トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバインの排ワラ搬送部構造
【発明者】 【氏名】有本 敬

【要約】 【課題】排ワラの穂先側に対する搬送能力を高めるとともに、この搬送能力の向上を簡単な構造変更によって行うものとする。

【解決手段】駆動スプロケット18と伝動用スプロケット19とにわたって巻回されて挟持搬送無端回動チェーン34および係止搬送無端回動チェーン33に動力伝達する穀稈搬送用の突起28を備える無端回動チェーン29を、挟持搬送無端回動チェーン34と係止搬送無端回動チェーン33とによって搬送される脱穀排ワラに搬送作用する状態で備えてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀部からの脱穀排ワラを株元側に作用する挟持搬送無端回動チェーンと、穂先側に作用する係止搬送無端回動チェーンとによって横倒れ姿勢で機体後方側に搬送するように構成してある脱穀装置の排ワラ搬送部構造であって、前記挟持搬送無端回動チェーンおよび係止搬送無端回動チェーンそれぞれの搬送終端側が巻回しているチェーン駆動用スプロケットに連動する状態で前記係止搬送無端回動チェーンよりも穂先側に位置している伝動用スプロケットと、前記係止搬送無端回動チェーンの搬送始端側よりも穂先側に位置しているとともに駆動力が伝達される駆動スプロケットとを備え、この駆動スプロケットと前記伝動用スプロケットとにわたって巻回されて伝動用スプロケットに動力伝達する穀稈搬送用の無端回動チェーンを、前記挟持搬送無端回動チェーンと係止搬送無端回動チェーンとによって搬送される脱穀排ワラに搬送作用する状態で備えてある脱穀装置の排ワラ搬送部構造。
【請求項2】 前記穀稈搬送用の無端回動チェーンが、穀稈搬送用突起を備える無端回動チェーンである請求項1 記載の脱穀装置の排ワラ搬送部構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀部からの脱穀排ワラを株元側に作用する挟持搬送無端回動チェーンと、穂先側に作用する係止搬送無端回動チェーンとによって横倒れ姿勢で機体後方側に搬送するように構成してある脱穀装置の排ワラ搬送部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、株元側を挟持搬送する挟持搬送無端回動チェーンと、穂先側を係止搬送する係止搬送無端回動チェーンとによって、脱穀部からの脱穀排ワラを機体後方側に搬送するように構成し、それぞれの無端回動チェーンへの動力を、チェーンの搬送作用側のたるみを抑えるためにチェーン伝動機構を用いて搬送終端側に入力しているものがあった。(例えば、特開平10−215669号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技術では、長い排ワラや深扱ぎされた排ワラなどが排ワラ搬送部に搬送されてきた場合、排ワラ搬送部内の空間は、コンパクト化等の理由によりあまり広く形成されておらず、排ワラ搬送部の側壁に接触して排ワラは曲がってしまい、排ワラどうしの絡まりや穂先が折れ曲がることによる密度が増大などによって排ワラが詰まりやすくなっていた。また、排ワラ搬送部の終端側箇所で穂先側が曲がった状態のまま、排ワラカッター側に供給しようとすると、供給刃の刃部が排ワラに対し滑りやすくなり、この供給刃の上方に排ワラが滞留しやすくなっていた。
【0004】本発明の目的は、排ワラの穂先側に対する搬送能力を高めることによって、排ワラ搬送部内の詰まりを抑制できるようにするとともに、この排ワラ搬送性能の向上を簡単な構造変更によって行うものとすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1にかかる発明の特徴構成は、脱穀部からの脱穀排ワラを株元側に作用する挟持搬送無端回動チェーンと、穂先側に作用する係止搬送無端回動チェーンとによって横倒れ姿勢で機体後方側に搬送するように構成してある脱穀装置の排ワラ搬送部構造において、前記挟持搬送無端回動チェーンおよび係止搬送無端回動チェーンそれぞれの搬送終端側が巻回しているチェーン駆動用スプロケットに連動する状態で前記係止搬送無端回動チェーンよりも穂先側に位置している伝動用スプロケットと、前記係止搬送無端回動チェーンの搬送始端側よりも穂先側に位置しているとともに駆動力が伝達される駆動スプロケットとを備え、この駆動スプロケットと前記伝動用スプロケットとにわたって巻回されて伝動用スプロケットに動力伝達する穀稈搬送用の無端回動チェーンを、前記挟持搬送無端回動チェーンと係止搬送無端回動チェーンとによって搬送される脱穀排ワラに搬送作用する状態で備えてある点にある。
【0006】〔作用〕請求項1に記載の構成によれば、チェーンのたるみを抑えるために搬送後端側まで延出されているチェーン伝動機構を利用して、このチェーン伝動機構の無端回動チェーンに排ワラ搬送部内を移送する脱穀排ワラに対して搬送作用を与えるように構成し、穀稈を搬送可能な無端回動チェーンとしているため、従来から配設されていた無端回動チェーンを簡単な構造変更するだけで、もう1つの搬送機構を得ることができる。つまり、株元側と穂先側との無端回動チェーンの他に、これらの搬送機構に動力を伝達するための無端回動チェーンに排ワラ搬送の作用を有した無端回動チェーンを加えた3つのチェーンよって排ワラを搬送することとなり、新たな無端回動チェーンを設けることなく排ワラ搬送部の搬送能力を向上することができる。
【0007】〔効果〕よって、穀稈に対して搬送作用を有する無端回動チェーンを1つ増やして脱穀排ワラの穂先側の搬送性能を向上することができるとともに、従来から配設されていた無端回動チェーンに搬送作用を持たせることによって、新たに無端回動チェーンを配設させる場合に比べてコストの低廉化をはかれた。
【0008】〔構成〕請求項2にかかる発明の特徴構成は、請求項1に記載の発明において、前記穀稈搬送用の無端回動チェーンが、穀稈搬送用突起を備える無端回動チェーンである点にある。
【0009】〔作用〕上記構成によれば、動力を伝達する無端回動チェーンに穀稈搬送用の突起を備えることによって、この無端回動チェーンを脱穀排ワラに対して搬送作用を有する穀稈搬送用の無端回動チェーンとしている。
【0010】〔効果〕無端回動チェーンに突起を備えるだけなので、簡単な構造変更するだけで脱穀排ワラに対して搬送性能を持たせることができた。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、クローラ式走行装置1が装備された走行機体2に、走行機体2の前部に横軸芯周りに昇降自在に装備した刈取前処理部3と、走行機体2の左側部に搭載した脱穀装置4とを設け、この脱穀装置4の後部に排ワラ処理部27を設けてコンバインを構成してある。
【0012】図2に示すように前記脱穀装置4は、フィードチェーン6と挟持レール7とによって刈取前処理部3からの穀稈の株元側を挟持しながら、扱室8内において駆動回転する扱胴9で穂先側を扱処理して、受網10を漏下した扱処理物を下方の選別部で穀粒・二番物・わら屑等に選別し、穀粒を一番物回収スクリュー11で横側外方の穀粒回収装置に搬出し、二番物は二番物回収スクリュー12で扱室8内に戻して再処理し、細かなわら屑は、排塵ブロア13により機外に排出するように構成してある。
【0013】前記排ワラ処理部27は図3,図5に示すように、排ワラを搬送する排ワラ搬送装置23と排ワラ処理装置26とから構成されている。排ワラ搬送装置23は、脱穀排ワラの株元側に作用する株元挟持搬送機構21と、脱穀排ワラの穂先側に作用する穂先係止搬送装置22とを配備するとともに、前記穂先係止搬送装置22よりさらに穂先側に、前記株元挟持搬送機構21及び穂先係止搬送装置22に駆動力を伝達しながら穀稈搬送を行うチェーン伝動機構40が配備して構成されており、株元挟持搬送機構21、穂先係止搬送機構22、並びにチェーン伝動機構40は、ほぼ等間隔で平行に配置してある。
【0014】株元挟持搬送機構21はアッパーチェーン型で、搬送排ワラの株元側に作用する突起付きの挟持搬送無端回動チェーン34を、搬送終端側の株元側第1スプロケット(チェーン駆動用スプロケットに相当)36と搬送始端側の株元側第2スプロケット(図示せず)とにわたって巻回し、挟持レール35を前記挟持搬送無端回動チェーン34に下側から対向配置して、排ワラが穂先側に移動されながら後方に搬送されるように平面視でフィードチェーン6の搬送作用経路に対し傾斜配置して構成してある。穂先係止搬送機構22は、搬送終端側に配置した穂先側第1スプロケット(チェーン駆動用スプロケットに相当)30と搬送始端側の穂先用第2スプロケット37とにわたって、挟持搬送無端回動チェーン34よりも穂先側に作用する係止爪33aが付いている係止搬送無端回動チェーン33を巻回して構成し、平面視で株元挟持搬送機構21と平行になるように配置してある。
【0015】エンジンにより駆動される扱胴駆動用の伝動軸14を、扱口15とは反対側で扱胴軸芯Pと平行に配備して、扱胴軸の入力プーリ16にベルト伝動機構17を介して連結するとともに、前記伝動軸14を穀稈搬送方向下手側に延出し、この伝動軸14の延出端部に支持フレーム20につり下げ支持したベベルギア機構39を連動連結してあり、ベベルギア機構39の出力軸には駆動スプロケット18を設けてある。そして、前記株元側第1スプロケット36と穂先側第1スプロケット30とは駆動軸42によって連動連結するとともに、この駆動軸42の穂先側部には伝動用スプロケット19が備え付けられており、この伝動用スプロケット19と前記駆動スプロケット18とにわたって、搬送排ワラに作用する穀稈搬送用突起28を備えた穀稈搬送用の無端回動チェーン29を巻回することで、前記株元側第1スプロケット36と穂先側第1スプロケット30とに動力が伝達されるようになっている。つまり、この穀稈搬送用の無端回動チェーン29は、前記チェーン伝動機構40を構成しており、エンジンからの動力を挟持搬送無端回動チェーン34および係止搬送無端回動チェーン33の搬送終端側に動力を伝達するものであるとともに、脱穀排ワラに対する搬送作用も備えているものである。
【0016】次に排ワラ処理部27の後部に備えられた排ワラ処理装置26について説明する。図5及び図6に示すように、脱穀装置4の後部に円盤形の排ワラカッター24を横架し、この排ワラカッター24の受け入れ口45を覆うカバー44を後ろ支点周りに揺動開閉自在に設け、前記カバー44を開放して穀稈を排ワラカッター24により細断して放出する状態(図5)と、前記カバー44を閉じて排ワラ放出機構25により所定量ずつ長ワラ状態で放出する状態(図6)とに切り換え可能に排ワラ処理装置26を構成してある。排ワラを細断放出する状態と長ワラのままで排出する状態との切り換えは、挟持レール35を伸縮させるとともに、カバー44を揺動開放することにより行う。つまり、挟持レール35を短縮させ、カバー44を揺動開放することで、排ワラを受け入れ口45に落下させて排ワラカッター24により細断して放出する。また、挟持レール35を伸長させ、カバー44を閉じることで、排ワラをカバー44の上面に案内して後方に搬送して放出するようになっている。
【0017】また、排ワラカッター24は、円盤形の切刃50と、この切刃50に排ワラを上方側から供給する円盤形の供給刃51とを、それぞれ多数枚ずつ横軸芯周りに回転自在に設けて構成してあり、供給刃51の外周部には排ワラ係止用の多数の刃部51aを設けてあるとともに、切刃50の回転軸38と一体回動するスプロケット47と、これより上方に位置する遊転輪46とにわたって排ワラ誘導用突起48aが付いているチェーン48を巻回させ、上方から供給されてくる排ワラを突起48aによって切刃50と供給刃51との間へ誘導させるように構成している。そして、長ワラのまま排出するべくカバー44を閉じ操作した場合には、排ワラ誘導用突起付きチェーン48とカバー44とが干渉しないように 内方へ退避するように排ワラ誘導用突起付きチェーン48を位置変更させるように構成してある。
【0018】
【別実施例】上記実施の形態では、搬送排ワラに対して搬送作用を持たせるために、穀稈搬送用の無端回動チェーン34に突起を設けて構成していたが、係止爪を設けて穀稈搬送用の無端回動チェーン34を構成してもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月3日(2000.3.3)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−238537(P2001−238537A)
【公開日】 平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願番号】 特願2000−58323(P2000−58323)