モータである。また、前記縦オーガ筒51aは、その上下中途部で分割し、上側の筒部のみを旋回可能に構成し、この部分を旋回用アクチュエータ55にて旋回駆動するように構成しても良い。 【0032】横オーガ筒51bを起伏回動駆動させるための昇降用アクチュエータとしての油圧シリンダ58は単動型であり、該油圧シリンダ58の一端を縦オーガ筒51aの外面に固定した支持ブラケット59に、他端を横オーガ筒51bの外面にリンク機構を介して回動可能に枢着されている。 【0033】前記横オーガ筒51bの昇降用アクチュエータである油圧シリンダ58を作動制御するための油圧回路60(図6参照)には、前記エンジン5の出力軸からの伝動力にて回転する油圧ポンプ61と、油圧シリンダ61のための電磁ソレノイド62a,62b付き電磁制御(切換)弁62と、所定油圧以上になれば油をタンク63に戻すリリーフ弁64とを備える。 【0034】前記運転室16の後壁面などに設けた第1操作部65と、横オーガ筒51bの先端部に備えた第2操作部66とには、それぞれ前記排出オーガ31を操作する操作スイッチや操作スティック、設定器等を備えている。即ち、第1操作部65の操作パネルには、走行機体1の上面に設けた上向き開放状のオーガレスト82(図1及び図2参照)の位置から、横オーガ筒31bの向きを右旋回(図2において時計方向旋回)または左旋回(反時計方向旋回)させて、所定の位置にて停止させるための旋回角度位置を予めセットするための可変抵抗器等の旋回位置設定器67と、オートセット及びオートリターンの指令のためのロッカースイッチ(シーソスイッチ)等からなる旋回指令スイッチ68と、前記オーガクラッチ54をON・OFF作動させるためのロッカースイッチなどからなるオーガクラッチスイッチ69と、手動優先で前記横オーガ筒31bを左右に旋回させ、又は起伏移動させるための4方向傾動クロスレバー等からなる手動操作スイッチ70とを備える(図7参照)。 【0035】なお、前記可変抵抗器の旋回位置設定器67に代えて、手動操作スイッチ70により、オートセット位置まで横オーガ筒31bを旋回させて停止し、図示しないオートセット指令スイッチを所定時間(通常のオートセット指令時の押下時より長い時間)だけ押下し続けると、旋回位置検出センサ83の現在値を読取り、その値(オートセット位置)をEEPROM88に記憶させるという構成を採用しても良い。このように構成すると、スイッチ類の数を削減できるし、可変抵抗器の旋回位置設定器67に不注意で触れて、設定した旋回位置がみだりに変化するという不都合も回避できる。 【0036】図8に示すように、第2操作部66には、前記オーガクラッチ54をON・OFF作動させるためのロッカースイッチなどからなるオーガクラッチスイッチ72と、手動にて前記横オーガ筒31bを左右に旋回させ、又は起伏移動させるための4方向傾動クロスレバー等からなる手動操作スイッチ73とを備える。 【0037】例えば、前記旋回指令スイッチ68を一方(上)に倒すと、前記セットされた旋回角度位置に横オーガ筒31bの向きをセットするように指令する自動セット指令スイッチ部68aに信号を出し、ランプ71が点灯する。ロッカー(シーソ)スイッチ68を他方(下)に倒すと、オーガレスト82(図1及び図2参照)の位置に横オーガ筒31bを自動復帰させるための自動収納指令スイッチ部68bに信号を出す。 【0038】また、前記オーガクラッチスイッチ69(72)を一方(上)に倒すと、オーガクラッチ54をON作動させるように指令する信号が出力され、他方(下)に倒すとオーガクラッチ54をOFF作動させるように指令する信号が出力される。なお、オーガクラッチ54のON作動時にはランプ81が点灯する。 【0039】手動操作スイッチ(レバー)70(73)を左方に傾動すれば左旋回スイッチがONし、右方に傾動すれば右旋回スイッチがONし、上方に傾動するとオーガ上昇スイッチがONし、下方に傾動させるとオーガ下降スイッチがONし、前記いずれも作業者が傾動操作しているときのみON信号が出力され、手を離すと中心位置に戻りOFF信号が出力される。この手動操作スイッチ70(73)による操作は、前記オートセット及びオートリターンの作動の指令よりも優先される。 【0040】なお、横オーガ筒31bの先端部には、図8に示すように、下向きに開口した排出口74が設けられ、該排出口73の4側周を囲むように合成樹脂材等からなる透明カバー75が設けられ、また、透明カバー75の外方向から光式または超音波式の穀粒センサ76が配置されており、穀粒の排出箇所(堆積箇所)で満杯になるとそれを感知するように構成されている。 【0041】図10は運転室16の平面図であり、運転席17の側方の運転パネル部には、主変速レバー19と、副変速レバー20とが配置されている。変速レバー19より前方の運転パネル部には多項目の表示が可能な液晶パネル101が配置されている。主変速レバー19は、中立位置(ニュートラル)から前方に傾動すると、前進位置であり、後傾すると後退位置となり、傾角度大きいほどエンジン回転数が増大する。副変速レバー20は、作業走行、路上走行、走行停止中の作業などの部位にセットでき、各部位の間にニュートラル位置がある。副変速レバー20の操作部位(走行モード)を検知できる副変速レバー操作位置検知スイッチ(センサ)103が設けられており(図示せず)、後述する制御装置77に部位毎を検知した信号を出力する。丸ハンドル18の下方の操縦コラムの一側にはアクセルレバー102が配置されている。また前記運転パネル部には排出オーガ31の作動を禁止するための作動禁止スイッチ102が設けられている。 【0042】図11は運転室16内等に設けたマイクロコンピュータ等の電子式の制御装置77の機能ブロック図であり、後述する穀粒排出オーガ31の左右旋回及び昇降、穀粒排出作動の制御(操作制御)を実行するものであって、各種演算を実行する中央処理装置(CPU)78の他、上記各作動の制御プログラムを記憶させるための読み出し専用メモリ(ROM)79、各種データを記憶させるための随時読み書き可能メモリ(RAM)80、後述する各種入力部及び出力部に接続してデータを伝送するための入出力インターフェイス、タイマー機能としてのクロック、制御装置77の電源を切っても記憶保持する不揮発性メモリ(EEPROM)88や信号バス等を備える。 【0043】前記制御装置77の入力インターフェイスには、前記第1操作部65及び第2操作部66における各スイッチ部68、69、70、72、73及び旋回位置設定器67の出力部と、前記横オーガ筒31bが、走行機体1の上面に設けたオーガレスト(収納位置)82(図1及び図2参照)の位置に載置されたこと(収納されたこと)を感知するレストセンサ82a、穀粒センサ76、前記穀粒排出オーガ31の左右旋回用アクチュエータ55に関連させて設けた回転角度検出用のロータリポテンショメータ等の旋回位置検出器83、リミットスイッチ100a,100b、作動禁止スイッチ102、副変速レバー操作位置検知センサ103が接続されている。 【0044】他方、出力インターフェイスには、自動セット指令スイッチ部のON操作を表示する自動セットランプ71と、前記オーガクラッチ54のON状態を示すランプ81と、オーガクラッチ54のON駆動回路84と、同じくオーガクラッチ20のOFF駆動回路85と、旋回用アクチュエータ31の右旋回駆動回路86と、同じく旋回用アクチュエータ55の左旋回駆動回路87と、横オーガ昇降用の油圧シリンダ58の電磁制御弁62のうち上昇用電磁ソレノイド62a及び下降用電磁ソレノイド62bと、液晶パネル101とを接続している(図11参照)。 【0045】次に、穀粒排出オーガの動作制御について説明する。 【0046】まず、回動角度を予め設定して、排出オーガ51の自動旋回操作を実行する実施形態について説明する。なお、この自動旋回操作では、グレンタンク45からの穀粒排出作業なしの状態(オーガクラッチ54が切りの状態(OFF状態))で実行するものであり、自動旋回操作では、コンバインにおけるオーガレスト82位置から、当該コンバインの側方等に停止させた運搬車両の荷台上に横オーガ筒51bの先端部(穀粒排出部)を位置させる作業(オートセット作業)や、逆に穀粒排出作業終了後に前記オーガレスト82の位置に戻す作業(オートリターン作業)を実行するものである。 【0047】まず、コンベヤの平面図を示す図2において、オーガレスト82に横オーガ筒51bが載置されている位置を、旋回角度αo=0度とし、時計回りを右旋回、反時計回りを左旋回と呼ぶことにする。穀粒排出作業に際して横オーガ筒51bが左右に旋回する範囲は、オーガレスト82の位置から右旋回可能範囲α1で約90度、左旋回可能範囲α2で210度程度に設定する。オートセット作業では横オーガ筒51bは右旋回とする。 【0048】ところで、穀粒の排出作業に際しては、コンバインにおける上部の器具や運転室16の上部、コンバインの運転部に搭乗したオペレータに前記横オーガ筒51bが衝突しないようにする必要がある。まず、オートセット操作するには、前記収納位置(オーガレスト)82から横オーガ筒51bを上向きに一定高さ(最大高さ位置、図1のYo参照)まで揺動上昇させた後、コンバインの走行機体の側方等に横付けした運搬車両の荷台上に、横オーガ筒51bの先端の排出口がくるように水平回動させる操作を行う必要がある。 【0049】また、穀粒の排出作業の前又は最中に横オーガ筒51bの先端部の高さ位置もしくは左右位置を微調節すべく、オーガクラッチ54がON(入り)の状態で横オーガ筒51bを移動させるときには、荷台側に位置する作業者が、横オーガ筒51bの先端部の第2操作部66における手動操作スイッチ73を操作し、もしくは運転室16におけるオペレータが、前記第1操作部65における4方向傾動スイッチ70を操作するときがある。その後、オートリターン操作を実行するときには、前記手動操作による横オーガ筒51bの先端部の高さが低い側に変更されている可能性があるため、横オーガ筒51bの先端部の高さを前記所定の最大高さ位置(図1の最大上昇距離Yo参照)まで上昇させてから、水平旋回させて後オーガレスト位置82の箇所まで下降動させるのである。 【0050】なお、オーガクラッチ54がON(入り)、OFF(切り)の状態の如何に拘らず、横オーガ筒51bの先端部の第2操作部66における操作が第1優先順位であり、運転室16における前記第1操作部65における4方向傾動スイッチ70の操作は優先順位の第2位であり、さらに前記第1操作部65におけるオートセット及びオートリターンの操作スイッチ68の操作(自動制御操作)は優先順位の第3位となるように制御することが好ましい。 【0051】次に、コンバイン1の路上走行時におけるオーガ作動禁止の制御について説明する。図12のサブルーチンフローチャートにおいて、オーガ操作制御のスタートに続き、作動禁止スイッチ102の位置を判別する(S1)。作動禁止スイッチ102がONのときには(S1:ON)、排出オーガ31のオーガクラッチ54も作動させないし、昇降及び水平旋回の動作のいずれも禁止する(S2)。従って、第1操作部65及び第2操作部66のいずれのスイッチ、レバーを動かしても、制御装置77の箇所で出力信号は出さない。オペレータが運転部において前記作動禁止スイッチ102をONにセットしておけば、不注意で前記操作部のスイッチを押しても排出オーガ31が作動しないから至極安全である。 【0052】作動禁止スイッチ102がOFFのときには(S1:OFF)、次いで副変速レバー20の操作位置センサ103の信号を判別する(S3)。前記センサ103の位置が路上走行の時には、前記S2とする。これにより、オペレータが万一作動禁止スイッチ102をONするのを忘れても、路上走行しようとして副変速レバー20を路上走行の位置に動かせば、排出オーガ31の作動はすべて禁止されるから、不意に横オーガ筒31bが上昇したり、穀粒が排出されるという事故が無くなるのである。 【0053】S3において、副変速レバー20の位置が路上走行以外の位置であれば、前記の排出オーガ31の手動作動、自動操作か許可される。即ち、S4で、手動操作レバー(スイッチ)70、73がON作動であれば(S4:ON)、オーガの手動操作が実行される(S5)。手動操作レバー(スイッチ)70、73がOFF作動であれば(S4:OFF)、次にオートセットまたはオートリターンのスイッチ68の位置を判別し(S6)、所定のオートセットまたはオートリターンのの自動制御を実行する(S7)。 【0054】図13は、オーガクラッチ54の作動状態を正確且つ確実に把握して誤動作しない作動を保証する制御についてのサブルーチンフローチャートである。まず、電源を投入した後の通常の排出オーガ31の作動の実行中において、オペレータもしくは作業者がスイッチ68または72を操作する毎に、オーガクラッチ54の入り状態(ON状態)及び切り状態(OFF状態)を検知するため、前記モータ95もしくはその出力軸の関連させたカム位置を検出するリミットスイッチ即ち、入りリミットスイッチ102aと切りリミットスイッチ102bの信号を制御装置77に出力してEEPROM88にて記憶させておく。 【0055】そして、作業中断等で一旦電源をOFFにした後、再度電源を投入すると(S10:yes )、前記EEPROM88の信号を読み出し(S11)、判定する(S12)。この判定ステップにおいて、前記記憶された信号が「切り」の信号であれば(S12:切り)、そのまま通常のオーガクラッチ制御に入る(S13)。もし、記憶された信号が「入り」の信号であれば(S12:入り)、前記モータ95をクラッチ切り方向に作動させる(S14)。その後通常のオーガクラッチ制御に入るのである(S13)。S14での信号をEEPROM88にて記憶させることはもちろんである。以上のようにして、万一、オーガクラッチ54が入りの状態のまま作業を中断したり、エンジン5の振動にて、前記入りリミットスイッチ102aと切りリミットスイッチ102bに対するカム位置がずれる等して、実際にはオーガクラッチ54は切りの状態であるのに、入りの状態と判断するというリミットスイッチ側の出力信号の不都合があった場合や、穀粒排出作業途中での電源OFF後の再度の電源投入時に、オーガクラッチか嫁照らずOFF(切り)側に保持することで、グレンタンク45内の穀粒が不用意に排出されないようにすることができ、安全であるという効果を奏する。 【0056】本発明は、実施形態に示す稲、麦、大豆等を走行機体における前方の全幅にわたって刈取りした後脱穀できる汎用コンバインばかりでなく、自走自脱型のコンバインにも適用できることはいうまでもない。 【0057】 【発明の効果】上記に示すように、請求項1に記載したコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置は、エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、その走行速度を変速するための副変速レバーと、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガとを備えてなるコンバインにおいて、前記排出オーガの操作制御手段には、前記副変速レバー位置を検知する検知手段と、該検知手段にて検知された変速位置の信号を記憶する記憶手段とを備え、前記操作制御手段は、前記変速位置が路上走行位置であるときには、前記排出オーガの全ての作動を禁止するように制御するものである。 【0058】このように構成すれば、オペレータが路上走行を実行するときには、必ず副変速レバーを路上走行位置にセットするから、この状態で排出オーガの操作部のスイッチ等に不用意に触れても、排出オーガが作動しないから安全である。 【0059】そして、請求項2に記載した発明のコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置は、エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガとを備えてなるコンバインにおいて、コンバインの運転部には、排出オーガの作動を禁止するための作動禁止スイッチを設け、該作動禁止スイッチのON操作により、前記排出オーガを非作動状態に保持するように制御する操作制御手段を有するものである。 【0060】この構成によれば、作動禁止スイッチをONすれば、確実に排出オーガの作動ののすべてを禁止できるから、請求項1の発明と同様に安全である。 【0061】そして、請求項3に記載した発明のコンバインにおける排出オーガ装置の制御装置は、エンジンを搭載したコンバインの走行機体に、脱穀部と、脱穀された穀粒を貯留する穀粒タンクと、該穀粒タンクから機外に穀粒を排出する排出オーガと、前記排出オーガの動力を継断するためのオーガクラッチと、該オーガクラッチを継断作動させるクラッチアクチュエータと、を備えてなるコンバインにおいて、前記クラッチアクチュエータにおけるオーガクラッチの入り状態と切断状態とを検知するセンサと、該センサの出力信号を記憶する不揮発性メモリとを備え、コンバインの電源を投入したとき、不揮発性メモリに記憶された信号を参照し、オーガクラッチを切断状態に保持するように制御する操作制御手段を備えたものである。 【0062】このように構成すれば、万一オーガクラッチの状態が正常であるのにセンサ部分の出力状態と齟齬を来した場合や、穀粒排出作業中に電源を落とした場合においても、その再度の電源投入時には、オーガクラッチを切りの状態に戻ししから作業再開するので安全であるという効果を奏する。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006851 【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年4月10日(2000.4.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079131 【弁理士】 【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2001−292626(P2001−292626A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月23日(2001.10.23) |
| 【出願番号】 |
特願2000−107961(P2000−107961) |
|