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【発明の名称】 コンバイン等のエンジン再始動装置
【発明者】 【氏名】岡田 利彦

【要約】 【課題】脱穀済み排藁を排藁処理装置へ搬送する排藁搬送部の藁詰りを排藁センサにより検出したときはエンジンを自動的に停止させ、この停止状態から排藁センサが検出したままでエンジンの再始動を可能とする。

【解決手段】脱穀済み排藁をフィードチェン1から排藁搬送部2へ引き継ぎ搬送する際に、排藁の詰りを排藁センサ3により検出したときはエンジン4を自動的に停止させるコンバイン等において、この停止したエンジン4を、脱穀作用を入・切する脱穀レバー5の切り操作により該排藁センサ3は検出状態のままで始動可能とすることを特徴としたエンジン再始動装置の構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀済み排藁をフィードチェン1から排藁搬送部2へ引き継ぎ搬送する際に、排藁の詰りを排藁センサ3により検出したときはエンジン4を自動的に停止させるコンバイン等において、この停止したエンジン4を、脱穀作用を入・切する脱穀レバー5の切り操作により該排藁センサ3は検出状態のままで始動可能とすることを特徴としたエンジン再始動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンバイン等のエンジン再始動装置に関し、脱穀済み排藁の搬送詰りによりエンジンを自動的に停止させるもの等の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】コンバイン等における脱穀作業時に、脱穀装置のフィードチェンによって送り出された脱穀済みの排藁を、排藁搬送部に引き継いで後方側の排藁処理装置へ搬送させるものが一般的であり、従来では、この排藁が排藁搬送部に引き継がれるとき等に、排藁の性質や姿勢等の状態によって的確な引き継ぎが行われ難く詰りを生じることがあるため、排藁の搬送経路に設けた排藁センサによってこの排藁詰りを検出したときは、自動的にエンジンを停止させてトラブルを最小限に防ぐことができるようにしている。
【0003】しかし、このようにエンジンが停止したときは、通常では排藁詰りを取り除くまではエンジンの再始動が不可能であり、藁詰り除去作業を容易に行える畦際等に車体を移動させることができないため、車体の停止位置における不便な場所で厄介な藁詰り除去作業を強いられることになる。そこで、この発明はエンジンの停止を解除できるようにするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、脱穀済み排藁をフィードチェン1から排藁搬送部2へ引き継ぎ搬送する際に、排藁の詰りを排藁センサ3により検出したときはエンジン4を自動的に停止させるコンバイン等において、この停止したエンジン4を、脱穀作用を入・切する脱穀レバー5の切り操作により該排藁センサ3は検出状態のままで始動可能とすることを特徴としたエンジン再始動装置の構成とする。
【0005】
【作用】上記の構成により、コンバイン等における脱穀作業時に、フィードチェン1から排藁搬送部2へ引き継ぎ搬送される排藁が引継部等において詰りが発生し、例えば、排藁搬送部2の挟持杆の適宜位置に設けた排藁センサ3によってその詰りを検出したときは、この検出により電気回路を作用させエンジン4の駆動を自動的に停止させるものにおいて、次に、エンジン4を始動させるには、脱穀作用を入・切する脱穀レバー5を切り操作することにより、該レバー5に係合したスイッチ等を介し、排藁センサ3が検出した状態のままで電気回路を作用させエンジン4を始動させることができる。
【0006】
【発明の効果】上記作用の如く、脱穀済み排藁をフィードチェン1から排藁搬送部2へ引き継ぐ際に、引継部等において発生した藁詰りを排藁センサ3により検出したときはエンジン4を自動的に停止させるものにおいて、この停止状態から脱穀レバー5の切り操作により藁詰り検出のままでエンジン4を始動させ、車体を刈取作業停止位置から畦際等へ移動させて藁詰り除去作業を行うことができるから、従来の如く、刈取作業停止位置における不便な場所で厄介な藁詰り除去作業を強いられることなく、作業に便利な場所で容易に藁詰り除去作業を行い得るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。図13はコンバインの全体構成を示すもので、走行フレーム6の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ7を有する走行装置8を配設し、該走行フレーム6上にフィードチェン1に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留するグレンタンク9と、このタンク9の穀粒を機外に排出する排穀オーガ10とを備えた脱穀装置11を載置構成している。
【0008】該脱穀装置11の前方側に前端位置から立毛穀稈を分草する分草体12と、分草された穀稈を引き起こす引起部13と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部14と、この刈り取られた穀稈を後方側へ搬送しながら横倒れ姿勢に変更して、該フィードチェン1へ受け渡しする穀稈搬送部15を有する刈取装置16を、該走行フレーム6の前端部へ懸架支持して土壌面に対し昇降自在なるよう構成している。
【0009】該刈取装置16の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置17と、この操作のための操作席18とを設け、この操作席18の後方側に前記グレンタンク9を配置し、その下方側にエンジン4を搭載すると共に、これら走行装置8,脱穀装置11,刈取装置16,操作装置17,エンジン4等によってコンバインの車体19を構成している。
【0010】図3に示す如く、該脱穀装置11から送り出される脱穀済み排藁を、後方のカッタやノッタ等による排藁処理装置20へ搬送する排藁搬送部2を、前記フィードチェン1と排藁処理装置20との間に配設し、該排藁搬送部2における排藁挟持杆2aの入口側、つまりフィードチェン1と排藁搬送部2との引継部近傍に、排藁の性質や姿勢等の状態によって発生し易い搬送排藁の詰りを検出する排藁センサ3を配置して構成させる。
【0011】図1の制御回路Aに示す如く、コンバインの作業時に、該排藁センサ3が排藁の詰りを検出してONしたときは、図2に示す如き該脱穀装置11の駆動を入・切する脱穀レバー5の操作に関連作用するレバースイッチリレー接点21aとタイマーリレー22とがクローズ回路となる。該タイマーリレー22に通電し接点が、例えば1秒後にOFFすることによって、脱穀装置11の適宜位置に設置した手扱ぎ時等に前記エンジン4を緊急停止させる、押ボタン形式の緊急エンジン停止スイッチ23のノーマル接点に連通したエンジン停止用リレー24を作用させて接点を切り替え、エンジン停止用モータ25を逆転駆動し、スロットル等の絞り作用によりエンジン4を停止させる。
【0012】次に、刈取作業の途中で停止しているコンバインを、排藁の詰りを取り除く除去作業が容易となるよう畦際等へ移動するため該エンジン4を再始動させるときは、該排藁センサ3がONのままで前記脱穀レバー5を切り操作し、この切り操作に係合作用するリミットスイッチ等によるレバースイッチ26がONし、このONによりレバースイッチリレー21の回路がクローズとなって該リレー21を作用させる。
【0013】該レバースイッチリレー21の作用によりレバースイッチリレー接点21aがOFFし、このOFFにより前記タイマーリレー22がオープンとなって接点がONすることにより、前記エンジン停止用リレー24を作用させて接点を切り替え、エンジン停止用モータ25の駆動方向を切り替える。該エンジン停止用モータ25の切り替えにより、スタータリレー27回路の始動安全スイッチ28と前記レバースイッチ26のON、及び緊急エンジン停止スイッチ23により関連作用する緊急エンジン停止リレー接点23bのクローズによって、スタータ29を作動させエンジン4を再始動させることができる。3aは排藁詰り表示灯である。
【0014】なお、該緊急エンジン停止スイッチ23をノーマル接点から緊急接点に切り替えたときは、前記タイマーリレー22の代わりに緊急エンジン停止スイッチ23がOFFとなって、前記の如く該エンジン4を停止させると共に、緊急エンジン停止リレー23aを作用させて該緊急エンジン停止リレー接点23bをオープンとし、エンジンの始動を不能とするよう牽制させる。23cは緊急エンジン停止表示灯である。
【0015】このように、脱穀済み排藁の詰りを該排藁センサ3の検出によりONしたときは、制御回路Aにより該エンジン4を自動的に停止させ、次に、排藁センサ3がON状態のままで前記脱穀レバー5の切り操作によりレバースイッチ26をONして、エンジン4を再始動させることができるから、刈取作業時に停止した位置より作業に便利な畦際等の場所に移動させ、藁詰りの除去を容易に行わせることができる。
【0016】図4(a),(b)に示す如く、コンバインの車速を主変速レバー30の前後操作により変速を行うものにおいて、前記操作装置17の左側壁の外面前後方向に設けた角筒状フレーム31に鉛直面のスイッチ取付プレート32を固着し、このスイッチ取付プレート32を挟んでリミットスイッチ等による前記始動安全スイッチ28とバックスイッチ33を並列状に螺子止めし、該主変速レバー30の両スイッチ28,33をON・OFFさせる位置に、平板状のスイッチ作用板34を固着して構成させる。
【0017】このように、該両スイッチ28,33を単一のスイッチ取付プレート32に連設すると共に、単一のスイッチ作用板34により、始動安全スイッチ32はニュートラル領域の間のみONすることにより該エンジン4の始動を可能とし、バックスイッチ33は後進時のみONすることによって後進状態の検出を可能とすることができるから、安全性の向上及びコスト低減を図ることができる。
【0018】また、前記図2に示す如く、脱穀レバー5の操作により作用するレバースイッチ26と、同じく前記脱穀装置11のトラブル発生時に警報を作用させるリミットスイッチ等による脱穀警報スイッチ35を2個組とした複数スイッチ36を、脱穀レバー5の操作によりON・OFF作用可能な位置に配設させることによって、コスト低減を図ることができる。
【0019】また、コンバインの作業における前進時に、図5の制御回路Bに示す如く、左右方向への舵取りを行う自動方向制御を自動的に行う自動スイッチ37と自動制御照光スイッチ38をONさせる。この両スイッチ37,38のONにより、左方向センサ39aがONしたときはノーマルクローズのリレー接点40aと切替リレー接点41aにより、図6に示す如く、左方向センサ39aと反対側の走行用ミッションケースMの、右操向クラッチ42bを作動させる右プッシュシリンダ43bのソレノイド44b(油圧バルブ用)をONすると同時に、リレー45を作用させてリレー接点45aをオープンとし、左右のソレノイド44a,44bの同時作動を防止させる。
【0020】右方向センサ39bがONしたときはノーマルクローズのリレー接点46a,45aと切替リレー接点47aにより、右方向センサ39bと反対側の左操向クラッチ42aを作動させる左プッシュシリンダ43aのソレノイド44a(油圧バルブ用)をONさせる。以上の如き制御回路Bは、マイコンを使用していないため低コストの回路とすることができる。
【0021】このような自動方向制御を行っているときに、パワステレバー48の左右側への傾斜操作によって行われる手動優先割込みは、パワステレバー48の左側への傾斜操作による接点48aのONにより、切替リレー47の作用による切替リレー接点47aの切り替えと、リレー40の作用によるリレー接点40aのオープンにより左ソレノイド44aをONさせる。
【0022】該パワステレバー48の右側への傾斜操作による接点48bのONにより、切替リレー41の作用による切替リレー接点41aの切り替えと、リレー46の作用によるリレー接点46aのオープンにより右ソレノイド44bをONさせる。49は自動方向制御表示灯である。なお、前記と異なる自動方向制御回路として、図7の制御回路Cに示す如く、左右方向制御を自動的に行う前記自動スイッチ37と自動制御照光スイッチ38のONにより、前記左方向センサ39aがONしたときは、切替リレー50の作用による切替リレー接点50aの切り替えにより右ソレノイド52bがONし、右方向センサ39bがONしたときは、切替リレー51の作用による切替リレー接点51aの切り替えにより左ソレノイド52aをONさせる。
【0023】このような、自動方向制御を行うものにおいて、前記パワステレバー48による手動優先割込みを行うときは、該レバー48部に設けた自動牽制スイッチ53をOFFさせることにより、自動方向制御の実行時といえども該レバー48の手動操作により自動制御を解除して手動優先にすることができるから、安全性の向上を図ることができる。
【0024】また、図8に示す如く、チャージ回路ユニット54とゼネレータ55をバッテリに接続するものにおいて、キースイッチ56とチャージ回路ユニット54の入力側との間にダイオード54aを、キースイッチ56とゼネレータ55の入力側との間にヒューズ55aを各々接続することにより、バッテリの逆接続による回路の保護を行うことができるから、安全性の向上を図ることができる。57はチャージ表示灯である。
【0025】また、前記エンジン4を格納するエンジンカバー58の上面に前後移動可能に前記操作席18を載置し、この操作席18の後側に燃料タンク59を配設しているものにおいて、従来では、図9(b)に示す如く、例えば操作席18を後方へ20ミリメートル程度移動させるための隙間を設けて燃料タンク59を取り付けていたものを、本案では図9(a)に示す如く、燃料タンク59の上部側を後方へ傾斜させて取り付けることにより、エンジンカバー58の余分なスペースaを省いてコスト低減を図ることができる。
【0026】また、前記図6に示す如く、走行用ミッションケースMとプッシュシリンダ43の位置がレイアウトの都合により少し離れて設置されているものにおいて、プッシュシリンダ43から支持したアーム軸60に、左右のプッシュピストン61a,61bに一端部を接当する左右のプッシュアーム62a,62bを支承すると共に、その他端部と左右の操向クラッチ42a,42bのアームとを左右のロッド63a,63bにより連結させることにより、プッシュシリンダ43の力をリンク機構により効率良く伝達することができる。
【0027】また、図10に示す如く、前記操作席18のステップ18a下側の走行フレーム6部に、前後方向に左右の取付フレーム64を固着して設け、この取付フレーム64に前記プッシュシリンダ43を吊り下げる形で固定することにより、プッシュシリンダ43の力を効率良く伝達することができる。また、図11に示す如く、前記エンジンカバー58は、エンジン4等のメンテナンスを行うときには操作席18と共に外側横方向に開扉させるものであり、このカバー58の通常定位置での固定については、操作席18左側の操作パネル65の適宜位置に、該カバー58の上面前側左端部に突設させた固定用フランジ58aを1本のノブボルト66により締め付けて固定することができるから、部品点数の削減及びメンテナンスの容易化を図ることができる。(従来では、前記燃料タンク59の取付ステー部59aにも固定していた)また、図12に示す如く、該燃料タンク59を前記排藁処理装置20の下方側で走行フレーム6の後端部に配置し、該エンジン4に対する燃料の供給を燃料タンク59から燃料フィルタ67を経て電磁ポンプ68により行うものにおいて、燃料フィルタ67を前記脱穀装置11と籾置きパレット69の空間に位置させることにより、燃料フィルタ67の下方側に何も構成部材がないため、該フィルタ67のメンテナンスを行う際に籾置きパレット69の上面に燃料がこぼれることがなく衛生的である。70はバッテリを示す。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年7月28日(1999.7.28)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−37325(P2001−37325A)
【公開日】 平成13年2月13日(2001.2.13)
【出願番号】 特願平11−213673