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【発明の名称】 穀粒排出装置
【発明者】 【氏名】野坂 晃

【要約】 【課題】刈取作業や路上走行時の機体振動に伴う横穀粒排出筒の揺れを軽減させ、該横穀粒排出筒の支持部の変形や、破損を防止する。

【解決手段】コンバイン等の走行機体に搭載された穀粒タンク4から穀粒を排出する穀粒排出装置を、前記穀粒タンク4に連通する縦穀粒排出筒8と、該縦穀粒排出筒8に連設して水平旋回及び起伏作動する横穀粒排出筒9から構成したものにおいて、前記横穀粒排出筒9を筒方向に伸縮可能に構成すると共に、該横穀粒排出筒9が機体上の格納位置にある時は、前記横穀粒排出筒9の伸作動を規制する手段を設けると共に、横穀粒排出筒9が格納位置に移動すると自動的に縮作動するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コンバイン等の走行機体に搭載された穀粒タンク(4)から穀粒を排出する穀粒排出装置を、前記穀粒タンク(4)に連通する縦穀粒排出筒(8)と、該縦穀粒排出筒(8)に連設して水平旋回及び起伏作動する横穀粒排出筒(9)から構成したものにおいて、前記横穀粒排出筒(9)を筒方向に伸縮可能に構成すると共に、該横穀粒排出筒(9)が機体上の格納位置にある時は、前記横穀粒排出筒(9)の伸作動を規制する手段を設けたことを特徴とする穀粒排出装置。
【請求項2】 請求項1において、横穀粒排出筒(9)が格納位置に移動すると、自動的に縮作動するように構成したことを特徴とする穀粒排出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等に設けられる穀粒排出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の穀粒排出装置においては、横穀粒排出筒を伸縮可動自在に構成することにより、運搬車等への位置合わせをしやすくすることが既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに従来のものは、横穀粒排出筒を格納位置において伸長させた状態で、刈取作業や路上走行すると、機体振動によって長い横穀粒排出筒が揺れ、横穀粒排出筒の支持部が変形したり、破損する恐れがあった。また横穀粒排出筒が、機体より突出している状態での機体旋回操作は、特に周囲の安全に注意を払う必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような実状に基づく課題を解決することを目的として創案されたものであって、コンバイン等の走行機体に搭載された穀粒タンクから穀粒を排出する穀粒排出装置を、前記穀粒タンクに連通する縦穀粒排出筒と、該縦穀粒排出筒に連設して水平旋回及び起伏作動する横穀粒排出筒から構成したものにおいて、前記横穀粒排出筒を筒方向に伸縮可能に構成すると共に、該横穀粒排出筒が機体上の格納位置にある時は、前記横穀粒排出筒の伸作動を規制する手段を設けたことを第1の特徴としている。
【0005】そして、上記横穀粒排出筒が格納位置に移動すると、自動的に縮作動するように構成したことを第2の特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図面において1はコンバインであって、該コンバイン1は、穀稈を刈取る前処理部2、刈取った穀稈から穀粒を脱穀し、かつ穀粒の選別を行う脱穀部3、選別済みの穀粒を貯溜する穀粒タンク4、脱穀済みの排稈を排出処理する後処理部5、クローラ式の走行部6、各種の操作具が配設される操作部7等で構成されるが、これの基本構成は何れも従来通りである。
【0007】前記穀粒タンク4の底部には、該穀粒タンク4に連通する縦穀粒排出筒8が立設され、さらに該縦穀粒排出筒8の上端部に連通して横設させた横穀粒排出筒9とにより穀粒排出装置が構成されている。そして、上記縦穀粒排出筒8及び横穀粒排出筒9は、外周に螺旋体が固設された螺旋軸を内装してなり、該螺旋軸の回転により穀粒が移送される。
【0008】また、上記縦穀粒排出筒8の底部近傍には外周ギア10が付設されており、該外周ギア10と歯合するピニオン11を固設した電動モータ12の駆動によって、該縦穀粒排出筒8と共に、その上端部に連通して横設させた横穀粒排出筒9が水平旋回する。そして、上記縦穀粒排出筒8と横穀粒排出筒9の連結部には、該横穀粒排出筒9を起伏作動させる油圧シリンダ13が設けられている。
【0009】上記横穀粒排出筒9は、固定筒9aと、該固定筒9aに嵌装される可動筒9bからなり、固定筒9aから筒方向に延設させた螺杆14を、固定筒9aに付設した電動モータ15で正逆転駆動することによって、これに螺合する螺子ボス16を付設した可動筒9bを筒方向に伸縮可動するように構成されている。そして、脱穀部3の内側部側面に付設された支持部材17の上部には、一対の遊転ローラ18からなる上記可動筒9bを案内する横穀粒排出筒受け部を設け、上記横穀粒排出筒9が機体上の格納位置にある時は、可動筒9bの伸縮作動を遊転ローラ18により円滑に行えるように構成している。
【0010】また、前記穀粒タンク4に連通している揚穀筒19の下部において、揚穀筒19と連結する一番螺旋の中途部Aで、ドッグラッチ等により螺旋軸及び筒を断続可能に分断し、該穀粒タンク4と、それに支持固定された揚穀筒19とを一体で、縦穀粒排出筒8中心に水平回動するように構成させることによって、脱穀部3の内側部の整備性を向上させている。
【0011】次に、縦穀粒排出筒8に連設してなる横穀粒排出筒9の作動について図4〜図7に示すフローチャートで説明する。前記横穀粒排出筒9は、先端の穀粒放出口20を運搬車等の貯溜タンクに位置合わせするため、起伏、旋回、伸縮の作動がなされる。即ち、横穀粒排出筒9の前記動作のうち起伏、旋回については、運転席21の後方に設けられた起伏・旋回レバー22を操作し、伸縮ついては、伸縮スイッチ23a、23bを操作することによって前記各作動がなされる。
【0012】まず、横穀粒排出筒9は、横穀粒排出筒受け部に受けられて格納位置にある状態から、中立状態にある起伏・旋回レバー22を上げ方向に操作すると上げスイッチがONとなり、前記縦穀粒排出筒8と横穀粒排出筒9の連結部に付設されている油圧シリンダ13が伸作動して、横穀粒排出筒9は上昇する。逆に起伏・旋回レバー22を下げ方向に操作すると下げスイッチがONとなり、上記油圧シリンダ13が縮作動して、横穀粒排出筒9は降下する。上記起伏・旋回レバー22を中立状態に戻せば、該当する上げ、又は下げスイッチがOFFとなり、上記油圧シリンダ13の作動が停止する。したがって、上記操作の繰り返しにより、横穀粒排出筒9を所望の高さに配置すれば良い。また、前述した一対の遊転ローラ18からなる横穀粒排出筒受け部近傍には、横穀粒排出筒9の格納スイッチ24が設けてあり、横穀粒排出筒9が降下して格納スイッチ24がONになると、上記油圧シリンダ13の作動は停止する。
【0013】次に、上記操作により所望の高さとなった横穀粒排出筒9を旋回させて、その先端の穀粒放出口20を運搬車等の貯溜タンクに位置合わするには、中立状態にある起伏・旋回レバー22を左右何れかの所望の旋回方向に操作すると、該当する左又は右旋回スイッチがONとなり、前述した縦穀粒排出筒8の底部近傍に付設された外周ギア10と歯合するピニオン11を固設した電動モータ12の駆動によって、縦穀粒排出筒8と共に横穀粒排出筒9が所望方向に旋回する。上記起伏・旋回レバー22を中立状態に戻せば、該当する旋回スイッチがOFFとなり、電動モータ12の駆動は停止する。したがって、上記操作の繰り返しにより、横穀粒排出筒9を所望の旋回位置に位置合わせすれば良い。尚、横穀粒排出筒9の左右旋回角度を、適当な範囲に規制するための左右リミットスイッチ25a・25bが、縦穀粒排出筒8の下部近傍に設けられている。
【0014】次に、手動操作による横穀粒排出筒9の伸縮作動について説明する。横穀粒排出筒9の伸縮は、運転席21の後方に設けられた伸スイッチ23a、又は縮スイッチ23bを操作することによりなされる。即ち、螺杆14のストッパー部14aと可動筒9bに付設した縮リミットスイッチ26か、又は伸リミットスイッチ27が接触して、該リミットスイッチ26、27がONとなるまでの範囲内で、固定筒9aに付設した電動モータ15によって、可動筒9bを伸縮作動させることができる。上述した一連の操作を実施することにより、横穀粒排出筒9のの先端の穀粒放出口20を、所望の運搬車等の貯溜タンクに位置合わせできる。
【0015】次に、横穀粒排出筒9の伸縮制御について、図7に示すフローチャートで説明する。該伸縮制御は、マイクロコンピュータユニットで構成する制御部において自動制御される。上記マイクロコンピュータユニットにおいて、自動制御をON、OFFする自動制御スイッチをONにする。そして、横穀粒排出筒9が格納位置に移動して、格納スイッチ24がONの状態となった時、つまり前述した一対の遊転ローラ18からなる可動筒9bを案内する横穀粒排出筒受け部に、可動筒9bが受けられて、横穀粒排出筒9が格納状態となると、螺杆14のストッパー部14aと縮リミットスイッチ26が接触していない状態であれば、縮リミットスイッチ26はOFFであり、その時は、固定筒9aに付設した電動モータ15によって、可動筒9bが自動的に縮作動するように自動制御される。そして、上記可動筒9bの縮作動によって、螺杆14のストッパー部14aと縮リミットスイッチ26が接触して、縮リミットスイッチ26がONとなれば、上記電動モータ15の駆動は停止する。又、横穀粒排出筒9が、横穀粒排出筒受け部に受けられて格納位置にある時は、前記可動筒9bを伸作動できないように規制する手段が設けてある。即ち、自動制御スイッチがONの時、格納スイッチ24がONであれば、伸スイッチ23を操作しても電動モータ15は伸作動しない。このように横穀粒排出筒9が格納位置では、可動筒9bが自動的に縮作動し、また伸作動は規制されるので、横穀粒排出筒9は機体から突出することがない。したがって、刈取作業や路上走行時の機体振動に付随する横穀粒排出筒9の揺れを軽減することができるので、横穀粒排出筒9の支持部が変形したり、破損する恐れが殆どなくなると共に、機体の旋回操作が安全に行える。尚、上記一実施態様では、横穀粒排出筒9が格納位置に移動すると、自動的に縮作動するように構成したが、横穀粒排出筒9の格納位置での伸作動が規制されれば、例えば横穀粒排出筒9が排出位置から格納位置まで移動する間に、可動筒9bが自動的に縮作動するように構成してもよく、また手動で縮作動させてもよい。
【0016】一方、自動制御スイッチをOFFの状態にすると、上記自動制御は解除され、格納スイッチ24のON、OFFにかかわらず、横穀粒排出筒9の伸縮は、伸縮スイッチ23a、23bによって自由に行うことができる。
【0017】
【発明の効果】本発明は、コンバイン等の走行機体に搭載された穀粒タンク4から穀粒を排出する穀粒排出装置を、前記穀粒タンク4に連通する縦穀粒排出筒8と、該縦穀粒排出筒8に連設して水平旋回及び起伏作動する横穀粒排出筒9から構成したものにおいて、前記横穀粒排出筒9を筒方向に伸縮可能に構成すると共に、該横穀粒排出筒9が機体上の格納位置にある時は、前記横穀粒排出筒9の伸作動を規制する手段を設けたことによって、格納位置にある横穀粒排出筒9が不用意に伸長して突出することがないので、刈取作業や路上走行時の機体振動に付随する横穀粒排出筒9の揺れを軽減することができ、横穀粒排出筒9の支持部が変形したり、破損する恐れが殆どなくなる。また上記横穀粒排出筒9が格納位置に移動すると、自動的に縮作動するように構成すれば、上記効果が一層助長される。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成11年10月13日(1999.10.13)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−103832(P2001−103832A)
【公開日】 平成13年4月17日(2001.4.17)
【出願番号】 特願平11−290416