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【発明の名称】 芝刈機
【発明者】 【氏名】箕浦 章

【氏名】小森田 武史

【氏名】鮫島 和夫

【要約】 【課題】芝刈装置の昇降を行う機構に改善を加えて、操縦者の乗降に支障のない芝刈機を提供することを目的とする。

【解決手段】前後車輪1,2の間に芝刈装置20を配置するとともに、芝刈装置20の上方に運転席4を配置し、運転席4と芝刈装置20との間に、芝刈装置20を昇降駆動する昇降用の油圧シリンダ49を配置してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 前後車輪の間に芝刈装置を配置するとともに、前記芝刈装置の上方に運転席を配置し、前記運転席と芝刈装置との間に、前記芝刈装置を昇降駆動する昇降用のアクチュエータを配置してある芝刈機。
【請求項2】 前後車輪の間に芝刈装置を配置するとともに、前記芝刈装置の上方に運転席を配置し、前記運転席と芝刈装置との間に、前記芝刈装置を昇降駆動する昇降用の油圧シリンダを配置し、前記油圧シリンダの後方に原動部を配置してある芝刈機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芝刈装置を昇降して芝の苅高さを調節することのできる芝刈機に関する。
【0002】
【従来の技術】芝刈装置を昇降させる機構として、昇降リンク機構を介して芝刈装置を走行車体に取付け、昇降リンク機構を操作レバーで昇降させる構成を採っていた(例えば、特願平11−241299号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したような構成を採る場合には、操作レバー等が運転席の横側方に設けられることになるので、運転操縦部への昇降時に邪魔になりやすく、又、操作レバーで芝刈装置を持ち上げることになるので、操作負担が大きく、その負担を軽減するためには、バランスを採るガススプリングやギヤ機構を採用する必要があり、かなり機構が複雑化する傾向にあった。
【0004】本発明の目的は、乗降時に障害になりにくく、かつ、操作負担が少なく、機体バランスの良好な芝刈機を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(構成) 請求項1に係る発明は、前後車輪の間に芝刈装置を配置するとともに、前記芝刈装置の上方に運転席を配置し、前記運転席と芝刈装置との間に、前記芝刈装置を昇降駆動する昇降用のアクチュエータを配置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】(作用効果) つまり、昇降用のアクチュエータを採用したので操作負担を軽減できるとともに、昇降用のアクチュエータを運転席と芝刈装置との間に配置してあるので、乗降時の障害とはならず、かつ、芝刈装置を前後車輪の間に配置するとともにその上方にアクチュエータを配置しているので、芝刈機としての車体バランスが良好である。また、芝刈装置を持ち上げるために反力のかかるアクチュエータを前後車輪間に配置してあるので、その反力を安定性よく受け止めることができる。
【0007】(構成) 請求項2に係る発明は、前後車輪の間に芝刈装置を配置するとともに、前記芝刈装置の上方に運転席を配置し、前記運転席と芝刈装置との間に、前記芝刈装置を昇降駆動する昇降用の油圧シリンダを配置し、前記油圧シリンダの後方に原動部を設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】(作用効果) 油圧シリンダに圧油を供給するポンプ等は原動部からの動力を受けて駆動されるので、原動部を油圧シリンダの後方に配置することによって、油圧シリンダ等への配管経路を短くできるよさがある。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、左右一対の前車輪1,1を前端部に遊転自在に備え、左右一対の後車輪2,2を後端側に駆動自在に備える走行車体10の後部に、後車輪2の車軸心よりもやや後側に位置するエンジン3を有する原動部を設け、走行車体10の原動部よりも前端側に支持されるステップ9及び運転席4を有する運転部5を設け、走行車体10の前後輪間に、モーアデッキ21等を備える芝刈装置20をリンク式連結機構30を介して昇降操作するように連結するとともに、左右後輪2,2の間に位置する伝動装置6から回転軸7を介して芝刈装置20に回転動力を伝達するように構成して、乗用型芝刈機を構成してある。
【0010】図3に示すように、芝刈装置20には、モーアデッキ21の他に、モーアデッキ21の内部に車体横方向に並んで位置する複数枚の回転刈り刃22、モーアデッキ21の前後に取付けたゲージ輪23を備えてある。即ち、リンク式連結機構30の下降操作によって芝刈装置20を走行車体10に対して下降作業状態にして車体を走行させる。すると、複数枚の回転刈り刃22夫々がエンジン3からの駆動力によって車体上下向きの軸心回りで回動し、ゲージ輪23のモーアデッキ21に対する取付高さ、あるいは、芝刈装置20の走行車体10による吊り上げ高さによって決まる刈り高さで芝刈りをおこなっている。
【0011】図2に示すように、走行車体10は、前部車体フレーム11と、左右一対の車体前後向きの後部メインフレーム部12a,12a、及び、左右の後部メインフレーム部12a、12aの前端部どうしに亘って架設した座席支持フレーム部12bなどを備える後部車体フレーム12とによって構成してある。左前輪1を遊転自在に支持する前輪支持体13が一端側に、右前輪1を遊転自在に支持する前輪支持体13が他端側に夫々連結していることによって、左前輪1を一端側に、右前輪1を他端側に夫々遊転自在に支持する前輪支持フレーム14の中間部を、前部車体フレーム11の前連結フレーム部11bに連結してある。
【0012】左前輪1の方の前輪支持体13も、右前輪1の方の前輪支持体13も、前輪支持フレーム14のボス部14aに前車輪1の車軸心1aに対して水平方向に位置ずれしたキャスタ軸心13aの回りで自由に回動するように連結してある。これにより、左右前輪1,1は、前輪支持体13及び前輪支持フレーム14を介して走行車体10の前端部に支持されているとともに、前輪支持フレーム14に対する取付向きがキャスタ軸心13aの回りで自由に変化するキャスタ車輪になっている。
【0013】図3及び図4に示すように、伝動装置6は、エンジンの回転出力を後段側に分岐する分岐伝動ケース6Aと、分岐伝動ケース6Aよりの出力を後段側に伝達する一対の無段変速装置6B、6Bと、左後輪2と右後輪2とに各別に伝達する一対の車輪伝動ケース6C,6Cを備えて、構成してある。左右車輪伝動ケース6C,6Cの側面に走行用ブレーキ35,35を設け、運転操縦部5に設けてあるブレーキペダル36でブレーキ操作可能に構成してある。運転席5の左側にある操作レバー69は、ブレーキペダル36を踏込むことによって、それに連動して引き上げ操作を行うと走行用ブレーキ35,35がブレーキ状態に維持される駐車用ブレーキ操作レバーである。
【0014】左後輪2に動力伝達する無段変速装置6Bも、右後輪2に動力伝達する無段変速装置6Bも、エンジン3によって駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプからの圧油によって駆動されて後輪2に回転動力を出力する油圧モータとでなる静油圧式無段変速装置に構成してあり、油圧ポンプの斜板角を変更操作することにより、後輪2を前進側や後進側に駆動したり、動力伝達を断って後輪駆動を停止したりするとともに、前進側と後進側のいずれに駆動する場合も、伝達回動力を無段階に変速できる。
【0015】図1及び図4に示すように、左後輪2の無段変速装置6Bの操作部に連係させた左走行操向操作レバー50Aと、右後輪2の無段変速装置6Bの操作部に連係させた右走行操向操作レバー50Bとを、運転座席4の前端側の左横側と右横側とに振り分けて設けてある。図5及び6に示すように、各走行操向操作レバー50A、50Bは、無段変速装置6A,6Bに連係される基端側の連係部51A、51Bと、左右揺動可能に連係部51A、51Bから上方に向けて延設された操作部52A、52Bが案内板53A、53Bには操作部52A、52Bの前後揺動を許容する変速操作領域h1と、無段変速装置6A、6Bの中立位置において操作部材52A、52Bの変速操作領域h1から左右外方側への退避揺動を許容する退避領域h2とを備えるT字状の案内溝53a、53bが形成されている。左右操作部52A、52Bの上端における握り部54A、54Bは、変速操作領域h1に同じ操作量で位置する場合には、図4に示すように、その延出端同士が近接する状態となるように屈曲形成されている。
【0016】すなわち、左走行操向操作レバー50Aを車体前後方向に揺動操作して無段変速装置6Aを変速操作することによって左後輪2を前進側や後進側に駆動及び変速操作したり、停止操作し、右走行操向操作レバー50Bを車体前後方向に揺動操作して無段変速装置6Bを変速操作することによって右後輪2を前進側や後進側に等速度で駆動するとともに変速すると、左右前輪1,1が接地と後輪2による推進とのために直進前進又は直進後進の取付向きになり、車体が前進側又は後進側に直進するとともに変速走行する。
【0017】左右後輪2,2を前進側又は後進側に異なる速度で駆動したり、左右後輪2,2の一方を前進側で他方を後進側に駆動すると、左右前輪1,1が接地と後輪2による推進とのためにキャスタ軸心13aの回りで回動して横向き走行の取付向きになり、車体が左右後輪2,2の速度差や駆動方向によって決まる方向に、その速度差や駆動方向によって決まる旋回半径で向き変更する。
【0018】左右走行操向操作レバー50A、50Bを車体前後方向に移動させて変速位置を設定する変速操作領域h1で中立位置において、左右外方側へ退避揺動させて両走行操向操作レバー50A、50Bを両開き状態にして、変速操作を阻止することができる。このように、走行操向操作レバー50A、50Bが左右に大きく開く状態となるので、運転者の昇降時に不測にレバー50A、50Bに触れることが少なく、誤動作が起こりにくい。
【0019】エンジン3を始動する際の牽制機構について説明する。図6に示すように、左右の走行操向操作レバー50A,50Bが両開き状態に切り換わったことを検出するレバー検出手段55と、図8に示すように、ブレーキペダル36がブレーキ入り位置に操作されたことを検出するペダル検出手段56を設け、両検出手段55,56のうちの少なくとも一方の検出結果に基づいて、エンジン3に対する再始動操作を可能すべく構成してある。両検出手段55,56からの信号があると制御装置47で処理し、キースイッチ58での始動操作を可能にし、スタータモータ等のエンジン始動装置59に対してリレー等の接続手段60を介して連動するように構成してある。
【0020】図1及び図7に示すように、リンク式連結機構30は、前部車体フレーム11の前端部の両横外側に別れて位置する左右一対の前揺動リンク31,31と、前部車体フレーム11の後端部の両横外側に別れて位置する左右一対の後揺動リンク32,32とによって構成してある。リンク式連結機構30の左右一対の前揺動リンク31,31は、走行車体10の前部車体フレーム11の前端部と連結軸15を支軸として上下揺動自在に支持されていて、芝刈装置20のモーアデッキ21の前端ブラケット24を前部車体フレーム11に昇降自在に連結しており、左右一対の後揺動リンク32,32は、前部車体フレーム11の後端によって一本の回転軸16を介して上下揺動自在に支持されていて、芝刈装置20のモーアデッキ21の後端ブラケット25を前部車体フレーム11に昇降自在に連結している。
【0021】図3及び7に示すように、後揺動リンク32,32と一体で回動する回動軸16の中間部に左右一対のブラケット41,41を取付けるとともに、左右一対のブラケット41,41間に昇降シリンダ(昇降用のアクチュエータ)49のピストンヘッド49Aを連結している。昇降シリンダ49は、ブラケット48にシリンダケース49Bの端部を取付けられており、このブラケット48を後部メインフレーム部12a,12aに亘って掛け渡されたチャンネルフレーム12cによって支持されている。このような構成によって、昇降シリンダ49によって、後揺動リンク32,32を駆動して芝刈装置20を昇降駆動する昇降駆動機構40を構成してある。図中42は、昇降シリンダ49に作動油を供給するポンプである。
【0022】ポンプ42からの圧油は電磁弁44を介して昇降シリンダ49に投入され、芝刈装置20の昇降を行うとともに、電磁弁44の切換えを行うべく、左右走行操向操作レバー50A,50Bの一方の握り部54A,54Bに押しボタンスイッチ45を設けてある。これによって、操縦者は左右両方の手を走行操向操作レバー50A,50Bから手を離さずにスイッチ操作が可能である。押しボタンスイッチ45としては、図9に示すように、一個のスイッチで行うようにしてもよく、一段操作で上昇作動し、二段操作で下降作動させるように制御装置47で制御するように構成する。尚、図10に示すように、スイッチとしては、上昇スイッチ46Aと下降スイッチ46Bとの両方をひとつの握り部に設けてもよい。又、スイッチとしては昇降シリンダ49に対するもののみを設けた例を示したが、図2に示すように、他のアクチュエータ等に対するスイッチと、押しボタンスイッチ45とを、夫々、左右の握り部54A,54Bに設けてもよい。
【0023】図1及び3に示すように、昇降シリンダ49の装着位置は、運転席4の直下方であり、走行車体10の左右中心に設定してあるので、足元のスペースを広く採れ、車体の左右中心近くで芝刈装置20を昇降させる反力を受けるので、車体の安定性がよい。その部分が最も車体フレームの強度の高い部分であるので、車体配置構成に適合したものになっている。また、昇降シリンダ49の後方に電磁弁44等の油圧源を配置してあるので、それらを繋ぐ油圧配管を短くでき、圧損等及び配管スペースを確保する上で有利である。
【0024】〔別実施形態〕本発明は以下のような形態で実施することもできる。昇降用のアクチュエータとしては、油圧式のものでなくてもよく、電動シリンダであってもよい。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成12年3月30日(2000.3.30)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−275440(P2001−275440A)
【公開日】 平成13年10月9日(2001.10.9)
【出願番号】 特願2000−94604(P2000−94604)