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【発明の名称】 結球野菜収穫機
【発明者】 【氏名】遠部 博史

【氏名】新 裕樹

【要約】 【課題】結球野菜収穫機において、結球野菜を引抜き、後方へ搬送する縦搬送装置の後部で、外葉等の野菜屑と調製済み結球野菜との選別作業を容易にする。

【解決手段】縦搬送装置の後方で搬送しながら選別調製する排出搬送部30の後部下方に配置する傾斜搬送体31の後部に、左右方向に搬送する第1横搬送コンベヤ32を配置し、その終端位置には、屑を排出する排出孔70を設け、第2横搬送コンベヤ33を、排出孔70の上方を覆うように配置し、第2横搬送コンベヤ33の終端部を、走行機体の左右幅方向の他側端に配置した上向き開放のコンテナ103上に臨ませたものである。第1横搬送コンベヤ32の終端部近傍にて第2横搬送コンベヤ33上に手作業にて調製済み結球野菜を移し換えることで、作業能率を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行装置に結球野菜を引抜く引抜前処理装置と、根茎部を切断する切断装置と、結球部を挟持して後方へ搬送する縦搬送装置と、縦搬送装置の後方で搬送しながら選別調製する排出搬送部とを有する結球野菜収穫機において、前記排出搬送部を、縦搬送装置の後部下方に配置する傾斜搬送体と、その後部から左右方向に搬送する第1横搬送コンベヤと、その上方にて調製済み結球野菜を左右方向に搬送する第2横搬送コンベヤとにより構成したことを特徴とする結球野菜収穫機。
【請求項2】 前記第1横搬送コンベヤの終端位置には、屑を排出する排出孔を設け、第2横搬送コンベヤは、前記排出孔の上方を覆うように配置したことを特徴とする請求項1に記載の結球野菜収穫機。
【請求項3】 前記縦搬送装置を、走行機体の左右幅方向の一側端寄り部位に配置し、その後部下方に配置する傾斜搬送体からの被搬送物を走行機体の左右幅の略中央部へ横搬送するように構成した第1横搬送コンベヤの終端部近傍にて第2横搬送コンベヤ上に手作業にて調製済み結球野菜を移し換えるように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の結球野菜収穫機。
【請求項4】 前記第2横搬送コンベヤの終端部を、走行機体の左右幅方向の他側端に配置した上向き開放のコンテナ上に臨ませたことを特徴とする請求項3に記載の結球野菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はキャベツ等の結球野菜を収穫するための結球野菜収穫機の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、結球野菜を引抜き、根茎部を切断して、結球部を後方へ搬送して調製後にコンテナ等に収納するようにした技術は公知となっている。例えば、特開平8−37879号公報や特開平11ー239406号公報に記載の技術があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の技術では、根茎部を切断した後の結球部を搬送装置により後方に搬送し、該搬送装置の後部延長上に調製用のコンベヤが配置されて、該コンベヤにて結球野菜を後向きに送りながら、人手により外葉(オニ葉)や残った根茎部等の処理や選別等の調製作業は人手により行われ、調製済みの結球野菜は後方に配置したコンテナに収納されるようにしていたので、機体の全長は前後方向に長くなり、狭い圃場では作業がし難くなるという問題があった。
【0004】また、通常、調製済みの結球野菜は上にあり、その下に、外した外葉(オニ葉)が位置するので、調製用のコンベヤが一つであると、当該コンベヤに調製済みの結球野菜を載せたまま外葉を該調製用のコンベヤ上から除去する作業の手順が煩雑になるという問題もあった。
【0005】本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、調製済み結球野菜の搬送用コンベヤと外葉(オニ葉)などの野菜屑の搬送用コンベヤとの二重構造とし、レイアウトを工夫して作業能率を向上させることができる結球野菜収穫機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の結球野菜収穫機は、走行装置に結球野菜を引抜く引抜前処理装置と、根茎部を切断する切断装置と、結球部を挟持して後方へ搬送する縦搬送装置と、縦搬送装置の後方で搬送しながら選別調製する排出搬送部とを有する結球野菜収穫機において、前記排出搬送部を、縦搬送装置の後部下方に配置する傾斜搬送体と、その後部から左右方向に搬送する第1横搬送コンベヤと、その上方にて調製済み結球野菜を左右方向に搬送する第2横搬送コンベヤとにより構成したものである。
【0007】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の結球野菜収穫機において、前記第1横搬送コンベヤの終端位置には、屑を排出する排出孔を設け、第2横搬送コンベヤは、前記排出孔の上方を覆うように配置したものである。
【0008】また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の結球野菜収穫機において、前記縦搬送装置を、走行機体の左右幅方向の一側端寄り部位に配置し、その後部下方に配置する傾斜搬送体からの被搬送物を走行機体の左右幅の略中央部へ横搬送するように構成した第1横搬送コンベヤの終端部近傍にて第2横搬送コンベヤ上に手作業にて調製済み結球野菜を移し換えるように構成したものである。
【0009】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の結球野菜収穫機において、前記第2横搬送コンベヤの終端部を、走行機体の左右幅方向の他側端に配置した上向き開放のコンテナ上に臨ませたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。図1は本発明の結球野菜収穫機の全体側面図、図2は同じく結球野菜収穫機の全体平面図、図3は同じく正面図、図4は引抜前処理装置の側面図、図5は同じく平面図、図6は縦搬送装置の平面図、図7は根茎補助搬送体の平面図、図8は駆動伝動系を示す図、図9は排出搬送部の後部斜視図である。
【0011】まず、本発明の結球野菜収穫機の全体構成を図1、図2、図3を用いて説明する。結球野菜収穫機1は、走行機体2の下方に左右一対の走行クローラ3a、3bを装着した走行装置3を配置し、進行方向に向かって走行装置3の右側の走行クローラ3bの上方よりも内側上に運転部4を設け、該運転部4は操縦コラム4aとサイドコラム4bと運転席4cとで主なる構成をなし、運転席4bの下方にはエンジン5が配置されている。
【0012】該機操縦コラム4a上には主変速を行うHSTレバー90、左右の機体進行方向の旋回と収穫作業部9を昇降する旋回昇降レバー91、作業者が走行運転時に掴むハンドル92、該ハンドル92上にゲージ輪の上下スイッチ93が配置され、該操縦コラム4bの側部には駐車ブレーキレバー94が配置されている。また、サイドコラム4b上には作業クラッチレバー95、アクセルレバー96、副変速レバー97が配置されている。
【0013】また、図1、図2及び図9に示すように、走行機体2の後部(排出搬送部30の後端)には補助作業者が操作する第1横搬送コンベヤ32及び第1横搬送コンベヤ33への動力伝達をON・OFFさせるためのクラッチレバー98と、収穫作業部9及び走行を一気に停止させる緊急停止レバー99と、ホーンスイッチ100と、条合わせのための左右走行クローラ3a、3bの駆動を短時間だけON・OFF操作、もしくは左右走行クローラ3a、3bのうちの一方の速度を短時間だけ変速できるフィットステアリングスイッチレバー101とが配置されている。
【0014】また、前記エンジン5のマフラーに走行機体の横方向に接続される排気管は図示しないが、その先端を後方を向くように折り曲げて、排気ガスが末収穫側の結球野菜に当たり傷めないようにしている。また、前記走行機体2の後端側にはミッションケース6を配置し、該ミッションケース6の下部に車軸7を左右水平方向に支持して、エンジン5からの動力を車軸7に伝達して走行装置3を駆動できるようにしている。
【0015】また、運転部4の左方にはキャベツ等の結球野菜Aを引き抜き搬送する収穫作業部9が配置され、引抜前処理装置10と縦搬送装置11と排出搬送部30からなり、該引抜前処理装置10は機体先端に位置して、左右一対の掻込ホィール12L、12Rと、根茎搬送体13L、13Rと、根茎補助搬送体14とから構成されている。
【0016】図1〜図4に示すように、前記掻込ホィール12L、12Rは円盤状でその外周を凹凸波形に成形し、前低後高に斜設されて、互いに対向して内方に回転させて収穫する結球野菜Aの根茎部を中央に掻き込み、前記根茎搬送体13L、13Rの始端部に誘導するものである。
【0017】根茎搬送体13L、13Rの下方に根茎補助搬送体14を配置し、該根茎搬送体13L、13Rの上方に前部を重複して左右一対の縦搬送装置11L、11Rが配置されている。該左右の縦搬送装置11L、11Rは、側面視において、根茎搬送体13L、13Rと略平行に配置され、前低後高に斜設されている。該縦搬送装置11L、11Rは、前端に配置した従動プーリー15L、15Rと、後端に配置した駆動プーリー16L、16Rと、該従動プーリー15L、15R及び駆動プーリー16L、16Rとその間に配置した複数の転輪17、17、17a、17aとの間にわたって巻回されている搬送ベルト19L、19R等からなり、両搬送ベルト19L、19Rが前部において互いに内向きに周回するように駆動して、結球野菜Aの結球部を挟持して後方斜め上方に搬送するように構成されている。
【0018】そして、図1及び図4に示すように、側面視において、根茎搬送装置13L、13Rの前後中途部の縦搬送装置11と根茎搬送装置13L、13Rの間には、後に詳述する切断装置20を配置する。縦搬送装置11の前部右側(既収穫側)にゲージ輪21を昇降位置調整可能に配置している。
【0019】また、引抜前処理装置10及び縦搬送装置11等を支持する搬送フレーム22の後部が図示しない前処理、縦搬送入力ケースを回動支点として、走行機体2に固着した受台に上下回動自在に枢支されている。そして、図示しない油圧シリンダが走行機体2と搬送フレーム22の間に介装されて、該油圧シリンダを伸縮させることで傾斜角度を変更したり、持ち上げたりでき、また、前記ゲージ輪21の高さを調整することで、結球野菜Aの生育状態や畝の形状等に適合させて、引抜前処理装置10の先端を結球野菜Aの根茎部に位置合わせできるようにしている。
【0020】また、前記縦搬送装置11の後端部の下方には、排出搬送部30が設けられている。該排出搬送部30は、傾斜搬送体31と第1横搬送コンベヤ32と第2横搬送コンベヤ33とにより構成されている(図1、図2及び図9参照)。傾斜搬送体31は、複数のローラ31aが配置されている流し板31bを後下がりに傾斜して配置されたものである。この傾斜搬送体31の下端に横長の第1横搬送コンベヤ32が水平状に配置されていることにより、結球野菜Aが自重によってローラ31a上を滑り落ちて第1横搬送コンベヤ32上に乗るようにしている。該第1横搬送コンベヤ32はベルトコンベヤからなり、実施形態では走行機体2の後方から見て左側から右側へ搬送するようにし、該第1横搬送コンベヤ32の右端には下方向に(圃場まで)貫通する排出孔70が開口され、第1横搬送コンベヤ32上に載置されたオニ葉(外葉)を圃場面に排出できるようにしている。また、第2横搬送コンベヤ33は、ベルトコンベヤからなり、前記排出孔70の上方に配置されるように支持フレーム102上に設けられている。第2横搬送コンベヤ33の始端部は、前記第1横搬送コンベヤ32の終端部(右端)近傍の上方に位置され、走行機体2の後方から見て左側から右側へ搬送するように構成されている。そして、第2横搬送コンベヤ33の終端部は、走行機体2の右側のコンテナ載置台34上のコンテナ103の上方に臨み、第2横搬送コンベヤ33に載置された調製済み結球野菜Aを投入できるようにしている(図1、図2及び図9参照)。
【0021】なお、所望により、走行機体2の左端にもコンテナ載置台35を配置できるようにし、収穫した結球野菜を投入できるように構成されている。
【0022】次に、前記各部の構成を詳述する。
【0023】先ず、図1〜図5において、引抜前処理装置10から説明する。但し、図4においては、左右の区別のための添え字(L,R)を省略して符号を付している。
【0024】前記掻込ホィール12L、12Rは掻込フレーム36L、36Rの前端に配置されており、進行方向右側の掻込フレーム36Rの基部は搬送フレーム22Rの前端部に固定され、左側の掻込フレーム36Lの基部は搬送フレーム22Lの前端に設けた軸38に枢支され、該掻込フレーム36Lの基部からはアーム36aを突出してバネを係止して閉じる方向に付勢し、進行方向に向かって左側の引抜前処理装置10は外方向に開くことを可能としている。
【0025】図4に示すように、前記掻込フレーム36L、36Rの前端に回動軸37、37が軸受を介して回転自在に支持され、該回動軸37、37の上部にそれぞれスプロケット39、39を固設し、該スプロケット39、39の上面に掻込ホィール12L、12Rを固設している。該スプロケット39、39に前記根茎搬送体13L、13Rを構成する搬送チェーン40L、40Rが巻回されて、掻込ホィール12L、12Rと根茎搬送体13L、13Rは周期して回転するようにしている。
【0026】前記掻込ホィール12は搬送チェーン40の上部に配置し、該搬送チェーン40の下部にはカバー41が配置され、該カバー41は側面視において底部を逆「へ」字状に構成し、搬送チェーン40の前部と下部を覆う構成とし、土や葉等が搬送チェーン40やスプロケット39の回動部に巻きついたりしないようにしている。また、該カバー41は前面視において、略V字(船底)状に構成して、接地抵抗を小さくして土を押さないようにするとともに、掻込ホイール12が土中に潜ることを防止している。
【0027】そして、図5に示すように、前記搬送チェーン40L.40Rは外側に配置したテンシヨン42L、42Rによって緊張され、該テンション42L、42Rを支持するテンションアーム43L、43Rの前端からは更に前方にデバイダ44L、44Rが突出され、該デバイダ44L、44R先端にスクレーパ46L、46Rを設けている。言い換えれば、スクレーパ46L、46Rを取り付けるステーがデバイダの役目を果たすように構成している。該デバイダ44L、44Rにより未収穫側の葉を分けたり、収穫後に放置された外葉が掻込側へ入らないように分草している。該デバイダ44L、44Rは先端から側面視でV字状に上方へ延出してガイド部44a、44aを構成して、その先端は前記縦搬送装置11を覆うカバー45L、45Rの前上部まで延設されている。
【0028】また、前記デバイダ44L、44Rから掻込ホィール12L、12R側の上面に向かってスクレーパ46L、46Rが突出されて、掻込ホィール12L、12R上面に付着した土等を除去できるようにし、掻込時に結球野菜が汚れることを防止している。また、右側のデバイダ44R、つまり、運転部4側に配置されたデバイダ44Rからはマーカー49が上方に突出され、条合わせをし易くしている。
【0029】また、前記根茎搬送体13L、13Rを構成する搬送チェーン40L、40Rは、図5が示すように、一方が外方向への突起を有し、他方は突起がない構成としている。このように構成することで、搬送チエーン40L、40Rが結球野菜の根茎部を挟み込んだときに根茎部を切断することがないようにしている。但し、該搬送チェーン40L、40Rの両方の突起をなくすこともでき、また、搬送チェーン40L、40Rを金属等の硬資材で構成すると切断することがあるので、ゴムや合成樹脂等の弾性体等で構成することによって、両方に突起を設けることも、両方の突起をなくすこともできる。
【0030】更に、前記掻込チェーン40L、40Rの間の中間に位置する結球野菜Aの搬送経路C側の上面には擦らせ板47、47が配置されており、該擦らせ板47は薄鉾形状で断面視で三日月状に構成され、前端及び後端は円弧状に構成して、中途部から取付ステー47a、47aがそれぞれ外方向へ延設されて、該取付ステー47a、47aに長孔47b、47bを設けて、掻込フレーム36L、36Rに左右取付位置を調整可能とし、更に、前後の取付ステー47a、47aを取り付けるボルトにシムやワッシャ等の枚数を変更することで高さや傾斜を変更可能に取り付けられるようにしている。但し、この高さや傾斜の変更はボルトとナットやピンの差し替えやアクチュエーターで変更する等の構成とすることができ、限定されるものではない。この左右一対の擦らせ板47、47の頂点の部分で結球野菜の下面を受ける構成とし、搬送時の摩擦が小さくスムースに搬送できるようにし、結球野菜Aの根茎部の切断位置も調節できるようにしている。
【0031】そして、図4、図5に示すように、該擦らせ板47の前端は前記掻込ホイール12の後部の下側に位置させて、平面視において重複するように配置している。こうして、結球野菜が搬送されるときに引っ掛からないようにしている。該擦させ板47の後部は搬送チェーン40の上面に対して徐々に離れるように取り付けられ、後端部においては掻込ホィール12よりも高く(搬送チェーン40上面を基準として)なるように取り付けている。つまり、図4に示すように、搬送チェーン40の最上端面と掻込ホィール12外周部の上面との間隔よりも、擦らせ板47上面と搬送チェーン40上面との間隔のほうが長くなるように構成することによって、結球部下面の位置揃えが、後述する根茎補助搬送体14の引き下げ作用と相まって効果的に行えるようにしている。
【0032】そして更に、擦らせ板47上面と搬送チエーン40上面との間隔が搬送下流側程広くなるように構成することによって、例え、擦らせ板47と搬送チェーン40との間に土や葉等を挟み込んでも、後方へ搬送するに従い間隔が広がるので、開放することとなり、後端部において詰まることなく放出することができるのである。
【0033】図4、図5に示すように、擦らせ板47、47の後部上には切断装置20の切断刃51の前部が平面視で重複するように配置されている。該切断装置20は円盤状のディスクカッターで構成され、切断刃51とスクレーパ60から構成される。該切断刃51は結球野菜の搬送経路C上に位置して、該切断刃51の駆動軸52は前記搬送チェーン40Lの内側に配置し、切断刃51と搬送チェーン40Lが平面視で重なるようにしている。また、図4に示すように、側面視において、搬送面(根茎搬送体13や縦搬送装置11と平行な面)に対して略平行または後下がりに傾斜して配置される。このように構成することによって、結球野菜の根茎部を切断した後に後方へ搬送されるとき、切断部が切断刃51の上面に擦れることがなく、結球野菜の切断面が汚れることもなく商品価値を下げないのである。
【0034】そして、該切断刃51は切断位置(高さ)を変更できるようにしており、図4に示すように、切断刃51の中心は駆動軸52の上端に固定され、該駆動軸52は支持パイプ53及ぴべベルギヤケース54に支持され、該ベベルギヤケース54は更にアーム55に支持されて、側面視でL字状として下から一体的に支持する構成としている。そして、該アーム55の他端は後方へ延出して支点軸56で支持され、該支点軸56には更にアーム57が固定されて、該アーム57の端部にネジロッド58の先端を螺合し、該ネジロッド58の他端は後方へ延設されて、図2に示すように、機体後部より突出したハンドル59が装着されている。
【0035】このような構成において、機体後部で調製作業を行う補助作業者がハンドル59を回動することによって、ネジロッド58が回動されてアーム57が支点軸56を中心に前または後方へ回動し、アーム55を上下方向に回動して、該アーム55に一体的に設けられた切断刃51の傾斜を変更することによって、切断刃51の前端の高さを変更できるようにしている。つまり、調製作業を行う補助作業者が根茎部の切断状態を見ながら調節することができるのである。なお、前記ネジロッド58とアーム57だけでは正確、かつ、確実に位置を固定することができないので、ベベルギヤケース54の側面と搬送フレーム22の間にネジと長孔を有するステーとによって固定部を構成している。但し、固定部の位置と構成は限定するものではない。
【0036】また、前記切断装置20を構成するスクレーパ60は、前記切断刃51よりも小径に構成して、回転自在に支持されている。そして、該スクレーパ60は切断刃51を支持するフレームと左右反対側に配置されており、本実施例では右側に配置して、切断刃51の外周にスクレーパ60の外周が一部接して、刃部を研ぐこともできるようにし、平面視で重複するように配置して付着物を除去できるようにしている。この重複部は結球野菜の搬送経路Cから外れた位置(偏心した位置)に配置して、スクレーパ60で除去した付着物が結球野菜に付着しないようにしている。そして、この切断装置20の後下方に上下方向に貫通した開口部を設けて、切断後の根茎部を圃場に落下放出するようにしている。
【0037】前記根茎搬送体13L、13Rの下方には根茎補助搬送休14が配置されており、図7に示すように、根茎補助搬送体14は搬送チェーン63と挟扼杆64からなり、搬送位置を搬送経路Cに合わせて配置している。そして、側面視において、該根茎補助搬送体14の傾斜角度が後傾となるようにして、つまり、根茎搬送体13L、13Rと根茎補助搬送体14の間隔が徐々に広がるように配置して、結球野菜を搬送するときに根茎部を下方へ引っ張り、結球野菜の結球部の下面が常に前記擦らせ板47上に当接するようにして、切断装置20による切断位置が常に一定となるようにしている。
【0038】また、前記縦搬送装置11は図6に示すように、左右一対の構成であって、それぞれ搬送フレーム22、22の前端に従動プーリー15L、15Rを回転自在に支持し、搬送フレーム22、22の後端に駆動プーリー16L、16Rを配置して、該駆動プーリー16L、16Rと従動プーリー15L、15Rと転輪17、17の間に弾性無端帯からなる搬送ベルト19L、19Rを巻回し、互いに内方向に回転させることによって、結球野菜Aの結球部を挟持して後方へ搬送するようにしている。
【0039】前記従動プーリー15L、15Rを掻込ホィール12L、12Rの斜め後分に配置して、前側を平面視「ハ」字状に左右に広げるように配置して、結球野菜を取り込み易くしている。該従動プーリー15L、15Rの後部の根茎搬送体13L、13Rの後部上方の搬送経路C側に配置する複数の転輪17、17はそれぞれテンションアーム65、65にそれぞれ回転自在に支持され、略左右対称に配置されて、結球野菜を進行方向と平行に後方に搬送するようにしている。ここの搬送経路を前搬送経路C1とする。
【0040】そして、この前搬送経路C1の後方を中搬送経路C2とし、この中搬送経路C2における右側の転輪は固定転輪17a、17a、17aとして搬送フレーム22に直接回転自在に支持されている。他方、左側の複数の各転輪17はアーム長が長いテンションアーム65aに回転自在に支持され、結球野菜の搬送経路は左側へ振れるようにしている。
【0041】そして、この中搬送経路C2の後方を後搬送経路C3とし、この後搬送経路C3における転輪17、17はテンションアーム65、65に回転自在に支持され、左右略対称に配置している。このようにして、右側の搬送ベルト19Rの中搬送経路C2の部分の運転部4側は、縦搬送装置11に食い込む形となり、結球野菜収穫機の左右幅を狭めるようにしている。
【0042】前搬送経路C1の中心を結球野菜Aが植生する畝に合わせたときに、その後方延長上に左側の走行クローラ3aを配置することが可能となり、安定した走行が可能となり、高さも合わせ易くなる。さらに、畝上の結球野菜の掻込部をできるだけ運転部4に近づけることが可能となって、位置合わせ等も容易にできるのである。また、圃場端においてこの結球野菜収穫機1で収穫不可能な面積を低減できる。
【0043】また、縦搬送装置11の搬送ベルト19L、19Rを覆うカバー45L、45Rは、図2に示すように、前端を適宜角度で斜めにカットした形状にして、運転部4から掻込部がよく見えるようにして視認性の向上を図っている。そして、切断までの搬送経路C1は進行方向に揃えているので、結球部の姿勢が乱れず、切断精度が良好となる。
【0044】そして、中搬送経路C2においては、右側の縦搬送装置11をそのまま後方へ延長すると運転部4に当たるので、平面視において、右側の縦搬送装置11の搬送ベルト19Rは略凹状として、結球野菜は左側へ曲がって搬送されるようにしている。また、中搬送経路C2の中途部から後搬送経路C3の下方には受板68を側面視において搬送ベルト19と略平行に配置し、結球野菜A切断後の外葉が縦搬送装置11下方に位置する伝動装置や走行装置等で詰まったり、汚したりしないようにしている。また、該受板68の前端と切断装置20の間には上下方向に貫通する落下孔25が形成されており、切断後の根茎部や外葉が圃場面上に落下するようにしている。
【0045】また、前記受板68の上面には搬送経路Cと略平行に丸棒等で構成したレール66、66を配置して、例えば、大きな結球野菜と結球野菜の間に小さな結球野菜を連続して搬送した時に、小さな結球野菜が搬送べルト19L、19Rの間から抜け落ちてもレール66、66上を滑りながら後方へ押されながら送達できるようにしている。このとき、下面が汚れないようにレール66、66で受けるのである。また、該レール66、66の左右の間隔は結球野菜の大きさに合わせて調整できるようにしている。
【0046】次に全体構成における動力の伝達系を説明する。図8に示すように、エンジン5の出力軸からベルトを介してミッションケース6に付設したHST式変速装置74に伝えられ、該HST式変速装置74によって主変速が行われる。前記ミッションケース6からの出力は、クローラー式走行装置3a、3bとPTO軸から各装置へ伝達され、絞PTO軸からは横伝動軸75、ワンウェイクラッチ、ベルトテンションクラッチ76を介して、動力分配軸77に伝えられる。
【0047】該動力分配軸37からベベルギヤを介して前処理入力軸78に動力が伝えられ、該前処理入力軸78から右側に設けたチェーン伝動ケース79を介して根茎搬送体13Rと根茎補助搬送体14と掻込ホィール12Rを駆動している。なお、根茎搬送体13Rと掻込ホィール12Rを駆動する軸67は同軸上にある。また、前記前処理入力軸78から左側に設けたチェーン伝動ケース80を介して根茎搬送体13Lと掻込ホィール12Lと切断装置20を駆動する構成としている。
【0048】前記動力分配軸77からチェーン伝動ケース81を介して縦搬送装置11が駆動され、動力分配軸77からベルト伝道ケース82を介して第1横搬送コンベヤ32が駆動される構成としている。
【0049】前記ミッションケース6には、左右のクローラー式走行装置3a、3bに対するブレーキ手段もしくは駆動ON・OFFクラッチが設けられており、このブレーキ手段またはクラッチは、前述したように、走行機体2の後部(排出搬送部30の後端)に設けられたフィットステアリングスイッチレバー101(図1、図2及び図9参照)にて操作できるように構成されており、補助作業者が、このレバー101の操作で、前記左右の走行クローラー3a、3bのいずれか一方にブレーキをかけるか、または左右走行クローラ3a、3bのいずれか一方の駆動を短時間だけON・OFF操作すれば、制動(駆動OFF)側の走行クローラの速度が減じられて左右操向できるから、この操作にて、引抜前処理装置10における左右の掻込ホィール12L、12Rの間が植え付け条に一致するような条合わせ作業を行うことができる。
【0050】なお、前記運転部4における旋回昇降レバー91によっても操向操作できることは勿論である。
【0051】そして、縦搬送装置11の後部に排出搬送部30が配置され、図2及び図9に示すように、該排出搬送部30は、傾斜搬送体31と、第1横搬送コンベヤ32と、その終端部に続く排出孔70と、該排出孔70の上方に配置される第2横搬送コンベヤ33とから構成されている。第2横搬送コンベヤ33は、前記排出孔70の上方であって前記第1横搬送コンベヤ32の終端部近傍に対して平面視で一部重複するように配置されている。傾斜搬送体31は前記後搬送経路C3の下方に位置し、多数のローラー31aが回転軸心を左右水平方向に配置して回転自在に流し板31b上に配置され、該ローラー31a、31a上を結球野菜Aが斜め後下方へ滑り落ちるようにしている。前記搬送べルトを巻回して成る第1横搬送コンベヤ32は、機体後部の左端から左右略中央部までの位置に配置して、被処理物(被搬送物)を右方へ搬送するようにしている。そして、第1横搬送コンベヤ32の搬送終端位置(右側)に排出孔70が開口され、根茎部の切断時に同時に切断された外葉や調製時にもぎ取った外葉を排出孔70から圃場上に落とすようにしている。
【0052】また、前記排出孔70の上部を前後に跨ぐように門型の支持フレーム102が立設配置されており、第1横搬送コンベヤ32の前後幅に合わせた幅にした支持フレーム102上に第2横搬送コンベヤ33を平面視で略直線状に配置し、両構成32、33の前側において、第1横搬送コンベヤ32の終端部の一側プーリ104から第2横搬送コンベヤ33の終端部の一側プーリ105にベルト106を介して動力伝達される(図8参照)。支持フレーム102の高さは、補助作業者の背丈や、排出される外葉等の高さに応じて調節できるように構成しても良い。また、第2横搬送コンベヤ33の始端側を高く、終端側を低くなるように傾斜配置させても良い。
【0053】このようにして、補助作業者は、第1横搬送コンベヤ32上で外葉をもぎ取る等の調製作業を行い、調製済み結球野菜のみを第2横搬送コンベヤ33の始端部に載置すれば、当該第2横搬送コンベヤ33で搬送された調製済み結球野菜は終端部からコンテナ載置台34上のコンテナ103に収納できる。他方、第1横搬送コンベヤ32上に放置された外葉は、上述のように排出孔70から圃場上に放出されるのである。
【0054】従って、補助作業者は、調製済み結球野菜をコンテナ103内に収納するために、側方のコンテナ載置台34まで横歩きする必要がなく、第1横搬送コンベヤ32から第2横搬送コンベヤ33の始端部まで横移動するだけで良いから、作業量を少なくして、作業効率を高めることができる。
【0055】なお、右側のコンテナ載置台34は既収穫側(右側)の運転部4側部から機体後方まで延設され、該コンテナ載置台34は前端の前載置台34aと後端の後載置台34bと中央の主載置台34cから構成され、該前載置台34aは主載置台34cの前部に枢支され、後載置台34bは主載置台34cの後部に枢支され、それぞれ折り畳んで収納可能とし、更に、主教置台34cの左側部は走行機体2に枢支されて、上方へ回動して折り畳み収納可能としている。
【0056】また、コンテナ載置台35は未収穫側(左側)に着脱可能に配置されており、走行機体2の後部左側に左右方向に挿入パイプを固設し、コンテナ載置台35からは挿入杆を突設し、該挿入杆を挿入パイプに挿入して、ピン等によってコンテナ載置台35を固定できるようにしている。但し、挿入杆の基部を折り曲げ可能に構成してコンテナ載置台35を折り畳み収納可能としてもよい。
【0057】また、前記コンテナ載置台34、35の上面にローラーを配置して、軽い力で移動を可能とし、トラック等への積み替えを容易にすることもできる。更に、走行機体2の側部に上下方向に油圧シリンダーを配置して、該油圧シリンダーのピストンロッドをコンテナ載置台34、35に固定して、該油圧シリンダーを伸縮させることによってコンテナ載置台34、35を昇降できるようにして、トラック等への積み替えを容易にすることもできる。但し、油圧シリンダーの代わりにパンタグラフ式等の構成で昇降させることも可能である。
【0058】このような構成において、結球野菜収穫機1の作用を説明する。
【0059】機体を結球野菜Aが栽培された畝に合わせて位置され、機体を走行しながら収穫作業部9を駆動すると、結球野菜の下葉の下方に左右の掻込ホィール12L、12Rを位置させて回転させながら進行して、根茎部を掻き込む。この掻込ホィール12L、12Rの上下高さはゲージ輪21の高さを調節して決定する。
【0060】そして、根茎搬送体13L、13Rの搬送チェーン40L、40Rによって根茎部を挟持して後上方へ搬送することで引抜き、更に、根茎補助搬送体14によって根茎部の下部を挟持し、搬送しながら下方へ引っ張り、擦らせ板47、47上での根元高さ位置が均一となるように揃える。
【0061】更に後方へ搬送することによって、結球部は縦搬送装置11の搬送ベルト19L、19Rに挟持され、結球部と根茎部が保持搬送された状態で切断装置20によって根元部が切断され、結球部はそのまま後方へ搬送され、根茎部及び切断された外葉は根茎搬送体13L、13Rの後端位置で落下孔より圃場に放出される。
【0062】そして、搬送ベルト19L、19Rに挟持された結球野菜は中搬送経路C2で左方へ移動しながら後方へ搬送され、このとき未収穫側の結球野菜よりも十分上方に持ち上げ搬送されており末収穫側の結球野菜と干渉することはない。
【0063】搬送べルト19L、19Rの後端位置において、結球野菜は挟持から開放されて、傾斜搬送体31上に落ち、複数のローラー31a上を転がり落ち、第1横搬送コンベヤ32上に載り、右方へ搬送される。このとき、機体後部に位置する補助作業者によって調製作業が行われ、調製済み結球部のみを補助作業者の手作業で第2横搬送コンベヤ33の始端部上に移しかえる。該第2横搬送コンベヤ33に載った調製済み結球部は自動的にコンテナ103に収納される。外葉等はそのまま第1横搬送構成32にて搬送されて、排出孔70より圃場に排出するのである。
【0064】なお、前記実施形態では、縦搬送装置11が走行機体2の左寄りに配置されているため、第1横搬送構成32及び第2横搬送コンベヤ33を右方向搬送としたが、各部品を前記実施形態と左右対称状の配置関係とした場合や、縦搬送装置11の後端部が走行機体2の右寄りに配置された場合には、前記両コンベヤ32、33を左向き搬送とすれば良い。
【0065】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1に記載の発明の結球野菜収穫機は、走行装置に結球野菜を引抜く引抜前処理装置と、根茎部を切断する切断装置と、結球部を挟持して後方へ搬送する縦搬送装置と、縦搬送装置の後方で搬送しながら選別調製する排出搬送部とを有する結球野菜収穫機において、前記排出搬送部を、縦搬送装置の後部下方に配置する傾斜搬送体と、その後部から左右方向に搬送する第1横搬送コンベヤと、その上方にて調製済み結球野菜を左右方向に搬送する第2横搬送コンベヤとにより構成したものである。
【0066】このように、縦搬送装置にて搬送された未調製の結球野菜は、傾斜搬送体から第1横搬送コンベヤにすべり落ちるので、この第1横搬送コンベヤ上で調製作業ができ、調製済み結球野菜のみを、第1横搬送コンベヤに対して上方に段違い状に配置された第2横搬送コンベヤに移し換えることで、野菜屑と良品(調製済み結球野菜)とを簡単に選別することができるという効果を奏する。
【0067】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の結球野菜収穫機において、前記第1横搬送コンベヤの終端位置には、屑を排出する排出孔を設け、第2横搬送コンベヤは、前記排出孔の上方を覆うように配置したものである。このように構成すると、請求項1に記載の発明の効果に加えて、走行機体の左右方向に延びる第1横搬送コンベヤと第2横搬送コンベヤとを無駄な空間(排出孔の上方)を有効利用してコンパクトに配置でき、結球野菜収穫機の左右幅を短くできるという効果を奏する。
【0068】また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の結球野菜収穫機において、前記縦搬送装置を、走行機体の左右幅方向の一側端寄り部位に配置し、その後部下方に配置する傾斜搬送体からの被搬送物を走行機体の左右幅の略中央部へ横搬送するように構成した第1横搬送コンベヤの終端部近傍にて第2横搬送コンベヤ上に手作業にて調製済み結球野菜を移し換えるように構成したものである。
【0069】このように構成すれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、作業者は、第1横搬送コンベヤのほぼ全長(走行機体の一側端寄り部位から左右幅の略中央部まで)の距離だけ移動するだけで調製作業と調製済み結球野菜の移し換え作業ができて、作業性を向上させることができるという効果を奏する。
【0070】さらに、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の結球野菜収穫機において、前記第2横搬送コンベヤの終端部を、走行機体の左右幅方向の他側端に配置した上向き開放のコンテナ上に臨ませたものであるから、請求項3に記載の発明の効果に加えて、調製済み結球野菜を第2横搬送コンベヤの始端部に移し換えるだけで、当該第2横搬送コンベヤの終端部から自動的にコンテナ内に調製済み結球野菜を収納できるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成12年6月15日(2000.6.15)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−352816(P2001−352816A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−179703(P2000−179703)