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【発明の名称】 脱穀装置
【発明者】 【氏名】今村 英一

【氏名】市丸 智之

【氏名】水島 淳

【要約】 【課題】従来、扱胴室の上方部を覆う扱胴カバ−は、メンテナンスの容易化を図るため、扱胴軸方向に平行な支点軸周りに揺動開閉するよう構成されている。そして、扱胴カバ−開放時には、常時開き方向に付勢するガススプリングによりカバ−を上方に押し上げてその開放状態を維持するようにしている。ところが、通常のメンテナンスでは、扱胴カバ−はそれほど大きく開けなくとも、所定量開けるだけで充分行なうことができるが、これを更に大きく開放する必要のある場合、或は、排ワラチエンに詰まりを生じて該排ワラチエンを扱胴カバ−と共にオ−プンする必要がある場合には、これら自体の重みにより自重降下する恐れがあり、安全性を欠く問題があった。

【解決手段】本発明は、扱胴室8の上方部を覆う開閉可能な扱胴カバ−10であって、この扱胴カバ−10と機枠17との間には扱胴カバ−を開く方向に付勢する付勢手段15と該扱胴カバ−の閉じ方向への自重降下を阻止する係止手段18を設けてあることを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 扱胴室の上方部を覆う開閉可能な扱胴カバ−であって、この扱胴カバ−と機枠との間には扱胴カバ−を開く方向に付勢する付勢手段と該扱胴カバ−の閉じ方向への自重降下を阻止する係止手段を設けてあることを特徴とする脱穀装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインやハ−ベスタ−などの収穫機に搭載する脱穀装置に関し、農業機械の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の脱穀装置において、扱胴室の上方部を覆う扱胴カバ−は、メンテナンスの容易化を図るため、扱胴軸方向に平行な支点軸周りに揺動開閉するよう構成されている。そして、扱胴カバ−開放時には、常時開き方向に付勢するガススプリングによりカバ−を上方に押し上げてその開放状態を維持するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、通常のメンテナンスでは、扱胴カバ−はそれほど大きく開けなくとも、所定量開けるだけで充分行なうことができるが、これを更に大きく開放する必要のある場合、或は、排ワラチエンに詰まりを生じて該排ワラチエンを扱胴カバ−と共にオ−プンする必要がある場合には、これら自体の重みにより自重降下する恐れがあり、安全性を欠く問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題を解決するために、次の如き技術手段を講じた。すなわち、本発明にかかる技術的手段は、扱胴室8の上方部を覆う開閉可能な扱胴カバ−10であって、この扱胴カバ−10と機枠17との間には扱胴カバ−を開く方向に付勢する付勢手段15と該扱胴カバ−の閉じ方向への自重降下を阻止する係止手段18を設けてあることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の効果】従って、本発明によれば、特に、扱胴カバ−を大きく開放した場合には、ガススプリングなどによるカバ−の開き方向への付勢手段に加えて、係止手段により自重降下を確実に阻止するようにしたので、カバ−開放時の安全性を充分に確保することができるに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。まず、図1に示すコンバインの構成について述べる。走行クロ−ラ1を具備する車体2上には、前部に昇降可能な刈取部3を、後部に脱穀装置4を搭載している。刈取部3の横側部には運転部5が設置され、その後方にはグレンタンク6が装備されている。
【0007】つぎに、脱穀装置4の構成につき説明する。扱胴7を内装軸架した扱胴室8の下半周部に沿って受網9を張設している。10は扱胴室8の上方部を覆う扱胴カバ−であって、扱胴軸方向に平行な支点軸P周り揺動開閉可能に構成している。扱胴室8の一側には穀稈を挟持搬送するフイ−ドチエン11とこの上側に対設する挟持レ−ル11aを配設している。この挟持レ−ル11aは扱胴カバ−10側に装着して該カバ−と共に揺動開閉する構成である。なお、前記フイ−ドチエン11は始端側を支点として揺動開閉するように構成してあり、外側方へ揺動開放した状態が図6に示されている。
【0008】扱胴室8の後方には脱穀後の排ワラを搬送する排ワラ搬送チエン12が架設されている。この排ワラ搬送経路の上方には排ワラ搬送カバ−10´が設けられ、前記扱胴カバ−と一体的に連接され、同一支点軸P周りに揺動開閉する構成である。前記排ワラ搬送チエン12は、終端側が始端側の駆動軸13を回動支点として上下方向に揺動開閉するように構成してあり、そして、該排ワラ搬送チエン12の終端側を排ワラ搬送カバ−10´から吊り下げ状態に支持すべく吊上げリンク14でもって連結し、カバ−10,10´の所定量の開放(図5(イ)状態)では排ワラ搬送チエン12は持ち上がらず、所定以上の開放、つまり、全開放時には、排ワラ搬送チエン12が図5(ロ)に示す如く上方に大きく持ち上げられた状態になり、下側に対設する排ワラ挟持杆12aの上方が大きく開放されることになる。
【0009】15は扱胴カバ−10を開く方向に付勢する付勢手段であって、実施例では伸縮可能なガススプリングによって構成してあり、このガススプリング15の一端側は扱胴カバ−10側に枢支ピン16を介して連結してあると共に、他端側は扱胴室8側の機枠(機壁)17に枢着している。18は扱胴カバ−10の閉じ方向への自重降下を阻止する係止手段であって、実施例では、先端に係合凹部18aを有する係止杆18によって構成してあり、その基端側は扱胴室8側の機枠17に連結ピン19を介して回動自在に枢着している。そして、該係止杆18は、先端の係合凹部18aを扱胴カバ−10の全開放時におけるガススプリングの枢支ピン16に係止させてロックする構成としている。つまり、この係止杆はカバ−全開放時の突っ張り棒の役目を果たすものであり、これによって安全性がより確実に保持されることになる。また、係止杆18の適所にはこれ自体の操作性を良くするために取手20が設けられている。
【0010】なお、図において、21は二番処理胴であって、処理室22に内装軸架している。二番処理胴21の後方には同一軸芯上においてこれと一体的に回転する排塵処理胴23が連設され、排塵処理室24内に軸架されている。扱胴室8の下側には揺動可能に架設した揺動選別装置25を設け、更に、その下方には選別方向の上手側から順に、唐箕26と、一番移送螺旋27と、二番移送螺旋28とを配置した選別室29を構成している。
【0011】前記二番処理室22には、二番移送螺旋28で収集した二番物を二番揚穀装置30により揚穀して供給し、二番処理胴21と処理網との作用にて二番処理するよう構成している。なお、二番処理室22内では、供給された二番物を扱胴7による移送方向とは逆方向前方側に搬送しながら再処理する構成としている。31は吸引排塵フアンである。
【0012】そして、揺動選別装置25は、選別方向上手側から移送棚32、チャフシ−ブ33、ストロ−ラック34の順に配置し、且つ、チャフシ−ブ33の下方にグレンシ−ブ35を配置して一体的に設け、前記唐箕26による選別風と揺動との共同作用によって扱胴室8から漏下してきた脱穀物の選別作用を行うように構成している。
【0013】つぎに、上述した構成の脱穀装置搭載のコンバインについてその作用を説明する。まず、圃場の穀稈は、前進する機体の前部位置にある刈取部3によって刈取られ、上方に搬送されて、フィ−ドチエン25に受け継がれてのち脱穀装置4に供給される。そして、穀稈は、株元をフィ−ドチエン11に挾持されて搬送されながら穂先部分が扱胴室8に供給されて、回転している扱胴7により脱穀作用を受ける。脱穀後の排ワラは、排ワラ搬送チエン12によって後方に搬送され、カッタ−或はドロッパ−に送りこまれて処理される。
【0014】排ワラ搬送チエン12に詰まりを生じると、該チエン12を持ち上げて上方に開放するが、この時、扱胴カバ−10を全開位置まで上方に大きく開放する。すると、排ワラ搬送チエンが上方に持ち上げられて大きく開放されるので、詰まった排ワラを簡単に取り除くことができる。このように排ワラ搬送チエンをオ−プンする時の扱胴カバ−全開放時には、これが自重降下しないよう、係止杆18により、この先端をガススプリング15の枢支ピン16に係止してロックしておく。
【0015】上記のようにして脱穀処理された脱穀物は、回転している扱胴7によって持ち回りされて、更に、脱粒処理作用を受け、受網9から漏下して選別室29の揺動選別装置25に達し揺動選別作用を受ける。この場合、被選別物は、移送棚32上を移送されてチャフシ−ブ33に達し、チャフシ−ブ33を構成している複数枚のシ−ブ板相互の間にある選別間隔を漏下しながら風選作用を受ける。このとき、唐箕26は、起風した選別風を選別室29内に吹き込みながら選別し、吸引排塵フアン31に達するものと、揺動選別装置25の棚先から機外に排塵するものとに分かれる。
【0016】このようにして、被選別物は、揺動選別作用と選別風による風選作用との共同作用を受けながら選別されて、一番物(精粒)、二番物、排塵物とに選別分離され、一番物は一番移送螺旋27の受樋内に落下して収集されて機外に取り出され、二番物は二番移送螺旋28から二番揚穀装置30によって揚穀されて二番処理室22に還元され、そして、二番処理胴21によって二番処理作用を受け、排塵物は吸引排塵フアン31によって吸塵され機外に排出されると共に、ストロ−ラック34に達した藁屑は棚先から機外に排塵される。
【0017】一方、選別室29に漏下せず扱胴室8内に残留して持ち回られている未処理物は、排塵処理室24内に送り込まれ、排塵処理胴23による再処理を受け、選別室29の後部である排塵部分に落下して前述の各処理物と合流して選別処理されるものである。別実施例1につき説明する。図7に示す揺動選別装置は、揺動選別装置25の側板36から一番リタ−ンパン37を吊り下げている吊持板体38をウレタンゴム等の弾性体で構成している。揺動選別装置を後方へ抜き取る際には、弾性体である吊持板体38が屈曲して一番移送螺旋27と二番移送螺旋28間の底板39a,39bの頂部39cを簡単に乗り越えることができる。しかも、この吊持板体38自体が弾性体であるが故に、通常の作業時にあって多少の振動があってもこれを吸収することになり、振動防止の役目を果たす。
【0018】別実施例2につき説明する。図8及び図9に示す扱胴7には、耐摩耗性があって、且つ弾力性のある帯状板40を先端が受網9に対し接圧状態で回転するよう設けている。また、この帯状板40は扱歯41と共締めする構成としている。濡れ扱ぎ作業時には、受網に目詰まりがよく発生するが、前記帯状板40が有効に作用し、目詰まりを確実に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年8月26日(1999.8.26)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−61332(P2001−61332A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−239988