トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 コンバイン
【発明者】 【氏名】赤嶋 晋

【氏名】山崎 次男

【氏名】草地 寛太

【要約】 【課題】従来、オイルクーラーはラジエターの直前面に配置されていたため、該オイルクーラーの陰になる部分では塵が付着しやすくなる、あるいは、風速全体も低下する、という問題があった。また、オイルクーラーは機体側に支持されていたため、エンジンカバーとオイルクーラーとを順に取り外してからしかラジエターの保守点検作業ができない、という問題もあった。

【解決手段】エンジンカバー82内部にオイルクーラー86を配置し、該オイルクーラー86は、エンジンカバー82内の冷却風流路内に、ラジエター74から離間し、傾斜して配置し、さらには、オイルクーラー86は、エンジンカバー82と一体的に回動できる構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの外側方の位置にラジエターを配置して、該ラジエターの外側をエンジンカバーで覆い、該エンジンカバー内部にオイルクーラーを配置した構成において、該オイルクーラーをエンジンカバー内の冷却風流路内で、前記ラジエターより離間した位置に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】 前記オイルクーラーを、エンジンカバー内の冷却風流路内に、風速低下を軽減可能に傾斜して配置することを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】 前記オイルクーラーは、エンジンカバー内部に支持されており、エンジンカバーと一体的に回動できることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンバイン。
【請求項4】 前記エンジンカバーの外側は、前面カバーにより容易に開閉可能に覆われることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバイン。
【請求項5】 前記オイルクーラーとラジエターとの間には、エアフィルターを介設し、該エアフィルターを容易に着脱可能に設けることを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン側方のラジエターの外側を覆うエンジンカバー内部にオイルクーラーを配置したコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から,刈取昇降用の油圧シリンダーや油圧式無段変速装置(以下「HST」とする)等を有するコンバインにおいては、オイルの使用量が多いために、油圧機器の作動効率を高めたり、劣化を防止するためにオイルクーラーを配置していた。このオイルクーラーは座席シートの下方に配置したエンジンを冷却するためのラジエターの吸込側に配置していた。
【0003】しかし、このような従来のオイルクーラーはラジエターの取付フレームに直接固定されていたために、オイルクーラーを取り付けない仕様のコンバインでは無駄な空間が生じ、取付フレームも大きいために余分な重量の増加が避けられなかった。
【0004】そこで、コンバインにおいて、オイルクーラーをエンジンルーム外側のエンジンカバー内部に設け、エンジン内にオイルクーラーを配置するための空間を省略し、さらに、該オイルクーラーを前記取付フレームにステーを介して支持することにより、取付フレームの大型化を防止することも可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなエンジンカバー内タイプや従来タイプのオイルクーラーは、いずれもラジエターの直前面に配置されていたため、該オイルクーラーの陰になる部分では、エンジンカバー上部から流入する冷却風の風速が低下し、その風速低下部には塵が付着しやすくなる、あるいは、オイルクーラーにより冷却風の流れが阻害され、風速全体も低下する、という問題があった。さらに、いずれのタイプのオイルクーラーも機体側に支持されていたため、エンジンカバーとオイルクーラーとを別々に順に取り外してからしか、ラジエターの保守点検作業ができずにメンテナンス性に劣る、という問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、エンジンの外側方の位置にラジエターを配置して、該ラジエターの外側をエンジンカバーで覆い、該エンジンカバー内部にオイルクーラーを配置した構成において、該オイルクーラーをエンジンカバー内の冷却風流路内で、前記ラジエターより離間した位置に配置したものである。
【0007】請求項2においては、前記オイルクーラーを、エンジンカバー内の冷却風流路内に、風速低下を軽減可能に傾斜して配置するものである。
【0008】請求項3においては、前記オイルクーラーは、エンジンカバー内部に支持されており、エンジンカバーと一体的に回動できるものである。
【0009】請求項4においては、前記エンジンカバーの外側は、前面カバーにより容易に開閉可能に覆われるものである。
【0010】請求項5においては、前記オイルクーラーとラジエターとの間には、エアフィルターを介設し、該エアフィルターを容易に着脱可能に設けるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】初めに、コンバインの全体構成について説明する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同じく全体正面図、図3は同じく全体左側面図である。
【0012】図1乃至図3に示すように、クローラー式走行装置9上に機体フレーム2を取り付け、その上は、機体進行方向左側に脱穀部4及び選別部5、右側に運転席10及び穀粒を貯留する上部タンク3が載置されている。刈取部6は、前記脱穀部4の前方で機体の最前部に位置されており、刈取部6の各搬送装置は、脱穀部4側部のフィードチェーン7に向けて刈り取った穀稈を搬送するもので、該フィードチェーン7より搬送された穀稈は、扱胴8で脱穀された後、前記選別部5から上部タンク3に送られるようにしている。そして、前記運転席10側方の機体フレーム2前部には、刈取部6を上下に回動自在に支持する載置台24が形成され、また、運転席10下方には、エンジンルームが設けられてエンジン73が収納され、該エンジンルームはエンジンカバー82により閉じられた構成となっている。
【0013】運転席10前方にはフロントコラム114が立設され、操向レバー123を配置している。また、フロントコラム114側部の機体中央側にサイドコラム115を立設し、該サイドコラム115上に、主変速レバー120、副変速レバー121、刈取クラッチ122等を配置している。
【0014】次に、コンバインの刈取部の搬送装置について説明する。図4は刈取部を示す側面図、図5は刈取部の各搬送装置を示す前方より見た斜視図、図6は刈取部の各搬送装置を示す後方より見た斜視図、図7は刈取部の各搬送装置を示す平面図、図8は右穂先搬送装置への駆動伝達構成を示す側面図、図9は右穂先搬送装置への駆動伝達構成を示す正面図、図10は左穂先搬送装置への駆動伝達構成を示す側面図である。
【0015】まず、前記刈取部6の各搬送装置を支持する刈取フレームの構成について、図4を用いて説明する。刈取フレーム後部の前記回動基部12は、筒状のフレームであり、内部に図示せぬ駆動軸が軸支され、エンジンの動力がプーリを介して入力されている。前記回動基部12の右側より前下方に前記縦フレーム13を伸延し、該縦フレーム13下端に左右横方向に伸延する筒状の下側横フレーム14の途中部に連結し、該下側横フレーム14の左側端部より前上方へ向けて筒状の立ち上がりフレーム15を立ち上げるとともに、下側横フレーム14の右側端部より前上方へ向けて図示せぬ支持フレームを立ち上げて、両フレーム15の上端間に上側横フレーム16を横架し、上側横フレーム16の左右途中部より後方に水平フレーム17を突設し、該水平フレーム17下面途中部より図示せぬフレームを前記縦フレーム13の途中部に固設している。更に、前記下側横フレーム14の左右側部よりそれぞれ前方へ向けて左右一対の下側連結フレーム18・18を延設している。
【0016】前記刈取フレーム前部には、未刈り穀稈を起立させる該引起し装置や、未刈穀稈を分草する分草板19が配設されている。引起し装置は、引起タイン33・33・・・を有する引起ケース34・34・・・より構成され、前記下側連結フレーム18の途中部より上方に支持体58を立設し、該支持体58上部に引起ケース34下部が固設されている。図2に示すように、引起ケース34・34の引起タイン33・33・・・を対向するように配置し、右側の二個の引起ケース34・34の引起タイン33・33・・・を対向させて、各2条の未刈穀稈を取り入れて引き起こす作用面を設け、4条分を引き起こすようにしている。
【0017】また、図4に示すように、前記下側連結フレーム18・18の前後途中部間には、刈刃装置47を固設する支持フレーム48が横架され、該支持フレーム48より前方に分草板を支持する図示せぬ連結フレームが突設されている。本実施例におけるコンバインは4条刈りであり、3本の連結フレームが突設され、前記下側連結フレーム18・18と連結フレームの前端部に図9に示すように、大型の分草板19・19・19と小型の分草板19’・19’とが交互に取り付けられている。
【0018】前記引起し装置より後方には、図5から図7に示すように刈取部6の各搬送装置を配置している。引起し装置の引起ケース34・34・・・の後方には、引き起こされた穀稈の株元側を掻込む4条分のスターホイル35・35・・・及び掻込ベルト36・36・・・と、掻込んだ穀稈株元を切断する刈刃装置47とを設けている。さらに刈刃装置47の上方には、右側2条分の刈取穀稈を左斜め後方に搬送する右下部搬送装置37と、左側2条分の刈取穀稈を後方に送り終端位置近傍で合流させる左下部搬送装置39とが配置されている。また、前記上側横フレーム16中央部から下方に向けて補助支持稈141を延出しており、上部でブラケット142を固着している。該ブラケット142は右方に延出しており、後述する穂先搬送駆動パイプ44より左方に延出するブラケット143とボルト締結により連結固定されて、補助支持稈141が穂先搬送駆動パイプ44を支持する構成となっている。補助支持稈141下部では挟持稈144・144が固設されており、該挟持稈144・144は稲の根元を挟持搬送する右下部搬送装置37及び左下部搬送装置39の搬送チェーン137・139の配設経路に沿って設けられている。
【0019】また、前記右下部搬送装置37上方に、タイン140・140・・・によって右側2条分の刈取穀稈の穂部を搬送する右上部搬送装置38及び右穂先搬送装置60が配置され、前記左下部搬送装置39上方には、左側2条分の刈取穀稈の穂部を搬送する左上部搬送装置40及び左穂先搬送装置61が配置されている。図4に示すように、右穂先搬送装置60は左穂先搬送装置61より上方に配置されている。
【0020】右穂先搬送装置61は、図7、図8に示すように、駆動軸46にプレート30の中心を固設して、三つのタイン31・31・・・を等間隔に枢支している。また駆動軸46の回転方向は、図7中で右回転となる方向であり、タイン31は該タイン31のプレート30への取付箇所と駆動軸46とを結ぶ線より、後退角αを設けて固設されて、搬送終端で引っ掛からないようにしている。
【0021】左穂先搬送装置61は、複数のタイン62・62・・・と、横送りチェーン63等より構成され、該タイン62は該横送りチェーン63の外周上に一定間隔をおいて枢支され、該横送りチェーン63は駆動スプロケット64、従動スプロケット65・66を巻回している。タイン62・62・・・は、右側方位置では突出するようにし、後方位置では収納位置になるようにしている。そして、該タイン62の穀稈と当接する面は横送りチェーン63の搬送方向に対して略直角となるようにしている。この場合搬送終端で収納されるので、引っ掛かることはない。
【0022】右穂先搬送装置60及び右上部搬送装置38によって搬送される右側2条分の刈取穀稈は、搬送経路LRに沿って搬送される。また、左穂先搬送装置61及び左上部搬送装置40によって搬送される左側2条分の刈取穀稈は、搬送経路LLに沿って搬送される。したがって、左穂先搬送装置61が前記スターホイル35・35、掻込ベルト36・36より受継いだ穀稈の搬送距離は、右穂先搬送装置60よりも長くなるように構成されているのである。左穂先搬送装置61による搬送経路LLは、右穂先搬送装置60による搬送経路LRより、長いのである。
【0023】さらに、右下部搬送装置37及び左下部搬送装置39終端位置で合流した4条分の刈取穀稈の株元側が縦搬送装置41に受け継がれ、4条分の刈取穀稈の穂先側が右上部搬送装置38の後半部で挟持して搬送する。そして、前記縦搬送装置41の送り終端部の補助搬送チェーン42に受け継ぎ、フィードチェーン7に適正姿勢で刈取穀稈を受け継ぎ、穂先を脱穀部4に供給して脱穀処理するように構成している。
【0024】従来では、左右の(両方備えられている場合は)穂先搬送装置への動力伝達は、刈取部下部の各搬送装置や引起し装置を介して行われていた。このため、左右の上部搬送装置の上方に配設される左右の穂先搬送装置の配設箇所には制限を受けていた。特に、右方の穂先搬送装置においては、稲の穂部を右上方に傾斜させる必要があるため、右方の上部搬送装置より駆動軸を延出することが出来ず、配設位置の制限が大きかった。以下で、この点を改善した本実施例の駆動伝達構成について説明していく。
【0025】右側の穂先搬送装置への駆動伝達構成について説明する。刈取部6への動力伝達は、前述したように、ミッションケースよりプーリを介して前記回動基部12内部の駆動軸に伝達される。前記縦フレーム13、下側横フレーム14、立ち上がりフレーム15はそれぞれ伝達軸を内装しており、該伝達軸を介して、刈取部6の各搬送装置を駆動可能としているのである。
【0026】図8、図9に示すように、上側横フレーム16内部には引起し横軸27が枢支されており、該引起し横軸27には複数のベベルギヤ28を固着している。また、上側横フレーム16後面には四つの接続プレート43が固設されており、引起ケース34をボルト締結固定可能としている。該接続プレート43中央部には穿設孔が設けられており、該穿設孔を通じて上側横フレーム16と引起しケース34内を連通し、該穿設孔に伝動軸127を貫通し、該伝動軸127の後端にベベルギヤ128を固設して、前端に駆動スプロケット129を固設して、引起ケース34への動力の軸伝達が可能に構成されているのである。
【0027】引起しケース34には引起しチェーン130が内装され、前記引起タイン33は該引起しチェーン130の外周上に一定間隔をおいて枢支され、該引起しチェーン130は前記駆動スプロケット129、従動スプロケット131等を巻回している。
【0028】上側横フレーム16は中央部下方で、穂先搬送駆動パイプ44と連通接続されている。穂先搬送駆動パイプ44は図8に示すように、側面視「く」字型に屈曲した形状をしており、内部に伝達軸45と駆動軸46を収納して、該伝達軸45と駆動軸46はベベルギヤの噛合により動力を伝達可能としている。また穂先搬送駆動パイプ44は下端で右穂先搬送装置60と連通接続されており、駆動軸46下部は該穂先搬送装置60に挿入されている。伝達軸45は両端にベベルギヤ57・57を固着しており、駆動軸46は上端にベベルギヤ26を、下端に前記プレート30を固着している。
【0029】以上構成により、引起し横軸27よりベベルギヤの噛合を介して伝達軸45、駆動軸46へ動力が伝達され、プレート30を回動させてタイン31・31・31による穀稈の掻き込みを行うのである。
【0030】左側の穂先搬送装置への駆動伝達構成について説明する。図7に示すように、前記下側横フレーム14左部より、前記左穂先搬送装置61及び左上部搬送装置40下方に向けて、上部搬送駆動ケース55が延設されている。上部搬送駆動ケース55内部には伝達軸56が枢設されており、該伝達軸56は立ち上がりフレーム15に内装される伝達軸より駆動力を得ている。
【0031】図10に示すように、伝達軸56左端にはベベルギヤ67が固設されており、上部搬送駆動軸68下端に固設されているベベルギヤ69と噛合している。上部搬送駆動軸68は、下方より左上部搬送装置40を貫通して、左穂先搬送装置61に上端が挿入されている。上部搬送駆動軸68中途部には駆動スプロケット29が固設されており、左上部搬送装置40を駆動可能としている。また、上部搬送駆動軸68上端には前記駆動スプロケット64が固設されており、左穂先搬送装置61を駆動可能としている。
【0032】左下部搬送装置40も、左穂先搬送装置61と同様に、複数のタイン124・124・・・と、横送りチェーン125等より構成され、該タイン124は該横送りチェーンの外周上に一定間隔をおいて枢支され、該横送りチェーン125は前記駆動スプロケット29、従動スプロケット126等を巻回している。
【0033】また、稈長を検知するために、稈長検出センサー49が配設されている。即ち、刈取フレームの水平フレーム17途中部にU型支持フレーム59の一端を固設し、刈取部6の上部を迂回するように左外側(フィードチェーン7側)に延設し、該U型支持フレーム59途中部に稈長検出センサー49が配置され、補助搬送チェーン42へ受け継ぐ穀稈の穂先位置を検出することで稈長を判断している。
【0034】また、前記U型支持フレーム59の外端下部(フィードチェーン7側端部)は、右上部搬送装置38の前後途中部の側方まで延出されている。該U型支持フレーム59の外端下部に図示せぬステーを介して上下に二本のガイド棒50・51の途中部が固設されている。上方のガイド棒50が右上部搬送装置38の搬送面の直上方に沿って伸延され、前端部を左上部搬送装置40後部上方に固設している。同様に下方のガイド棒51が右上部搬送装置38の搬送面の直下方に沿って伸延され、前端部を左上部搬送装置40後部上方にステー53を介して固設されている。前記ガイド棒50・51によって、合流後の4条分の刈取穀稈の穂先側を右上部搬送装置38の搬送面にガイドして搬送可能にしている。
【0035】また、前記U型支持フレーム59の外端部より下方に延長フレーム52を突設し、該延長フレーム52を縦搬送装置41途中部の外上方まで伸延している。該延長フレーム52下部にガイド体としての補助ガイド棒54を固設している。前記補助ガイド棒54は丸棒を前低後高に配置したものであり、右上部搬送装置38のガイド棒50・51と縦搬送装置41の挟扼杆との間位置に補助ガイド棒54を配置し、該補助ガイド棒54の前端部を縦搬送装置41前部の上方に位置し、補助ガイド棒54の後端部を最大回動位置の縦搬送装置41の上方に位置させている。従って、稈長が長くなり、前記縦搬送装置41が最大回動位置に回動され、右上部搬送装置38と縦搬送装置41との間隔が開がるとともに、両搬送装置の搬送方向のズレにより搬送されている刈取穀稈が捩じれても、搬送される刈取穀稈の途中部が外側に膨らまないようにガイドし、穂先が確実に右上部搬送装置38の搬送面にガイドできるように搬送姿勢の崩れを防止している。
【0036】尚、前記補助ガイド棒54を支持する構成は、延長フレーム52に限定するものでなく、縦搬送装置41側に支持する構成とすることもできる。また、補助ガイド棒54は一本でなく上下に数本設けることもでき、丸棒とせず板体でガイド体を形成することもできる。
【0037】次に、コンバインのオイルクーラーについて詳細に説明する。図11はエンジンルームの正面図、図12はオイルクーラー周囲の正面図、図13はエンジンルームの平面図、図14は同じく側面図、図15はエンジンカバーの開閉機構の説明図、図16は前面カバーの開閉機構の説明図、図17は油圧回路図である。
【0038】まず、エンジンルームの構成について説明する。図11乃至図13に示すように、前記運転席10下方が、エンジンルーム70として構成され、該エンジンルーム70の上部で運転席10後部がエアクリーナー72を収納するエアクリーナー室71としている。そして、エンジンルーム70内にエンジン73とラジエター74が収納され、該エンジン73の出力軸上に設けた冷却ファン25が外側(走行方向右側)に向けて配置され、該冷却ファン75の外側位置にラジエター74が配置され、該ラジエター74と冷却ファン75の間には、冷却風が拡散しないようにシュラウド76が設けられている。
【0039】また、前記ラジエター74の外側は、機体フレーム77上に立設した左右の取付フレーム78・79により固設支持され、該取付フレーム78・79間には、エアフィルター81を取り付けたフィルターフレーム80が架設されており、該エアフィルター81によりエンジンルーム70内に塵埃が入らないようにしている。
【0040】そして、該エンジンルーム70の開口側は、エンジンカバー82によって閉じられる。該エンジンカバー82は運転席10を載置する上面カバーと前面カバーと側面カバー82aが一体的に構成されて、側面カバー82a下部に設けた回転軸83を中心に外(右)側へ回動して開放可能とし、エンジン73を前方及び上方を開放してメンテナンスが容易にできるようにしている。
【0041】また、前記側面カバー82aの上部には吸込口84a・84bが設けられ、該吸込口84a・84bは、エアフィルター85a・85bに覆われて、塵が入らないようにし、該エアフィルター85a・85bと前記エアフィルター81によって二重に塵埃を除去できるようにしている。該吸込口84a・84bからは前記エアクリーナー72へも空気が流れるようにしている。
【0042】ここで、側面カバー82a内に設けたオイルクーラー86の取付構成について説明する。図11乃至図14に示すように、オイルクーラー86の上部は、上取付板89を介して、前記側面カバー82aの下背面板87の上部に連結固定されおり、該下背面板87には通気口87aが開口され、該通気口87aを通り、冷却風が前記エンジンルーム70内に流入されるようにしている。一方、オイルクーラー86の下部は、下取付板90を介して、側面カバー82aの側板92・92から内側に突設されたステー91・91に連結固定され、該ステー91・91は、前記通気口87a下端よりも上方で外側方位置に配置されている。
【0043】従って、オイルクーラー86は、側面カバー82a内に前記ラジエター74から離間した位置に、しかも、上部が内側方に傾斜した姿勢で配置された構成となっている。そのため、図11に示すように、前記吸込口84a・84bから流入し流路内を流れる冷却風93は、オイルクーラー86の冷却面86aに略直交して通過するため、オイルクーラー86による圧力損失時間が小さくて済み、オイルクーラー86による風速低下を軽減することができるようにしている。
【0044】すなわち、エンジン73の外側方の位置にラジエター74を配置して、該ラジエター74の外側をエンジンカバー82で覆い、該エンジンカバー82内部にオイルクーラー86を配置した構成において、該オイルクーラー86をエンジンカバー82内の冷却風流路内で、前記ラジエター72より離間した位置に配置したので、オイルクーラー68に衝突して風速低下部の生じた冷却風も、ラジエター72に至るまでには均一化されるため、ラジエター74に到達した時点では、極端な風速低下部が発生しなくなり、該ラジエター74への塵の付着を確実に防止することができる。
【0045】さらに、オイルクーラー68を、エンジンカバー82内の冷却風流路内に、風速低下を軽減可能に傾斜して配置したので、冷却風の風速を高速に保つことができ、冷却効率を向上させると共に、ラジエター74への塵の付着も大幅に軽減することができるのである。
【0046】また、図11、図12、図14、図17に示すように、前記オイルクーラー68の下辺には、オイルクーラー68への吸入側ホース98と吐出側ホース99とが連通され、該ホース98・99の途中部には固定リング109・109が外嵌されており、該固定リング109・109により、ゴムなどの弾性体からなるホース98・99を確実に支持すると共に、エンジン73の振動などによっても破損しないようにしている。そして、該固定リング109・109は、支持ステー108に開口された連通孔108a・108bに内挿固定され、該支持ステー108は、前記下背面板87下部外側面に固設されている。
【0047】前記吸入側ホース98は、図示せぬドレンホースを介してHST104に連通されて、油圧タンク101からフィルター102、ラインフィルター103を介してHST104に注入されて昇温した駆動油を、オイルクーラー86内に送り込み、冷却風で空冷するようにしている。更に、このオイルクーラー86内で冷却された駆動油は、前記吐出側ホース99を介し、油圧タンク101内に注入され、該油圧タンク101内の駆動油は、前記フィルター102、ポンプ105を介してバルブCV106に圧送され、該バルブCV106により、図1に示す昇降シリンダ107を伸縮制御して、刈取部6を昇降できるようにしている。
【0048】また、図12、図15に示すように、前記側面カバー82a下部は、前述した如く、回転軸83に軸支されており、該回転軸83より上方に、規制ピン95が突設され、該規制ピン95には、規制板94の長孔94aが摺動可能に外嵌されている。該規制板94の下端部は、前記規制ピン95と回転軸83との間に設けた規制軸97に軸支され、該規制軸97はステー96を介して前記取付フレーム78前面に固設されている。
【0049】このような構成において、側面カバー82aを回転軸83を中心に外側へ回動すると、側面カバー82a上の規制ピン95も、回転軸83を中心に回動すると同時に、規制板94の長孔94a中を一端から他端へ摺動していき、側面カバー82aが特定角度まで回動すると、規制ピン95は長孔94aの他端に掛止されて、側面カバー82aがそれ以上回動しないようにしている。
【0050】そして、このように回動する側面カバー82a内部には、前述のようにオイルクーラー86が固定支持され、該オイルクーラー86に連通するホース98・99も、側面カバー82aの下背面板87に固定支持されており、しかも、該ホース98・99は、前記回転軸83近傍で折り曲げ可能な弾性体であるため、オイルクーラー86は、側面カバー82aと一緒に特定角度まで回動することができる。
【0051】すなわち、オイルクーラー86は、エンジンカバー82内部に支持されており、エンジンカバー82と一体的に回動できるため、エンジンカバー82を回動させるだけで直ちにラジエター74の状況が確認でき、ラジエター74のメンテナンス性を大きく向上させることができるのである。
【0052】また、前記オイルクーラー86やエアフィルター81のメンテナンス性について説明する。図11、図16に示すように、前記側面カバー82a外側面の上下途中部には前面カバー88が枢支され、該前面カバー88が、その上辺を中心に側方に開放可能な構成としている。すなわち、エンジンカバー82の外側は、前面カバー88により容易に開閉可能に覆われるので、オイルクーラー86に付着した塵等も、前面カバー88を開放してオイルクーラー86を露出した後にエアブローを行うことにより、容易に除去することができ、オイルクーラー86の交換なども含めたオイルクーラー86の保守管理作業を、容易かつ迅速に行うことができる。
【0053】また、図12、図14に示すように、前記フィルターフレーム80の各外周縁には断面視U字状のスライドガイド80が形成されており、そのうちの左右両縁及び下縁のスライドガイド80aは、フィルターフレーム80外側面に固定され、上縁のスライドガイド80bは着脱自在に設けられている。このような構成において、エアフィルター81の取り外しは、図15に示すように、まず側面カバー82aを前記回動軸83を中心に外方に回動してエアフィルター81を露出させ、その後、前記スライドガイド80bを外してから、エアフィルター81をスライドガイド80aに沿って上方に抜き出すことにより行い、一方、エアフィルター81の取り付けは、逆の手順により行うことができる。すなわち、オイルクーラー86とラジエター74との間には、エアフィルター81を介設し、該エアフィルター81を容易に着脱可能に設けるので、エアフィルター81の保守管理作業も、容易かつ迅速に行うことができるのである。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、次のような効果を奏するものである。即ち、請求項1のように、エンジンの外側方の位置にラジエターを配置して、該ラジエターの外側をエンジンカバーで覆い、該エンジンカバー内部にオイルクーラーを配置した構成において、該オイルクーラーをエンジンカバー内の冷却風流路内で、前記ラジエターより離間した位置に配置したので、オイルクーラーに邪魔されることなく良好に冷却風が流れることができ、ラジエターへの塵の付着を確実に防止することができる。
【0055】請求項2のように、請求項1記載のオイルクーラーを、エンジンカバー内の冷却風流路内に、風速低下を軽減可能に傾斜して配置するので、冷却風の風速を高速に保つことができ、冷却効率を向上させると共に、ラジエターへの塵の付着も一層軽減することができる。
【0056】請求項3のように、請求項1又は請求項2記載のオイルクーラーは、エンジンカバー内部に支持されており、エンジンカバーと一体的に回動できるので、エンジンカバーを回動させるだけで直ちにラジエターの状況が確認でき、ラジエターのメンテナンス性を大きく向上させることができるのである。
【0057】請求項4のように、請求項1又は請求項2又は請求項3記載のエンジンカバーの外側は、前面カバーにより容易に開閉可能に覆われるので、オイルクーラーに付着した塵等も、前面カバーを開放してエアブローを行うことで容易に除去することができ、オイルクーラーの交換なども含めたオイルクーラーの保守管理作業を、容易かつ迅速に行うことができる。
【0058】請求項5のように、請求項1又は請求項2又は請求項3記載のオイルクーラーとラジエターとの間には、エアフィルターを介設し、該エアフィルターを容易に着脱可能に設けるので、エアフィルターの保守管理作業も、容易かつ迅速に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年6月1日(2000.6.1)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−340011(P2001−340011A)
【公開日】 平成13年12月11日(2001.12.11)
【出願番号】 特願2000−164211(P2000−164211)