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【発明の名称】 根菜収穫機
【発明者】 【氏名】森川 清博

【氏名】寺元 省二

【氏名】新 裕樹

【氏名】景山 秀明

【氏名】遠部 博史

【要約】 【課題】圃場の根菜類が人参でも大蒜でも収穫できるようにする。

【解決手段】圃場に植生している根菜類の茎葉部を左右から挟持して引き抜き搬送する左右一対の挟持無端帯3、3の後端部近傍に、前記根菜類の茎葉部を切断するための茎葉部切断手段44を備える一方、挟持無端帯3、3の搬送方向中途部には、前記挟持搬送中の根菜類のうち球根部に付着する土の土除去手段90を前側に、球根部の下端から延びる根を切除するための根切除手段91を後側に配置した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 圃場に植生している根菜類の茎葉部を左右から挟持して引き抜き搬送する挟持搬送手段と、該挟持搬送手段の後端部近傍に、前記根菜類の茎葉部を切断するための茎葉部切断手段とを備えてなる根菜収穫機において、前記挟持搬送手段の搬送方向中途部には、前記挟持搬送中の根菜類のうち球根部を処理するための球根処理部を、着脱可能に配置したことを特徴とする根菜収穫機。
【請求項2】 前記球根処理部は、前記球根部に付着する土の土除去手段と、球根部の下端から延びる根を切除するための根切除手段とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の根菜収穫機。
【請求項3】 前記土除去手段を前記根切除手段よりも搬送方向上流側に配置したことを特徴とする請求項2に記載の根菜収穫機。
【請求項4】 前記土除去手段は、挟持搬送中の球根部及び球根部と前記茎葉部との付け根部分に接触する左右一対の回転土除去体であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の根菜収穫機。
【請求項5】 前記土除去手段は、前記挟持搬送手段の搬送方向中途部に設けられた根菜類の根毛を切除するための根毛切断手段のカッター部品との交換により構成されることを特徴とする請求項4に記載の根菜収穫機。
【請求項6】 前記左右一対の回転土除去体及びカッター部品は、搬送方向の上流側から下流側に回転するように構成されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の根菜収穫機。
【請求項7】 少なくとも前記土除去手段は、収穫機の走行機体の前方もしくは一側の外側に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の根菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人参や蕪等の根菜類の収穫機の改良した構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、圃場に列状に植えられた根菜類を、引き抜き、挟持搬送して収穫するための、公知の根菜収穫機の構造として、特開平9−233925号公報や特開平11−318155号公報では、走行機体に装着された左右一対の走行クローラにて走行する走行機体の一側寄りの前方下部から走行機体の後方上部にわたって左右一対の挟持無端帯を配置し、該挟持無端帯の始端側(前端側)下方には、圃場に植生された人参等の根菜類の下方を振動にて掘り起こす掘り起し刃を備えたサブソイラを設ける一方、前記左右一対の挟持無端帯の搬送後端部には、挟持搬送される人参の茎葉部と根部との間を切断する左右一対のロータリカッターを配置した構成が開示されている。
【0003】そして、特開平11−318155号公報では、前記左右一対の挟持無端帯の搬送経路中途部の下方に、前記人参の下部を切断するための左右一対の回転刃からなる人参下部切断装置を備えた構成が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、根菜類には、前述の人参や蕪等の根野菜類(root vegetables)のほか、玉葱(タマネギ)、大蒜(ニンニク)、ユリ根等の球根類(鱗茎、球茎を含む、bulb vegatables)がある。前記人参等の根野菜類では、一般的に、太った塊根は上下に長く、その塊根の部分の外周(特に下端側)に細長い根が多数延びてえている。他方、球根類では、略球状の鱗茎や球茎の下端側に多数の細長い根が延びている。そして、前記球根類は、その根を切断して除去しないと、成長し続け芽が出てしまい、収穫後の商品価値が下がってしまうという問題があった。
【0005】また、前記球根類のうち、大蒜(ニンニク)のようなものは、圃場面より下、つまり球根部分が土中に完全に埋まっているため、前記収穫機で引き抜くとき、球根部分の上面側に土が付着したままになり、後に土落としする作業に手間が掛かるという問題もあった。
【0006】さらに、前記人参等の根野菜類を収穫する収穫機の他に前記球根類のみを収穫するための専用の収穫機を別途購入しなければならないとすれば、農家に多大の出費を強いることになり、不経済であるという問題もあった。
【0007】本発明は、これらの問題を解決すべくなされたものであって、前記人参等の根野菜類の他、タマネギ、ニンニク等の球根類を処理できる収穫機を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明の根菜収穫機は、圃場に植生している根菜類の茎葉部を左右から挟持して引き抜き搬送する挟持搬送手段と、該挟持搬送手段の後端部近傍に、前記根菜類の茎葉部を切断するための茎葉部切断手段とを備えてなる根菜収穫機において、前記挟持搬送手段の搬送方向中途部には、前記挟持搬送中の根菜類のうち球根部を処理するための球根処理部を、着脱可能に配置したものである。
【0009】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の根菜収穫機において、前記球根処理部は、前記球根部に付着する土の土除去手段と、球根部の下端から延びる根を切除するための根切除手段とで構成されているものである。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の根菜収穫機において、前記土除去手段を前記根切除手段よりも搬送方向上流側に配置したものである。
【0011】請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の根菜収穫機において、前記土除去手段は、挟持搬送中の球根部及び球根部と前記茎葉部との付け根部分に接触する左右一対の回転土除去体で構成されているものである。
【0012】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の根菜収穫機において、前記土除去手段は、前記挟持搬送手段の搬送方向中途部に設けられた根菜類の根毛を切除するための根毛切断手段のカッター部品との交換により構成されることを特徴とする。
【0013】請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の根菜収穫機において、前記左右一対の回転土除去体及びカッター部品は、搬送方向の上流側から下流側に回転するように構成されているものである。
【0014】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の根菜収穫機において、少なくとも前記土除去手段は、収穫機の走行機体の前方もしくは一側の外側に配置したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明を具体化した実施形態について説明する。図1は根菜収穫機の側面図、図2は根菜収穫機全体の概略平面図、図3は概略正面図、図4は伝動系の平面図、図5は茎葉部切断手段のみの場合の概略平面図、図6は同じく概略側面図、図7は根毛切断手段の側面図、図10は土除去手段の側面図である。
【0016】本発明の根菜収穫機は、根菜類Kを圃場から引き抜き、挟持搬送して収穫するものであって、以下で使用する根菜類Kとは、上述したように、人参や蕪等の根野菜類(root vegetables)のほか、玉葱(タマネギ)、大蒜(ニンニク)、ユリ根等の球根類(鱗茎、球茎を含む、bulb vegatables)をいう。
【0017】図2に示す平面視において、走行機体1の下方に左右一対の走行クローラ2a,2bを配置し、走行機体1上には、人参等の根菜Kの既掘り起こし側(図2において上側、進行方向右側)の走行クローラ2bの外縁より内側(未掘り起こし側)に、前端から操縦コラム4、運転座席5、エンジン6を配置し、走行機体1の後端側には、トランスミッション7を配置し、該トランスミッション7から前記左右一対の走行クローラ2a,2bの後端に配置された駆動輪8(図1参照)に動力伝達される。また、根菜類Kの未掘り起こし側(図2において下側、進行方向左側の走行クローラ2aの外縁より外側を未掘り起こし側という)には、左右一対の挟持無端帯3,3からなる挟持搬送手段の少なくとも始端部側が位置するように配置されている。
【0018】走行機体1の後部寄り部位の作業部回動支点9にてブラケット10aを介して上下回動可能に支持された支持フレーム10に装着された始端ホイール11,11及び後端ホイール12,12には、前記左右一対の挟持無端帯3,3が巻掛けられ、各挟持無端帯3の前後中途部は多数の中間ホイール13にて略一直線状に支持されている。
【0019】なお、挟持無端帯3は、前記始端ホイール11,後端ホイール12及び中間ホイール13の外周における2連等のV溝に嵌まるVベルト部と、根菜類Kの茎葉部を弾力的に挟持するため(押圧時に茎葉部を切断しないようにするため)の軟質挟持部とからなり、この軟質挟持部は、スポンジゴム等の軟質発泡体の表面をゴム硬度が高く、且つ長期間、静止的互いの押圧力により、表層同士が接着しないものであり、且つ水分不透過性を有する硬質ゴム、シリコーンゴム等の表層にて覆ったものである。
【0020】図2に示すように、左右一対の挟持無端帯3,3による根菜類Kの茎葉部の挟持搬送ラインHは、前記根菜類Kの未掘り起こし側に近い既掘り起こし側の走行クローラ2aの外縁より外側にて平面視にて走行機体1の進行方向とほぼ平行状となるように配置される。なお、前記始端ホイール11,11と一体的に回転する大径の掻込みホイール(図示せず)を設けることにより、挟持搬送の開始部(始端部)を構成する。
【0021】また、前記左右一対の挟持無端帯3,3のうち、根菜類Kの未掘り起こし側の前方の下部には、引き抜くべき根菜類Kの茎葉部を、それより未掘り起こし側の根菜類Kの茎葉部と絡まらないように分離するためのデバイダ14を備える。このデバイダ14は、回転駆動する無端ベルトに、基端が所定間隔にて多数装着された分草タイン15が走行機体1の進行方向の前面側において、略垂直面内にて圃場面19側から上向きに移動するように構成されている。
【0022】さらに、前記左右一対の挟持無端帯3,3のうち、根菜類Kの既掘り起こし側の前方の下部には、引き抜くべき根菜類Kの茎葉部を前記挟持搬送ラインH方向に掻き込むための茎葉掻き込み装置16が配置されている。この茎葉掻き込み装置16では、回転駆動する無端ベルト16aに、基端が所定間隔にて多数装着された掻込みタイン17が始端ホイール11の前面側にて前記デバイダ14における分草タイン15と互いに略直交するように配置され、且つ掻込みタイン17が圃場面19から上向きに移動するとき、当該掻込みタイン17の先端は、デバイダ14におけるケースのうち、分草タイン15の非作用側となる側面カバー部14aと対峙するように配置されている。
【0023】このように、デバイダ14における略垂直面内にて上向き移動する分草タイン15と、このデバイダ14における側面カバー部14aに直交するような掻込みタイン17を有する茎葉掻き込み装置16とにより、掘り起こすべき根菜類Kにおける垂れ下がった(倒伏した)茎葉部の左右両側をも上向きに掻上げることができる。
【0024】前記分草タイン15及び掻込みタイン17は、ゴムのような弾性体により構成され、各タイン15、17の先端が、圃場面19に接触すると、湾曲し、その後形状復元するように構成されている。
【0025】図1に示すように、サブソイラを昇降操作するための昇降リンク機構としての上リンク22と下リンク23の各基端側の回動支点20,21は、前記作業部回動支点9よりも前方である走行機体の内側面に配置され、該上下回動支点20,21を中心にして上下回動可能な平行リンクとしての上リンク22,下リンク23の先端側に縦支持杆24が連結され、この縦支持杆24の下端には、掘り起こし刃25が固定されている。
【0026】そして、図1及び図2に示すように、前記上部の回動支点20の入力軸20aに固定したプーリ28と、前記エンジン6の出力プーリ27とに無端帯29を巻掛けして入力軸20aを回転させ、この入力軸20aに被嵌した偏心ボス(図示せず)を介して前記上リンク22の基端を連結し、この上リンク22を上下方向に振動駆動させる。これにより、圃場面19から差し込んだ掘り起こし刃25を根菜類Kの根部より下方にて上下及び/又は前後に振動させて、走行機体1の前進移動につれて根菜類Kの根部の引き抜きが容易になるように構成されている。
【0027】また、前記下部のリンク23の基端と走行機体1との間に装着された油圧シリンダ26にて前記平行な上下リンク22,23を昇降回動させるように構成されている。
【0028】図2及び図4を参照して理解できるように、平面視において、茎葉掻き起こし装置16の後方には、サブソイラにおける掘り起こし刃25と、その縦支持杆24と、該縦支持杆24を昇降するための昇降リンク機構(上下リンク22,23)とを平面視において前記茎葉掻き起こし装置16と重なるように配置し、且つ図1に示すように、側面視においては、前記掘り起こし刃25と、その縦支持杆24と、該縦支持杆24を昇降するための昇降リンク機構(上下リンク22,23)とを、茎葉掻き起こし装置16と重ならないように配置したものである。
【0029】さらに、図2及び図4に示すように、サブソイラにおける前記昇降リンク機構(上下リンク22,23)が未掘り起こし側の走行クローラ2aと平面視において重なるが、図1に示すように、掘り起こし刃25が圃場面19内に位置する掘り起こし作業中に、昇降リンクを下げた状態において、その下リンク23が前記走行クローラ2aと干渉しないよう配置されている。
【0030】なお、図1、図2及び図4に示すごとく、前記作業部回動支点9と同芯軸上に設けたパイプ状の動力伝達横フレーム30の先端に前向きパイプフレーム31を連結し、該前向きパイプフレーム31の先端には、左右一対の挟持無端帯3,3の長手方向中途部の上方において根菜類Kの既掘り起こし側に向かって延びる茎葉掻き込み用伝達パイプ32を連結し、該茎葉掻き込み用伝達パイプ32の未掘り起こし側端部から前方向に延びる伝達ケース33を介して、前記デバイダ14の上部にデバイダ用伝達ケース34を連結する。そして、前記上部の回動支点20と同軸の入力軸20aに固定したプーリ37からベルト等の無端帯38を介して前記作業部回動支点9と同芯軸上であって、動力伝達横フレーム30内に嵌挿される入力軸39の突出端に固定したプーリ40に動力伝達し、さらに、前向きパイプフレーム31、茎葉掻き込み用伝達パイプ32、伝達ケース33及びデバイダ用伝達ケース34内の伝達軸等の伝達機構を介して、茎葉掻き込み装置16及びデバイダ14に各々動力伝達される。
【0031】また、前記作業部回動支点9と同芯軸である入力軸39に固定されたプーリからチェン41を介して後部伝動ケース42に動力伝達し、前記左右一対の挟持無端帯3,3における両後端ホイール12と同軸の入力部に動力伝達して両挟持無端帯3,3を回動駆動すると共に、前記両後端ホイール12より下部にて、根菜類Kの茎葉部を水平後方に搬送するための左右一対で上下に配置された無端搬送帯43a,43bからなる茎葉排出装置43及び左右一対の水平回転する回転刃44a,44aからなる茎葉部切断手段44に回転力を伝達する。なお、前記両後端ホイール12より下部には、根菜類Kの根部の上端を水平後方向に案内することにより、前記茎葉排出装置43へ茎葉部を受け継がせるための左右一対の案内杆45が配置されている(図5及び図6参照)。
【0032】茎葉部切断手段44の伝動ケース44bの側面チェンスプロケット60には、前記チェン41を介して動力伝達される。伝動ケース44bを支持フレーム10等に装着するに際して、伝動ケース44bから下向きに突出するブラケット62をフレーム63に対して支軸64を介して回動可能に支持させ、且つ該支軸64を中心にして回転刃44a,44a側が下向きとなるように回動させるとき(図5の二点鎖線参照)、前記側面チェンスプロケット60に巻掛けたチェンが緩む側となるように設定しておけば、回転刃44aの交換等のメインテナンス作業が容易となる。
【0033】前記伝動ケース44bには、図5及び図6に示すように、左右の回転刃44a,44aを駆動する軸及び辺ベべルギヤを内装した左右一対の腕ケース44c,44cが、搬送される根菜類Kの太さより広い間隔にて前向きに突出している。両回転刃44a,44aはその対向する側で一部ラップする。前記左右一対の回転刃44a,44aは、その対向する側で根菜類Kの搬送方向上流側から下流側に向かって回転するように構成されているので、搬送方向上流側から導入される根菜類Kの茎葉部KIは両回転刃44a,44aの回転にてラップ部にたやすく引き込まれる。換言すると、回転刃44aの外周縁で茎葉部KIが搬送方向上流側に逆戻りするような踊り現象が発生しない。
【0034】また、伝動ケース44bと左右一対の腕ケース44c,44cの内面を囲むようにスポンジ板等の緩衝板61を配置して、切断後の根菜類Kが固いケースに直接衝突しないようになっている。
【0035】前記茎葉部切断手段44の下方には、茎葉部を切除分離された根菜類Kの根部を受け止め、走行機体1の後端の側方(根菜類Kの既掘り起こし側)に搬送するための、選別コンベヤ46が配置されており、前記トランスミッション7のPTO出力軸36から、プーリ、チェン47a,47bを介して選別コンベヤ46への入力部46aに動力伝達される。この選別コンベヤ46は、一対の無端チェン間に多数の棒状のスラットが一定間隔にて張り渡されているものであり、走行機体1の後端にて歩行する作業者が、選別コンベヤ46上の根菜類Kのうち不良品を選り分ける。選別コンベヤ46の排出端には、良品の根菜類Kを受け止め、蓄積するためのコンテナ48を載置する前後長手のコンテナ台49がある。このコンテナ台49は走行機体1の側面に対して基端が蝶番を介して上下回動可能に連結され、非作業時には、上向きに回動し、作業時にはコンテナ台49が略水平となるように姿勢保持される。前記切断された茎葉部は、茎葉排出装置43の後端から圃場面19に放出される。そのとき、未掘り起こし側の圃場面19に落下しないように湾曲したガイド板55にて案内される。
【0036】また、前述のように、前記左右一対の挟持無端帯3,3、茎葉掻き込み装置16及びデバイダ14は、前記作業部回動支点9を中心にして一体的に上下回動するように各装置部のフレーム同士は連結されており、それらの前部側から前向きに突出する支持杆51の前端に装着された接地前輪52にて圃場面19に対して支持される。そして、非作業時や路上走行時には、前記掘り起こし刃25や、前記左右一対の挟持無端帯3,3、茎葉掻き込み装置16及びデバイダ14の下端が地面に干渉しないようこれらの部分を上昇位置に保持するには、油圧シリンダ26を駆動させると、昇降リンク機構である平行状の上下リンク22,23の前端側が上向き回動する。このとき、図1及び図2に示すように、下リンク23の側面に設けた押し上げ用の回転可能なローラ53の上面が前記一対の挟持無端帯3,3の支持フレーム10の下面側等に設けた側面視「ヘ」字状のガイドレール54の下面に沿って移動するように構成しておけば、1つの油圧シリンダ26のピストンロッド突出動の作動にて、掘り起こし刃25と共に挟持無端帯3,3、茎葉掻き込み装置16及びデバイダ14の下端を一体的に圃場面19より上方に大きく持ち上げることが可能となるのである。
【0037】前記の構成は、根菜類Kが人参のような根野菜類及びニンニク、タマネギ等の球根類を収穫するための共通の構成である。
【0038】図7〜図9は、人参等の根野菜類の根菜類Kの根毛、即ち、根菜類Kの主根K3(地中部)先端の根毛部分(尻尾部分)K2を切断するための根毛切断手段56を示し、該根毛切断手段56は、前記左右一対の挟持無端帯3,3、にて茎葉部K1を挟持して吊支されながら搬送される根菜類Kの根毛K2を切断するための根毛カッター部57と、この根毛カッター部57に向けて根毛K2を案内するための根菜ガイド58とから構成され、挟持無端帯3,3による搬送経路の途中に配置されている。
【0039】根毛カッター部57は、伝動ケース62とその伝動ケース62の上方側に突出する回転軸64に取付けられる左右一対の回転刃63、63と、その上方にスペーサ65を介して取付けられる左右一対の回転案内体66、66とから構成されている。図7及び図8から理解できるように、左右一対の回転刃63、63及び左右一対の回転案内体66、66は、対向する側で根菜類Kの搬送方向上流側から下流側に向かって回転し、両回転刃63、63の対向する側で部分的にラップし、このラップ部を通過する根毛部分K2を切除し、その上方側の太い主根K3部分は前記左右一対の回転案内体66、66におけるゴム等の3枚羽根の間にて搬送下流側に誘導される。前記左右一対の回転刃63、63及び左右一対の回転案内体66、66は、その対向する側で根菜類Kの搬送方向上流側から下流側に向かって回転するように構成されているので、搬送方向上流側から導入される根菜類Kの茎葉部KIは両回転刃63、63ならびに両回転案内体66、66の回転にてラップ部にたやすく引き込まれる。換言すると、回転刃63の外周縁で茎葉部KIが搬送方向上流側に逆戻りするような踊り現象が発生しない。
【0040】前記伝動ケース62は、前記回転軸64と直交方向に延びる伝動軸67の軸線回りに回動可能なように支持ブラケット68に枢支されており、該支持ブラケット68は前記挟持搬送手段の支持フレーム10に固設されている。そして、前記支持ブラケット68には、伝動軸67の軸線を中心とする円弧状の案内溝孔69を穿設する一方、伝動ケース62から突出するアーム70に設けたボルト71を前記案内溝孔69に遊嵌させ、図7のように、前記伝動ケース62を、その前記回転軸64が挟持無端帯3の下面方向に向かう略垂直姿勢と、図10のように、回転軸64が挟持無端帯3の下面と略平行状乃至傾斜状で後端方向に向かう後傾姿勢とに姿勢変更調節可能とし、所定の姿勢でナット72で締めつけて姿勢保持可能に構成されている。
【0041】また、前記作業部回動支点9と同心軸状の入力軸39に嵌着したプーリ73と前記伝動軸67に嵌着したプーリ74とに巻掛けたベルト75を介して動力伝達され、伝動ケース62内のベベルギヤ等の伝動機構を介して前記左右一対の回転軸64、64を所定方向に回転させるように構成している。
【0042】根菜ガイド58は、前記支持ブラケット68に基端が固定されて、挟持無端帯3の下面と略平行状で搬送始端側に延びる左右一対のガイド支持杆76、76と左右一対のガイド支持杆76、76からさらに搬送始端側に延び、且つ挟持搬送ラインHを挟んで左右対称の支持アーム77、77とにより構成されている。左右一対のガイド支持杆76、76は平面視コ字状で、両回転刃63、63の外周上面側に配置されている。左右一対の支持アーム77、77は、両回転刃63、63に対する根菜類Kの導入側であって外周側で左右間隔が狭く、搬送始端側に行くに従って左右間隔が広くなるように平面視先端広がり状配置されている。この左右一対の支持アーム77、77には、「く」の字状に形成されたガイド板79、79が下向きに取り付けられ、挟持搬送される根菜類Kの根毛部分K2のみを切除できるように案内される。
【0043】次に、根菜類Kが玉葱(タマネギ)、大蒜(ニンニク)等の球根類である場合、これらの球根部(鱗茎、球茎を含む)K4を処理するための球根処理部の構成について説明する。球根処理部は、図10及び図11に示すように、球根部K4に付着する土の土除去手段90と、球根部K4の下端から延びる根K5を切除するための根切除手段91とで構成されているものである。また、前記土除去手段90は、挟持搬送中の球根部K4及び球根部K4と前記茎葉部K1との付け根部分等に接触する左右一対の回転土除去体92、92で構成されている。実施形態では、中央ボス部92aから半径外方向に突出する複数の軟質合成樹脂材からなる土はたき部92bからなるが、半径外方向に突出する複数のブラシ体であっても良い。さらに、前記土除去手段90を前記根切除手段91よりも搬送方向上流側に配置する。これにより、根切除手段91や茎葉部切断手段44における回転刃が土や小石を咬まないから、刃の欠け等の事故を無くし、耐久性を向上させることができる。
【0044】人参等の根菜類Kを収穫するのに代えて大蒜のように球根部K4を有する根菜類を収穫する場合には、前記根毛切断手段56における両回転刃63、63ならびに両回転案内体66、66を回転軸64、64から取外し、該両回転軸64、64に左右一対の回転土除去体92、92を連結する(部品交換する)。そして、前記ナット72を緩め、伝動ケース62を回動し、回転軸64、64の向きを、図10に示すように、根菜類Kの搬送方向と略平行状とするか、乃至は搬送される球根部K4が搬送上流側で回転土除去体92、92の外周部位を通過し、搬送下流側で回転土除去体92、92の半径内寄り部位を通過するように傾斜させる。これらのように構成すると、大蒜のように球根部K4を有し、且つ球根部K4が土中に埋まっているため、引き抜きにより球根部K4及び球根部K4と前記茎葉部K1との付け根部分に付着した土93を除去する場合等に効果的である。
【0045】両回転土除去体92、92がその対向する側で根菜類Kの搬送方向上流側から下流側に向かって回転するように構成されているので、搬送方向上流側から導入される根菜類Kの球根部K4は両回転土除去体92、92の回転にてラップ部にたやすく引き込まれる。換言すると、回転土除去体92の外周縁で球根部K4が搬送方向上流側に逆戻りするような踊り現象が発生しない。
【0046】根切除手段91は、図1、図12及び図13に示すように、前記茎葉部切断手段44より搬送上流側であって、近傍に配置されている。この根切除手段91は、茎葉部切断手段44と同様に、根菜類Kの球根部K4の上端を水平後方向に案内しながら、前記茎葉排出装置43へ茎葉部を受け継がせるための左右一対の案内杆96、96と、該案内杆96の下方に配置された伝動ケース94の上方に突出した左右一対の回転軸に取付けられた回転刃95、95と、により構成されている(図12及び図13参照)。
【0047】そして、前記左右一対の回転刃95、95にて球根部K4の下端から下方にのびる根K5を切除できるものであり、この両回転刃95、95もその対向する側で根菜類Kの搬送方向上流側から下流側に向かって回転するように構成されているので、搬送方向上流側から導入される根菜類Kの球根部K4は、両回転刃95、95の外周縁で搬送方向上流側に逆戻りするような踊り現象が発生せず、根K5のみを確実に切除できるのである。なお、案内杆96に対して回転刃95の高さ位置を調節可能とするため、伝動ケース94を図示しないフレームに対して上下位置調節可能に構成されている。
【0048】また、前記左右一対の回転刃95、95における搬送方向下流側の外周縁より半径外側に後縁が突出するように断面L字状などのガード体97を配置する。これにより、万一、搬送方向下流側に配置された茎葉部切断手段44の導入部で根菜類Kの球根部K4が踊ったときも、前記左右一対の回転刃95、95における搬送方向下流側の外周縁に球根部K4が接触して傷つくのを防止できるのである。
【0049】根切除手段91及び茎葉部切断手段44はそれぞれ高さ位置調節可能に構成されていることが好ましい。前記根毛切断手段56、土除去手段90及び根切除手段91は、いずれも取外し可能(着脱可能)であることが好ましい。また、前記根毛切断手段56で切断された根毛や、土除去手段90で撥ね飛ばされた土や根切除手段91で切除手された根が走行機体1上に直接積もらないように、換言すればこれらの根毛、土、根が圃場面に直接落ちるように、前記根毛切断手段56、土除去手段90及び根切除手段91は、走行機体1の一側外方に配置されていることが好ましい。前記根毛切断手段56及び土除去手段90は走行機体1の前方に配置されていても良い。
【0050】
【発明の効果】以上に詳述したように、請求項1に記載の発明の根菜収穫機は、圃場に植生している根菜類の茎葉部を左右から挟持して引き抜き搬送する挟持搬送手段と、該挟持搬送手段の後端部近傍に、前記根菜類の茎葉部を切断するための茎葉部切断手段とを備えてなる根菜収穫機において、前記挟持搬送手段の搬送方向中途部には、前記挟持搬送中の根菜類のうち球根部を処理するための球根処理部を、着脱可能に配置したものである。
【0051】この構成により、根菜類のうち、人参のような根野菜類の収穫に際しては、前記球根処理部を取外し、大蒜やタマネギのような球根類を収穫する際には、球根処理部を装着すれば良く、一種類の根菜収穫機にて対応できるから、農家に負担を与えないという効果を奏する。
【0052】そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の根菜収穫機において、前記球根処理部は、前記球根部に付着する土の土除去手段と、球根部の下端から延びる根を切除するための根切除手段とで構成されているものであり、この構成により、根菜類のうち、球根類の球根部に付着する土の除去と、球根部の根を切除するという処理ができて、球根類の収穫作業が効率良く行えるという効果を奏する。
【0053】また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の根菜収穫機において、前記土除去手段を前記根切除手段よりも搬送方向上流側に配置したものであるから、後続の根切りや、茎葉部の切断作業時に根や茎葉部に土が付着していないので、カッターの摩耗や刃こぼれが発生せず、装置の耐久性が向上するという効果を奏する。
【0054】請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の根菜収穫機において、前記土除去手段は、挟持搬送中の球根部及び球根部と前記茎葉部との付け根部分に接触する左右一対の回転土除去体で構成されているものであり、左右一対の回転土除去体の間を球根部を通過させるだけで、簡単に土の除去ができて、作業効率が良いという効果を奏する。
【0055】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の根菜収穫機において、前記土除去手段は、前記挟持搬送手段の搬送方向中途部に設けられた根菜類の根毛を切除するための根毛切断手段のカッター部品との交換により構成されることを特徴とする。このように、左右一対の回転土除去体と根毛切断手段のカッター部品との交換であるから、回転駆動部をそのまま使用することができて、交換作業が簡単になると共に、共通部品のため経済的であるという効果を奏する。
【0056】請求項6に記載の発明は、請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の根菜収穫機において、前記左右一対の回転土除去体及びカッター部品は、搬送方向の上流側から下流側に回転するように構成されているものである。このように回転させると、根菜類の茎葉部や球根部が土除去手段、根切除手段や根毛切断手段の導入側において踊り跳ねるという現象を無くし、切断や土除去を確実に実行できるという効果を奏する。
【0057】さらに、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の根菜収穫機において、少なくとも前記土除去手段は、収穫機の走行機体の前方もしくは一側の外側に配置したものであるから、除去された土が走行機体の上に直接積もるなどの汚れを無くすることができるという効果を奏する。
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−352814(P2001−352814A)
【公開日】 平成13年12月25日(2001.12.25)
【出願番号】 特願2000−176560(P2000−176560)