| 【発明の名称】 |
穀粒搬送装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉邨 文夫
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| 【要約】 |
【課題】穀粒搬送装置の排穀オーガの旋回モータ内に設けられる電磁ブレーキの作動回数を減らして旋回モータの耐久性を高めること。
【解決手段】車速が一定値以上になると、旋回が自在のオーガ10の旋回を抑制するブレーキを備えた穀粒搬送装置において、ブレーキを作動させる車速とブレーキを開放する車速との間にヒステリシスを設ける。車速が速くなったときにオーガ用ブレーキが作動したままだとブレーキに大きな負荷が掛かり、ブレーキの故障の原因になるので、車速が一定値以上になるとオーガ用ブレーキを開放するオーガの旋回制御が行われている。ブレーキを開放する車速とブレーキを作動させる車速の間にヒステリシスを設けたことで、コンバインの車速が一定値付近でブレーキのオン−オフが繰り返され、ハンチングすることを防ぐことができる。また、所定傾斜角以上の傾斜地を走行しているときにも、所定傾斜角により前記ブレーキの開放と作動にヒステリシスを設けても良い。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒貯留部と車速可変可能な走行部を備えた穀粒搬送装置において、旋回が自在の穀粒貯留部からの穀粒排出用のオーガと、前記オーガが旋回することを抑制するブレーキと、車速が所定値以上になると前記ブレーキを開放することを特徴とする穀粒搬送装置。 【請求項2】 穀粒貯留部と車速可変可能な走行部を備えた穀粒搬送装置において、旋回が自在の穀粒貯留部からの穀粒排出用オーガと、前記オーガが旋回することを抑制するブレーキと、車速が所定値以上になると前記ブレーキを開放し、また、所定傾斜角以上の傾斜地を走行中には前記ブレーキを作動させるブレーキ制御装置を備えたことを特徴とする穀粒搬送装置。 【請求項3】 穀粒貯留部と車速可変可能な走行部を備えた穀粒搬送装置において、旋回が自在の穀粒貯留部からの穀粒排出用オーガと、前記オーガが旋回することを抑制するブレーキと、車速が所定値以上になると前記ブレーキを開放し、また、所定傾斜角以上の傾斜地を走行中には前記ブレーキを作動させるブレーキ制御装置を備え、該ブレーキ制御装置にはブレーキを作動させる車速とブレーキを開放する車速との間に、またはブレーキを作動させる傾斜角とブレーキを開放する傾斜角の間に、ヒステリシスを設けたことを特徴とする穀粒搬送装置。 【請求項4】 旋回が自在の穀粒排出用オーガと、オーガからの穀粒排出設定位置を保つために、前記穀粒排出設定位置で前記オーガが旋回することを抑制するブレーキを備えた穀粒搬送装置において、ブレーキを開放している状態において、オーガの前記穀粒排出設定位置がずれると、自動的に該設定位置にオーガを旋回させて戻すオーガ旋回制御装置を設けたことを特徴とする穀粒搬送装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインや穀粒専用運搬車などの穀粒搬送装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のコンバインの穀粒搬送装置は、図13に示す本出願人の先の発明(特開平9−54号)に開示したように、穀粒を一時貯留するグレンタンク9の底部に水平方向に穀粒を搬送する底部ラセン9aを設け、該底部ラセン9aに連接して縦方向に穀粒を搬送し、かつ縦軸回りに旋回自在の縦オーガ11と、該縦オーガ11に連接して横方向に穀粒を搬送し、上下昇降自在で、かつ長さ方向にズーム伸縮自在の横オーガ12とからなる排穀オーガ10を設ける構成になっている。そして、排穀作業時に排穀すべき位置にオーガ排出口19を配置するために、縦オーガ11を旋回し、横オーガ12を昇降し、かつ横オーガ12をズーム伸張あるいはズーム短縮し、また、刈取り作業時、路上走行時、車庫駐車格納時など排穀作業を行わないときには、横オーガ12をズーム短縮させてコンバイン1上のオーガ受け13に着座、収納する。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】コンバイン1において、排穀運転以外の、圃場において行う刈取り、脱穀作業、あるいは路上を走行する場合には、図13の参考線に示すように、排穀オーガ10の横オーガ12を車体6上部のオーガ受け13に着座させて収納し、刈取り作業中などに排穀オーガ10が揺動、振動、脱落などが発生することを防止し、また排穀オーガ10の先端部がコンバイン1よりも突出することによる危険を防止するようにしている。そして、グレンタンク9に穀粒が貯留され、排穀を行う場合に、コンバイン1を穀粒運搬車の近傍に移動した後に、排穀オーガ10の横オーガ12をオーガ受け13から離脱、上昇、旋回あるいは伸張して、オーガ排出口19を穀粒運搬車の開口部に臨ませて排穀運転を行うようにしている。 【0004】図13に示すコンバイン1の横オーガ12は、穀粒搬送作用を行うラセン17を内蔵するミドルチューブ15の外側に、せまい隙間でアッパーチューブ16を嵌装し、ミドルチューブ15に対してアッパーチューブ16を軸方向摺動自在に遊嵌する構成としている。以下、ミドルチューブ15とアッパーチューブ16を合わせてズーム筒と呼ぶことがある。横オーガ12はズーム筒により伸縮自在な、いわゆるズーム作用ができるようにしている。 【0005】コンバイン1は、排穀運転時以外には図13の参考線に示すように、排穀オーガ10の横オーガ12を短縮し、車体6上部に旋回し、オーガ受け13に着座させて収納し、排穀運転時には排穀オーガ10の横オーガ12をオーガ受け13から離脱、上昇、旋回あるいは伸張して、オーガ排出口19を穀粒運搬車の開口部に臨ませて排穀運転を行う。 【0006】図13に示すように、縦オーガ11は旋回モータ11aの出力軸に軸着された旋回ピニオン11bに噛み合う旋回ギヤ11cを駆動することによりグレンタンク9に対して旋回可能であり、縦オーガ11の旋回により横オーガ12の先端のオーガ排出口19を水平方向に移動することができる。 【0007】また、排穀オーガ10には前記旋回を抑制する電磁ブレーキが前記旋回モータ11a内に設けられている。このブレーキは排穀オーガ10からトラックなどに穀粒を排出しているときに、排穀オーガ10が旋回して、穀粒排出設定位置からずれるのを防ぐためにオーガ旋回用電磁モータ11aにブレーキを掛けるものである。 【0008】このようなオーガ用ブレーキを備えているコンバイン等の穀粒搬送装置において、穀粒搬送装置の車速が速くなったときにオーガ用ブレーキが作動したままだと、ブレーキに大きな負荷が掛かり、ブレーキの故障の原因になるので、車速が一定値以上になるとオーガ用ブレーキを開放するオーガの旋回制御が行われている。 【0009】前記オーガの旋回制御用のブレーキは、車速が前記一定値まで下がると作動するが、前記一定値近傍でコンバインが走行していると、ブレーキのオン−オフが繰り返され、ハンチングによりブレーキが故障しやすくなる。 【0010】また、排穀オーガ10をオーガ受け13に着座させないまま、傾斜地をコンバインが走行中には排穀オーガ10が自重により回転することを防ぐために、コンバインが所定の前後方向または左右方向に所定傾斜角で傾くと、前記ブレーキが作動して排穀オーガ10の自重による旋回を防ぐために、ブレーキを作動させている。 【0011】この場合も、前記所定の傾斜角近傍でコンバインが走行してると、ブレーキのオン−オフが繰り返され、ハンチングによりブレーキが故障する原因となる。 【0012】そこで、本発明の第一の課題は、排穀オーガの旋回モータ内に設けられる電磁ブレーキの作動回数を減らして旋回モータの耐久性を高めることである。 【0013】また、排穀オーガ10を穀粒排出設定位置に保持するためのブレーキ機構を有するコンバインなどの穀粒搬送装置において、例えば排穀オーガ10から一台目のトラックに穀粒を排出した後、例えば二台目のトラックに穀粒を排出するために、オーガをオーガ受け13に着座させないまま、穀粒搬送装置を移動するとき、車速が一定速度以上になると、オーガ旋回制御用ブレーキが開放されることがある。このとき、オーガの前記穀粒排出設定位置がブレーキ開放のためにずれ、二台目のトラックに穀粒を正しい位置で排出できないおそれがある。 【0014】そこで本発明の第二の課題は、ブレーキを開放している場合にも常にオーガの穀粒排出設定位置を正しい位置に保つことができ、穀粒排出作業における操作性を向上させることができる穀粒排出装置を提供することである。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明の上記第一の課題は次の構成より解決される。すなわち、穀粒貯留部と車速可変可能な走行部を備えた穀粒搬送装置において、旋回が自在の穀粒貯留部からの穀粒排出用オーガと、前記オーガが旋回することを抑制するブレーキと、車速が所定値以上になると前記ブレーキを開放し、また、穀粒貯留部と車速可変可能な走行部を備えた穀粒搬送装置において、旋回が自在の穀粒貯留部からの穀粒排出用オーガと、前記オーガが旋回することを抑制するブレーキと、車速が所定値以上になると前記ブレーキを開放し、また、所定傾斜角以上の傾斜地を走行中には前記ブレーキを作動させるブレーキ制御装置を備え、旋回が自在の穀粒排出用オーガと、前記オーガの旋回を抑制するブレーキと、車速が一定値以上になると前記ブレーキを開放するブレーキ制御装置を備えた穀粒搬送装置において、ブレーキを作動させる車速とブレーキを開放する車速との間にヒステリシスを設けた穀粒搬送装置である。 【0016】このようなオーガ用ブレーキを備えているコンバイン等の穀粒搬送装置において、穀粒搬送装置の車速が速くなったときにオーガ旋回抑制用ブレーキが作動したままだとブレーキに大きな負荷が掛かり、ブレーキの故障の原因になるので、車速が一定値以上になると前記ブレーキを開放するオーガの旋回制御が行われている。本発明では、ブレーキを開放する車速とブレーキを作動させる車速の間にヒステリシスを設けた構成とすることで、穀粒搬送装置の車速が前記一定値付近でブレーキのオン−オフが繰り返され、ハンチングすることを防ぐことができる。 【0017】また、コンバイン等の穀粒搬送装置は、所定傾斜角以上の傾斜地を走行しているときにも前記オーガ旋回抑制用ブレーキを作動させるので、前記所定傾斜角にも前記ブレーキを開放する傾斜角と作動させる傾斜角との間にヒステリシスを設ける構成としても良い。 【0018】また、本発明の第二の課題は、旋回が自在の穀粒排出用オーガと、オーガからの穀粒排出設定位置を保つために、前記穀粒排出設定位置で前記オーガが旋回するのを抑制するブレーキを備えた穀粒搬送装置において、ブレーキを開放している状態において、オーガの前記穀粒排出設定位置がずれると、自動的に該設定位置にオーガを旋回させて戻す穀粒排出装置により解決される。 【0019】本発明の前記構成により、ブレーキを開放している場合にも常にオーガの穀粒排出設定位置を正しい位置に旋回させて戻すことができるので、穀粒排出作業における操作性を向上させることができる。 【0020】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図面中の従来例と同一部分には同一の符号を付している。図1は本発明のコンバインの左側面図であり、図2はコンバインの正面図であり、図3はコンバインの右側面図である。図1ないし図3を参照して、コンバイン1の機能の概略を説明する。 【0021】コンバイン1は、クローラ5を有する車体6の上に操縦席2を設けて、該操縦席2においてオペレータが操縦、操作して圃場に植立する穀稈を刈り取る刈取装置7、刈取られた穀稈を供給搬送装置で搬送した後、これを脱穀する脱穀装置8、脱穀された穀粒を収容するグレンタンク9、グレンタンク9の底部に設けた底部ラセンによって後方へ排出される穀粒をコンバイン1の外部へ搬送する排穀オーガ10などから構成される。排穀オーガ10は、グレンタンク9の底部ラセンの後端部に連接されて上方へ搬送する縦オーガ11、および縦オーガ11の上端部に連接されて横方向へ穀粒を搬送する横オーガ12などからなる。 【0022】また、横オーガ12は縦オーガ11の上端部に連接して横方向に延長されるミドルチューブ15と、この先端側外周に嵌合して伸縮できるアッパーチューブ16とを備えている。ミドルチューブ15内には図示しないラセン軸と、該ラセン軸の外周側に横オーガラセンを嵌装し、アッパーチューブ16内には、ラセン軸の回転力が伝動されて横オーガラセンと共に回転し、かつアッパーチューブ16とともに伸縮する複数個の図示しないオーガスライドユニットが設けられている。横オーガラセンと螺旋状の羽根からなるオーガスライドユニットはアッパーチューブ16のズーム伸縮いずれの状態でも、回転駆動されて横オーガ12の穀粒搬送作用を行う。 【0023】また、図示しないグレンタンク9底部に設けられたラセンのねじコンベア作用によりグレンタンク9内の穀粒を縦オーガ11まで搬送する。また縦オーガ11と横オーガ12には、図示しないラセンが設けられているので、グレンタンク9底部ラセンと共にねじコンベア作用により穀粒を横オーガ12の先端の排出口19まで搬送し、トラックなどに排出する。 【0024】このグレンタンク9内の穀粒は排出操作レバー3(図5)の操作により前記各ラセンが図示しないエンジンからの動力を伝動されて一斉に回転し、オーガ先端の排出口19からコンバイン1の外部へ排出される。 【0025】図4には本発明の実施の形態のコンバイン1の後部右側面図を示し、図5はコンバイン1の操縦席2の前方および側方に設けた操作パネル30の鳥瞰図を示し、図6には排穀オーガ10の制御装置のブロック図を示し、図7はコンバインの車速並びに傾斜角とブレーキの作動/非作動の関係を示す。 【0026】図4に示すように、旋回モータ11aの出力軸に軸着された旋回ピニオン11bが、該旋回ピニオン11bに噛み合う縦オーガ11の外周に設けられた旋回ギヤ11cを駆動することによりグレンタンク9に対して旋回可能であり、縦オーガ11の旋回により横オーガ12の先端のオーガ排出口19を水平方向に移動することができる。この縦オーガ11の旋回はオーガ自動旋回スイッチで行うことができる。 【0027】また、詳細は図示しないが、旋回モータ11aの出力軸に同軸に、または旋回ピニオン11bに噛み合って駆動されるようにオーガポジションセンサ21(図6)を設けて、横オーガ12の旋回角度を検出し、かつ横オーガ12の図示してない右旋回リミットスイッチ、左旋回リミットスイッチ、張出リミットスイッチなどの複数個のリミットスイッチにより、その旋回範囲が安全な範囲内に制限される。 【0028】縦オーガ11の上端部に連接する横オーガ12は、縦オーガ11との連接部を回動中心として上下方向に揺動可能であり、この上下揺動によりオーガ排出口19を上下に昇降することができる。このため、図4に示すように、電動機駆動油圧ユニット(図示せず)を内蔵した伸縮自在のリニアアクチュエータ14の一端を縦オーガ11に枢着し、リニアアクチュエータ14の伸縮するスピンドル側の他端を横オーガ12に枢着して、該リニアアクチュエータ14の伸縮によって横オーガ12を上下方向に揺動して水平位置からの角度を変更し、オーガ排出口19(図1)を上下方向に昇降する。 【0029】詳細は図示しないが、リニアアクチュエータ14には長さセンサを設けて昇降角度センサ22(図6)として横オーガ12の昇降角度を検出し、かつ図示しない横オーガ12の上昇上限(最高高さ)リミットスイッチ、安全下限高さリミットスイッチ、下降下限リミットスイッチなどの複数個のリミットスイッチを設けている。 【0030】操作パネル30には、コンバイン1を左右に旋回走行し、また刈取装置7を上に昇降するパワステレバー31、コンバイン1の走行速度を無段階変速するHSTレバー32、作業に合わせて走行速度を段階的に変速する副変速レバー33、コンバイン1の左右旋回を普通旋回、緩旋回、急旋回に切替える旋回モード切替レバー34、刈取装置7および脱穀装置8を運転、停止する刈取脱穀レバー35、エンジン回転数を調節するスロットルレバー36、コンバイン1の各部の運転状況を表示、警報するコンビネーションメータ37などと共に、副操作パネル30aを設けて排穀オーガ10の操作レバー、スイッチなどを一括して配置している。すなわち、副操作パネル30aには、図示していない手動右旋回スイッチまたは手動左旋回スイッチ、排穀クラッチ操作レバー3、オーガ手動操作レバー4、排穀自動旋回スイッチ23、排穀緊急停止運転スイッチ(「入」時に停止)110、手動伸張スイッチ118、手動短縮スイッチ119、張出設定ダイヤル140、ズーム設定ダイヤル141などを配置している。 【0031】オーガ手動操作レバー4は、該レバー4を左右に傾倒すると、操作パネル30にある図示していない手動左旋回スイッチまたは手動右旋回スイッチをONして、図6に示すオーガ左旋回リレー123またはオーガ右旋回リレー124をONして、横オーガ12を左または右にそれぞれ旋回させる。また、オーガ自動旋回スイッチ23をONすることで、図6に示すオーガ左旋回リレー123またはオーガ右旋回リレー124を作動させることができる。 【0032】また、オーガ手動操作レバー4を前後に傾動するかまたは図示しない手動上昇スイッチまたは手動下降スイッチをONすることにより、オーガ上昇ソレノイド121または、オーガ下降ソレノイド122を駆動させて横オーガ12を上下に昇降させることができる。 【0033】図6は本発明の実施の形態の排穀オーガ10の制御に係わる制御装置100の主構成要素を示すブロック図であるが、制御装置100はCPU101を中心に、入力インターフェース102を介して、オーガ手動操作レバー4、オーガポジションセンサ21、昇降角度センサ22、オーガ自動旋回スイッチ23、車速センサ24、左右方向傾斜センサ25、前後方向傾斜センサ26、図6には図示していないが図5に示す排穀緊急停止運転スイッチ(「入」時に停止)110、スイッチ23、手動伸張スイッチ118、手動短縮スイッチ119等の入力、更に図示しない上昇上限リミットスイッチ、下降下限リミットスイッチ、右旋回リミットスイッチ、左旋回リミットスイッチ、張出リミットスイッチ、オーガ受け着座リミットスイッチ、伸張リミットスイッチ、短縮リミットスイッチ、安全下限高さリミットスイッチ、リモート操作パネルスイッチ、張出設定ダイアル、ズーム設定ダイアル、ズーム長さセンサ、排穀クラッチレバーセンサなどから入力される。 【0034】また、CPU101は、入力信号を演算処理した結果を出力インターフェース103を介して、オーガ上昇ソレノイド121、オーガ下降ソレノイド122、オーガ左旋回リレー123、オーガ右旋回リレー124、ブレーキソレノイド125、図示していないズーム伸張リレー、ズーム短縮リレー、排穀クラッチリレーなどを作動させる構成である。 【0035】次に、排穀オーガ10の操作と制御装置100による作動について説明する。まず、オーガ手動操作レバー4を前後左右に傾倒して行う手動操作について説明すると、図5に示すオーガ手動操作レバー4を前方に傾倒し、図示していない手動上昇スイッチをONするとオーガ上昇ソレノイド121(図6)が作動して、リニアアクチュエータ14(図4)の伸張により横オーガ12が上昇し、手動上昇スイッチがONの間、図示していない上昇上限リミットスイッチが作動するまで上昇を継続する。オーガ手動操作レバー4を後方に傾倒し、図示していない手動下降スイッチをONするとオーガ下降ソレノイド122が作動して、リニアアクチュエータ14の短縮により横オーガ12が下降し、手動下降スイッチがONの間、図示していない下降下限リミットスイッチが作動するまで、規制領域内では図示していない安全下限高さリミットスイッチが作動するまで、またはオーガ収納位置ではオーガ受け着座13にあるリミットスイッチがONするまで下降を継続する。 【0036】ここで規制領域とは、横オーガ12を旋回するに際して、横オーガ12が操縦席2のオペレータやグレンタンク9と衝突しないように、横オーガ12が安全下限高さ以上にあることを条件に左右の旋回および下降を可能とする領域である。以下に述べる左右の旋回は、横オーガ12が規制領域の外にあるか、規制領域内にあっても安全下限高さ以上にある場合の操作に関するものである。 【0037】オーガ手動操作レバー4を右に傾倒し、図示していない手動右旋回スイッチをONするとオーガ右旋回リレー124が作動して、縦オーガ旋回モータ11a(図4)の回転により縦オーガ11が右回転し、それに従い手動右旋回スイッチがONの間、横オーガ12は図示していない右旋回リミットスイッチが作動するまで右旋回を継続する。オーガ手動操作レバー4を左に傾倒し、図示しない手動左旋回スイッチをONするとオーガ左旋回リレー123が作動して、旋回モータ11aの回転により縦オーガ11が左回転し、それに従い図示しない手動左旋回スイッチがONの間、図示しない左旋回リミットスイッチが作動するまで横オーガ12は左旋回を継続する。横オーガ12の旋回角度は、オーガポジションセンサ21により検出され、コンビネーションメータ37(図5)に表示されると共に、前記規制領域や収納位置における旋回制御に用いられる。 【0038】図5に示す手動伸張スイッチ118および手動短縮スイッチ119を操作することにより横オーガ12のズーム伸縮を行うことができる。また、図6に示す制御装置100により自動操作により排穀オーガ10を昇降、旋回作動させることができる。 【0039】図5に示すように、まず張出設定ダイヤル140により、横オーガ12の張出角度(旋回角度)を設定し、またズーム設定ダイヤル141により横オーガ12の伸張長さを設定する。設定終了後、スイッチ23をONすると、CPU101に記憶された命令と、張出設定ダイヤル140およびズーム設定ダイヤル141の設定値に従って、排穀オーガ10が設定位置に自動的に移動する。 【0040】すなわち、まずオーガ上昇ソレノイド121を作動させて横オーガ12をオーガ受け13から離脱させ、図13の参考線位置から実線位置に上昇させる。ついで、張出設定ダイヤル140に設定された旋回角度まで、オーガ左旋回リレー123または右旋回リレー124を作動させて、旋回モータ11aを駆動し、横オーガ12を旋回させる。オーガポジションセンサ21の出力信号により、横オーガ12が設定した旋回角度に到達したことを検知して旋回を終了する。この間、ズーム設定ダイヤル141に設定された伸張長さまで、図示しないズーム伸張リレーを作動させて図示しないズーム伸縮モータを駆動し、横オーガ12をズーム伸張させる。図示しないズーム長さセンサの出力信号により、横オーガ12が設定長さに到達したことを検知してズーム伸張を終了する。 【0041】スイッチ23をONすると、CPU101はあらかじめ記憶された収納位置と手順命令とにしたがって、排穀オーガ10を収納位置に自動的に移動して収納する。すなわち、まずオーガ上昇ソレノイド121を作動させてリニアアクチュエータ14を駆動し、横オーガ12を安全下限高さまで上昇させる(図13の実線)。次いで、オーガ受け13の上方まで、オーガ右旋回リレー124または左旋回リレー123を作動させて旋回モータ11aを駆動し、横オーガ12を旋回させる。オーガポジションセンサ21の出力信号により、横オーガ12がオーガ受け13の上方に到達したことを検知して旋回を終了する。この間、図示しないズーム短縮リレーを作動させて、図示しないズーム伸縮モータを駆動し、横オーガ12を短縮させ、図示しない短縮リミットスイッチの出力信号により、横オーガ12のズーム短縮を終了する。最後に、オーガ下降ソレノイド122を作動させてリニアアクチュエータ14を短縮し、横オーガ12をオーガ受け13に収納し、図示しないオーガ着座リミットスイッチの作動を検出して自動収納を終了する。 【0042】手動旋回および伸張、または自動張出しにより横オーガ12のオーガ排出口19の位置の設定終了後、排穀クラッチレバー3(図5)を手動操作して、排穀クラッチが接続すると排穀運転が開始され、グレンタンク9内の穀粒の搬送が開始される。 【0043】また、縦オーガ11の旋回と横オーガ12の昇降は、コンバイン1の走行速度により制限され、車体6に設けられる車速センサ24により走行速度を検出して、走行速度が速いときには走行速度が遅いときに比べて旋回範囲と昇降範囲は制限される。 【0044】また、図4には示していないが、縦オーガ11の旋回用モータ11aにはブレーキソレノイド125が設けられており、該ブレーキソレノイド125により作動するブレーキによりモータ11aの出力軸にブレーキをかけることができ、横オーガ12の穀粒排出口19をトラック荷台の上方の穀粒排出設定位置に保つために縦オーガ11の旋回を抑制することができる。 【0045】また、縦オーガ11を旋回させたまま、傾斜地を走行中にはオーガが必要以上に回転しようとするのを防ぐために、車体6に設けた車体左右方向傾斜角度検出センサ25及び車体前後方向傾斜角度検出センサ26が所定傾斜角度を検出すると、前記ブレーキソレノイド125が作動して旋回モータ11a内の電磁ブレーキが働く。 【0046】この縦オーガ11のブレーキ機構は、排穀オーガ10が旋回モードにあるとき(オーガ受け13に排穀オーガ10が収納されていないとき)に、コンバイン1が高速で走行している時に排穀オーガ10が自重により必要以上に回転しようとして電磁ブレーキに大きな負荷がかかるのを防ぐために、図6に示す車速センサ24が所定の走行速度以上で走行する場合には電磁モータ11aに内蔵されているオーガの電磁ブレーキソレノイド125をオフさせて、電磁モータ11aに余分な負荷がかからない構成になっている。 【0047】このようなオーガ用ブレーキを開放する機構を備えているコンバイン1において、本発明の実施の形態では、オーガ用ブレーキ機構はブレーキを開放する車速とブレーキを作動させる車速の間にヒステリシスを設けた構成とする。前記構成をグラフで示すと、図7(a)(b)に示す車速及び傾斜角とブレーキ作動/非作動の関係になる。 【0048】例えば、コンバイン1が走行をはじめて所定の速度aに達すると、ブレーキをオフとし、電磁モータ11aに余分な負荷がかからないようにする。そして図7(a)に示すように、最高車速から減速モードに入り、所定の車速bになると再び電磁ブレーキをオンさせて、排穀オーガ10が余計に回転することを防ぐ。 【0049】ここで、車速aとbの間又は傾斜角αとβとの間には図7に示すようにヒステリシスを設けておくと、ブレーキの作動回数が制限される。そのため、作動回数を超えてブレーキを使うことによる故障を未然に防ぐことができ、ブレーキの信頼性を向上させることができる。 【0050】また、前記排穀オーガ10を穀粒排出設定位置に保つためのブレーキ機構を有するオーガにおいて、排穀オーガ10から一台目のトラックに穀粒を排出した後、例えば二台目のトラックに穀粒を排出するために、コンバイン1を移動するとき、車速が一定速度以上になることがある。 【0051】このとき、前記ブレーキが縦オーガ11を旋回自由に開放している状態でコンバイン1が走行しているので、穀粒を排出するために二台目のトラックの荷台の上方の穀粒排出設定位置に排穀オーガ10のオーガ排出口19が来るようにコンバイン1を運転する。しかし、このとき、排穀オーガ10のブレーキは開放状態にあるので縦オーガ11が回転して排穀オーガ10の穀粒排出位置が設定値からずれる場合がある。そこで図8に示すように、自動的に穀粒排出設定位置に排穀オーガ10を旋回させるように縦オーガ11の左右旋回リレー123、124を作動させる制御を行う構成とする。このときのオーガ旋回出力量はオーガポジションセンサ21の検出値で制御する。 【0052】こうして、ブレーキを開放している場合にも常にオーガ排出口19が穀粒排出設定位置に配置されるので、穀粒排出作業における操作性を向上させることができる。 【0053】排穀オーガ10を穀粒排出設定位置に保つためのブレーキ機構を有し、車速が一定値以上になるとブレーキを開放するコンバインにおいて、車速が一定値以下になってブレーキを掛ける場合、オーガポジションセンサ21(図6)の検出値が変化していれば、言い換えると排穀オーガ10が旋回しているときは、前記検出値が変化しなくなるまで(排穀オーガ10の旋回が止まるまで)、ブレーキを作動させないで、オーガポジションセンサ21の検出値が変化しなくなって、ブレーキを作動させる構成にしてもよい。 【0054】これを図で説明すると、図9に示すように車速センサ24により検出される車速が本来ブレーキを作動させる速度に達しても、オーガポジションセンサ21の検出値が変化しなくなるまで、ブレーキを作動させないように制御する。また前記オーガポジションセンサ21の検出値が変化している間は半ブレーキ状態になるようにブレーキソレノイド125を作動させても良い。 【0055】このような制御機構を採用することで、排穀オーガ10が旋回している状態ではブレーキを作動させないので、旋回装置、ブレーキ機構のギヤ飛びやギヤの破損のおそれがなくなる。 【0056】また、前記排穀オーガ10を穀粒排出設定位置に保つためのブレーキ機構を有するコンバインにおいて、傾斜地などで穀粒排出作業を行うような場合に、例えば排穀オーガ10が図10(a)のコンバイン1の平面略図に示すようにオーガが車体の後ろ側に張り出していて,かつ図10(b)のコンバイン1の後ろから見た略図に示すようにオーガ基部側が下側に来るような傾斜地上に位置していると、排穀オーガ10が自重により、さらに傾斜地下側に向けて移動しようとする。このような状態になると、排穀オーガ10が穀粒排出設定位置からずれるおそれがあるだけでなく、車体6も不安定になる。 【0057】上記不具合をなくすために、図6に示すような制御装置を設けることができる。すなわち、車体の傾きを検出するために車体傾斜センサ25、26を設け、排穀オーガ10の穀粒排出位置と車体の傾きとの関係から排穀オーガ10が穀粒排出設定位置からずれると事前に判定した場合に車体6が傾斜する前にブレーキをきかせるようにブレーキソレノイド125を作動させる。車体傾斜センサはコンバインの車体6に通常配置されている左右方向傾斜センサ25と前後方向傾斜センサ26を用いる。 【0058】コンバイン1の車体6が傾きを検出し、排穀オーガ10の位置が車体6の傾きとの関係から、穀粒排出設定位置からずれると事前に判定することは、例えば、図11に示すような方法で行う。 【0059】すなわち、あらかじめ排穀オーガ10が穀粒排出設定位置からずれるおそれのあるコンバイン1の車速と左右傾斜角度の関係を示す曲線A及び前後傾斜角度の関係を示す曲線BをCPU101に記憶させておき、図11のそれぞれ曲線A及び曲線Bより下側の領域においてはブレーキをかける必要はないが、車速V1と左右傾斜角度Q1及び車速V2と前後傾斜角度Q2の関係を満たす車速及び傾斜角(曲線A、B上の位置)に達すると排穀オーガ10が穀粒排出設定位置からずれると判定し、ブレーキソレノイド125を作動させる。こうして、ブレーキなどのギヤなどの破損を防止すると共に、排穀オーガ10の穀粒排出設定位置が設定値からずれることを防止できる。 【0060】また、前記ブレーキ機構を有したコンバイン1において、ブレーキ作動用ソレノイド125に流す電流を制御可能にし、車速やオーガポジションセンサ21で検出する排穀オーガ10の位置によりブレーキ力を変更可能にする制御装置を設けることもできる。 【0061】例えば、車速が遅いとき、又は排穀オーガ10が収納位置近傍にある時には、排穀オーガ10が確実に固定できるよう強いブレーキをかけ、車速が速いとき、又は排穀オーガ10が車体6の真後ろにあるようなときには緩いブレーキにしてギヤの破損を防ぐ等の効果がある。 【0062】図12にこの関係を示す。車速が遅いときはA領域に示すようにブレーキ電流を強くし、車速が所定値X以上のB領域になるとブレーキ電流を弱める。しかし排穀オーガ10の位置も考慮して、排穀オーガ10が車体6の真後ろにあり、しかも車速が所定値X以下である領域Aにおいてはブレーキ力を強めておく。しかし車速が所定値X以上になるとオーガ位置に優先して車速に基づきブレーキ電流を弱める。またオーガ位置がその収納位置近くにあると(領域C)、車速に優先して、ブレーキ電流を強くする。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年2月7日(2000.2.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096541 【弁理士】 【氏名又は名称】松永 孝義
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| 【公開番号】 |
特開2001−211736(P2001−211736A) |
| 【公開日】 |
平成13年8月7日(2001.8.7) |
| 【出願番号】 |
特願2000−28975(P2000−28975) |
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