| 【発明の名称】 |
脱穀機における揺動選別装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川村 芳弘
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| 【要約】 |
【課題】寄せ板による流動規制で処理物の多少に関わらず安定した揺動選別精度を保持することができる脱穀機における揺動選別装置を提供する。
【解決手段】離間対向する揺動側板間に無孔移送板5を設け、かつ当該無孔移送板5の終端側から後方に至る揺動側板23、23間にチャフシーブ6を配設して搖動選別体7を形成すると共に、上記無孔移送板5の終端側からシーブ群の上方に亘って所要高さを有する寄せ板26を立姿状に延設し、搖動選別体7上の処理物Aの流動方向を規制するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 離間対向する揺動側板間に無孔移送板を設け、かつ当該無孔移送板の終端側から後方に至る揺動側板間にチャフシーブを配設して搖動選別体を形成すると共に、上記無孔移送板の終端側からシーブ群の上方に亘って所要高さを有する寄せ板を立姿状に延設し、搖動選別体上の処理物の流動方向を規制するように構成したことを特徴とする脱穀機における揺動選別装置。 【請求項2】 上記寄せ板は、無孔移送板上の前後方向に配設した仕切板の高さより低位に設定されていることを特徴とする請求項1記載の脱穀機における揺動選別装置。 【請求項3】 上記寄せ板の後部側は前部側より低位に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の脱穀機における揺動選別装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、選別風路内に架設される揺動選別体の無孔移送板の終端側にチャフシーブを並設した搖動選別体上の処理物漏下量を、該揺動選別体上に延設した寄せ板による流動規制で適宜に調整することにより、処理物の量が少ない場合でも安定した選別精度を保持して揺動選別動作を行うことができる脱穀機における揺動選別装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、扱胴の軸芯方向後方に風選室を有し、扱胴の下方前方より風選室に向けて形成した選別風路内に揺動選別体を架設してなる脱穀機においては、揺動選別体の前後揺動運動による比重選別作用と、選別風路を吹き抜ける選別風による風選作用とによって、処理物を一番物、二番物および籾屑等の夾雑物とに選別分離し、一番物は一番樋に落下させたのち揚穀筒により籾タンクに回収し、二番物は二番樋に落下させたのち二番還元筒により揺動選別体に還元して再選に供し、籾屑類は風選室で吸引ファンにより吸引して機体後方の排塵口から機外へ放出するようになっている。 【0003】そして、上記揺動選別体の具体的な選別作用としては、揺動始端側に無孔移送板を配し、かつその後方の揺動終端側にチャフシーブを配設してなる上段選別部と、当該上段選別部の下方位置に配設したクリンプ網とを相互揺動させて、一番物を一番樋に漏下させるように構成されており、上述のような揺動選別体による比重選別作用では、移送選別経路において、下層に穀粒、上層に籾屑等の夾雑物が位置するようにある程度の処理物層厚を保持した揺動選別状態が、精度の高い比重選別を行う上で重要であることが知見されている。 【0004】そこで、無孔移送板の終端側から後方に至る間に並列状に設けた開度可変な複数のシーブ群を、処理物層厚の大小に応じて適宜に開度変更することにより、処理物層厚を一定に保持して籾屑等の漏下混入を抑制しながら、移送選別作用と風選作用とを行うようにした揺動選別体の構成も提案されているが、処理物の絶対量が少ない場合には、依然として籾屑等の夾雑物の混入し易い揺動選別状態となる、という改善の余地を残すものであった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のような実状に鑑み揺動選別精度の向上を目指す研究、開発の課程で創案されたものであって、その目的とするところは、極めて簡単な構成でありながら、寄せ板による流動規制で処理物の多少に関わらず安定した揺動選別精度を保持することができ、処理物量が少ない場合の藁くずの混入し易い揺動選別状態であっても選別体上の処理物層厚を一定以上に確保し得て、藁くずの漏下を可及的に抑制しつつ高い選別精度を保持することができる脱穀機における揺動選別装置を提供しようとするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本発明が採用した技術的手段は、離間対向する揺動側板間に無孔移送板を設け、かつ当該無孔移送板の終端側から後方に至る揺動側板間にチャフシーブを配設して搖動選別体を形成すると共に、上記無孔移送板の終端側からシーブ群の上方に亘って所要高さを有する寄せ板を立姿状に延設し、搖動選別体上の処理物の流動方向を規制するように構成したことを特徴とするものである。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。図1において、1は図示しない走行機体上に搭載された脱穀機であって、該脱穀機1内には機体の進行前後方向に軸架された扱胴軸2に第1扱胴3が回転自在に軸着され、その下側に張設した受網4の下方位置には、波板状の無孔移送板5および開度可変なチャフシーブ6、6…からなる揺動選別体7と、その下方に併設したクリンプ網8等で構成された揺動選別装置9が配設されている。 【0008】上記揺動選別装置9の下方には、唐箕10、一番流板11等からなる選別風路12が形成されおり、揺動作動する当該揺動選別装置9に向く下方からの選別風Aにより一番物を風選し、かつ上記選別風路12の後方に配設した補助唐箕13から送風する選別風Bにより、ラック14上の二番物を風選するように構成され、選別分離された夾雑物を吸引ファン15を介して機体後方の排塵口16から機外へ放出するようになっている。なお、17は一番樋、18は一番樋17に落下した籾を図示しない穀粒タンクに揚上搬送する揚穀筒、19は二番樋、20は二番樋19に落下した二番物を揺動選別体7上に二番吐出口20aを介して還元する二番還元筒、21は二番流板、22は第1扱胴3の後方に併設した第2扱胴である。 【0009】上記揺動選別体7は、図2に示すように、機体の左右方向に離間対設した揺動側板23、23の上面に上段の無孔移送板5を張設し、その終端部から移送方向の後方に向けて開度可変のチャフシーブ6、6…を複数並設して構成されていると共に、上記揺動選別体7の下方位置には下段の無孔移送板24が平行状に配設され、その終端部から後方に向けてクリンプ網8が一面状に張設されて揺動選別体7を構成している。 【0010】また前記無孔移送板5の中央前後方向には、左右幅方向での処理物の偏りを防止する仕切板25が立姿状に配設され、かつ当該無孔移送板5の終端側からチャフシーブ6、6…の上方に亘る部位には、上記仕切板25より低い所要高さを有する寄せ板26が、一方の揺動側板23側から両揺動側板23、23間の中央方向に向けて立姿状に延設されており、当該搖動選別体7上で流動する処理物の流動方向が中央側に向くように案内規制すると共に、上記寄せ板26の後部側26aは、無孔移送板5の終端側からチャフシーブ6、6…の上方に亘る間で前部側26bよりも低位の高さとなるように設置されており、ある程度以上に処理物量が多くなって処理物層厚が増加した際には、当該処理物が適宜に寄せ板26を乗り越えて揺動選別体7の全幅で揺動選別処理がなされるように構成されている。 【0011】本発明は叙上の如く構成されているから、機体走行により刈取作業を行ないながら脱穀作業を開始すると、予め図示しない制御部で初期設定した所定の基準処理物層厚に達するまでは、揺動選別体7の各チャフシーブ6、6…は最小開度に保持され、脱穀作業の進行で徐々に揺動選別体7上の処理物層厚が所定の基準層厚の上限範囲を越えると、図3(b)に示すように、後方のチャフシーブ6から徐々に開度が大きくなり、その開度変化で処理物の漏下量が増大し、結果として脱穀された処理物の実層厚が、下層に穀粒、上層に籾屑等の夾雑物が位置する所定の基準層厚に保持されると共に、一番樋17に落下した一番物は揚穀筒18により図示しない籾タンクに回収され、図3(a)に示すように、二番物は二番樋19に落下した後に二番還元筒20の二番吐出口20aから揺動選別体7上に還元されて再選に供されることになる。 【0012】このような揺動選別作用において、本発明では特に無孔移送板5の終端側からチャフシーブ群6、6…の上方に亘って所要高さを有する寄せ板26が立姿状に延設されているので、処理物の絶対量が少ない場合でも図4(a)に示すように、寄せ板26により搖動選別体7上の処理物Cの流動方向が規制されて、処理物層厚を一定に確保することができ、同図(b)に示す従来のような前方のチャフシーブ6側において集中的に処理物Cの漏下が行われるようなことがなく、チャフシーブ6、6…の前後域で満遍なく処理物Cの漏下作用が進行し、藁くずの漏下を抑制しながら高い選別精度を保持することができる。 【0013】また、ある程度以上に処理物量が多くなって処理物層厚が増加した際にも、当該処理物Cが寄せ板26を乗り越えて搖動選別体7の全幅での選別処理に移行するので、処理物の多少に関わらず安定した揺動選別作用を維持することができる。 【0014】なお、上記実施例では、一方の揺動側板23側から両揺動側板23、23間の中央方向に向けて立姿状に単一の寄せ板26を延設する構成を示したが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、両揺動側板23、23から中央方向に向けて平面視で「ハ」字状をなす一対の寄せ板26、26を延設するように構成しても良く、この構成では、処理物の流動方向の規制がより一層強く作用するので、比較的少量の処理物の揺動選別を行う機会が多い場合に安定した揺動選別を維持することができるようになる。 【0015】 【発明の効果】これを要するに本発明は、離間対向する揺動側板間に無孔移送板を設け、かつ当該無孔移送板の終端側から後方に至る揺動側板間にチャフシーブを配設して搖動選別体を形成すると共に、上記無孔移送板の終端側からシーブ群の上方に亘って所要高さを有する寄せ板を立姿状に延設し、搖動選別体上の処理物の流動方向を規制するように構成したから、開度可変なチャフシーブによる複雑な構成を要することなく、寄せ板による処理物の流動規制で、処理物量が少ない場合の藁くずの混入し易い揺動選別状態であっても選別体上の処理物層厚を一定以上に確保することができ、藁くずの漏下を可及的に抑制して高い選別精度を保持することができると共に、無孔移送板の仕切板より寄せ板の高さを低くし、また寄せ板自体の後部側を前部側より低く設定したので、ある程度以上に処理物量が多くなって処理物層厚が増加した際には、当該処理物が適宜に寄せ板を乗り越えて処理物層厚を増加させることがなく、選別体の全幅で揺動選別処理されることになり、極めて簡単な構成でありながら、処理物の多少に関わらず安定した揺動選別精度を保持することができる、という極めて有用な新規的効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年8月23日(1999.8.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066876 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 昭治
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| 【公開番号】 |
特開2001−57811(P2001−57811A) |
| 【公開日】 |
平成13年3月6日(2001.3.6) |
| 【出願番号】 |
特願平11−234894 |
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