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【発明の名称】 脱穀機の穀稈供給装置
【発明者】 【氏名】都田 力也

【氏名】板持 透

【要約】 【課題】前処理部から供給された穀稈を、扱口に沿って配設したフィードチェーンで搬送する際に、穀稈の株元を押圧して確実に挟持搬送できるようにする。

【解決手段】扱口15に沿って配設したフィードチェーン16の搬送速度を穀稈の供給量に対応して変速させると共に、上記フィードチェーン16の外側に、穀稈の株元を上方から押圧する株元押え部材25をフィードチェーン16に近接させて設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】扱口に沿って配設したフィードチェーンの搬送速度を穀稈の供給量に対応して変速させると共に、上記フィードチェーンの外側に、穀稈の株元を上方から押圧する株元押え部材をフィードチェーンに近接させて設けたことを特徴とする脱穀機の穀稈供給装置【請求項2】上記株元押え部材を、フィードチェーンに対向する挟持レールのレールカバーで構成したことを特徴とする請求項1記載の脱穀機の穀稈供給装置【請求項3】上記株元押え部材とフィードチェーンとの隙間を、搬送上手側は広く、搬送下手側は狭く形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の脱穀機の穀稈供給装置
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀機の穀稈供給装置に係り、特に、フィードチェーンによる穀稈の搬送経路に株元押え部材を設けた脱穀機の穀稈供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンバイン等に搭載される脱穀機には、扱口に沿ってフィードチェーンを配設した穀稈供給装置が設けられている。このような穀稈供給装置では、刈取り部から送込まれる穀稈量が変動しても、円滑に穀稈を搬送するため、フィードチェーンの上方にスプリングで付勢された上下動する挟持レールを設けている。
【0003】そして挟持レールを覆うレールカバーの側板がフィードチェーンの外側に垂下しているが、穀稈量が多くなった時に穀稈の株元側がレールカバーを押し上げて無理な力が作用しないように、従来は図6に示すように、レールカバーaをフィードチェーンbから上方に離れた位置に設けている。
【0004】このように、フィードチェーンbの上方位置にあるレールカバーaでは、株元Pを押さえることができないので、株元P側がフリーな状態となって、穀稈を確実に挟持搬送することができないという問題があった。
【0005】また、株元を押圧する押え部材を別に設けようとしても、搬送される穀稈量が変化すいるため、フィードチェーンに近接して押え部材を設けることはできなかった。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような問題点を解消すべく創作されたものであって、刈取部側から供給されるこか穀稈量が変化しても、穀稈の株元を押圧して確実に挟持搬送することができる脱穀機の穀稈供給装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明が講じた技術的手段は、扱口に沿って配設したフィードチェーンの搬送速度を穀稈の供給量に対応して変速させると共に、上記フィードチェーンの外側に、穀稈の株元を上方から押圧する株元押え部材をフィードチェーンに近接させて設けたことを特徴とし、また、上記株元押え部材を、フィードチェーンに対向する挟持レールのレールカバーで構成したことを特徴とし、さらに、上記株元押え部材とフィードチェーンとの隙間を、搬送上手側は広く、搬送下手側は狭く形成したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次ぎに本発明の実施の形態を、添付したコンバインの図面に基づいて詳細に説明する。まず図1において、1はコンバインであって、クローラ走行装置2を有する機台3の一側に、自脱型の脱穀機4を搭載し、他側には、運転席5、穀粒タンク、エンジン等が配設されており、また脱穀機4および運転席5の前方には、分草体6、引起体7、刈刃および穂先搬送、株元搬送等の搬送装置8、またこれ等の装置を支えるフレーム9等により構成された前処理部10が昇降可能に装着されている。11は運転席5を囲うキャビン、12は穀粒タンクに貯留された籾を機外に取出す排出螺旋である。
【0009】前記脱穀機4は、図5に示すように、扱室13に扱胴14を前後方向に軸架し、扱口15に沿ってフィードチェーン16とその搬送面に対設した挟扼レール17とからなる穀稈供給装置18が配設されている。17aは挟扼レール17をフィードチェーン16に向けて押圧するスプリングである。
【0010】そして、前処理部10で刈取られた穀稈が搬送装置8で搬送されて、穀稈供給装置18のフィードチェーン16に供給され、このフィードチェーン16で扱口15に沿って搬送される過程で回転する扱胴14により脱穀処理される。
【0011】また、上記フィードチェーン16の搬送速度は、前処理部10からの穀稈供給量に対応して変速するようになっている。すなわち、図4の動力伝動図で示すように、エンジン19からの動力は、HST装置20を介して走行部および前処理部10に伝達される伝動経路と、扱胴14およびフィードチェーン16に伝達される伝動経路に分岐しており、フィードチェーン16への伝動経路には、割りプーリからなる無段変速装置21が設けてあって、前処理部10の搬送速度に合せて割りプーリのピッチ径を電動モータ22で変化させることにより、フィードチェーン16の搬送速度を前処理部10からの穀稈供給量に対応して変速するようになっている。
【0012】23は前記挟扼レール17を覆うレールカバーであって、機体側に固定したレールカバー23の側面板24がフィードチェーン16の外側に位置して、フィードチェーン16から突出した穀稈の株元Pを上方から押圧する株元押え部材25を構成している。
【0013】そして、上記株元押え部材25は、図2で示すように、その下端縁をフィードチェーン16に近接させた状態となっている。すなわち、従来は、5〜6条刈りクラスのコンバインでは、レールカバーとのフィードチェーンの隙間が40ミリ前後となっていた。このためレールカバーで株元Pを押圧して確実に挟持搬送することができなかったが、本発明では、レールカバー23とのフィードチェーン16の隙間Aが15ミリ以下となっている。
【0014】また、他の発明では、株元押え部材25とフィードチェーン16との隙間を、搬送上手側は広く、搬送下手側は狭く形成されている。すなわち図3に示すように、前処理部10から穀稈が供給される搬送上手側ではレールカバー23とのフィードチェーン16の隙間Bが40ミリ前後となっており、搬送下手側では次第に狭くなって、その間隔Cが20ミリ以下となっている。
【0015】本発明は上記のように構成したので、刈取脱穀作業を行うにあたり、穀稈供給装置18のフィードチェーン16で搬送される穀稈は、レールカバー23で構成した株元押え部材25で株元Pを上方から押圧することができる。
【0016】そして、前処理部10からの穀稈供給量に対応して変速するフィードチェーン16は、常に一定量の穀稈が搬送されるので、株元押え部材25の下端縁をフィードチェーン16に近接させた状態とすることができる。このためフィードチェーン16に近接した株元押え部材25で株元Pを確実に押圧挟持して円滑に搬送することができる。
【0017】また、上記株元押え部材25は、挟扼レール17を覆うレールカバー23で構成したので、レールカバー23の側面板24をフィードチェーン16に近接させるのみでよく、殊更部品点数が増加することはない。
【0018】さらに、株元押え部材25とフィードチェーン16との隙間を、搬送上手側は広く、搬送下手側では狭く形成したものでは、手扱ぎ作業時において、ボリュームのある穀稈でも隙間の広い搬送上手側に容易に供給することができる。そして隙間の狭い搬送下手側に向けて順次穀稈を搬送するので、株元押え部材25に無理な力が作用することはなく、株元を確実に押圧挟持して円滑に搬送することができる。
【0019】
【発明の効果】これを要するに本発明は、扱口に沿って配設したフィードチェーンの搬送速度を穀稈の供給量に対応して変速させると共に、上記フィードチェーンの外側に、穀稈の株元を上方から押圧する株元押え部材をフィードチェーンに近接させて設け、また、上記株元押え部材を、フィードチェーンに対向する挟持レールのレールカバーで構成し、さらに、上記株元押え部材とフィードチェーンとの隙間を、搬送上手側は広く、搬送下手側は狭く形成したことから、穀稈供給量に対応して搬送速度が変速するフィードチェーンは、常に一定量の穀稈を搬送するので、フィードチェーンに近接させて株元押え部材を設けることができる。そしてフィードチェーンに近接した株元押え部材が穀稈の株元を上方から押圧するので、株元を確実に挟持して搬送することができる。
【0020】また、レールカバーを利用して株元押え部材を構成したので、殊更部品点数が増加することはなく構造を簡単にすることができる。
【0021】さらに、株元押え部材とフィードチェーンとの隙間を、搬送上手側は広く、搬送下手側は狭く形成したものでは、手扱ぎ作業時に、ボリュームのある穀稈をフィードチェーンに供給しても、隙間の広い搬送上手側から隙間の狭い搬送下手側に向けて順次穀稈が搬送されるので、株元押え部材を構成したレールカバーに無理な力が作用して変形することはない。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年11月12日(1999.11.12)
【代理人】 【識別番号】100066876
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 昭治
【公開番号】 特開2001−136825(P2001−136825A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−322761