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【発明の名称】 脱穀装置のシーブケース構造
【発明者】 【氏名】平田 晋

【要約】 【課題】重量感知式のチャフシーブにおける収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮した最小開度の設定を容易に行えるようにする。

【解決手段】シーブケース6に装備されるチャフシーブ17に、前後方向に所定間隔を隔てて並設されるチャフリップ板17A群を各上端に設定された横軸芯P3周りに連動揺動自在に連結して、チャフシーブ17を開度調節可能に構成するとともに、その開度がチャフシーブ17上の処理物重量に応じて変化するようにチャフリップ板17A群を閉じ側に弾性付勢する開度調節バネ31を設け、かつ、チャフシーブ17の最小開度を設定する操作レバー35を搭乗運転部Fに設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シーブケースに装備されるチャフシーブに、前後方向に所定間隔を隔てて並設されるチャフリップ板群を各上端に設定された横軸芯周りに連動揺動自在に連結して、前記チャフシーブを開度調節可能に構成するとともに、その開度が前記チャフシーブ上の処理物重量に応じて変化するように前記チャフリップ板群を閉じ側に弾性付勢する開度調節バネを設け、かつ、前記チャフシーブの最小開度を設定する操作レバーを搭乗運転部に設けてある脱穀装置のシーブケース構造。
【請求項2】 前記操作レバーに、唐箕から前記シーブケースに向かう選別風量を調節する風量調節板を、前記チャフシーブの最小開度を小さく設定するほど前記選別風量が少なくなるように連係してある請求項1記載の脱穀装置のシーブケース構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開度調節可能に構成されるチャフシーブに、その開度がチャフシーブ上の処理物重量に応じて変化するようにチャフリップ板群を閉じ側に弾性付勢する開度調節バネを設けて、チャフシーブを重量感知式に構成してある脱穀装置のシーブケース構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような脱穀装置のシーブケース構造においては、例えば特開平11−75512号公報で開示されているように、シーブケースの左横外側部に配設された操作レバーを操作することによって、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮したチャフシーブの最小開度の設定を行えるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の従来技術によると、チャフシーブの最小開度を設定変更するためには、搭乗運転部から降りて脱穀装置の左横側まで行き、左側の化粧カバーを取り外した後、更に、脱穀装置の左側壁に形成された点検口を閉塞する点検蓋を取り外す必要があることから、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮したチャフシーブの最小開度の設定が煩わしいものになっていた。
【0004】本発明の目的は、重量感知式のチャフシーブにおける収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮した最小開度の設定を容易に行えるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔構成〕上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、シーブケースに装備されるチャフシーブに、前後方向に所定間隔を隔てて並設されるチャフリップ板群を各上端に設定された横軸芯周りに連動揺動自在に連結して、前記チャフシーブを開度調節可能に構成するとともに、その開度が前記チャフシーブ上の処理物重量に応じて変化するように前記チャフリップ板群を閉じ側に弾性付勢する開度調節バネを設け、かつ、前記チャフシーブの最小開度を設定する操作レバーを搭乗運転部に設けた。
【0006】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、チャフシーブ上に堆積する処理物量が多くなることや収穫する作物が濡れ気味であることによってチャフシーブに作用する処理物重量が重くなるほど、その重量でチャフリップ板群が開度調節バネの付勢力に抗して開き側に下降揺動するようになることから、チャフシーブ上の処理物重量に略比例する状態でチャフシーブの開度を大きくすることができるようになり、逆に、チャフシーブ上に堆積する処理物量が少なくなることや収穫する作物が乾き気味であることによってチャフシーブに作用する処理物重量が軽くなるほど、開度調節バネの付勢力でチャフリップ板群が閉じ側に上昇揺動するようになることから、チャフシーブ上の処理物重量に略比例する状態でチャフシーブの開度を小さくすることができるようになる。
【0007】つまり、チャフシーブを閉じ側に弾性付勢する開度調節バネを設けるだけの簡単な構成でありながら、チャフシーブ上に堆積する処理物量が多くなることや収穫する作物が濡れ気味になることに起因してチャフシーブ上の穀粒がチャフシーブから漏下し難くなる場合には、そのときのチャフシーブ上の処理物重量に略比例する状態でチャフシーブの開度を自動的に大きくすることができ、チャフシーブから穀粒回収用の1番物回収部側に向けての比重の重い穀粒の漏下を促進させることができるので、選別効率の向上を図れるようになる。又、チャフシーブ上に堆積する処理物量が少なくなることや収穫する作物が乾き気味になることに起因してチャフシーブ上の切れワラなどがチャフシーブから漏下し易くなる場合には、そのときのチャフシーブ上の処理物重量に略比例する状態でチャフシーブの開度を自動的に小さくすることができ、チャフシーブから1番物回収部側に向けての比重の軽い切れワラなどの漏下を抑制することができるので、選別精度の向上を図れるようになる。
【0008】しかも、操作レバーの操作によって、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮したチャフシーブの最小開度の設定を行えることから、例えば、収穫する作物の種類が稲のように茎稈がしなやかで脱穀処理時に切れワラなどが発生し難いものである場合には、チャフシーブ上に堆積する処理物の殆どが穀粒になることから、チャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し易くなるようにチャフシーブの最小開度を大きく設定しておくことによって、チャフシーブから1番物回収部側に向けての穀粒の漏下を促進させることができて、選別効率の向上を更に図れるようになる。又逆に、収穫する作物の種類が麦のように茎稈にしなやかさがなく脱穀処理時に切れワラなどが発生し易いものである場合には、チャフシーブ上に堆積する処理物に多くの切れワラなどが含まれるようになることから、チャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し難くなるようにチャフシーブの最小開度を小さく設定しておくことによって、チャフシーブから1番物回収部側に向けての切れワラなどの漏下を抑制することができて、選別精度の向上を更に図れるようになる。
【0009】又、例えば、収穫する作物が濡れ気味でチャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し難くなるものである場合には、その処理物がチャフシーブから漏下し易くなるようにチャフシーブの最小開度を大きく設定しておくことによって、チャフシーブでの処理物詰まりの発生を抑制することができて選別効率の向上を更に図れるようになり、又逆に、収穫する作物が乾き気味でチャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し易くなるものである場合には、チャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し難くなるようにチャフシーブの最小開度を小さく設定しておくことによって、処理物に含まれる切れワラなどのチャフシーブから1番物回収部側に向けての漏下を抑制することができて選別精度の向上を更に図れるようになる。
【0010】その上、チャフシーブの最小開度を設定する操作レバーを搭乗運転部に配設することから、その操作レバーをシーブケースの左横外側部に配設する従来技術では収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮してチャフシーブの最小開度を設定変更する際に行われていた、搭乗運転部から降りて脱穀装置の左横側まで行き、脱穀装置の左側壁から左側の化粧カバーや点検蓋を取り外す、といった煩わしいことを行う必要がない。
【0011】更に、搭乗運転部に居ながらチャフシーブの最小開度の設定を変更できることから、例えば枕地旋回時のように、作業走行中に一時的に刈り取り作業が中断されることによってチャフシーブ上の処理物量が大幅に減少する場合には、それを考慮してチャフシーブの最小開度を一時的に小さくすることもできるので、枕地旋回などに起因した一時的な選別精度の低下をも回避することができるようになる。
【0012】〔効果〕従って、チャフシーブを閉じ側に弾性付勢する開度調節バネを設けるとともに、チャフシーブの最小開度を設定する操作レバーを搭乗運転部に配設するだけの簡単な構成でありながら、チャフシーブ上に堆積する処理物量や作物の濡れ具合に応じた適切なチャフシーブの開度調節を自動的に行えるとともに、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮した適切なチャフシーブの最小開度の設定を搭乗運転部に居ながら簡単に行えるようになることから、選別効率並びに選別精度の向上を効果的に図れるとともに、チャフシーブの最小開度を設定する際の操作性の向上を図れるようになった。
【0013】〔構成〕本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記操作レバーに、唐箕から前記シーブケースに向かう選別風量を調節する風量調節板を、前記チャフシーブの最小開度を小さく設定するほど前記選別風量が少なくなるように連係した。
【0014】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、例えば、収穫する作物の種類が麦のようにチャフシーブ上に堆積する処理物に多くの切れワラなどが含まれるものである場合や、収穫する作物が乾き気味でチャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し易くなるものである場合において、選別精度の向上を図るために、操作レバーを操作して、チャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し難くなるようにチャフシーブの最小開度を小さくすると、それに比例して唐箕からシーブケースに向かう選別風量が少なくなるように風量調節板が連動操作されることから、シーブケースを通過する選別風を、チャフシーブの最小開度を小さくすることで漏下し難くなった処理物のうちの比重の重い穀粒の漏下に与える影響をできるだけ小さくしながら比重の軽い切れワラなどの漏下を効果的に抑制するといった、そのときのチャフシーブの最小開度の設定に応じた好適な風力が得られる程度に弱めることができるようになる。
【0015】逆に、例えば、収穫する作物の種類が稲のようにチャフシーブ上に堆積する処理物の殆どが穀粒になるものである場合や、収穫する作物が濡れ気味でチャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し難くなるものである場合において、選別効率の向上を図るために、操作レバーを操作して、チャフシーブ上の処理物がチャフシーブから漏下し易くなるようにチャフシーブの最小開度を大きくすると、それに比例して唐箕からシーブケースに向かう選別風量が多くなるように風量調節板が連動操作されることから、シーブケースを通過する選別風を、チャフシーブの最小開度を大きくすることで漏下し易くなった処理物のうちの比重の重い穀粒の漏下に悪影響を及ぼすことなく比重の軽い切れワラなどの漏下を効果的に抑制するといった、そのときのチャフシーブの最小開度の設定に応じた好適な風力が得られる程度に強めることができるようになる。
【0016】〔効果〕従って、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮した適切な選別風量の調節をも、チャフシーブの最小開度の設定とともに搭乗運転部に居ながらの単一の操作で簡単に行えるようになることから、選別効率並びに選別精度の向上をより効果的に図れるとともに、チャフシーブの最小開度の設定と選別風量の調節を行う際の操作性のより一層の向上を図れるようになった。
【0017】
【発明の実施の形態】図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置Aで走行する走行機体Bの前部に刈取部Cを昇降可能に連結し、走行機体Bに脱穀装置D及び穀粒タンクEを搭載するとともに、穀粒タンクEの前方箇所に搭乗運転部Fを形成することによって構成されている。
【0018】図2に示すように、脱穀装置Dは、その左側部に配備されたフィードチェーン1により横向き姿勢で挾持搬送される刈取穀稈の穂先側に対して脱穀処理を施す脱穀部D1、脱穀部D1からの処理物に対して選別処理を施す選別部D2、及び、選別部D2にて選別された処理物のうちの1番物と2番物とを回収する回収部D3、などによって構成されている。
【0019】脱穀部D1は、前後向きの横軸芯P1周りに回転駆動される扱胴2、扱胴2の下部側に配備された受網3、及び、受網3の後方に形成された送塵口4、などによって構成されており、扱胴2がフィードチェーン1により挾持搬送される刈取穀稈から穀粒を分離して単粒化し、その単粒化した穀粒や切れワラなどを受網3から選別部D2に漏下させるとともに、受網3から漏下しなかった穀粒や切れワラなどを送塵口4から選別部D2に排出するようになっている。
【0020】選別部D2は、前側の左右両側部が左右向きの横軸芯P2周りに前後揺動可能な支持アーム5に吊り下げ支持された状態で受網3の下方に配設されたシーブケース6、及び、シーブケース6の前下方に配設された唐箕7、などによって構成されており、シーブケース6が、その後部に配設された偏芯式駆動機構8の作動で揺動駆動されることによって脱穀部D1からの処理物に対して篩い選別を施すとともに、唐箕7が、シーブケース6に向けて選別風を供給することによって、シーブケース6により篩い選別される処理物に対して風力選別を付加するようになっている。そして、これらの選別作動によって、脱穀部D1からの処理物を、1番物としての穀粒と、2番物としての穀粒と切れワラなどとの混在物と、3番物としての切れワラなどとに選別するようになっている。
【0021】回収部D3は、シーブケース6の前部下方に形成された1番物回収部9、及び、シーブケース6の後部下方に形成された2番物回収部10、などによって構成されている。1番物回収部9は、選別部D2にて選別処理された処理物のうちの1番物を回収するとともに、その回収した1番物を、その底部に左右向きに配備された1番スクリュー11によって、その右端に連通接続された揚送スクリュー12(図1参照)に向けて搬送するよう構成されている。2番物回収部10は、選別部D2にて選別処理された処理物のうちの2番物を回収するとともに、その回収した2番物を、その底部に左右向きに配備された2番スクリュー13によって、その右端に連通接続された2番還元スクリュー14に向けて搬送するよう構成されている。
【0022】尚、揚送スクリュー12は、1番スクリュー11にて搬送された1番物を揚送して脱穀装置Dの右側方に並設された穀粒タンクEに対して上方から供給するよう構成されている。又、2番還元スクリュー14は、2番スクリュー13にて搬送された2番物を揚送してシーブケース6に還元するよう構成されている。
【0023】図2に示すように、シーブケース6は、シーブケース6の上部前端に配備された第1グレンパン15、第1グレンパン15の後端に連なる状態で後方に向けて延設された複数の第1篩線16、第1篩線16の下方から後方に向けて延出する状態で配設された第1チャフシーブ(請求項に記載のチャフシーブ)17、第1チャフシーブ17の後半部上方に配設された第2グレンパン18、第2グレンパン18から後方に向けて延設された第1ストローラック19と複数の第2篩線20、第1チャフシーブ17の後端に連なる状態で配設された第2チャフシーブ21、第2チャフシーブ21の後端に連なる状態で配備された第2ストローラック22、第1チャフシーブ16の前部下方に配備された第3グレンパン23、及び、第3グレンパン23の後端に連なる状態で配設されたグレンシーブ24、などによって構成されるとともに、第1チャフシーブ17の前方箇所に、第1風路25を介して供給される唐箕7からの選別風を第1篩線16に向けて流動させる第1開口6Aと、第2風路26を介して供給される唐箕7からの選別風を第1チャフシーブ17に向けて流動させる第2開口6Bとが形成されている。
【0024】第1グレンパン15は、受網3の前半部から漏下した処理物を受け止めて比重差選別しながら後方に向けて移送するようになっている。複数の第1篩線16は、受網3の前後中間部から漏下した処理物と第1グレンパン15により移送された処理物の中から比重の重い穀粒などを粗選別して漏下させながら、残りの処理物を後方に向けて移送するようになっている。第1チャフシーブ17は、受網3の後部から漏下した処理物と複数の第1篩線16を経由した処理物の中から穀粒などを粗選別して漏下させながら、残りの処理物を後方に向けて移送するようになっている。第1ストローラック19は、送塵口4から排出された処理物の中から穀粒などを篩い選別して漏下させるとともに、残りの処理物を後方に向けて移送するようになっている。第2グレンパン18は、第1ストローラック19を漏下した処理物を比重差選別しながら後方に向けて移送するようになっている。複数の第2篩線20は、第2グレンパン18により移送された処理物と第1ストローラック19を経由した処理物の中から穀粒などを粗選別して漏下させながら、残りの処理物を後上方に向けて移送するようになっている。第2チャフシーブ21は、第1チャフシーブ17により移送された処理物と複数の第2篩線20から漏下した処理物の中から穀粒などを粗選別して2番物回収部10に漏下させるとともに、残りの処理物を後方に向けて移送するようになっている。第2ストローラック22は、複数の第2篩線20及び第2チャフシーブ21により移送された処理物の中から穀粒などを篩い選別して2番物回収部10に漏下させるとともに、残りの比重の軽い切れワラなどを後方に向けて移送して機外に排出するようになっている。第3グレンパン23は、第1チャフシーブ17の前部から漏下した処理物を比重差選別しながら後方に向けて移送するようになっている。グレンシーブ24は、第3グレンパン23により移送された処理物と第1チャフシーブ17の後部側から漏下した処理物の中から穀粒を精選別して1番物回収部9に漏下させるとともに、残りの処理物を後方に向けて移送して2番物回収部10に供給するようになっている。
【0025】尚、図2に示す符号27は、複数の第2篩線20から漏下した処理物の第1開口6Aからの流出を防止する流出防止板であり、符号28は、第1チャフシーブ17に向けての選別風の流動を許容しながら第1チャフシーブ17の前端部から漏下した処理物の第2開口6Bからの流出を防止する多孔板である。
【0026】図3〜6に示すように、第1チャフシーブ17は、前後方向に所定間隔を隔てて並設されるチャフリップ板17A群を、それらの各上端に設定された横軸芯P3周りで連動揺動自在となるように、第1連結部材29を介してシーブケース6の左右両側壁6Cに枢支連結するとともに、それらの下端同士を第2連結部材30にて連動連結することによって開度調節可能に構成されている。又、第1チャフシーブ17には、チャフリップ板17A群を閉じ側に弾性付勢する引っ張りバネ31が備えられており、これによって、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物量が多くなることや収穫する作物が濡れ気味であることによって第1チャフシーブ17に作用する処理物重量が重くなるほど、その重量で、チャフリップ板17A群が引っ張りバネ31の付勢力に抗して開き側に下降揺動するようになることから、第1チャフシーブ17の開度を、第1チャフシーブ17上の処理物重量に略比例する状態で大きくすることができ、逆に、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物量が少なくなることや収穫する作物が乾き気味であることによって第1チャフシーブ17に作用する処理物重量が軽くなるほど、引っ張りバネ31の付勢力でチャフリップ板17A群が閉じ側に上昇揺動するようになることから、第1チャフシーブ17の開度を、第1チャフシーブ17上の処理物重量に略比例する状態で小さくすることができるようになっている。
【0027】つまり、引っ張りバネ31は、第1チャフシーブ17を、その開度が第1チャフシーブ17上の処理物重量に応じて変化する重量感知式に構成するための開度調節バネであり、開度調節可能な第1チャフシーブ17に開度調節バネ31を設けるだけの簡単な構成で、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物量が多くなることや処理物が濡れ気味になることに起因して第1チャフシーブ17から処理物が漏下し難くなる場合には、それに伴う処理物重量の増加で第1チャフシーブ17の開度を大きくすることができて、処理物のうちの比重の重い穀粒の第1チャフシーブ17から精選別部である第3グレンパン23やグレンシーブ24に向けての漏下を促進させることができ、逆に、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物量が少なくなることや処理物が乾き気味になることに起因して第1チャフシーブ17から処理物が漏下し易くなる場合には、それに伴う処理物重量の減少で第1チャフシーブ17の開度を小さくすることができて、処理物のうちの比重の軽い切れワラなどの第1チャフシーブ17から精選別部である第3グレンパン23やグレンシーブ24に向けての漏下を抑制することができるので、構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図りながらも選別効率並びに選別精度の向上を図れるようになっている。
【0028】しかも、第1チャフシーブ17の開度調節を第1チャフシーブ17上の処理物重量で直接的に行うことによって、第1チャフシーブ17の開度調節を、そのときの第1チャフシーブ17上の処理物の状態に応じて俊敏に行うことができるので、第1チャフシーブ17の実開度と第1チャフシーブ17上の処理物の状態に応じた第1チャフシーブ17の最適開度との誤差を極僅かなものにすることができるようになっている。
【0029】第2連結部材30において、所定のチャフリップ板17Aの遊端左側部に連結されるピン32には、その左端部側が第2連結部材30から左外側方に向けて延出する長尺のものが採用されている。一方、シーブケース6の左側壁6Cには、第1チャフシーブ17の開閉動作に伴うピン32の移動を許容する長孔6aが形成されている。長孔6aは、長尺のピン32が装着されたチャフリップ板17Aの揺動支点である横軸芯P3を中心とした円弧状に形成されており、その上端にピン32が接当する状態では第1チャフシーブ17が限界最小開度(略全閉状態)になり、又、その下端にピン32が接当する状態では第1チャフシーブ17が限界最大開度(全開状態)になるように、第1チャフシーブ17の開閉動作に伴うピン32の移動を規制するようになっている。シーブケース6における左側壁6Cの横外側には、第1チャフシーブ17の最小開度を設定するための操作アーム33が配備されている。
【0030】シーブケース6の左側壁6Cにおいて、所定のチャフリップ板17Aを横軸芯P3周りに揺動自在に支持する第1連結部材29の支軸34と長孔6aとの間における所定位置には、操作アーム33を横軸芯P4周りに揺動操作可能に支持する支点ピン6bが突設されている。操作アーム33の揺動支点側箇所には、第1チャフシーブ17の開閉動作に伴うピン32の移動を許容する長孔33aが形成されている。操作アーム33における揺動支点側箇所の上部に屈曲形成された支持片33Aと、所定のチャフリップ板17Aにおける左側のピン32とに亘って開度調節バネ31が掛け渡されている。つまり、操作アーム33は、第1チャフシーブ17の開閉動作に伴うピン32の移動を許容し、かつ、横軸芯P4周りに揺動操作されると、第1チャフシーブ17の最小開度を変更するとともに、処理物重量による第1チャフシーブ17の開度調節範囲を変更するようになっている。ちなみに、操作アーム33を前上方側に向けて揺動させると第1チャフシーブ17の最小開度を小さくすることができ、又、操作アーム33を後下方側に向けて揺動させると第1チャフシーブ17の最小開度を大きくすることができるようになっている。
【0031】操作アーム33の遊端には、搭乗運転部Fに横軸芯P5周りに前後揺動自在に配設された操作レバー35が操作ワイヤ36を介して連係されており、操作レバー35を前方側に揺動操作すると、操作アーム33を後下方に向けて揺動付勢する引っ張りバネ37の作用によって、操作アーム33を後下方側に向けて揺動させることができて第1チャフシーブ17の最小開度を大きくすることができ、逆に、操作レバー35を後方側に揺動操作すると、引っ張りバネ37の付勢力に抗して、操作アーム33を前上方側に向けて揺動させることができて第1チャフシーブ17の最小開度を小さくすることができるようになっている。
【0032】図3に示すように、操作レバー35には、操作レバー35を前後方向に操作案内するガイド板38に所定ピッチで形成された複数の係合凹部38aに択一的に係合可能な係合突起35aが備えられており、この係合突起35aをいずれかの係合凹部38aに係合させると、その操作位置に応じた揺動姿勢で操作アーム33を維持できるようになることから、第1チャフシーブ17の最小開度の設定を行えるようになり、又、その操作位置に応じたシーブケース6側の長孔6aと操作アーム33の長孔33aとの重なり具合が現出されて、所定のチャフリップ板17Aにおける左側のピン32の移動範囲が制限されるようになることから、処理物重量による第1チャフシーブ17の開度調節範囲を設定できるようになっている。
【0033】唐箕7の前方を覆う唐箕カバー部39には、唐箕7の回転で発生した選別風の一部を外部に流出させる排気口39Aが形成されるとともに、この排気口39Aを開閉自在に覆う開閉カバー40が左右向きの横軸芯P6周りに開閉操作可能に装備されている。開閉カバー40は、操作レバー35に操作ワイヤ41を介して連係されており、操作レバー35を前方側に揺動操作すると、開閉カバー40を排気口39Aに向けて揺動付勢する引っ張りバネ42の作用によって、排気口39Aを閉塞する側に開閉カバー40を揺動させることができて唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量を多くすることができ、逆に、操作レバー35を後方側に揺動操作すると、引っ張りバネ42の付勢力に抗して、排気口39Aを開放する側に開閉カバー40を揺動させることができて唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量を少なくすることができるようになっている。
【0034】つまり、開閉カバー40は、唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量を調節する風量調節板であり、第1チャフシーブ17と風量調節板40とは、操作レバー35の操作で第1チャフシーブ17の最小開度を小さく設定するほど前記選別風量が少なくなるように連動連係されている。
【0035】以上の構成から、例えば、収穫する作物の種類が稲のように脱穀処理時に切れワラなどが発生し難いものである場合には、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物の殆どが穀粒になることから、又、収穫する作物が濡れ気味で第1チャフシーブ17上の処理物が第1チャフシーブ17から漏下し難くなるものである場合には、第1チャフシーブ17において処理物が詰まる虞があることから、第1チャフシーブ17上の処理物が第1チャフシーブ17から漏下し易くなるように操作レバー35を操作して第1チャフシーブ17の最小開度を大きく設定すると、それに連動した風量調節板40の揺動操作で、唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量が多くなって第1チャフシーブ17を通過する選別風が強められた状態になることから、比重の重い穀粒の第1チャフシーブ17からの漏下を促進させるようにしながらも、比重の軽い切れワラなどの第1チャフシーブ17からの漏下を効果的に抑制できるようになっている。
【0036】又逆に、収穫する作物の種類が麦のように脱穀処理時に切れワラなどが発生し易いものである場合には、第1チャフシーブ17上に堆積する処理物に多くの切れワラなどが含まれるようになることから、又、収穫する作物が乾き気味で第1チャフシーブ17上の処理物が第1チャフシーブ17から漏下し易くなるものである場合には、多くの切れワラなどが穀粒とともに第1チャフシーブ17から漏下し易いことから、第1チャフシーブ17上の処理物が第1チャフシーブ17から漏下し難くなるように操作レバー35を操作して第1チャフシーブ17の最小開度を小さく設定すると、それに連動した風量調節板40の揺動操作で、唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量が少なくなって第1チャフシーブ17を通過する選別風が弱められた状態になることから、選別風が開度調節によって漏下し難くなった処理物のうちの比重の重い穀粒の漏下に与える影響をできるだけ小さくして穀粒の第1チャフシーブ17からの漏下を促進させるようにしながらも、このときに設定された最小開度と選別風量の相乗効果で比重の軽い切れワラなどの第1チャフシーブ17からの漏下を効果的に抑制できるようになっている。
【0037】要するに、搭乗運転部Fにて操作レバー35を操作することによって、収穫する作物の種類や濡れ具合などを考慮した第1チャフシーブ17の最小開度と開度調節範囲の設定並びに選別風量の設定を簡単に行えるとともに、それらの設定によって、選別効率の向上と選別精度の向上とをより効果的に図れるようになっている。
【0038】又、搭乗運転部Fに居ながら第1チャフシーブ17の最小開度の設定を変更できることから、例えば枕地旋回時のように、作業走行中に一時的に刈り取り作業が中断されることによって第1チャフシーブ17上の処理物量が大幅に減少する場合には、それを考慮して第1チャフシーブ17の最小開度を一時的に小さくすることもできるので、枕地旋回などに起因した一時的な選別精度の低下をも回避できるようになっている。
【0039】しかも、前述したように、第1チャフシーブ17は、引っ張りバネ37によって最小開度が大きくなる側に付勢されていることから、操作アーム33と操作レバー35とを連係する操作ワイヤ36に延びが生じると、引っ張りバネ37の作用によって最小開度が大きくなる側に操作されて処理物の漏下を促進させるようになっており、これによって、操作ワイヤ36に延びが生じた際に引っ張りバネ37が第1チャフシーブ17の最小開度を小さくするように構成した場合に発生する虞のある、操作ワイヤ36の延びに起因して第1チャフシーブ17上に適量を大幅に越えた処理物が滞留することによる選別効率の低下や第1チャフシーブ17上での処理物詰まりなどの発生を未然に回避できるようになっている。
【0040】一方、風量調節板40は、引っ張りバネ42によって排気口39Aを閉塞する側に付勢されていることから、操作レバー35と風量調節板40とを連係する操作ワイヤ41に延びが生じると、引っ張りバネ42の作用によって排気口39Aを閉塞する側に揺動操作されて唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量を多くし、第1チャフシーブ17などからの比重の軽い切れワラなどの漏下を抑制するようになっており、これによって、操作ワイヤ41に延びが生じた際に引っ張りバネ42が風量調節板40を排気口39Aの開放側に揺動操作するように構成した場合に発生する虞のある、操作ワイヤ42の延びに起因して唐箕7からシーブケース6に向かう選別風量が減少して比重の軽い切れワラなどが第1チャフシーブ17などから漏下し易くなることによる選別精度の低下などを未然に回避できるようになっている。
【0041】図3〜5に示すように、シーブケース6の左外側には、所定のチャフリップ板17Aに左側のピン32を介して連結されるとともに、シーブケース6の左側壁6Cに突設された支点ピン6bに横軸芯P4周りに揺動可能に支持されることで、所定のチャフリップ板17Aの延出方向と逆方向に延出する状態となるカウンタウェイト43が配設されており、このカウンタウェイト43の作用によって、第1チャフシーブ17上での処理物重量の変化による軽い操作力で開度調節される第1チャフシーブ17が、シーブケース6の揺動駆動時に、その自重によって開閉作動することを抑制できるようになっている。
【0042】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
■ 操作レバー35を、任意の操作位置に摩擦保持できるように構成してもよく、又、デテント機構の作用で保持できるように構成してもよい。
■ 操作レバー35に風量調節板40を連係しないように構成してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−245526(P2001−245526A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−61949(P2000−61949)