| 【発明の名称】 |
把手装置およびこれを用いる刈払機 |
| 【発明者】 |
【氏名】松村 鋼司
【氏名】兵庫 宝浩
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| 【要約】 |
【課題】刃部に対して操作部が独立して回転できる構成を備えた場合に、回転操作時に不用意に刃部が駆動されてしまうという危険をなくすことができる構成を備えた把手装置を提供する。
【解決手段】エンジン3の出力を制御するスロットル部7を備えて手で把持可能な把手装置4であって、上記エンジン3の出力が伝達される部材3Aが連結された部分4Aと手により把持される部分4Bとが分割され、その分割面Dが相対的に回転可能な本体と、上記手により把持される部分4Bに配置され、上記エンジン3の出力を制御するスロットル部材7と、上記分割面Dを横断する方向に摺動可能に設けられ、常時、上記分割面Dを横断するように付勢力が与えられている摺動部材10と、上記摺動部材10の摺動位置の一方に配置されたエンジンのイグニッションスイッチ14とを備え、上記摺動部材10は、上記付勢力に抗して上記分割面Dから離れる方向に摺動したときに上記スロットル部材7の調整状態に関係なく上記イグニッションスイッチ14をオフしてエンジン3を強制的に停止させることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 エンジンの出力を制御するスロットル部を備えて手で把持可能な把手装置であって、上記エンジンの出力が伝達される部材が連結された部分と手により把持される部分とが分割され、その分割面が相対的に回転可能な本体と、上記手により把持される部分に配置され、上記エンジンの出力を制御するスロットル部材と、上記分割面を横断する方向に摺動可能に設けられ、常時、上記分割面を横断するように付勢力が与えられている摺動部材と、上記摺動部材の摺動位置の一方に配置されたエンジンのイグニッションスイッチとを備え、上記摺動部材は、上記付勢力に抗して上記分割面から離れる方向に摺動したときに上記スロットル部材の調整状態に関係なく上記イグニッションスイッチをオフにして上記エンジンを強制的に停止させることを特徴とする把手装置。 【請求項2】 請求項1記載の把手装置を用いる刈払機であって、上記把手装置は上記刈刃側に連結されている部分と手により握られる部分に相当する残りの部分とが相対的に回転可能に設けられ、上記のこりの部分に配置されて上記両部分の対向面を横断するように付勢されている摺動可能なイグニッションスイッチをその対向面から遠ざけるように摺動させることで両部分の相対回転が可能な構成を備えていることを特徴とする刈払機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、把手装置およびこれを用いた刈払機に関し、さらに詳しくは、エンジンのスロットル部が備えられているグリップ部材を回転操作する際の誤動作防止用の安全機構に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より枝葉を刈り取るための作業機として、操作桿の先端部に刈刃を備えた構成の刈払機がある。このような刈払機として、例えば、相対的に摺動して往復駆動される上刃と下刃との接合面にこれら各刃の往復動方向を横切るように隙間を形成した往復刃形刈払機がある。ところで、刈払機の使用環境においては枝葉の向きに対して刃の向きをあわせると手元にあるグリップ操作部を把持する角度が手に負担を強いる角度となる場合がある。このため、従来では、刃の駆動源であるエンジンのスロットル部を備えたハンドル部を上刃と下刃の往復動方向の中心線上で独立して傾けることができる構成が提案されている(例えば、特開平3−117573号公報)。上記公報には、把持部内にスロットルレバーが進出し、そのスロットルレバーを握る量を加減することで駆動源の出力を変える構成を前提として、把持部を回転する際にはスロットルレバーを駆動源のアイドル回転が得られる初期位置において保持できる構成が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この構成では、完全に駆動源が停止されないことによる危険性があった。つまり、アイドル回転状態で把持部を回転させる場合にはその状態を維持するための部材がスロットルレバーの移動路、この公報では、スロットルレバーが手の握りにより揺動するレバーであるので、その揺動路中に進出してスロットルレバーの揺動を規制する構成となっている。このため、何らかの原因によっ揺動路から外れると、把持部の回転操作時に誤ってスロットルレバーに力が作用して不意に刈刃が動作し出す危険がある。 【0004】本発明の目的は、上記従来の刈払機における問題、特に刃部に対して操作部が独立して回転できる構成を備えた場合に、回転操作時に不用意に刃部が駆動されてしまうという危険をなくすことができる構成を備えたグリップ部材およびこれを用いた刈払機を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、エンジンの出力を制御するスロットル部を備えて手で把持可能な把手装置であって、上記エンジンの出力が伝達される部材が連結された部分と手により把持される部分とが分割され、その分割面が相対的に回転可能な本体と、上記手により把持される部分に配置され、上記エンジンの出力を制御するスロットル部材と、上記分割面を横断する方向に摺動可能に設けられ、常時、上記分割面を横断するように付勢力が与えられている摺動部材と、上記摺動部材の摺動位置の一方に配置されたエンジンのイグニッションスイッチとを備え、上記摺動部材は、上記付勢力に抗して上記分割面から離れる方向に摺動したときに上記スロットル部材の調整状態に関係なく上記イグニッションスイッチをオフにして上記エンジンを強制的に停止させることを特徴としている。 【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の把手装置を用いる刈払機であって、上記把手装置は上記刈刃側に連結されている部分と手により握られる部分に相当する残りの部分とが相対的に回転可能に設けられ、上記のこりの部分に配置されて上記両部分の対向面を横断するように付勢されているイグニッションスイッチをオンオフさせる摺動可能な摺動部材をその対向面から遠ざけるように摺動させて上記イグニッションスイッチをオフすることで両部分の相対回転が可能な構成を備えていることを特徴としている。 【0007】 【作用】請求項1記載の発明では、摺動部材が本体の分割面を常時横断するようになっているので、この状態での不用意な回転操作を行うことができない。従って、本体を回転させる場合には摺動部材を分割面からはなすことが必要であり、このときには摺動部材がエンジンのイグニッションスイッチがオフされてエンジンを強制的に停止させることができるので、エンジンの不用意な回転が起こらない。この結果、本体における対向部分を回転させる場合には必ずエンジンが停止されるので、エンジンの不意の増速回転も発生することがなくきわめて安全に本体を回転させることができる。 【0008】請求項3記載の発明では、刈刃側に連結される部分と手により握られる部分とが相対的に回転可能な構成において、摺動部材を分割面から離す方向に摺動させてイグニッションスイッチをオフさせることで初めて相対的な回転操作が行えるので、回転操作が行える状態に確認とその確認に併せた安全状態の設定、つまり、エンジンの停止が可能となり、回転操作の際の安全を確保ができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図示実施例により本発明の実施の形態を説明する。図1,図2は本発明実施例によるグリップ部装置を備えた刈払機の平面図および側面図である。刈払機1は、刈刃2とこれの駆動源であるエンジン3と刈払機1を手で持って支えるための把手装置4および復把持部5とを備えている。エンジン3は、出力軸に連動可能な動力伝達部3Aを備えており、エンジン3の回転出力が図示しない機構により往復方向の力に変換されて刈刃2に伝達するようになっている。刈刃2は、相対的に摺動して往復駆動される上刃と下刃との接合面にこれら各刃の往復動方向を横切るように隙間を形成した往復型のものが用いられている。 【0010】把手装置4は、後で詳しく説明するが、手により把持されるとともにエンジン3のスロットル調整部を備えており、把持しながらエンジン3の停止および運転再開およびスロットル開度の調整ができるようになっている。副把持部5は、図2に示すように、動力伝達部3Aに基部が固定されたアームであり、把手装置4とともに刈払機1を手でもって支える部分として用いられる。この副把持部5の刈刃2側には刈り取られた枝葉が手に当たるのを防ぐための防護板5Aが設けられている。 【0011】把手装置4は、その詳細が図3乃至図5に示されている。図3において把手装置4は、図3に示すように、エンジンの出力を刈刃2に伝達可能な部分である動力伝達部3A(図2参照)に連結される部分である伝達側取付部4Aと、手により把持される部分である把持部4Bとが分割され、図4に示す形状に半割されて本体が構成されている。伝達側取付部4Aと把持部4Bとは、把持部4B側に設けられている回転軸4Cとこれが回転自在に挿嵌される伝達側取付部4Aの軸受部4Dとで相対的に回転可能とされている。回転軸4Cの先端には軸部よりも大径の環状部4C1が形成され、軸受4Dに形成されている凹状環状部4D1に嵌合させてあり、軸方向での抜け止めが可能になっている。回転軸4Dは、図示しないが、周方向で180度の位相を以て形成された凸状係止部が設けられ、この凸状係止部が軸受4Cの内周面で同位相内で複数の回転角を設定できる位置に形成されている嵌合部に弾性的に係合することで、図3(B)に示すように180度の範囲内で複数段階に回転した位置で保持できるようになっている。このような180度の回転は、後述するスロットルケーブルCがねじれるのを防ぐために決められている。 【0012】伝達側取付部4Aには動力伝達部3Aの締結用穴4A1および半割状態の伝達側取付部4A同士を一体化する際の締結用穴4A2が形成され、把持部4Bには手を差し込んで把持するための空間部4B1および半割状態の把持部4B同士を一体化するための締結用穴4B2が形成されている。 【0013】把持部4Bの内部には、スロットルケーブルCを揺動端の一方に連結されて支軸6によって揺動可能に支持されているトリガーレバー7と、支軸8によってトリガーレバー7の揺動を規制するストッパレバー9と、伝達側取付部4Aと把持部4Bとの分割面(図4中、符号Dで示す位置)に位置する摺動部材10とが設けられている。トリガーレバー7は、スロットルケーブルCに対する牽引量を調整することでエンジンの回転制御を行う部分であり、支軸6を境にした揺動端の一方にスロットルケーブルCの一端が連結され、その近傍が手により把持されることで揺動量を調整できるようになっている。トリガーレバー7における揺動端の他方はエンジンの始動スイッチ11に対向しており、始動スイッチ11がオフ状態にあるときにはその始動スイッチ11に突き当たって揺動量が規制され、スロットルケーブルCを牽引できないようになっている。なお、始動スイッチ11は、上記トリガーレバー7に連動して操作状態を設定されることに限らないものであり、自身の摺動位置が設定されることでエンジンの始動・停止を行うようにすることも可能である。ストッパーレバー9は、弦巻バネ12によってトリガーレバー7をスロットルケーブルCを牽引できない位置に係止する付勢力が与えられており、把持部4Bが握られた際の手のひらによって上記付勢力を解除してトリガーレバー7の揺動を許容するようになっている。つまり、トリガーレバー7の揺動端に対向する端部9Aがトリガーレバー7の揺動端に突き当たるとトリガーレバー7の揺動が規制される。 【0014】摺動部材10は、伝達側取付部4Aと把持部4Bとの分割面Dに先端が進出し、後端に指を差し入れることができる空間部10Aが形成された部材であり、把持部4Bと伝達側取付部4A側とに設けられたガイド部に挿嵌されて摺動できるようになっている。摺動部材10の先端は鈎状をなし、その部分と把持部4B側の分割面D壁部との間には摺動部材10の先端が分割面Dを横断する方向に付勢可能なコイルバネなどの弾性体13が配置されている。摺動部材10は、弾性体13の付勢力により通常態位として伝達側取付部4Aと把持部4Bとの分割面Dを横断する状態とされ、弾性体13の付勢力に抗して把持部4B側に向けて摺動させることで先端が分割面Dから離れることができる。 【0015】摺動部材10の先端側には、摺動部材10の先端が分割面Dから離れた際に作動されるイグニッションスイッチ14が配置されている。イグニッションスイッチ14は、分割面Dから摺動部材10の先端が離れる方向に摺動した際にエンジンを停止するリミットスイッチで構成されている。 【0016】本実施例は以上のような構成であるから、刈刃2に対して把手装置4を回転させない場合には、図4に示す状態が維持される。すなわち、仮に、把手装置4の把持部4Bが把持されている場合では、ストッパレバー9によるトリガーレバーの揺動規制が解除され、スロットルケーブルCの牽引動作が可能であるが、伝達側取付部4Aと把持部4Bとの分割面D内に摺動部材10の先端が横断しているので、分割面を境にした各部4A、4Bの相対回転が阻止される。このときには、摺動部材10の先端によるイグニッションスイッチ14の作動が行われていないので、エンジン3はスロットルケーブルCが牽引されない限りアイドル回転とされる。 【0017】刈刃2に対して把手装置4を回転させる場合には、図5に示す状態とされる。すなわち、摺動部材10を、その先端が分割面Dから離れる方向に引くことで伝達側取付部4Aと把持部4Bとの分割面Dを境にして両部が相対的な回転を行える。このとき、摺動部材10によってイグニッションスイッチ14がオフされるので、エンジン3は停止する。この結果、把手装置4を回転させる際にはエンジンの不用意な増速などが起こらないので、刈刃2が不意に往復動するような事態が生じない状態で安全に角度を変更することができる。 【0018】本実施例によれば、エンジン3を停止した状態でなければ回転操作ができないようになっており、しかも、エンジン停止と回転操作とを個別に行うのでなく、把持部4Bという同じ箇所で操作ができるので、両方の操作を間違えなく行うことができる。なお、上記実施例では、摺動部材10の摺動に関して、分割面Dを横断および離れる方向とし、移動方向を特定していないが、水平方向に移動したりあるいは、指で操作されることを考慮して、図5中、二点鎖線Lで示すように、指の動きに順じた湾曲方向とすることなどが可能である。なお、図5では、水平方向に摺動して分割面Dから摺動部材10の先端が離れた状態が示されている。 【0019】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、摺動部材が本体の分割面を常時横断するようになっているので、この状態での不用意な回転操作を行うことができない。従って、本体を回転させる場合には摺動部材を分割面からはなすことが必要であり、このときには摺動部材がエンジンのイグニッションスイッチをオフするので、エンジンの不用意な回転が起こらない。この結果、本体における対向部分を回転させる場合には必ずエンジンが停止されるので、エンジンの不意の増速回転も発生することがなくきわめて安全に本体を回転させることが可能となる。 【0020】請求項2記載の発明によれば、刈刃側に連結される部分と手により握られる部分とが相対的に回転可能な構成において、摺動部材を分割面から離す方向に摺動させてイグニッションスイッチをオフさせることで初めて相対的な回転操作が行えるので、回転操作が行える状態に確認とその確認に併せた安全状態の設定、つまり、エンジンの停止が可能となり、回転操作の際の安全を確保ができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000250270 【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成12年3月30日(2000.3.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100063565 【弁理士】 【氏名又は名称】小橋 信淳
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| 【公開番号】 |
特開2001−275432(P2001−275432A) |
| 【公開日】 |
平成13年10月9日(2001.10.9) |
| 【出願番号】 |
特願2000−94863(P2000−94863) |
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