| 【発明の名称】 |
脱穀機の揺動選別構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】野波 和好
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| 【要約】 |
【課題】一番流板による滞留選別を的確に行って穀粒の回収を促進させると共に、穀粒の混入を少なくした状態の選別物を二番流板側に移送して、精度のよい揺動風選別を行うことができる脱穀機の揺動選別構造を提供する。
【解決手段】扱室2及び処理室2cの下方に形成される選別風路F中に、前後方向に連設されて脱穀物を移送選別する移送板61及びチャフシーブ62と、該チャフシーブ62の下方に張設して一番物を選別濾過する濾過体8と、その後方に斜設した一番流板63と、該一番流板63の後方に斜設した二番流板65等からなる、揺動選別体6を揺動可能に支架する脱穀機の、前記一番流板63の中途部に濾過体8の後端を臨ませると共に、一番流板63の後端を上記チャフシーブ62と略同高さ、又はそれよりやや高い位置に長く延設してなる脱穀機の揺動選別構造にしている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱室2及び処理室2cの下方に形成される選別風路F中に、前後方向に連設されて脱穀物を移送選別する移送板61及びチャフシーブ62と、該チャフシーブ62の下方に張設して一番物を選別濾過する濾過体8と、その後方に斜設した一番流板63と、該一番流板63の後方に斜設した二番流板65等からなる、揺動選別体6を揺動可能に支架する脱穀機において、前記一番流板63の中途部に濾過体8の後端を臨ませると共に、一番流板63の後端を上記チャフシーブ62と略同高さ、又はそれよりやや高い位置に長く延設してなる脱穀機の揺動選別構造。 【請求項2】 一番流板63を、選別風の方向に沿わせて後方上方に傾斜させて延設する請求項1記載の脱穀機の揺動選別構造。 【請求項3】 一番流板63に、その中途部で濾過体8との継送部Pの上方を屈曲させた屈曲選別面63aを形成すると共に、該屈曲選別面63aの上下に緩傾斜で延長させた滞留選別面63bと、急傾斜の流下面63cとを一体的に形成する請求項1又は2記載の脱穀機の揺動選別構造。 【請求項4】 濾過体8の後端を一番流板63に連設支持させる請求項1又は2又は2記載の脱穀機の揺動選別構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等に搭載可能な脱穀機の揺動選別構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、扱室及び処理室の下方に形成される選別風路中に、脱穀物を移送選別する移送板及びチャフシーブを連設し、該チャフシーブの下方に一番物を選別濾過する濾過体を張設し、その後方に一番風選路を形成する一番流板と、該一番流板の後方に二番風選路を形成する二番流板等を斜設してなる揺動選別体を、揺動可能に支架した脱穀機は、一番流板と濾過体の終端との間に風選別間隙を形成すると共に、一番流板の後端を屈曲し鉛直方向に起立させた起立選別板を一体的に形成しており、該起立選別板の高さを濾過体の終端高さと略同高さに又はやや高くなる位置に設け、チャフシーブ及び濾過体の終端から移送される藁屑類に穀粒や穂切れ等が混在する選別物に対し、一番風選路から上記起立選別板に案内されて上向きに指向させた選別風を吹きつけることにより、この部で上記選別物を風選別し一番物を回収しながら、一番風選路から二番風選路側に移行させる構成にしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】然し、上記従来のような構成の脱穀機の揺動選別構造は、一番流板の後端に鉛直方向に起立する起立選別板が、一番風選路の後端で選別風を上向き側に指向させるように遮ることになるので、起立選別板の背後には渦を伴う乱流が生じ、この乱流によって藁屑類が二番風選路側に引き込まれ易くなり、二番物中に藁屑類の混入を増大させる欠点がある。また、脱穀負荷の変動等によって選別風が弱められたときや、濡れた選別物或いは藁屑類を大量に含む選別物の場合に、比重の大きい切れ藁等は上方に吹き飛ばされることなく、起立選別板から二番風選路側に直接的に落下して二番物になるので、二番物の還元選別負荷が大きくなって穀粒の損傷を多発させると共に、脱穀作業を能率よく行うことができない等の問題がある。 【0004】 【課題を解決するための手段】上記従来の問題点を解決するために本発明の脱穀機の揺動選別構造は、第1に、扱室2及び処理室2cの下方に形成される選別風路F中に、前後方向に連設されて脱穀物を移送選別する移送板61及びチャフシーブ62と、該チャフシーブ62の下方に張設して一番物を選別濾過する濾過体8と、その後方に斜設した一番流板63と、該一番流板63の後方に斜設した二番流板65等からなる、揺動選別体6を揺動可能に支架する脱穀機において、前記一番流板63の中途部に濾過体8の後端を臨ませると共に、一番流板63の後端を上記チャフシーブ62と略同高さ、又はそれよりやや高い位置に長く延設したことを特徴としている。 【0005】第2に、一番流板63を、選別風の方向に沿わせて後方上方に傾斜させて延設することを特徴としている。 【0006】第3に、一番流板63に、その中途部で濾過体8との継送部Pの上方を屈曲させた屈曲選別面63aを形成すると共に、該屈曲選別面63aの上下に緩傾斜で延長させた滞留選別面63bと、急傾斜の流下面63cとを一体的に形成することを特徴としている。 【0007】第4に、濾過体8の後端を一番流板63に連設支持させることを特徴としている。 【0008】 【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1においてAはコンバイン等の収穫機に搭載可能な脱穀機であり、該脱穀機Aはその機体1に構成される扱室2に沿ってフィードチェン3を前後方向に張設すると共に、終端部に排藁搬送帯3aを連設し、刈取り穀稈を扱室2に供給して脱穀処理したのち、処理済の排稈を機体1の後部に設置した排稈処理装置(カッター)Cに搬送し、切断等の後処理を行うようにしている。 【0009】そして上記脱穀機Aは、扱室2を構成する扱胴2a及び扱網2bの終端穂先側に、処理胴20及び処理網21を内装する処理室2cを連接し、これらの下方で機体1の前後に設置した送風ファン4と排塵ファン5によって形成される選別風路F中に、本発明に係わる揺動選別体6を前後方向に揺動可能に支架すると共に、揺動選別体6の下方に一番物を揚穀筒7aを介して穀粒タンク7bに収容する一番樋7、及び二番物を還元筒7cを介して揺動選別体6に還元する二番樋7dを配置し、両者の間で形成される二番風選路6Nに向けて下方から補助選別風を送風する送風ファン7eを設けた構成にしている。 【0010】また、機体1の後部に設置される排塵ファン5は、ファンケース51内にドラム状の横断流ファン52を内装した状態で、脱穀機Aの両側機壁間の後部に開設した開口部の後壁を兼ねるように設置しており、ファンケース51の一側を縦軸中心に開閉可能に支持していると共に、上記排稈処理装置Cも一側の縦軸(不図示)を中心に側方に開動可能に取り付けている。これにより、前記揺動選別体6の取り外し及び組付け作業を行う際には、上記排稈処理装置Cと排塵ファン5とを互いに観音開き状となるように開動させて、機体1の後部を障害物のない状態に広く開放し、開放された開口部から揺動選別体6の取り外し及び組付け作業や、脱穀機A内の清掃点検等のメンテナンス作業等を容易に行うことを可能にしている。 【0011】そして上記揺動選別体6は、左右の側壁6a間に前方から波型移送面を形成した比重選別用の移送板61及びスノコ板状体からなり篩い移送選別をするチャフシーブ62を連設しており、また該チャフシーブ62の下方には穀粒濾過選別用のクリンプ網等からなる濾過体8を張設し、両者は後述する構成からなる一番風選路6F内に風選空間を介して上下段に配置している。またこの揺動選別体6は、上記一番風選路6Fを形成すると共に濾過体8を接合位置させるように後方に向けて延長させて斜設した一番流板63を設け、濾過体8から濾過した一番物を一番樋7に流下させると共に、チャフシーブ62から移送される脱穀物を精度よく揺動風選別させるようにしている。 【0012】そして、一番流板63の背面中途部には複数のストローラック64を突設し、該ストローラック64を送風ファン7eによる選別風を送給する二番風選路6Nの上方に臨設させている。また上記二番風選路6Nは、後述する形状の一番流板63と二番流板65間で形成し、ストローラック64でラック揺動風選別をさせた二番物を、二番流板65で二番樋7dに流下させると共に、選別された排塵物を前記排塵ファン5側に誘導案内ようにしている。一番流板63及び二番流板65の裏側下面には、可撓性を有する流下案内板9,9aをそれぞれ一体的に取付固定していると共に、自由端に形成した下部をそれぞれ一番樋7と二番樋7d上に各別に臨設させている。 【0013】そして、上記構成からなる揺動選別体6は、その前後部を従来のものと同様な構成を以て、支持リンク10aと駆動機構10とにより揺動運動駆動及び着脱可能に支持し、且つ機体1の後方からその支持状態を解除可能に構成すると共に、解除された状態の揺動選別体6を、図示しない左右両機壁の内側に突設したガイドレール上にスライド可能に載置させて、その挿脱作業を簡単に行うことができるようにしている。 【0014】また、前記処理室2cは、その始端部側を在来のものと同様に扱室2の終端部で奥側(穂先側)に連通させ、その処理胴20を機体1の後壁1dに近接する位置まで延長軸架し、該処理胴20の外周下方に始端側から設けた処理網21を設けると共に、該処理網21の終端側に排塵口22を開口形成している。そして、この排塵口22は前記二番流板65の後端部上方と、排塵ファン5の排塵風路に臨ませて開口することにより、処理室2cから排出される排塵物がストローラック64上に直接的に落下することを防止している。 【0015】次に、揺動選別体6の前記一番流板63及び二番流板65の詳細な構成及び作用等について説明する。先ず、揺動選別体6の左右の側壁6a間に横設した板状の一番流板63は、その上下方向の中途部を滑らかな湾曲状に屈曲させた屈曲選別面63aと、その上下に穀粒安息角以下の緩傾斜角の滞留選別面63bと、穀粒安息角以上の急傾斜角の流下面63cを、側面視で略ヘ字状となるように一連に形成し、流下面63cの上方を延長させた延長面(揺動風選別面)にすることで、揺動風選別作用を高性能に行うことができるようにしている。また、上記一番流板63の滞留選別面63bは、送風ファン4と排塵ファン5とで後方上方に指向するように形成される、選別風の方向に略沿わせた緩傾斜面を以て延設させている。 【0016】また、屈曲選別面63aの下側で流下面63cの上部、即ち屈曲選別終了位置には、複数の縦線材80と横線材81を縦横に織りなしたクリンプ網状の濾過体8の後端部を、後述の構成を以て臨ませることにより継送部Pを形成し、濾過体8の前端部は、移送板61の終端から前側下方に屈折させ送風ファン7側に延設指向させた仕切板67の下部に取着した構成にしている。そして、この実施形態における上記継送部Pは、図2(B)に示すように、上記縦線材81の先端を流下面63cに穿設した取付孔82に挿入して、濾過体8の後端部を一番流板63に簡潔な構成を以て安定よく連設支持しており、このとき最後部の横線材80を一番流板63に近接又は接当させることにより、該一番流板63に沿って流下する穀粒を、揺動選別体6の揺動運動に伴い上記横線材80を介して前方側に撥ね上げさせる堆積防止部材を兼ねるので、この部における目詰まりによる穀粒の堆積を的確に防止することができるものである。尚、堆積防止部材は上記のような横線材81に限ることなく、同図の点線で示すように、径大な横杆をこの部に取付固定するようにしてもよいものである。 【0017】また、この実施形態における一番風選路6Fは、上記仕切板67と一番流板63とによって形成し、選別風を選別移送方向(後方上方)に整流状態で的確に送給させることを可能にしていると共に、一番風選路6Fの下方全面に濾過体8を張設し、且つ該濾過体8の上方に所定の風選空間を有してチャフシーブ62を設置した構成にしたことにより、従来のもののように濾過体8の終端と一番流板63とで形成される風選別間隙から藁屑類が漏落し、流下面63cを介して一番樋7側に侵入することを的確に防止するようにしている。 【0018】また、一番流板63の滞留選別面63bの背後には、ストローラック64の基部を取付固定していると共に、該ストローラック64の先端部は後述する二番流板65の屈曲選別面65aの下方位置前方で二番流板65との間に、穀粒や穂切れ類を円滑に流下させる流下間隙Sを形成するように延設している。そして、上記滞留選別面63bの後端部は、上記チャフシーブ62の終端及び二番流板65の屈曲選別面65aより高い位置で、ストローラック64の中途部の上方まで緩傾斜面を以て延設し、且つ該滞留選別面63bの終端から排塵物を風選別可能とする風選落差Lを有してストローラック64上に位置させた構成にしている。 【0019】これにより、滞留選別面63bは、一番風選路6Fの選別風と二番風選路6Nと選別風とを上下に区画した状態で、一番流板63と二番流板65とで上方に至るほど狭窄状の二番風選路6Nを形成し、送風ファン7eによる選別風を勢いのよい整流状態にして、該選別風をストローラック64上の選別物に下方から吹き付けて、ラック揺動風選別によるほぐしと風選別を良好に受けさせ、藁屑類を上方に的確に吹き飛ばすことができ、また上方に吹き飛ばした藁屑類に対し前方から一番風選路6Fの選別風を吹き付けるので、この部で合流した選別風によって藁屑類を後方に速やかに移送し、排塵ファン5による機外排出を効率よく行うことができるものである。従って、大量な藁屑類や濡材でもストローラック64で団塊状に停滞させたり、ストローラック64からの藁屑類の濾過を低減させることができ、高能率な揺動選別を行うことができる等の利点がある。 【0020】そして、この実施形態におけるチャフシーブ62は、脱穀物が上記のような選別構造で良好に選別されることから、従来のもののように各シーブ板62aを回動させて目合いを調節する等の、複雑な構造の濾過量調節機構を備えた濾過量調節型のチャフシーブにすることなく、各シーブ板62aを標準乃至略最大濾過量程度の目合いに固定した、濾過量一定型のチャフシーブ構造にすることができるものである。また、一番流板63の屈曲選別面63aの前位にはチャフシーブ62の終端との間に、複数のシーブ板62aを省略した比較的大なる間隙の藁屑類排出風路Hを形成し、該藁屑類排出風路Hはチャフシーブ62から濾過した藁屑類や穂切れ等を、濾過体8を通過する選別風で上方に速やかに排出することができるように形成している。これにより、脱穀作業時の煩雑なチャフシーブ目合い調節操作を省略することができると共に、この部の構成を極めて簡潔にして揺動選別体6の軽量化を図りながら、廉価型の揺動選別体6を提供することができる等の特徴がある。 【0021】一方、一番流板63の後方で左右の側壁6a間に横設した板状の二番流板65は、その上下方向の中途部を屈曲させた屈曲選別面65aと、その上下に緩傾斜角の滞留選別面65bと急傾斜角の流下面65cを側面視で、前記一番流板63よりも急角度のヘ字状に一連に形成している。そして、上記滞留選別面65bは、既述したように処理室2cの排塵口22の下方に位置させて後壁1dとの間で排塵風路を形成しており、その緩傾斜の滞留選別面65bで、排塵口22の前部側から排出される穀粒を含む排塵物を受け止めて揺動風選別すると共に、排塵口22の終端部から排出される穀粒を含まない排塵物は滞留選別面65b受け止めることなく、排塵ファン5側に速やかに移行させて機外排出を行うことができるようにしている。 【0022】また屈曲選別面65aは、既述したようにストローラック64の終端部のやや上方に流下間隙Sを設けて形成しているので、滞留選別面65bで前側に戻し選別されるものを、屈曲選別面65aの揺動運動で撥ね上げ分散させながら風選別を付与し、ストローラック64上に的確に戻し移送して二番選別を良好に行うところの、揺動風選別作用とラック選別作用を高性能に発揮させるものである。 【0023】またこのとき、一番流板63と二番流板65とで上方に至るほど狭窄状に形成される二番風選路6Nは、滞留選別面63bの背面がストローラック64の基部側の上方を風選落差Lを有して広く覆っているので、一番風選路6Fの選別風と区画した状態で、二番風選路6Nの選別風を勢いよく後方上方に指向させた整流状態にしながらストローラック64側に吹き付けて、ラック揺動風選別によるほぐしと風選別を良好に受けさせることができると共に、ストローラック64上での一番風選路6Fの選別風による乱流を防止し、従来のもののように藁屑類をいたずらに二番還元させることなく、速やかに排出させることができるようにしている。 【0024】以上のように構成した脱穀機Aは、穀稈を扱室2及び処理室2cで脱穀処理すると、脱穀物のうち穀粒や小さな藁屑類等は扱網2b,処理網21等で網選別し漏下させると共に、揺動選別体6はこれを受けて揺動運動及び選別風による揺動風選別作用を行い、一番物を一番風選路6Fによる風選別と濾過体8による網選別を経させて、一番流板63から一番樋7及び揚穀筒7aを介し穀粒タンク7bに収容する。 【0025】そして、切藁等の長い藁屑類やこれに混在している穀粒や穂切れ等の選別物は、チャフシーブ62及び一番流板63の屈曲選別面63a及び滞留選別面63bを介して揺動風選別しながら二番風選路6Nに向けて移送し、ここでラック揺動風選別と二番流板選別を行い、二番物を二番流板65から二番樋7d及び還元筒7cを介し揺動選別体6の移送板61に還元して再選別を行う。また、揺動選別体6側から送られる選別済の排塵物や、処理室2cの排塵口25から排出される排塵物は、送風ファン4及び排塵ファン5で形成される選別風と排塵ファン5による吸風によって、後壁1d及びファンケース51の後壁に沿って誘導され、排塵ファン5で機外に向けて速やかに吸引排出される。 【0026】以上のような脱穀選別を行うにあたり、図2に示す前後方向の軌跡を以て揺動運動を行う揺動選別体6において、一番流板63はその中途部で継送部Pを介して濾過体8を設けると共に、その後端を該濾過体8の継送部P位置より後方上方において、濾過体8の上方に設置しているチャフシーブ62と略同高さ又はそれよりやや高い位置に長く延設しているので、その延長面でチャフシーブ62及び処理網21から送給される選別物と、濾過体8上で風選別されて移送される選別物等を共に合流させて、上記延長面で選別物を団塊状にすることなく充分な滞留時間をかけて均しながら揺動風選別を受けさせるから、一番流板63による滞留選別が良好に行われて、この間に穀粒が流下し速やかな回収を促進させることができ、穀粒の混入を少なくした状態の選別物を二番風選路6N及び二番流板65側に移送することができるものである。 【0027】従って、従来の起立選別板を立設した一番流板による選別方式を備えた脱穀機のように、二番流板側に藁屑類を大量に移送することがないから、二番流板65における揺動風選別を過大にすることなく付与させて、この部でほぐし選別と風選別を的確に行って、藁屑類の混入を低減させた二番物の回収還元を良好に行わせることができるものである。これにより、二番樋7dから還元筒7cを介して移送板61に還元される二番物の量を少なくすることができるから、移送板61による比重選別に過負荷をかけて阻害することなく、また二番物が繰り返して還元されることによる穀粒の損傷や還元経路における詰まり等のトラブルを防止し、精度のよい選別を脱穀負荷を低減しながら円滑に行うことができる等の利点がある。 【0028】またこの際、一番流板63の延長面はチャフシーブ62の終端とシーブ板62aを設置しない充分な広さの藁屑類排出風路Hを有して形成したことにより、一番風選路6F中において、濾過体8の上方で風選空間を有して設置されたチャフシーブ62は、該風選空間で風選別され後方上方に向けて排出されようとする、藁屑類中に穀粒や穂切れ等を含む選別物の排出を阻害することなく、上記藁屑類排出風路Hを介して速やかに後方の滞留選別面63b側に排出移送することができるものである。従って、上記選別空間内での藁屑類の停滞に伴う濾過体8の目詰まりや屑類の濾過を防止した状態で、穀粒の濾過を精度よく行うことができると共に、上記一番流板63の延長面で形成される滞留選別面63bから前方側に滑落する穀粒等を、藁屑類排出風路Hの詰まり等を防止して濾過体8側に円滑に移行させて的確に濾過し、一番物中に屑類(短い切藁等)の混入を防止しながら、その回収を良好に行うことができるものである。 【0029】また、チャフシーブ62は、脱穀物が上記のような選別構造で良好に選別されることから、従来のもののように各シーブ板62aを回動させて目合いを調節する等の、複雑な構造の濾過量調節機構を備えた揺動選別体にすることなく、各シーブ板62aの目合いを固定状態にした濾過量一定型のチャフシーブ構造にすることができるから、大量穀桿並びに少量穀桿の脱穀時や濡材穀桿の脱穀時毎に、煩雑なチャフシーブ目合い調節操作を省略することができると共に、チャフシーブ62の構成を極めて簡潔にして揺動選別体6の軽量化を図ることができると共に、高能率で廉価型の脱穀機Aを提供することができる等の利点がある。 【0030】そして、揺動選別体6の一番流板63は、濾過体8の継送部Pの上方を屈曲させた屈曲選別面63aを形成すると共に、該屈曲選別面63aの上下に緩傾斜の滞留選別面63bと、急傾斜の流下面63cとを一体的に形成しているので、既述の延長面をなす屈曲選別面63aとその上部に形成した滞留選別面63bの揺動運動によって、チャフシーブ62及び藁屑類排出風路Hから送給される選別物を二番流板65側に直接的に移送することなく、該選別物を一旦受けて繰り返し撥ね上げたり浮かせた状態にして藁屑類と穀粒をほぐしながら、揺動風選別を促進させるところの滞留選別を良好に行うことができるものである。 【0031】またこのとき、前方に向けて突曲している屈曲選別面63aは、比重の大きい穀粒をその突曲面の形状によって前方側に撥ね飛ばしながら藁屑類をほぐす作用が大きいので、ここで穀粒と藁屑類との分離を良好に行って、穀粒を濾過体8側に速やかに戻すと共に、藁屑類排出風路Hを通過する選別風により、藁屑類を浮かした状態での吹き飛ばし風選別を的確に促進することができるものである。また急傾斜角に形成した流下面63cは、一番風選路6Fの選別風を良好に形成すると共に、濾過した一番物を速やかに一番樋7側に回収させる。そして、上記のような揺動風選別を行う一番流板63は、一枚の板状体を上方に長く延長させると共に屈曲させるだけの、簡単な構成手段を以て廉価に提供することができるものである。 【0032】尚、図2において濾過体8は、その後端を一番流板63の流下面63cで支持させて継送部Pを構成すものを示したが、これに限ることなく従来のものと同様に、濾過体8の後端を流下面63cに隙間を有して臨ませた構成にしてもよいものであると共に、また上記隙間の上方に同図(A)の点線で示すように案内板63dを設け、延長面から流下する選別物を濾過体8側に誘導するように、一番流板63と濾過体8を連設させた継送部Pの構成にしてもよいものである。また、図示例のチャフシーブ62はシーブ板62aを固定構造にしたが、これに限定されるものではない。 【0033】 【発明の効果】本発明は以上説明したように構成したから以下の効果を奏することができる。一番流板は、その後端を濾過体を中途部に設けた継送部位置より後方上方において、濾過体の上方に設置しているチャフシーブと略同高さ、又はそれよりやや高い位置に長く延設させたことにより、その延長面でチャフシーブから送給される選別物と、濾過体上で風選別されて移送される選別物等を二番流板側に直接的に移送することなく共に合流させて、上記延長面で選別物をほぐしながら一番流板による滞留選別を的確に行って、この間に一番物の速やかな回収を促進させると共に、藁屑類がほぐされて穀粒の混入を少なくした状態の選別物を二番流板側に移送して選別させるので、二番物の還元量を低減することができ、二番還元による穀粒の損傷や還元経路の詰まり等のトラブルを防止することができる。 【0034】また、一番流板の延長面は、選別風の方向に略沿わせて後方上方に緩傾斜面を以て延設しているので、一番風選路からの選別風の流れを遮ぎることなく、延長面上で選別物を良好に滞留選別し、穀粒の混入の少ない選別物を二番流板側に的確に移送することができる。 【0035】一番流板の中途部で濾過体の連設位置の上方を屈曲させて屈曲選別面を形成すると共に、該屈曲選別面の上下に緩傾斜の滞留選別面と、急傾斜の流下面とを一体的に形成することにより、濾過体の上方で一番流板に形成した滞留選別面は、前方から送給される選別物を緩傾斜の延長面で受けて揺動運動による滞留選別を充分に行うので、穀粒の混入の少ない選別物を二番流板側に移送することができると共に、滞留選別面の下方に形成した屈曲選別面によって、穀粒と藁屑類との選別分離を的確に行うことができて、穀粒の回収を促進した揺動風選別を精度よく行うことができる。また、濾過体の下方に形成した急傾斜角の流下面は、一番風選路において後方上方へ指向する選別風を良好に形成すると共に、一番物を一番樋側に速やかに回収させ、また滞留選別面と屈曲選別面との一体的な形成を簡潔で廉価な構成を以て行うことができる等の利点がある。 【0036】そして、濾過体はその後端を一番流板に連設支持させるようにしたので、濾過体を一番風選路に簡潔な構成を以て安定よく張設支持すると共に、藁屑類の混入を防止した一番物の回収を良好に行うことができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年12月24日(1999.12.24) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2001−178248(P2001−178248A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月3日(2001.7.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−366724 |
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