| 【発明の名称】 |
農作業機 |
| 【発明者】 |
【氏名】川上 喜之
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| 【要約】 |
【課題】畝上に横倒した長ねぎを容易に能率よく収穫できる農作業機を提供する。
【解決手段】畝に沿って移動する機体13に作業装置14を取付ける。作業装置14は、畝上で幅方向に横倒した長ねぎ11を機体13の移動により横倒し状態のまま掬上げる掬い体22と、掬い体22により掬上げた長ねぎ11を機体13の進行方向と逆方向の斜め上方へ横倒し状態のまま搬送する搬送機構23とを備えている。機体13は、搬送機構23から搬出した長ねぎ11を横倒し状態のまま収容する収容体32を備えている。搬送機構23の途中部には、長ねぎ11の根に付着した土を搬送中に下へ叩落す土落し機構91を設ける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 畝に沿って移動される機体と、畝上で機体の幅方向に横倒しされた長尺な農作物を機体の移動により横倒し状態のまま掬上げる掬い体と、掬い体により掬上げられた農作物を機体の進行方向と逆方向の斜め上方へ横倒し状態のまま搬送する搬送機構と、搬送機構から搬出された農作物を横倒し状態のまま収容する収容体とを具備したことを特徴とする農作業機。 【請求項2】 掬い体は、畝上に位置する一側の畝上掬い体と、畝間の溝内に位置して畝上掬い体より下方へ突出された他側の畝間掬い体とを具備したことを特徴とする請求項1記載の農作業機。 【請求項3】 畝間掬い体は、伸縮調整可能に設けられたことを特徴とする請求項2記載の農作業機。 【請求項4】 搬送機構は、農作物の一側部を上下から挟んで移送する一側の一対の無端搬送ベルトと、農作物の他側部を上下から挟んで移送する他側の一対の無端搬送ベルトとを具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の農作業機。 【請求項5】 無端搬送ベルトは、紐状の細ベルトであることを特徴とする請求項4記載の農作業機。 【請求項6】 一対の無端搬送ベルトの少なくとも一方は、農作物を係止する突起を具備したことを特徴とする請求項4または5記載の農作業機。 【請求項7】 搬送機構は、収容体上の搬送終端部に位置して強制回転され農作物と接触して農作物に収容体への放出力を与える駆動ローラを具備したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の農作業機。 【請求項8】 機体に対する掬い体および搬送機構の姿勢を調整する姿勢調整機構を具備したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の農作業機。 【請求項9】 長尺な農作物の根側の一端部に機体を幅方向位置合せする際の目印とするゲージ体を具備したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の農作業機。 【請求項10】 ゲージ体より農作物の搬送方向下流側に配置され農作物の根に付着した土を下へ叩落す土落し機構を具備したことを特徴とする請求項9記載の農作業機。 【請求項11】 土落し機構は、搬送機構の幅方向へ移動調整可能に設けられたことを特徴とする請求項10記載の農作業機。 【請求項12】 機体の進行方向に対し直交する方向の車軸に軸支された一対の車輪と、畝上を滑りながら搬送機構を一対の車輪を入れて3点で支持する作業姿勢安定板とを具備したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の農作業機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、長尺な農作物の収穫に適する農作業機に関する。 【0002】 【従来の技術】実公平7−19211号公報に示されるように、長ねぎなどの農作業物を収穫する際に用いる農作業機としては、刃板にて畝から長ねぎを掘上げるとともに、この刃板から突出された複数の案内杆にて畝上に長ねぎを横倒しする掘取機が知られている。 【0003】一方、特開平9−233924号公報および特開平11−220918号公報に示された長ねぎ収穫機がある。 【0004】特開平9−233924号公報に示された長ねぎ収穫機は、畝に栽植された長ねぎを、その縦姿勢のまま、掘取体により掘上げて、無端回行体で斜め上方へ搬送しながら、土排除ローラで根に付着している土を落し、根切りカッタにより根を切り、作業台にストックするものである。 【0005】特開平11−220918号公報に示された長ねぎ収穫機は、畝に栽植された長ねぎを、その縦姿勢のまま、掘取り・搬送コンベア装置により掘上げて、挟持搬送ベルトで斜め上方へ搬送しながら、土落しロータで根に付着している土を落し、根切り・土除去装置により根を切り、コンテナにストックするものである。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】実公平7−19211号公報に示された掘取機は、畝から掘上げた長ねぎを畝上に横倒しするため、その畝上の長ねぎを拾い集める作業を必要とし、また、その際に、これらの長ねぎは根群から土を人手により振い落す作業を必要としている。 【0007】このような手作業は、作業能率が悪く、また、腰を曲げての作業であるため、作業者の疲労が増大する問題がある。 【0008】一方、長ねぎを縦姿勢のまま掘上げて収穫する特開平9−233924号公報または特開平11−220918号公報に示された長ねぎ収穫機は、前記掘取機により畝上に掘上げて横倒しされた長ねぎを収穫できない問題がある。 【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、畝上に横倒しされた長尺な農作物を容易に能率よく収穫できる農作業機を提供することを目的とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発明は、畝に沿って移動される機体と、畝上で機体の幅方向に横倒しされた長尺な農作物を機体の移動により横倒し状態のまま掬上げる掬い体と、掬い体により掬上げられた農作物を機体の進行方向と逆方向の斜め上方へ横倒し状態のまま搬送する搬送機構と、搬送機構から搬出された農作物を横倒し状態のまま収容する収容体とを具備した農作業機であり、そして、畝に沿って機体を移動させながら、畝上に横倒しされた長尺な農作物を掬い体により横倒し状態のまま掬上げ、搬送機構により機体の進行方向と逆方向の斜め上方へ円滑に横倒し状態のまま搬送し、搬送機構から搬出された農作物を収容体内に横倒し状態のまま収容することで、畝上に横倒しされた長尺な農作物を容易にかつ能率よく収穫する。 【0011】請求項2に記載された発明は、請求項1記載の農作業機における掬い体が、畝上に位置する一側の畝上掬い体と、畝間の溝内に位置して畝上掬い体より下方へ突出された他側の畝間掬い体とを具備したものであり、そして、畝からの掘上げ時に畝上から畝間の溝にわたって横倒しされた農作物を、畝上掬い体と畝間掬い体とにより確実に掬上げる。 【0012】請求項3に記載された発明は、請求項2記載の農作業機における畝間掬い体が、伸縮調整可能に設けられたものであり、そして、畝上から畝間の溝内に横倒しされた農作物の横倒し姿勢などに応じて、畝間掬い体を伸縮調整し、畝間の溝深い位置まで倒された農作物も、伸び調整された畝間掬い体により確実に掬上げる。 【0013】請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の農作業機における搬送機構が、農作物の一側部を上下から挟んで移送する一側の一対の無端搬送ベルトと、農作物の他側部を上下から挟んで移送する他側の一対の無端搬送ベルトとを具備したものであり、そして、横倒し状態の農作物の一側部および他側部を無端搬送ベルトにより上下から挟んで、農作物の浮上がりを防止しながら斜め上方へ移送する。 【0014】請求項5に記載された発明は、請求項4記載の農作業機における無端搬送ベルトを、紐状の細ベルトとしたものであり、そして、紐状の細ベルトにより、収容体内への土の混入を防止するとともに、農作物の規制箇所を少なくし、農作物の種々の形態に柔軟に対応する。 【0015】請求項6に記載された発明は、請求項4または5記載の農作業機における一対の無端搬送ベルトの少なくとも一方が、農作物を係止する突起を具備したものであり、そして、横倒し状態の農作物を無端搬送ベルトの突起により係止して、斜め上方へ確実に移送する。 【0016】請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の農作業機における搬送機構が、収容体上の搬送終端部に位置して強制回転され農作物と接触して農作物に収容体への放出力を与える駆動ローラを具備したものであり、そして、農作物に対する移送力が弱くなる搬送機構の搬送終端部においても、強制回転される駆動ローラから農作物に均等な放出力を与えて、農作物を搬送機構による搬送姿勢を保ったまま収容体内へ確実に放出する。 【0017】請求項8に記載された発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の農作業機において、機体に対する掬い体および搬送機構の姿勢を調整する姿勢調整機構を具備したものであり、そして、畝の状態などに応じて、姿勢調整機構により、掬い体および搬送機構の姿勢が正面から見て垂直になるように機体に対し調整することで、これらの掬上げ機能、搬送機能の安定性を図る。 【0018】請求項9に記載された発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の農作業機において、長尺な農作物の根側の一端部に機体を幅方向位置合せする際の目印とするゲージ体を具備したものであり、そして、ゲージ体を目印にして農作物の根側の一端部を基準に機体を幅方向位置合せすることで、掬い体、搬送機構および収容体を長尺な農作物に対する適切な位置に位置合せする。 【0019】請求項10に記載された発明は、請求項9記載の農作業機において、ゲージ体より農作物の搬送方向下流側に配置され農作物の根に付着した土を下へ叩落す土落し機構を具備したものであり、そして、ゲージ体により一定の幅方向位置に供給された各農作物の根に土落し機構を均等に作用させて、根に付着した土を強制的に叩落すことで、人手による土落し作業を不要とするとともに、収容体への土の混入を防止する。その際、土を下へ叩落すので、土の飛散り、土埃の発生が抑えられる。 【0020】請求項11に記載された発明は、請求項10記載の農作業機における土落し機構が、搬送機構の幅方向へ移動調整可能に設けられたものであり、そして、土落し機構の移動調整により、土質や、農作物の種類などによる土の付着状況の変化に対応する。 【0021】請求項12に記載された発明は、請求項1乃至11のいずれかに記載の農作業機において、機体の進行方向に対し直交する方向の車軸に軸支された一対の車輪と、これらの車輪より進行方向側に配置され畝上を滑りながら搬送機構を支持する作業姿勢安定板とを具備したものであり、そして、一対の車輪と、畝上を滑る作業姿勢安定板の3点で、移動中の搬送機構を安定した作業姿勢に保持する。 【0022】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。 【0023】この農作業機は、図2および図3に示されるように、長尺な農作物としての長ねぎ11の収穫に用いるものであり、畝12に沿って移動される機体13に、図1および図2に示されるように作業装置14が取付けられている。 【0024】機体13は、機体フレーム15に、機体13の進行方向に対し直交する方向の車軸16により一対の車輪17が軸支され、さらに車軸16を駆動するためのエンジン18およびエンジン18の回転を変速するトランスミッション19が搭載されている。また、図2に示されるように機体フレーム15の一側部には、走行クラッチレバーなどが設けられた操作部20が配置されている。 【0025】図1および図2に示されるように、作業装置14は、機体フレーム15に対して姿勢調整可能な下部コンベヤフレーム21に設けられ、下部コンベヤフレーム21の下端部には、畝12上で機体13の幅方向に横倒しされた長ねぎ11を機体13の移動により横倒し状態のまま掬上げる掬い体22が設けられ、また、下部コンベヤフレーム21の全長にわたって、掬い体22により掬上げられた長ねぎ11を機体13の進行方向と逆方向の斜め上方へ横倒し状態のまま搬送する搬送機構23が設けられている。 【0026】機体13に対して掬い体22および搬送機構23の姿勢を調整する姿勢調整機構24が設けられている。すなわち、機体フレーム15に対して回動軸25により、下部コンベヤフレーム21の中央に固定された取付板26が、進行方向に向かって左右方向へ回動可能に取付けられ、さらに、前記回動軸25の一側部にて、機体フレーム15側の取付板27と下部コンベヤフレーム21側の取付板28との間に姿勢調整用の伸縮調整部材であるターンバックル29が自在継手により接続され、機体フレーム15に対する下部コンベヤフレーム21の左右方向角度が調整されて固定される。 【0027】ターンバックル29は、筒体の一端部および他端部にそれぞれロッドが右ねじおよび左ねじにより螺合されたもので、筒体を一方向に回転することにより両端部のロッドを引寄せて全長を収縮させ、また、筒体を他方向に回転することにより両端部のロッドを離間させて全長を伸張させることができる。 【0028】このターンバックル29に替えて、油圧シリンダを用いても良い。そして、図3に示された搬送機構23の左右方向の傾きをセンサで検出しながら、その傾きをなくす方向に油圧シリンダを伸縮制御することにより、姿勢調整機構24の自動化も可能である。なお、油圧シリンダには、後述する油圧ポンプ51より作動油を供給すると良い。 【0029】さらに、機体フレーム15の後部には、取付フレーム31により、搬送機構23から搬出された長ねぎ11を横倒し状態のまま収容する収容体32が設けられている。取付フレーム31には一対の操縦用ハンドル33が一体に設けられている。これらの操縦用ハンドル33には操作レバー(図示せず)が設けられている。 【0030】前記掬い体22は、図3に示されるように、畝12上に位置する搬送機構23の一側部に設けられた畝上掬い体34と、畝12間の溝35内に位置する搬送機構23の他側部に設けられ畝上掬い体34より下方へ突出された畝間掬い体36とを具備したものである。畝上掬い体34は、長ねぎ11の根側を掬上げ、畝間掬い体36は、長ねぎ11の葉側を掬上げる。 【0031】畝上掬い体34には、図1および図2にも示されるように車輪17より進行方向側に配置され畝12上をスキーのように滑りながら搬送機構23を支持する作業姿勢安定板37が、一体に形成されている。 【0032】図2に示されるように、畝間掬い体36は、下部コンベヤフレーム21の下端部の取付体38に対し摺動自在に嵌合されて、ねじ39により固定され、ねじ39を緩めることにより伸縮調整可能に設けられている。 【0033】図1乃至図3に示されるように、前記搬送機構23は、長ねぎ11の一側部を上下から挟んで移送する一側の一対の無端搬送ベルト41,42と、長ねぎ11の他側部を上下から挟んで移送する他側の一対の無端搬送ベルト43,44とを具備している。 【0034】これらの無端搬送ベルト41,42,43,44は、紐状の細ベルトで形成することにより、収容体32内への土の混入を防止するとともに、長ねぎ11の規制箇所を少なくし、長ねぎ11の種々の形態に柔軟に対応する。 【0035】図1に示されるように、前記無端搬送ベルト41,42,43,44には、長ねぎ11を係止する突起45が定ピッチで突設されている。少なくとも下側の無端搬送ベルト41,43は、この突起45が必要である。 【0036】前記下部コンベヤフレーム21の内部領域には、その先端部を除いて、図2に示されるように、一対の無端搬送ベルト41,43により移送されるときの長ねぎ11の中間部を係止して長ねぎ11の落下を防止する下側案内板46が設けられている。 【0037】搬送機構23を駆動する動力系は、図1および図2に示されるように前記機体フレーム15に油圧ポンプ51が搭載され、前記トランスミッション19の出力軸52と、油圧ポンプ51の入力軸53との間に、スプロケット54、無端チェン55およびスプロケット56の動力伝達手段が設けられ、一方、下部コンベヤフレーム21に油圧モータ57が取付けられ、前記油圧ポンプ51は、姿勢調整などに対応して可撓性を有する油圧ホース58により、この油圧モータ57と接続され、この油圧モータ57の出力軸59と、下部コンベヤフレーム21の上端部に回動自在に軸受支持された駆動軸61との間に、スプロケット62、無端チェン63およびスプロケット64の動力伝達手段が設けられている。 【0038】さらに、図2に示されるように、この駆動軸61に嵌着された一対の駆動プーリ65に左右下側の無端搬送ベルト41,43の上端部が巻掛けられ、さらに、駆動軸61の駆動プーリ65間には、駆動プーリ65とほぼ同径の複数の駆動ローラ66が嵌着されている。これらの駆動ローラ66の外周部は、前記下側案内板46に設けられた切欠溝67から突出されている。 【0039】これらの駆動ローラ66は、収容体32上の搬送終端部に位置して強制回転され、長ねぎ11との接触箇所を増して、長ねぎ11に収容体32への放出力を与えるものである。 【0040】左右下側の無端搬送ベルト41,43の下端部は、下部コンベヤフレーム21の下端部に回転自在に軸支された1対の従動プーリ68にそれぞれ巻掛けられている。 【0041】一方、左右上側の無端搬送ベルト42,44の取付構造は、前記下部コンベヤフレーム21の上側にほぼ平行に上部コンベアフレーム71が一体的に取付けられ、この上部コンベアフレーム71の上端部に駆動軸72により軸支された一対の駆動プーリ73から、上部コンベアフレーム71の下端部に回転自在に軸支された一対の従動プーリ74にわたって、上側の一対の無端搬送ベルト42,44がそれぞれ巻掛けられている。 【0042】上部コンベアフレーム71の複数箇所には、図1に示されるように軸75によりレバー76の中間部が回動自在に軸支され、これらのレバー76の一端部にはテンションローラ77が回転自在に軸支され、各レバー76の他端部と上部コンベアフレーム71に設けられたスプリング係止部78との間には、各レバー76を起立する方向に附勢する引張スプリング79が接続されている。上部コンベアフレーム71から上側にも、起立する方向に附勢されたレバー81によりテンションローラ82が設けられ、無端搬送ベルト42,44を上方へ膨出させる張力を付与している。 【0043】上部コンベアフレーム71より下側に位置するテンションローラ77は、上側の無端搬送ベルト42,44を下側の無端搬送ベルト41,43側へ弾力的に附勢する作用がある。 【0044】下部コンベヤフレーム21の駆動軸61には、一方の動力伝達プーリ83が一体的に嵌着され、上部コンベアフレーム71の駆動軸72には、他方の動力伝達プーリ84が一体的に嵌着され、そして、これらの動力伝達プーリ83,84間に動力伝達ベルト85が、たすき掛けに巻掛けられている。 【0045】図1に示されるように両方の動力伝達プーリ83,84は同径であるから、下側の無端搬送ベルト41,43と上側の無端搬送ベルト42,44は同一速度で回行され、また、動力伝達ベルト85が、たすき掛けであるから、両方の動力伝達プーリ83,84の回転方向が逆になり、下側の無端搬送ベルト41,43と上側の無端搬送ベルト42,44は、それらの対向する部分が共に上昇する方向へ等速で移動する。 【0046】図2に示されるように、前記上部コンベアフレーム71には、取付棒材86を介してゲージ体87が一体的に設けられている。このゲージ体87は、畝上に掘取られて横倒しされた長ねぎ11の根11a側の一端部に機体13を幅方向位置合せする際の目印とする板状部材であり、その先端部には、先方に向かって長ねぎ11の根11aから逃げるように傾斜した逃げ部88が設けられており、この逃げ部88により、ゲージ体87に長ねぎ11の根11aが引掛るおそれを防止する。 【0047】図1および図2に示されるように、ゲージ体87より長ねぎ11の搬送方向下流側には、長ねぎ11の根に付着した土を下へ叩落すための土落し機構91が配置されている。 【0048】この土落し機構91は、搬送機構23の幅方向へ移動調整可能に設けられたものであり、下部コンベヤフレーム21の側面に取付板92が固定され、この取付板92に移動調整板93が、その幅方向に穿設された複数の長穴94を通した位置調整ねじ95により固定され、そして、この移動調整板93に回転軸96が回転自在に軸受支持され、この回転軸96に、十字形の腕部97を複数組有するロータ98が嵌着され、このロータ98の各腕部97の先端に、長ねぎ11の根11aに付着した土を下へ叩落すためのゴムなどの弾性部材99が取付けられている。 【0049】ロータ98は、取付板92に取付けられた半円筒形のロータカバー100により覆われ、長ねぎ11の根に付着した土を叩落すときに生ずる土の飛散を、このロータカバー100により防止する。 【0050】この土落し機構91の駆動系は、前記トランスミッション19の出力軸52に自在継手101を介して比較的小径の回転軸102が接続され、この回転軸102に比較的大径の回転軸103がスプラインなどで軸方向摺動自在かつ回転方向一体に嵌合され、この回転軸103に自在継手104を介して、前記移動調整板93に回転自在に軸受支持された中間回転軸105が接続され、この中間回転軸105と、前記ロータ98の回転軸96とが、スプロケット106、無端チェン107およびスプロケット108の動力伝達手段により接続されている。 【0051】このような自在継手101,104およびスプライン嵌合構造により、前記土落し機構91を搬送機構23の幅方向へ自由に移動調整できる。また、回転軸103、自在継手104、スプロケット106、無端チェン107およびスプロケット108などの上側にはカバー109が設けられ、これらの機械部品間への土の混入を防止する。 【0052】次に、図示された実施の形態の作用を説明する。 【0053】図4は、本農作業機による収穫作業に先立ってなされる掘取作業を示し、図4(A)に示されるようにトラクタ111により掘取機112を牽引しながら、この掘取機112に装備された掘取刃113を、畝12に栽植された長ねぎ11の下側に挿入して移動することで、長ねぎ11を畝12から掘上げるとともに、図示されないガイドにより長ねぎ11を畝12上に横倒しする。これにより、図4(B)に示されるように長ねぎ11は、扁平に崩された畝12上に根11aおよび茎部11bが位置し、隣接する畝12との間の溝35上に葉部11cが位置するように横たわる。 【0054】本農作業機により長ねぎ11の収穫作業を開始する前に、掘取機112により作業された後の畝12の状態などに応じて、姿勢調整機構24により、掬い体22および搬送機構23の姿勢が図3に示されるように正面から見て垂直になるように、機体13の傾斜角を調整することで、掬上げ機能、搬送機能の確実性、安定性を図る。 【0055】例えば、図3に示された両側の車輪17間の落差が大きくなる場合は、前記ターンバックル29を収縮させる方向に回動調整して、機体13をさらに傾斜させるように調整する。 【0056】また、掘取機112による長ねぎ11の掘上げ作業で、畝12上から畝12間の溝35内に横倒しされた長ねぎ11の横倒し姿勢などに応じて、畝間掬い体36を伸縮調整し、例えば、畝12間の深い溝位置まで倒された長ねぎ11も、伸び方向に調整された畝間掬い体36により確実に掬上げるようにする。 【0057】すなわち、図3に示されるように、畝上掬い体34の沈込み深さは、作業姿勢安定板37により決まり、長ねぎ11の茎部11bより下側へこの畝上掬い体34の先端を確実に挿入することができるが、長ねぎ11の葉部11cは必ずしも一定の高さにないので、長ねぎ11の掘取状況を見て、畝間掬い体36を長ねぎ11の葉部11cの下側へ確実に挿入できるように、作業姿勢安定板37に対する畝間掬い体36の先端部の落差H、すなわち畝間掬い体36の突出長さを調整し、葉部11cを確実に掬上げるようにする。ねじ39を緩めてこの調整をした後、ねじ39を締めて固定する。 【0058】さらに、図2に示された土落し機構91の長穴94による幅方向の移動調整により、土質や、長ねぎ11の種類などによる土の付着状況の変化に対応する。この場合、位置調整ねじ95を緩めて、移動調整板93をスライド調整することで、ロータ98を搬送機構23に対し進退移動し、ゲージ体87や搬送機構23に対する幅方向位置を相対的に調整する。 【0059】このような各種の調整をした後に、エンジン18を始動し、操作部20によりクラッチを入れて車輪17を駆動することで、作業者は機体13のハンドル33を操作しながら、図3に示された姿勢で、畝12に沿って機体13を走行移動させる。この走行中は、一対の車輪17と、畝12上を滑る作業姿勢安定板37の3点で、移動中の搬送機構23を安定した作業姿勢に保持する。 【0060】そして、機体13を前進させることにより、畝12上に横倒しされた長ねぎ11を掬い体22により相対的に横倒し状態のまま掬上げる。 【0061】その際、掬い体22は、前記のように調整された畝上掬い体34と畝間掬い体36とにより、掘上げ時に畝12上から畝12間の溝35にわたって横倒しされた長ねぎ11を、次々と確実に掬上げて、機体13の前進により相対的に搬送機構23に送込む。 【0062】すると、この搬送機構23は、無端搬送ベルト41,42,43,44の突起45により長ねぎ11を係止して、斜め上方へ確実に移送するとともに、横倒し状態の長ねぎ11の一側部および他側部を上下の無端搬送ベルト41,42,43,44により上下から挟んで、長ねぎ11の浮上がりを防止しながら斜め上方へ移送する。特に、土落し機構91から作用する力により長ねぎ11が浮上がるおそれを防止する。 【0063】この土落し機構91は、ゲージ体87により一定の幅方向位置に供給された各長ねぎ11の根11aに対し、ロータ98の弾性部材99が回転しながら、根11aの上側から下方へ移動する際に根11aに当り、各長ねぎ11の根11aに衝撃を均等に作用させて、根11aに付着した土を強制的に叩落す。 【0064】これにより、人手による土落し作業を不要とするとともに、収容体32への土の混入を防止する。その際、土を下へ叩落すので、土の飛散り、土埃の発生が抑えられる。 【0065】搬送機構23の上部では、下側の無端搬送ベルト41,43のみにより横倒し状態の長ねぎ11を搬送するが、その際も、無端搬送ベルト41,43の突起45により長ねぎ11を係止して、斜め上方へ確実に移送する。 【0066】さらに、長ねぎ11に対する上側の無端搬送ベルト42,44による押えがなくなる搬送機構23の搬送終端部においては、長ねぎ11の一側、特に葉部11c側が浮上がって無端搬送ベルト43と接触しない場合も生ずるが、そのような場合でも、強制回転される駆動ローラ66を長ねぎ11に接触させて、長ねぎ11の無端搬送ベルト43と接触しない側にも無端搬送ベルト41と同様の収容体32内への放出力を均等に与えて、長ねぎ11を搬送機構23による搬送姿勢すなわち進行方向に対し直交する姿勢を保ったまま収容体32内へ確実に放出できる。 【0067】このように、本農作業機は、掘取機112による掘上げ作業後の横倒し状態の長ねぎ11をそのまま掬上げて後方に送り、横倒し状態のまま搬送機構23により機体13の進行方向と逆方向の斜め上方へ円滑に搬送し、さらに、搬送機構23から搬出された長ねぎ11を、機体13の後部に位置する収容体32内に横倒し状態のまま収容することで、畝12上に横倒しされた長ねぎ11を容易にかつ能率よく収穫できる。 【0068】次に、図に示されない実施の形態を説明する。 【0069】前記駆動ローラ66は複数設けられたが、これに替えて、一対の駆動プーリ65間に単一の駆動ローラを設けても良い。この場合、下側案内板46の切欠溝67は、駆動ローラに合せて大きく切開いておく。 【0070】また、畝間掬い体36は、それのみを伸縮調整可能としたが、下部コンベヤフレーム21の搬送始端部と共に伸縮可能としても良い。 【0071】さらに、本農作業機は、自走式に限定されるものではなく、トラクタなどにより牽引される牽引式の農作業機としても良い。 【0072】その場合、長ねぎ11を畝12上に掘上げるための牽引式の掘取機112の後方に、牽引式の本農作業機を設け、両方を同時に牽引すると、長ねぎ11の掘上げ作業と、収容体32への収穫作業とを一度にでき、作業能率がいっそう向上する。 【0073】最後に、本農作業機は、長ねぎ11に好適なものであるが、長ねぎ11のみに適用範囲を限定されるものではなく、例えば、あさつき、わけぎなどの他のねぎ属や、大根、にんじんなどの根菜類などの長尺な農作物にも適用できる。 【0074】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、畝に沿って機体を移動させながら、畝上に横倒しされた長尺な農作物を掬い体により横倒し状態のまま掬上げ、搬送機構により機体の進行方向と逆方向の斜め上方へ円滑に横倒し状態のまま搬送し、搬送機構から搬出された農作物を収容体内に横倒し状態のまま収容することで、畝上に横倒しされた長尺な農作物を容易にかつ能率よく収穫できる。 【0075】請求項2記載の発明によれば、畝からの掘上げ時に畝上から畝間の溝にわたって横倒しされた農作物を、畝上掬い体と畝間掬い体とにより確実に掬上げることができる。 【0076】請求項3記載の発明によれば、畝上から畝間の溝内に横倒しされた農作物の横倒し姿勢などに応じて、畝間掬い体を伸縮調整することで、畝間の溝深い位置まで倒された農作物も、伸び調整された畝間掬い体により確実に掬上げることができる。 【0077】請求項4記載の発明によれば、横倒し状態の農作物の一側部および他側部を無端搬送ベルトにより上下から挟んで、農作物の浮上がりを防止しながら斜め上方へ移送できる。 【0078】請求項5記載の発明によれば、紐状の細ベルトにより、収容体内への土の混入を防止できるとともに、農作物の規制箇所を少なくして、農作物の種々の形態に柔軟に対応できる。 【0079】請求項6記載の発明によれば、横倒し状態の農作物を無端搬送ベルトの突起により係止して、斜め上方へ確実に移送できる。 【0080】請求項7記載の発明によれば、農作物に対する移送力が弱くなる搬送機構の搬送終端部においても、強制回転される駆動ローラから農作物に均等な放出力を与えて、農作物を搬送機構による搬送姿勢を保ったまま収容体内へ確実に放出できる。 【0081】請求項8記載の発明によれば、畝の状態などに応じて、姿勢調整機構により、掬い体および搬送機構の姿勢が正面から見て垂直になるように機体に対し調整することで、これらの掬上げ機能、搬送機能の安定性を図ることができる。 【0082】請求項9記載の発明によれば、ゲージ体を目印にして農作物の根側の一端部を基準に機体を幅方向位置合せすることで、掬い体、搬送機構および収容体を長尺な農作物に対する適切な位置に位置合せできる。 【0083】請求項10記載の発明によれば、ゲージ体により一定の幅方向位置に供給された各農作物の根に土落し機構を均等に作用させて、根に付着した土を強制的に叩落すことで、人手による土落し作業を不要にできるとともに、収容体への土の混入を防止できる。その際、土を下へ叩落すので、土の飛散り、土埃の発生を抑制できる。 【0084】請求項11記載の発明によれば、土落し機構の移動調整により、土質や、農作物の種類などによる土の付着状況の変化に対応できる。 【0085】請求項12記載の発明によれば、一対の車輪と、畝上を滑る作業姿勢安定板の3点で、移動中の搬送機構を安定した作業姿勢に保持できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000188009 【氏名又は名称】松山株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年6月13日(2000.6.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062764 【弁理士】 【氏名又は名称】樺澤 襄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−352812(P2001−352812A) |
| 【公開日】 |
平成13年12月25日(2001.12.25) |
| 【出願番号】 |
特願2000−176927(P2000−176927) |
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