トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 揺動選別装置
【発明者】 【氏名】佐村木 仁

【要約】 【課題】揺動選別装置において、チャフをチャフ角調整ユニットとし、簡単にメンテナンスができるようにする。

【解決手段】揺動本体51にチャフ42を配置し、該チャフ42の下方をグレンシーブ47とした構成において、チャフ42は、左右のフィン受台41・41と、複数のフィン42a・42a・・・により構成し、該フィン42a・42a・・・の両側に支持部を設け、連杆によって支持部を連動させて調整するようにしてチャフ角調整ユニットを構成し、このチャフ角調整ユニットを揺動本体に一体的に組み付ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 揺動本体51にチャフ42を配置し、該チャフ42の下方をグレンシーブ47とした構成において、チャフ42は、左右のフィン受台41・41と、複数のフィン42a・42a・・・により構成し、該フィン42a・42a・・・の両側に支持部を設け、連杆によって支持部を連動させて調整するようにしてチャフ角調整ユニットを構成し、このチャフ角調整ユニットを揺動本体に一体的に組み付けることを特徴とする揺動選別装置。
【請求項2】 揺動選別装置50を構成する揺動本体51を、合成樹脂により一体成形した構成において、該揺動本体51は前部をグレン受部52とし、その後部を選別部53とし、該選別部53の内部に、フィン42a・42a・・・を回動調節可能に平行に配置したチャフ42を組み付け、該チャフ42の下方の揺動本体51の選別部53の底面に落下孔58を開口し、該落下孔58には、格子状のグレンシーブ47を構成し、該グレンシーブ47は揺動本体51と共に合成樹脂で一体成形して構成したことを特徴とする揺動選別装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンバインや自走自脱装置等の扱胴下方に配設して、脱穀後の穀粒等を選別する揺動選別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からコンバイン等の脱穀機における揺動選別装置は、脱穀装置のクリンプ網下方に配置して、前側を枢支し、後側をクランク軸又は偏心軸に連結して、該軸を駆動させることにより揺動させ、籾や藁屑等を後方へ送りながら選別を行い、同時に下方の唐箕からの選別風により風選が行われて、一番物や二番物や藁屑等に選別していた。そして、揺動選別体は揺動本体の後部の上部にチャフを設け、該チャフは左右方向平行にチャフフィンを多数横架し、該チャフフィンの傾斜角を変更可能として、穀粒や藁屑等の流下量を調節できるようにし、その下方にグレンシーブを配置し、揺動本体後部にふるい線を後方へ突出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の揺動選別装置は鋼材や鋼板を溶接固定して揺動本体を構成し、該揺動本体にチャフフィンやグレンシーブ等を組み立てるものであった。そして、チャフフィンは両側の上下に枢支ピンを設けて、一枚ずつ揺動本体に枢支していたので、組立工数が多く手間がかかり、コストアップの原因となっていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題点を解消するために、次の如く構成したものである。請求項1においては、揺動本体51にチャフ42を配置し、該チャフ42の下方をグレンシーブ47とした構成において、チャフ42は、左右のフィン受台41・41と、複数のフィン42a・42a・・・により構成し、該フィン42a・42a・・・の両側に支持部を設け、連杆によって支持部を連動させて調整するようにしてチャフ角調整ユニットを構成し、このチャフ角調整ユニットを揺動本体に一体的に組み付けるものである。
【0005】請求項2においては、揺動選別装置50を構成する揺動本体51を、合成樹脂により一体成形した構成において、該揺動本体51は前部をグレン受部52とし、その後部を選別部53とし、該選別部53の内部に、フィン42a・42a・・・を回動調節可能に平行に配置したチャフ42を組み付け、該チャフ42の下方の揺動本体51の選別部53の底面に落下孔58を開口し、該落下孔58には、格子状のグレンシーブ47を構成し、該グレンシーブ47は揺動本体51と共に合成樹脂で一体成形して構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明が解決しようとする課題及び解決するための手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例の構成を説明する。図1はコンバイン全体側面図、図2は脱穀・選別装置側面断面図、図3は本発明の揺動選別装置の揺動本体組立斜視図、図4は同じく側面図、図5は同じく平面図、図6は揺動本体にチャフを組み付けた部分の拡大正面断面図、図7は同じく他の実施例を示す拡大正面断面図、図8は揺動本体の側板の正面断面図、図9はチャフフィンの一部分解斜視図である。
【0007】図1においてコンバインの全体構成から説明する。クローラ式走行装置1上に機体フレーム2を載置し、該機体フレーム2前端に引起し・刈取装置Aを昇降可能に配設し、引起し・刈取装置Aは前端に分草板3を突出して穀稈を分草し、その後部に引起しケース4を立設して、引起しケース4より突出したタインの回転により穀稈を引き起こして、分草板3後部に配設した刈刃5にて株元を刈り取り、上部搬送装置、下部搬送装置、縦搬送装置6にて後部へ搬送し、この縦搬送装置6の上端から株元がフィードチェーン7に受け継がれて脱穀装置内に穀稈を搬送し、該フィードチェーン7後端から排藁が排藁処理装置へ搬送される。前記脱穀装置側部には選別後の精粒を貯留するグレンタンク12が配設され、該グレンタンク12前部には運転席19が配設されている。
【0008】前記脱穀装置は図2に示すように、扱胴20が前後方向に横架され、扱胴20周囲に扱刃20a・20a・・・が植設され、扱胴20下部周囲にはクリンプ網31を設けて籾や小さな藁くず等のみが漏下するようにし、扱胴20で処理できなかった藁混じり粒等の未処理物はクリンプ網31後方から後述するチャフ42に落下する。
【0009】前記脱穀装置下方には選別装置Cが配設され、該選別装置Cは揺動選別装置50による比重選別と唐箕35による風選別により一番物と二番物と藁くず等に選別を行うものであり、揺動選別装置50は図3〜図6に示すように、揺動選別体を構成する揺動本体51にグレンパン45、フィン受台41・41、ストローガイド43を組み付ける構成としており、揺動本体51は合成樹脂によって一体的に構成されている。揺動本体51の構成は前部をグレン受部52とし、その後部を選別部53として、グレン受部52の前中央底面部には軸支持部54が下方に突出して設けられ、その中央部には開口部51aが設けられて、型を抜くことができるようにしている。
【0010】そして、前記揺動本体51は図4に示すように受皿形状に構成してあり、グレン受部52後部には段差部が設けられ、この段差面にグレンパン45が固定され、選別部53底部の中途部上方まで延設される。但し、グレンパン45は前方まで延設し前記開口部51aを覆う形状としてもよい。また、グレン受部52の後部に下方へ一段下げて選別部53の底部が形成され、そのグレン受部52と選別部53との間の傾斜部に前部開口59が設けられ、選別部53底面の後部に落下孔58・58が開口されて、この落下孔58・58に格子状に構成したグレンシーブ47・47が固定されて、更にその後端部には下方へ一段下げて、その傾斜部に後部開口60が配されている。
【0011】また、揺動本体51の左右の側面は底面から上方へ屈曲して立設し、上部には外側に屈曲して適当な幅を持つ縁部51dを形成して補強し、選別部53の両側の縁部にフィン受台41の固定部56を形成し、その下方の側面に略四角形の側方孔57が設けられ、フィン受台41・41が両側からフィン42a・42a・・・を挟むように嵌合してチャフ42を組み立てるようにしている。但し、揺動本体51の側部の断面形状は図8に示すように、縁部51dをシール構造にすることも可能であり、つまり、縁部51d端にサイドシール51fを延出して、このサイドシール51fの板厚t2は側板51eの板厚t0よりも薄く、縁部51d端の板厚t1はサイドシール51fの板厚t2よりも薄く構成し(t0>t2>t1)、後述するサブ仕組を組み付けた後に、コンバイン本体にセットするときに、揺動本体51を上方より本体に挿入すると、サイドシール51fは縁部51d端で折れ曲がり、サイドシール51f端部が本体に沿い、隙間ができることを防止する。
【0012】また、揺動本体51後部には選別風を通す後部開孔60が設けられ、その後部両側面には後方へ開放した切欠が設けられ、この切欠を揺動軸支持部55としてストローガイド43の軸部43aを嵌合して固定している。ストローガイド43は図3に示すように、側面断面視逆L字型の部材で、両側の側板に軸部43a・43aを外側に突設し、この軸部43a・43aがベアリング等を介して揺動駆動部に遊嵌し揺動本体を揺動可能に支持している。
【0013】また、このストローガイド43の逆L字型の上面に弓型のふるい線46・46・・・の前端が固定され、平行に後方へ突出配置している。そして、揺動選別装置50の前下方に唐箕35を配置し、その後部に流穀板22、一番コンベア10、二番コンベア13と配置され、流穀板22後部にはゴム垂れ61が設けられ、一番物と二番物を分けて落とすようにしている。
【0014】本発明の要部である前記チャフ42の構造を説明する。チャフ42はチャフフィン42a・42a・・・を横架したフィン受台41と連杆33と角度調節レバー44を組み付けてチャフ角調整ユニットとして揺動本体51に装着したものであり、チャフフィン42aは合成樹脂にて構成され、長方形状の羽根の両端の支持部42dの上下に上部突起42bと下部突起42cを突設している。但し、前記のように一体的に構成しても、図9に示すように、両端の支持部42dとチャフフィン42aとに分割して、チャフフィン42aの端部を支持部42dに嵌合して一体化することもできる。そして、前記上部突起42b及び下部突起42cの先端には容易に抜けないように先端に楔状の係止部を構成している。
【0015】フィン受台41は側面の上部に円形の孔41a、その下部に孔41aを中心とした円弧状の長孔41bを一組として、それぞれ前後方向に所定間隔をあけて数組開口され、左右のフィン受台41の孔同士の位置が合うように形成されている。フィン受台41の断面形状は図6に示すように、上端に縁部41cを形成して、前記揺動本体51の縁部に形成した固定部56上に嵌合できるようにし、ピン40で係合し、ビス39で固定できるようにしている。
【0016】そして、フィン受台41の上下方向中途部には前記孔41a、長孔41bが開口され、チャフフィン42aの上部突起42b及び下部突起42cを嵌合できるようにし、その上部内側には傾斜部41dを形成して、その下先端は支持部42dよりオーバーハングさせて構成し、穀粒が中央側(グレンシーブ側)へ導かれて、孔41aや長孔41bや隙間に詰まらないようにしている。このチャフフィン42aの嵌合部は揺動本体51とフィン受台41の合わせ面Dより内側に配設している。そして、フィン受台41下端には嵌合突起41fを形成し、揺動本体51下部内側に形成した嵌合部51cに前記嵌合突起41fを嵌合するようにし、位置決めができるようにしている。この嵌合突起41fの上部内側には内側が下がる傾斜部41eを形成して、傾斜部41e下端は嵌合部51c上端よりオーバーハングし、隙間にゴミ等が入り込まないようにしている。
【0017】前記チャフフィン42a・42a・・・の両側の上部突起42bと下部突起42cは前記孔41a・41a・・・、長孔41b・41b・・・にそれぞれ挿入して、チャフフィン42a・42a・・・を回動可能に平行に配置すると共に、下部突起42c・42c・・・には連杆33が嵌合され、一側の任意の一組の上部突起42bと下部突起42cには角度調節レバー44が枢支され、この角度調節レバー44の他端部にワイヤーを連結し、ワイヤーを引っ張る事で上部突起42bを中心に下部突起42cが長孔41b内を摺動し、前記チャフフィン42a・42a・・・が回動されて傾斜角度を調節することができて、刈取量や選別物の多少等の作業状態や作業状況により落下量を調節して、選別ロスを低減できるようにしている。
【0018】また、チャフをチャフ角調整ユニットとした他の実施例として、図7に示すように、チャフフィン42aのフィン受台41への嵌合部を揺動本体51とフィン受台41の合わせ面Dより外側に配設することも可能であり、フィン受台41の縁部41cを固定部56上に載置して固定できるようにし、下端の嵌合突起41fを揺動本体51下部に形成した嵌合部51cに挿入できるようにし、支持部42dの内側面とフィン受台41の内側面が略同一面となるように構成して、支持部42dの上方と下方のフィン受台41に、それぞれ傾斜部41d・41eが前記図6の実施例よりも小さく形成されて、チャフフィン42aとフィン受台41の嵌合部が側方孔57内に位置するように構成し、その他の構成は前記と同じ構成である。
【0019】このような構成において、穀稈が脱穀装置で脱穀されて、クリンプ網31より漏下した籾や藁屑等は、グレン受部52及び選別部53上に落下して、揺動選別装置50の揺動によって後方へ送られる。このグレン受部52から選別部53へ送られる時に、揺動本体51底部に配した前部開口59からは、唐箕35による風力が取入れられて、選別風がチャフ42へ送風されて、塵や藁屑等の軽いものは後方へ飛ばされる。チャフ42の下方に設けた落下口58からの選別風はグレンシーブ47を通過して落ちる塵等を後方へ飛ばし、同時に、チャフ42から落下する籾や藁屑に送風して、一番物はそのまま落下して流穀板22から一番コンベア10上へ落ち、二番物は揺動本体51の後端から二番コンベア13上へ落ちる。そして、前記一番コンベア10からの精粒は揚穀コンベア11を介して脱穀装置側方に配設したグレンタンク12に貯留され、二番物は二番コンベア13から二番還元スロワー14を介して揺動選別装置50前部へ還元して再度選別され、塵埃等は後方から排出されるのである。
【0020】以上のように構成したことによって、チャフを構成するため、左右のフィン受台の側面に上下を対として前後方向に所定間隔をあけて開口した係合孔に、各々のチャフフィンの両側に設けた上下の上部突起と下部突起をそれぞれ前記係合孔に挿入し、この挿入時に連杆と角度調節レバーも係合してチャフ角調整ユニットを構成し、このチャフ角調整ユニットを揺動本体に組み付けるときには、フィン受台下部の嵌合突起を揺動本体の嵌合部に挿入し、フィン受台上部の嵌合縁部を揺動本体の縁部に嵌合すれば簡単に組み付けられてチャフを構成できる。
【0021】
【発明の効果】以上のように構成したので本発明は次のような効果を奏するものである。請求項1の如く、チャフをチャフ角調整ユニットとしたので、揺動本体に対して着脱自在となり、簡単に組付作業やメンテナンスができる。
【0022】請求項2の如く、揺動選別装置50を構成する揺動本体51を、合成樹脂により一体成形した構成において、該揺動本体51は前部をグレン受部52とし、その後部を選別部53とし、該選別部53の内部に、フィン42a・42a・・・を回動調節可能に平行に配置したチャフ42を組み付け、該チャフ42の下方の揺動本体51の選別部53の底面に落下孔58を開口し、該落下孔58には、格子状に配した格子状のグレンシーブ47を構成し、該グレンシーブ47は揺動本体51と共に合成樹脂で一体成形して構成したので、グレンシーブ47を揺動本体51に取り付けるという工程を無くすことが出来たのである。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成6年8月22日(1994.8.22)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−190139(P2001−190139A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願2000−378640(P2000−378640)