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【発明の名称】 コンバインの排出オーガ
【発明者】 【氏名】豊田 功

【要約】 【課題】従来の排出オーガの横送りオーガの伸縮構造では、縦送りオーガとの基部から大きく離間した位置に伸縮部を設けていたため、該伸縮部に第二筒体等の重量がかかり、基部の受け継ぎケース等の連結部材に応力が集中して排出オーガの各駆動機構が故障する、という問題、および横送りオーガ先端部が二重構造を呈して、見栄えの点からも好ましくない、という問題があった。

【解決手段】排出オーガ17を、グレンタンク15から上方に穀物を搬送する縦送りオーガ17aと、該縦送りオーガ17aに連設して穀粒を排出口86まで側方に搬送する横送りオーガ17bとから形成し、該横送りオーガ17bを複数の筒体より構成したコンバインにおいて、前記縦送りオーガ17aに連設した第一筒体61の基部側にガイド体62を固設し、該ガイド体62に摺動可能に第二筒体63を設けることにより伸縮部50を構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に伸縮自在に備えたコンバインにおいて、伸縮部を排出オーガの基部側に配置したことを特徴とするコンバインの排出オーガ。
【請求項2】 グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に伸縮自在に備え、該排出オーガを、前記グレンタンクから上方に穀物を搬送する縦送りオーガと、該縦送りオーガに連設して穀粒を排出口まで側方に搬送する横送りオーガとから形成し、該横送りオーガを複数の筒体より構成したコンバインにおいて、前記縦送りオーガに連設した第一筒体の側面にガイド体を固設し、該ガイド体に摺動可能に第二筒体を設けることにより伸縮部を構成したことを特徴とするコンバインの排出オーガ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、選別後の穀物を貯留したグレンタンクの上方に、伸縮可能に設けた排出オーガの伸縮部の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のグレンタンク仕様のコンバインでは、グレンタンク内に貯留した穀粒を排出する場合、排出オーガを駆動してトラック等の荷台に排出するようにしていた。この際、穀物を荷台上に均平に排出することにより、荷台への穀粒の積載を無駄なく行い、荷重バランスを良好にして走行安定性の向上を図るため、排出オーガを上下左右回動可能な構造とし、排出位置を調整できるようにしていた。
【0003】しかし、圃場とトラックとの間に水路や土手の斜面等があり、排出オーガを回動させても届き難い場合などがあるが、このような時には、排出オーガを伸縮構造とし、遠くで待機するトラックまで排出オーガを延出させて、穀粒を排出できるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の伸縮構造においては、グレンタンクから上方に穀物を搬送する縦送りオーガと、該縦送りオーガに連設して穀粒を排出口まで側方に搬送する横送りオーガとから排出オーガが形成され、そのうちの横送りオーガは、複数の筒体、すなわち通常は第一筒体(長筒)・第二筒体(短筒)との二本の筒体から構成されており、第一筒体の後部は前記縦送りオーガに連設されると共に、該第一筒体の先部に第二筒体が摺動可能に設けられていた。
【0005】すなわち、従来の伸縮構造では、縦送りオーガの基部から大きく離間した位置に伸縮部を設けるようにしていたため、該伸縮部に第二筒体や摺動用のガイド体等の重量がかかると、基部にある受け継ぎケース等の連結部材にかかる回転モーメントによる応力集中が著しくなり、排出オーガの駆動機構に付加がかかり、さらに、横送りオーガの先端部が二重構造を呈しているため、見栄えの点からも好ましくない、という問題があった。
【0006】そこで、本発明では、排出オーガの重心が基部側にくるようにすることによって、連結部材への応力集中を緩和して、排出オーガの駆動機構等の故障を防止すると共に、見栄えの良い排出オーガが得られるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。すなわち、請求項1においては、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に伸縮自在に備えたコンバインにおいて、伸縮部を排出オーガの基部側に配置したものである。
【0008】請求項2においては、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に伸縮自在に備え、該排出オーガを、前記グレンタンクから上方に穀物を搬送する縦送りオーガと、該縦送りオーガに連設して穀粒を排出口まで側方に搬送する横送りオーガとから形成し、該横送りオーガを複数の筒体より構成したコンバインにおいて、前記縦送りオーガに連設した第一筒体の側面にガイド体を固設し、該ガイド体に摺動可能に第二筒体を設けることにより伸縮部を構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を解決するための手段は以上の如くであり、次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の伸縮部を配置したコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は同じく前部斜視図、図4は横送りオーガ基部の側面一部断面図、図5は同じく背面一部断面図、図6は横送りオーガの短縮時の側面図、図7は同じく伸長時の側面図、図8は横送りオーガの短縮時の説明図、図9は同じく伸長時の説明図である。
【0010】まず、コンバインの全体構成について、図1乃至図3により説明する。本実施例におけるコンバインはクローラ式走行装置上に機体を支持しており、該クローラ式走行装置はトラックフレーム1に遊転輪や従動輪等を支持してクローラーベルト2を巻回し、該トラックフレーム1に機体フレーム3を固定している。機体フレーム3上に選別部、その上に脱穀部4が配置され、該脱穀部4はフィードチェーン5や扱胴6や平行処理胴7等よりなり、選別部は揺動選別装置や唐箕や流穀板等よりなる。該脱穀部4の側部にグレンタンク15が配置され、選別後の精粒が揚穀筒16を介してグレンタンク15内に投入して貯留するようにしている。該脱穀部4の後部に排藁カッターを収納した排藁処理装置13が配置され、脱粒後の排藁を排藁チェーン14によって搬送する構成としている。
【0011】機体前端に刈取部8が配置され、該刈取部8は引起しケースや掻込装置や刈刃9や搬送装置10や刈取フレーム12等より構成され、刈取フレーム12と機体フレーム3の間に介装した油圧シリンダーによって昇降可能としている。前記刈取部8の後部で、グレンタンク15前部の進行方向右側に操縦部が配置され、該操縦部はキャビン18によって覆われ、該キャビン18内に丸型の操向ハンドル19や座席20や変速レバーや作業レバー、及び本発明に係わる排出オーガ17の伸縮部50を作動させるためのコントロールボックス53等を配置し、該キャビン18の下方にミッションケースやエンジン21等を配置している。
【0012】また、前記グレンタンク15の底部に排出コンベア22が前後方向水平に配置され、グレンタンク15の後部に配置した排出オーガ17の基部と連通される。該排出オーガ17は、縦送りオーガ17aと、先端に排出口86を設けた横送りオーガ17bとからなり、これら縦送りオーガ17a及び横送りオーガ17bの筒ケース内にはそれぞれスクリューを収納し、該スクリューを回動することによって穀粒を搬送できるようにしている。そして、縦送りオーガ17aの下部が前記排出コンベア22と連通して、排出コンベア22のスクリューと縦送りオーガ17aのスクリューが連動連結され、該縦送りオーガ17aは上下中途部に旋回用アクチュエーターとしてモーター23が配置され、更に、その旋回位置もセンサーによって検知され、縦送りオーガ17aを中心としてモーター23の駆動によって横送りオーガ17bを左右回動可能としている。
【0013】次に、本発明に係わる前記伸縮部50について説明する。図1、図6、図7に示すように、横送りオーガ17bは、前記縦送りオーガ17a上端に連通される第一筒体61と、該第一筒体61の側面に垂直方向に固設されるガイド体62と、該ガイド体62により前記第一筒体61と平行に支持される第二筒体63とから形成され、該第二筒体63が前記ガイド体62内を摺動できるようにして伸縮部50が構成されている。
【0014】図4、図5に示すように、このうちの第一筒体61は、前記縦送りオーガ17a上端に受け継ぎケース60を介して昇降回動可能に連結されている。そして、その回動軸66には、昇降用ステー67の後端が連結され、該昇降用ステー67の前後途中部には、第一筒体61後部の補強筒部61bが連結されると共に、昇降用ステー67の先部は、昇降シリンダー24のロッド24a先端に連結され、該昇降シリンダー24の基部は、前記受け継ぎケース60から垂設された支持部材68により支持されている。このような構成において、該昇降シリンダー24を昇降用アクチュエーターとして駆動させると、ロッド24aが伸縮して、前記昇降用ステー67が回動軸66を中心に回動し、昇降用ステー67途中部に連結された第一筒体61も同時に上下方向に昇降回動させることができる。
【0015】また、第一筒体61の両側面には、支持フレーム65の内側が、筒体に平行に固設されると共に、該支持フレーム65の外側には、正面視略U字状の支持ステー71の側面上部が固設され、該支持ステー71の側面下部には、正面視コ字状のガイドレール69の外側が、筒体に平行に固設されている。これら支持フレーム65、支持ステー71、及びガイドレール69とから成る枠組みと、該枠組みの外側を覆う保護プレート72とから前記ガイド体62が構成される。そして、第二筒体63の両側面には、複数の支持部材73が固設され、該支持部材73には、側方に突出したピン73bと、該ピン73bに支持されるコロ、ベアリング等のスライド体73aが設けられ、該スライド体73aは、前記ガイドレール69の内側に形成された溝部に対して摺動(転動)可能に係合されている。このような構成において、第二筒体63は、ガイド体62により第一筒体61の下方に確実に支持されると共に、第一筒体61の軸芯に平行に滑らかに摺動できるようにしている。
【0016】また、第二筒体63の斜め上側面には、内面に螺刻したガイドパイプ74を固設し、該ガイドパイプ74は、ガイドネジ棒75を螺挿可能な構成とし、該ガイドネジ棒75は、チェーンケース64後面に設けたギアなどからなる伝達装置76に連動連結され、該伝達装置76はモーター等からなり、前記コントロールボックス53に設けた操作レバーなどにより、駆動操作できるようにしている。
【0017】そして、図5、図8、図9に示すように、前記縦送りオーガ17a内のスクリュー軸は、受け継ぎケース60内に配設されたベベルギア77に連結され、該ベベルギア77は、第一駆動軸79上のベベルギア78に噛合され、該第一駆動軸79の前端には、外周にスクリューを形成した第一スクリュー軸80が連結されている。
【0018】一方、第一駆動軸79の後端は、前記チェーンケース64内に貫入してスプロケット82を固設し、該スプロケット82は、チェーン85を介して第二駆動軸84後端のスプロケット83と連結されている。そして、該第二駆動軸84は、外周にスクリューを形成した管状の第二スクリュー軸81の中に、筒体に平行に摺動可能であり、かつ第二スクリュー軸81を回動可能に嵌入されている。例えば、該第二スクリュー軸81の内面と第二駆動軸84の外面との断面形状を、略同一形状の多角形状、または凹部と凸部との略噛み合わせ形状などに設定できるが、筒体に平行に摺動可能で、かつ第二スクリュー軸81を回動可能な形状であれば良く、特に限定されるものではない。
【0019】さらに、前記第一筒体61の先部の下面には受け継ぎ口61aが開口され、該受け継ぎ口61aの外縁部からは連結カバー87が垂設され、該連結カバー87は、下方の第二筒体63の後半部分上面に長く開口された受け継ぎ溝63aの両側縁を、外側から覆うように配設されており、前記受け継ぎ口61aまでスクリューにより搬送されてきた穀粒が、下方の受け継ぎ溝63a内に落下する際に、周囲に飛散しないようにしている。そして、図2、図6、図7、図9に示すように、第一筒体61の前端からガイド体62の前端近傍にかけて、飛散防止カバー90がガイド体62内に横設されており、第二筒体63の伸長時に外部に露出した受け継ぎ溝63aから、搬送中の穀粒がスクリュー89・89・・により周囲に飛散しないようにしている。
【0020】このような構成において、コントロールボックス53に設けた操作レバーなどを操作すると、図6乃至図9に示すように、前記伝達装置76が駆動されてガイドネジ棒75が回動し、該ガイドネジ棒75に螺合されたガイドパイプ74が筒体に平行に移動し、それに伴い、該ガイドパイプ74を固設した第二筒体63もガイドレール69・69沿いに押し出されて、前記伸縮部50における伸縮動作が行われるのである。
【0021】従って、以上のように、伸縮部50を排出オーガ17の基部側、すなわち、横送りオーガ17bに伸縮構造を設けた本実施例においては、縦送りオーガ17aの上端側に伸縮部50を配置したので、従来のように縦送りオーガ17a上端から大きく離間した位置に伸縮部を設けた場合に比べて、基部にある受け継ぎケース60等の連結部材への応力集中が著しく軽減されるため、排出オーガ17の昇降回動機構やスクリューの穀粒搬送のための回動機構などを、過大な負荷から確実に保護することができる。
【0022】また、前記縦送りオーガ17aに連設した第一筒体61の基部側からガイド体62を垂設し、該ガイド体62に摺動可能に第二筒体63を設けることにより伸縮部50を構成したので、基部への応力集中の小さい伸縮構造を簡単な構成で得ることができ、加えて、本実施例のように、伸縮部50が第一筒体61と第二筒体63とからなる二重構造をとる場合でも、該伸縮部50は横送りオーガ17bの後端部に配置されているため、安定感があり見栄えの点からも好ましい。
【0023】なお、前記縦送りオーガ17aから伝達されてきたスクリュー回動力は、ベベルギア77・78、駆動軸79・84などを介して、各スクリュー軸80・81に伝達され、前記縦送りオーガ17aにより揚穀された穀粒は、まず第一筒体61内をスクリュー88・88・・により受け継ぎ口61aまで搬送され、該受け継ぎ口61aまで来た穀粒は、下方の受け継ぎ溝63a内に落下し、第二筒体63aのスクリュー89・89・・により先端の排出口86まで搬送されるようにしている。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を装するものである。すなわち、請求項1のように、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に伸縮自在に備えたコンバインにおいて、伸縮部を排出オーガの基部側に配置したので、基部にある受け継ぎケース等の連結部材への応力集中が著しく軽減されるため、排出オーガの昇降回動機構やスクリューの穀粒搬送のための回動機構などを、過大な負荷から確実に保護することができるのである。
【0025】請求項2のように、グレンタンク内の穀物を取り出す排出オーガをグレンタンク上方に伸縮自在に備え、該排出オーガを、前記グレンタンクから上方に穀物を搬送する縦送りオーガと、該縦送りオーガに連設して穀粒を排出口まで側方に搬送する横送りオーガとから形成し、該横送りオーガを複数の筒体より構成したコンバインにおいて、前記縦送りオーガに連設した第一筒体の側面にガイド体を固設し、該ガイド体に摺動可能に第二筒体を設けることにより伸縮部を構成したので、基部への応力集中の小さい伸縮構造を簡単な構成で得ることができ、加えて、伸縮部が第一筒体と第二筒体とからなる二重構造をとる場合でも、該伸縮部は横送りオーガの後端部に配置されているため、安定感があり見栄えの点からも好ましい外観を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−251948(P2001−251948A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−68697(P2000−68697)