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【発明の名称】 自走型草刈機の刈刃駆動機構
【発明者】 【氏名】井手 宣弘

【氏名】山下 強志

【要約】 【課題】刈刃が石や木の切株等の障害物に接当した場合に刈刃等の損傷を防止する。

【解決手段】駆動軸8基部には巻付防止筒9と受座10を該駆動軸8と一体回転可能に設け、その下部にカラー11と刈刃12を駆動軸8に遊嵌し、更に下端の刃押えを駆動軸8にボルト14止めして刈刃12を固定するに、受座10とカラー11上面に形成の凹部15との間に刈刃12への過負荷時に両者の回動を許容する弾性体16を介在させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】機体前部に刈取部(1)を後部に走行輪(2)と原動機(3)を備え操作ハンドル(4)の操作によって走行可能な自走型草刈機において、刈取部(1)は前方に取込口(5)を開口し取込まれる雑草を案内する所定高さのカバー(6)で覆うとともに、上部の伝動ケース(7)から駆動軸(8)を垂下し、該駆動軸(8)基部には巻付防止筒(9)と受座(10)を該駆動軸(8)と一体回転可能に設け、その下部にカラー(11)と刈刃(12)を駆動軸(8)に遊嵌し、更に下端の刃押え(13)を駆動軸(8)にボルト(14)締めして刈刃(12)を固定するに、受座(10)とカラー(11)上面に設ける凹部(15)との間に刈刃(12)への過負荷時に両者の回動を許容する弾性体(16)を介在させてなる自走型草刈機の駆動機構。
【請求項2】駆動軸(8)基部に巻付防止筒(9)と受座(10)を該駆動軸(8)と一体回転可能に設け、その下部にカラー(11)を中間に介在させて上刈刃(121)と下刈刃(122)を駆動軸(8)に遊嵌し、更に下端の刃押え(13)を駆動軸(8)にボルト(14)止めして刈刃(121),(122)を固定するに、上刈刃(121)とカラー(11)上面に設ける凹部(15)との間に刈刃(121),(122)への過負荷時に両者の回動を許容する弾性体(16)を介在させてなる自走型草刈機の刈刃駆動機構。
【請求項3】弾性体(16)としてバネ座金を使用し該バネ座金16を撓み代を残した圧縮状態で介在させてなる請求項1又は請求項2記載の自走型草刈機の刈刃駆動機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、雑草等を刈取る草刈機の刈刃駆動機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種草刈機において、刈刃と駆動軸との間にバネ材を介在させ、刈刃が石や木の切株等の障害物に接当した時、刈刃をスリップ回動させることにより、刈刃や駆動機構の破損を防止し、又、衝撃を吸収する技術が特開平7−236331号公報等に記載されている。しかしながらこの技術は、長尺のパイプ先端にモータ駆動の刈刃のみを設ける所謂刈払機に関するものであって、最下端の刈刃に密着してバネ部材を設けたものであるから塵埃や雑草が駆動部に侵入しやすく、又、その組付への配慮もされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、走行輪を有する自走型の草刈機において、雑草等の取込みを円滑に行うとともに、刈刃駆動部への塵埃の侵入や雑草の巻付を防止し、なお且つ過負荷時の機体の破損をも防止しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】機体前部に刈取部1を後部に走行輪2と原動機3を備え操作ハンドル4の操作によって走行可能な自走型草刈機において、刈取部1は前方に取込口5を開口し取込まれる雑草を案内する所定高さのカバー6で覆うとともに、上部の伝動ケース7から駆動軸8を垂下し、該駆動軸8基部には巻付防止筒9と受座10を該駆動軸8と一体回転可能に設け、その下部にカラー11と刈刃12を駆動軸8に遊嵌し、更に下端の刃押え13を駆動軸8にボルト14締めして刈刃12を固定するに、受座10とカラー11上面に設ける凹部15との間に刈刃12への過負荷時に両者の回動を許容する弾性体16を介在させてなる自走型草刈機の駆動機構の構成とする。又、駆動軸8基部に巻付防止筒9と受座10を該駆動軸8と一体回転可能に設け、その下部にカラー11を中間に介在させて上刈刃121と下刈刃122を駆動軸8に遊嵌し、更に下端の刃押え13を駆動軸8にボルト14止めして刈刃121,122を固定するに、上刈刃121とカラー11上面に設ける凹部15との間に刈刃121,122への過負荷時に両者の回動を許容する弾性体16を介在させてなる自走型草刈機の刈刃駆動機構の構成とする。又、弾性体16としてバネ座金を使用し該バネ座金16を撓み代を残した圧縮状態で介在させる構成とする。
【0005】
【発明の作用及び効果】この発明は、前述の如く構成したものであるから、操作ハンドル4を操作し走行輪2によって走行を開始すると、機体前部に配置される刈取部1によって雑草の刈取りが行われる。即ち刈取部1のカバー6前端の取込口5から取込まれる雑草は所定高さを有するカバー6上面に案内されながら刈刃12によって刈取られる。この刈取に際し、上部の伝動ケース7から垂下される駆動軸8基部には巻付防止筒9と受座10を該駆動軸8と一体回転可能に設け、その下部にカラー11と刈刃12を駆動軸8に遊嵌し、更に下端の刃押え13を駆動軸8にボルト14締めして刈刃12を固定するに、受座10とカラー11上面に設ける凹部15との間に刈刃12への過負荷時に両者の回動を許容する弾性体16を介在させたものであるから、石や木の切株等に刈刃12が接当し、刈刃12に弾性体16で設定される弾発力以上の過負荷が加わった場合には、刈刃12が他の回転部材に対しスリップ回動し、衝撃を緩和して刈刃12や駆動機構等の破損を防止する。
【0006】又、取込口5を開口し取込まれる雑草を案内する所定高さのカバー6に対応して、上部の駆動ケース7から駆動軸8が長く垂下され、この駆動軸8の長さに対応して下部の刈刃12と上部の受座10との間にスペーサー機能としてカラー11を設け、該カラー11と受座10との間に弾性体16を介在させたものであるから、この弾性体16を高い位置に設けることができ、塵埃や雑草の侵入、巻付等の発生を低下させることができる。更に、該弾性体16をカラー11上面に設ける凹部15に嵌入させて設けるものであるから、刈刃2の摩耗による交換時等、分解組立に際し該弾性体16が安定保持された状態で容易に作業を行うことができる。請求項2記載の発明にあっては、刈取性能向上の為上下2段に刈刃121,122を設けるものにあって、この上刈刃121と両刈刃121,122間に位置するカラー11上面に設ける凹部15との間に弾性体16を介在させたものであるから、上刈刃121又は下刈刃122に過負荷が加わった場合にともに、刈刃121,122がスリップ回動して衝撃を吸収し、破損を防止できる。請求項3に記載の発明にあっては、弾性体16としてバネ座金を使用し該バネ座金16を撓み代を残した圧縮状態で介在させたものであり、圧縮力の調整が容易であるとともに、安価に構成できる。
【0007】
【発明の実施の形態】図例において草刈機は、機体前部に刈取部1を後部に走行輪2と原動機3とを備え、操作ハンドル4の操作によって走行しながら刈取作業を行うものである。機体中央にはギヤボックス41を設け、該ギヤボックス41から両側に伝動軸筒17と支持杆18を延設し、その端部から伝動ケース19とアーム20を垂下し、その下端で横長円柱状の走行輪2を駆動可能に軸支してある。21は走行輪2の上部を覆うカバーである。ギヤボックス41下部から前方に向け取付枠22を延設すると共に、該取付枠22下面に刈取部1のカバー6を取着し、更にその先端に伝動ケース7中央を連結してある。伝動ケース7はカバー6下面に沿って左右方向に細長く形成され、その中央取付部23をカバー6の開口から上方へ突出させ上述の如く取付枠22に取着してある。
【0008】伝動ケース7左右両側には、上下に位置するベアリング24,24によって駆動軸8,8を回転自在に保持するとともに、該駆動軸8,8上部をカバー6の開口から上方へ延出してプーリ25,25を取着してある。又、ギヤボックス41下方の出力軸に取着のプーリ26と、これらのプーリ25,25にベルト27を巻回し、駆動軸8,8を夫々内向き回転可能に構成してある。28はカバーであり、これらの伝動部を覆ってある。
【0009】ギヤボックス41の上部には、取付部29を介してハンドル杆30を後方上方へ延設して操作ハンドル4を設けてある。該操作ハンドル4には原動機3に連結するアクセルレバー31、ハンドル杆30の上下調節レバー32及び走行輪2への動力の断続を行うクラッチレバー33等を設けてある。34は側面視アーチ状に形成する取付杆であり、基部を機体中央に取着されるとともに、前部先端に案内輪35を設けてある。又、36は集草ガイドである。駆動軸8,8は、前述の通り伝動ケース7の左右両側にベアリング24,24に保持されて垂下してあり、その基部に受座10を溶着し、該受座10には伝動ケース7の保持部37を覆う巻付防止筒9を溶着し、これらが駆動軸8と一体回転可能に構成してある。40はスペーサーであり上下のベアリング24,24間に設けてある。
【0010】受座10の下方には厚肉円筒状のカラー11と紡錘形の刈刃12を駆動軸8に遊嵌してある。なお、左右の刈刃12,12は、その上下位置を若干異ならせてある。13は刃押えであり、駆動軸8下端に一部嵌入させると共にボルト14にて駆動軸8に固着してある。厚肉のカラー11上面には凹部15を形成し、シム38とバネ座金からなる弾性体16を嵌入させてある。バネ座金16は1吋の呼径のもので図4の(イ)に示す如く12.8mmの高さのものを(ロ)に示す如く10.6mmまで圧縮し約4mmの撓み代を残して嵌入し、約100kgの負荷でスリップするよう設定してある。39は受座10とカラー11上面との隙間である。又、ボルト14は刈刃12に負荷が加わると締め込む方向に力が作用するよう締付けてあり、相対向して回転する駆動軸8,8の一方側を左ネジとしてある。又、図6に示すものは刈刃12を上下二枚刃で構成したものであり、受座10とカラー11との間に上刈刃121を遊嵌し、該上刈刃121とカラー11上面に設ける凹部15との間に弾性体16を介在させてある。又、上刈刃121と下刈刃122は90度位相を異ならせ、又、左右の駆動軸8,8への取付高さを異ならせて取着し、左右の重合する刈刃121,121の干渉を防止してある。
【0011】原動機3により走行輪2と左右の刈刃12,12を駆動し操作ハンドル4を操作して刈取作業を行う。雑草は集草ガイド36に案内されながら前方の取入口5から所定高さのカバー6内に案内され、相対向して内向きに回転する左右の刈刃12,12によって切断される。雑草は密生して量の嵩張るもの又、草丈1mを越えるもの等もあり、これらの取込み及び切断には、所定の高さの空間が必要であり、この為、刈刃12上方にカラー11を介在させて十分な高さを確保してあり、巻付や、詰りを発生させることなく刈取りを行う。又、この高さを確保するカバー6によって雑草や異物の飛散を防止し安全に作業を行うことができる。この刈取作業中に、石や木の切株等に刈刃12が接当し、刈刃12にバネ座金16で設定される弾発力以上の過負荷が加わった場合には、刈刃12が他の回転部材に対しスリップ回動し、衝撃を緩和して刈刃12や駆動機構等の破損を防止する。
【0012】又、取込口5を開口し取込まれる雑草を案内する所定高さのカバー6に対応して、上部の駆動ケース7から駆動軸8が長く垂下され、この駆動軸8の長さに対応して下部の刈刃12と上部の受座10との間にスペーサー機能としてカラー11を設け、該カラー11と受座10との間にバネ座金16を介在させたものであるから、このバネ座金16を高い位置に設けることができ、塵埃や雑草の侵入、巻付等の発生を低下させることができる。更に、該バネ座金16をカラー11上面に設ける凹部15に嵌入させて設けてあり、刈刃2の摩耗による交換時等、分解組立に際し該バネ座金16を凹部15に嵌入して安定保持させた状態で容易に作業を行うことができる。
【0013】又、刈取性能向上の為上下2段に刈刃121,122を設ける場合には、雑草が細断され巻付等が格段に減少するとともに、この上刈刃121と、両刈刃12,122間に位置するカラー11の上面に設ける凹部15との間にバネ座金16を介在させたものであるから、上刈刃121又は下刈刃122に過負荷が加わった場合に、ともに、該刈刃121又は122がスリップ回動して衝撃を吸収し、破損を防止できる。なお、弾性体16は、コイルバネや皿バネ等他の弾性体を使用してもよい。
【0014】
【出願人】 【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
【出願日】 平成12年5月25日(2000.5.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−333617(P2001−333617A)
【公開日】 平成13年12月4日(2001.12.4)
【出願番号】 特願2000−153894(P2000−153894)