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【発明の名称】 コンバインにおける刈取前処理装置の昇降制御装置
【発明者】 【氏名】梶岡 律子

【要約】 【課題】二種類の刈高さ制御モードを選択可能な汎用コンバイン1における刈取前処理装置6の昇降制御装置において、刈高さ制御モードを選択する操作を簡単にする。

【解決手段】高さ設定器の設定値に応じて、刈取前処理装置6の対地高さを検知する対地高さセンサ25の検出信号に基づいて刈取前処理装置6を昇降制御するか、又は、走行機体3と刈取前処理装置6との相対高さを検知するポジションセンサ26の検出信号に基づいて刈取前処理装置6の昇降制御を行うかを切換えるように構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 脱穀部を備えた走行機体の前面に、刈取前処理装置を昇降用アクチュエータの駆動にて昇降調節可能に装着し、前記刈取前処理装置の刈高さが目標刈高さとなるように前記昇降用アクチュエータを制御する制御手段を備えて成るコンバインにおいて、前記目標刈高さを設定するための高さ設定器における設定値に応じて、前記刈取前処理装置の対地高さを検知する対地高さセンサの検出信号に基づいて前記刈取前処理装置の昇降制御を行うか、又は、前記走行機体と前記刈取前処理装置との相対高さを検知するポジションセンサの検出信号に基づいて前記刈取前処理装置の昇降制御を行うかを切換えるように構成したことを特徴とするコンバインにおける刈取前処理装置の昇降制御装置。
【請求項2】 前記刈取前処理装置の昇降制御を行う自動刈高さスイッチを備え、当該自動刈高さスイッチがOFF状態であっても、前記刈取前処理装置の刈高さが前記高さ設定器の設定値となるように、前記刈取前処理装置を駆動させるオートセットスイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載したコンバインにおける刈取前処理装置の昇降制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、稲、麦、大豆等を走行機体における前方の全幅にわたって刈取りした後脱穀できる汎用コンバインにおける刈取前処理装置の昇降制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、特開平7−274650号公報にて、稲、麦、大豆等を走行機体における前方の全幅にわたって刈取りした後脱穀できる汎用コンバインにおいて、対地高さセンサの検出値に基づいて刈取前処理装置を昇降制御する対地刈高さ制御モードと、走行機体の基準高さに対するポジションセンサの検出値に基づいて刈取前処理装置を昇降制御する対機体刈高さ制御モードとに選択的に切換える制御モード切換えスイッチを備える一方、当該制御モード切換えスイッチの切換え動作に拘らず、前記刈取前処理装置の刈高さ(圃場に植立した穀稈の穂先部を刈取るときの刈取前処理装置の高さ、以下同じ)を所定の刈高さ(以下、目標刈高さと称する)に設定するための高さ設定器を、前記両刈高さ制御モードに共用させることを提案した。
【0003】この構成によると、前記各刈高さ制御モードの目標刈高さはそれぞれ異なるにも拘らず、前記制御モード切換えスイッチにて刈高さ制御モードを切換えれば、前記高さ設定器の設定範囲が切換え後の刈高さ制御モードに対応した範囲に変更され、このときの高さ設定器の設定値も追随して、前記設定範囲に応じた値に変更されるのであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記構成では、切換え後の刈高さ制御モードの設定範囲に応じて変更された設定値が、そのときの目標刈高さからずれている場合には、前記制御モード切換えスイッチにて刈高さ制御モードを切換える操作を行った後、前記高さ設定器にてその設定値が前記目標刈高さとなるように再度設定し直す操作を行わなければならないから、操作性が悪いという問題があった。
【0005】また、前記先行技術の汎用コンバインにおいて、前記刈取前処理装置の目標刈高さを設定するために、作業者は以下に示す手順を踏んでいた。即ち、まず、エンジンを始動させ、前記高さ設定器の摘み(指針)を設定目盛の略中央に位置するようにセットする。次いで、前記刈取前処理装置に動力を伝達する刈取りクラッチを作動させ、刈取前処理装置を任意の高さまで下降させた後、前記刈取前処理装置を目標刈高さに位置するように昇降制御するための自動刈高さスイッチをON作動させる。そして、前記制御モード切換えスイッチにて一方の刈高さ制御モードに設定した後、前記高さ設定器の摘みを捻って、目視しながら前記刈取前処理装置を所定の目標刈高さにセットしていた。このため、前記刈取前処理装置の目標刈高さを設定するに際して、操作性が悪いという問題もあった。
【0006】本発明は、これらの問題を解消することを技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この技術的課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、脱穀部を備えた走行機体の前面に、刈取前処理装置を昇降用アクチュエータの駆動にて昇降調節可能に装着し、前記刈取前処理装置の刈高さが目標刈高さとなるように前記昇降用アクチュエータを制御する制御手段を備えて成るコンバインにおいて、前記目標刈高さを設定するための高さ設定器における設定値に応じて、前記刈取前処理装置の対地高さを検知する対地高さセンサの検出信号に基づいて前記刈取前処理装置の昇降制御を行うか、又は、前記走行機体と前記刈取前処理装置との相対高さを検知するポジションセンサの検出信号に基づいて前記刈取前処理装置の昇降制御を行うかを切換えるように構成したものである。
【0008】また、請求項2に記載した発明は、請求項1において、前記刈取前処理装置の昇降制御を行うための自動刈高さスイッチを備え、当該自動刈高さスイッチがOFF状態であっても、前記刈取前処理装置の刈高さが前記高さ設定器の設定値となるように、前記刈取前処理装置を駆動させるオートセットスイッチを設けるように構成したものである。
【0009】
【発明の効果】請求項1のように構成すると、作業者が前記高さ設定器にて目標刈高さを設定するだけで、その設定値に応じて、前記対地高さセンサの検出信号に基づいて前記刈取前処理装置を昇降制御するか、又は、前記ポジションセンサの検出信号に基づいて前記刈取前処理装置を昇降制御するかが自動的に選択されるから、刈取り作業の操作が至極簡単になるという効果を奏する。
【0010】また、請求項2のように構成すると、作業者は、前記刈取前処理装置の目標刈高さを設定するに際して、前記自動刈高さスイッチの操作及び前記先行技術における制御モード切換えスイッチの操作をする必要がなくなるから、これによっても、刈高さ設定の操作が至極簡単になるという効果を奏する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面(図1〜図12)に基づいて説明する。これらの図において、符号1は、汎用コンバインを示しており、当該汎用コンバイン1は、左右一対の走行クローラ2,2にて支持された走行機体3の上面に、座席53付きの操縦部4と脱穀部5とを搭載するとともに、前記走行機体3の前面に、圃場に植立した穀稈の穂先部を刈取りながら取込んだのち前記脱穀部5に送るようにした刈取前処理装置6を備えるように構成されている。
【0012】前記操縦部4の後方には、図示しないエンジンと穀粒蓄積用のタンク7とを備え、前記脱穀部5には、その扱ぎ室内の扱ぎ胴8を、当該扱ぎ胴8の軸線が前記走行機体3の前進方向に沿うように配設し、前記脱穀部5の下方には、受け網とシーブ等とによる搖動選別装置9と、唐箕ファン10の風による風選別装置とを備えている。符号11は、前記タンク8内の穀粒を外部に排出するための排出筒である(図1及び図2参照)。
【0013】前記刈取前処理装置6は、図1及び図2に示すように、昇降用アクチュエータとしての昇降用油圧シリンダ12を介して昇降調節可能に装着された角筒状のフィーダハウス13と、当該フィーダハウス13の前端に連設した左右長手でバケット状のプラットホーム14と、当該プラットホーム14内に配設した左右長手の掻き込みオーガ15と、当該掻き込みオーガ15の前寄り上部に設けて図1の矢印A方向に回転駆動させるようにしたタインバー付きリール16と、前記プラットホーム14の下面側に左右長手に配設したバリカン状の刈刃17とにより構成されている。
【0014】ここで、図1の矢印B方向に回転する掻き込みオーガ15の円周面には、互いに反対の旋回方向となるスクリュー状掻き板18,19を、当該掻き込みオーガ16の軸方向中途部を残して設ける一方、この軸方向中途部の円周面には、円周の略下面側で下向き突出して略上面側で没するように出没自在な掻き込み棒20を設けている。
【0015】この構成により、前記リール16及びタインバーにて後方に引き倒された穀稈は、刈刃17にて刈取られ、掻き込みオーガ15の回転によりプラットホーム14上を横方向(掻き込みオーガ16の長手略中央方向)に送られた後、前記プラットホーム14の後面における導入口からフィーダハウス13内のチェーンコンベア21に搭載されて前記脱穀部5に搬送される。
【0016】尚、符号22は、刈取前処理装置6の左右両端から前向きに突出する分草体である。また、走行機体3と刈取前処理装置6との間には、前記刈取前処理装置6にて穀稈の穂先部を刈取った後に残る根元部等を刈取るための補助刈刃装置23を備えている。
【0017】次に、刈取前処理装置6の刈高さ(圃場に植立した穀稈の穂先部を刈取るときの刈取前処理装置6の高さ、以下同じ)を制御する構成について説明する。図3に示すように、刈取前処理装置6の対地高さ(圃場面24に対する刈取前処理装置6の高さ)を検知する対地高さセンサ25は、プラットホーム14の側方に配置され、走行機体3の基準高さに対する刈取前処理装置6の相対高さを検知するポジションセンサ26は、走行機体3の前部とフィーダハウス13の側面後部寄り部位の間に配置されている。
【0018】対地高さセンサ25は、図4に示すように、圃場面24に接触可能な橇状の感知体27の基部を、枢軸28を介して、前記フィーダハウス13の外側面に装着し、感知体27の第一ブラケット29とその上方に位置する枢軸30を中心として回動可能な第二ブラケット31とをばね付き連結杆32にて連結している。
【0019】第二ブラケット31に設けた円弧状のばね板から成る連動杆33は、ポテンショメータ34の作動アーム35を押圧しており、感知体27の自由端側が図4にて実線状態から二点鎖線状態に回動すると(対地高さが小さくなると)、第一ブラケット29、ばね付き連結杆32、第二ブラケット31及び連動杆33を介して、作動アーム35を回動させる。対地高さセンサ25のポテンショメータ34による検出情報は、後述する電子式制御装置42に入力される(図6参照)。
【0020】尚、この作動アーム35は、常時連動杆33をばねにて押圧付勢している。また、連動杆33をばね板にて円弧状に形成することにより、感知体27が衝撃的に上方へ突き上げられても、連動杆33から作動アーム35へその衝撃力が伝達しないように配慮されている。
【0021】ポジションセンサ26は、図5(A),(B)に示すように、走行機体3の前端に取付けられた支持台36に、回動ブラケット37とポテンショメータ38とを設け、当該回動ブラケット37とフィーダハウス13の外側面とをばね状連結杆39にて連結している。
【0022】前記回動ブラケット37に取付けられた円弧状のばね板から成る連動杆40は、前記ポテンショメータ38の作動アーム41を押圧しており、フィーダハウス13が図5(A)の状態から上向き回動すると、図5(B)に示すように、ばね状連結杆39、回動ブラケット37及び連動杆40を介して、作動アーム41を回動させる。ポジションセンサ26のポテンショメータ38による検出情報は、前記対地高さセンサ25の場合と同様に、後述する電子式制御装置42に入力される(図6参照)。
【0023】尚、前記作動アーム41は、常時連動杆40をばねにて押圧付勢している。また、連動杆40をばね板にて円弧状に形成することにより、フィーダハウス13が急激に上下回動しても、連動杆40から作動アーム41へその衝撃力が伝達しないように配慮されている。
【0024】図6は、本発明の刈取前処理装置6を昇降用油圧シリンダ12にて昇降制御するための電子式(マイクロコンピュータ式)制御装置42における機能ブロック図であり、当該電子式制御装置42は、制御プログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、制御プログラムを記憶させた読み出し専用メモリ(ROM)と、各種データを記憶させた随時読み書き可能メモリ(RAM)と、入出力インターフェイス43とにより構成されている。
【0025】入出力インターフェイス43の入力部には、刈取前処理装置6の掻き込みオーガ15等に動力を伝達する刈取りクラッチのON・OFF状態を設定するための刈取りスイッチ44と、刈取前処理装置6における自動制御のON・OFF状態を設定するための自動刈高さスイッチ45と、例えば畦際等で畦等に接触しない程度に高い所定高さまで刈取前処理装置6を強制的に上昇させるオートリフトスイッチ46と、刈取前処理装置6を目標刈高さに位置するように下降させるオートセットスイッチ47と、刈取前処理装置6の刈高さを目標刈高さに設定するための可変抵抗器等から成る高さ設定器48と、対地高さセンサ25のポテンショメータ34からの入力信号と、ポジションセンサ26のポテンショメータ38からの入力信号と、左右一対の走行クローラ2,2の駆動輪に関連させて設けた車速センサ49の入力信号と、同じく走行クローラ2,2の駆動輪に関連させて走行機体3が後退動しているか否かを認識するための後退動スイッチ50とを各々接続している。
【0026】また、前記入出力インターフェイス43の出力部には、昇降用油圧シリンダ12を作動させて刈取前処理装置6を上昇させるための電磁油圧切換え弁における上昇側電磁ソレノイド51と、同じく下降させるための下降側電磁ソレノイド52とをそれぞれ接続している。
【0027】前記した自動刈高さスイッチ45と高さ設定器48とは、図7及び図8に示すように、操縦部4における座席53の左方に位置する操作パネル54の箇所に配置されている。また、オートリフトスイッチ46とオートセットスイッチ47とは、エンジンからの動力を変速させるミッションの主変速レバー55における握り部の側面に設けられている(図8参照)。
【0028】前記高さ設定器48は、その摘み(指針)を図9の左側(低)から右側(高)まで連続的(アナログ的)又は段階的(デジタル的)に変更できるようにしており、当該摘みの位置に応じて、対地高さセンサ25のポテンショメータ34からの入力信号に基づいて刈取前処理装置6をそのときの設定値(目標刈高さ)に位置するように昇降用油圧シリンダ12にて昇降制御するか(以下、対地刈高さ制御という)、又は、ポジションセンサ26のポテンショメータ38からの入力信号に基づいて刈取前処理装置6をそのときの設定値(目標刈高さ)に位置するように昇降用油圧シリンダ12にて昇降制御するか(以下、対機体刈高さ制御という)が自動的に選択されるように構成されている。
【0029】つまり、刈取前処理装置6の刈高さを感知体27が圃場面24から離れる直前の刈高さH0(図3の実線状態参照)以下にするように、作業者が前記摘みの位置をセットすれば、対地刈高さ制御が選択されて刈取前処理装置6が図3の一点鎖線状態となり、刈取前処理装置6の刈高さを前記刈高さH0より高くするように、作業者が前記摘みの位置をセットすれば、対機体刈高さ制御が選択されて刈取前処理装置6が図3の二点鎖線状態となるのである。
【0030】次に、電子式制御装置42による刈取前処理装置6の制御態様について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0031】まず、スタートに続き、刈取りスイッチ44がON状態か否かを判別する(S1)。刈取りスイッチ44がOFF状態のときには(S1:NO)、刈取り作業を実行していないから、リターンする。刈取りスイッチ44がON状態のときには(S1:YES)、刈取前処理装置6への動力伝達がなされており、刈取り作業の実行中又は準備完了状態であるから、高さ設定器48の摘みを捻って、刈取前処理装置6の目標刈高さXを設定する(S2)。
【0032】次いで、自動刈高さスイッチ45がON状態か否かを判別する(S3)。自動刈高さスイッチ45がON状態のときには(S3:YES)、前記設定値X(目標刈高さX)が所定の刈高さH0よりも大きいか否かを判別する(S4)。ここで、所定の刈高さH0とは、前記した通り、感知体27が圃場面24から離れる直前の刈取前処理装置6の刈高さ(図3の実線状態参照)である。当該刈高さH0に関するデータはROMに記憶させることで予め設定しておく。
【0033】前記設定値Xが前記刈高さH0より大きいと判断されたときには(S4:YES)、ポジションセンサ26のポテンショメータ38からの入力信号に基づいて刈取前処理装置6を前記設定値Xに位置するように昇降用油圧シリンダ12にて昇降制御する対機体刈高さ制御を実行し(S5)、その後リターンする。前記設定値Xが前記刈高さH0以下であると判断されたときには(S4:NO)、対地高さセンサ25のポテンショメータ34からの入力信号に基づいて刈取前処理装置6を前記設定値Xに位置するように昇降用油圧シリンダ12にて昇降制御する対地刈高さ制御を実行し(S6)、その後リターンする。
【0034】尚、ステップS5の対機体刈高さ制御時及びステップS6の対地刈高さ制御時において、オートセットスイッチ47をON作動させれば、例えば畦際等で畦等に接触しない程度に高い所定高さまで上昇している刈取前処理装置6を、前記設定値Xに位置するように、昇降用油圧シリンダ12にて下降させるようにしていることはいうまでもない。
【0035】このように制御すると、作業者が前記高さ設定器48にて目標刈高さXを設定するだけで、その設定値Xに応じて、対地刈高さ制御を実行するか、又は、対機体刈高さ制御を実行するかが自動的に選択されるから、刈取り作業の操作が至極簡単になるという効果を奏するのである。
【0036】一方、ステップS3において、自動刈高さスイッチ45がOFF状態のときには(S3:NO)、次いで、オートセットスイッチ47がON状態か否かを判別する(S7)。オートセットスイッチ47がOFF状態のときには(S7:NO)、リターンする。オートセットスイッチ47がON状態のときには(S7:YES)、刈取前処理装置6を前記設定値Xに位置するように昇降用油圧シリンダ12にて下降させ(S8)、その後リターンする。
【0037】このように制御すると、作業者が前記高さ設定器48にて刈取前処理装置6の目標刈高さXを設定するためには、刈取りスイッチ44をON作動させた後、高さ設定器48の摘みを捻って、目視しながら刈取前処理装置6を目標刈高さXにセットすればよいから、前記自動刈高さスイッチ45の操作等をする必要がなくなり、刈高さ設定の操作が至極簡単になるという効果を奏するのである。また、このとき、前記自動刈高さスイッチがOFF状態であっても、オートセットスイッチ47をON作動させることにより、例えば畦際等で畦等に接触しない程度に高い所定高さまで上昇している刈取前処理装置6を、目標刈高さXに位置するように、昇降用油圧シリンダ12にて下降させることもできるのである。
【0038】ところで、対地刈高さ制御中に作業者が図11の一点鎖線状態(低い位置)にある走行機体3をそのままの状態で後退動させた場合には、対地高さセンサ25の感知体27が圃場の土を掻いてこれらが破損したりするという事態があり得る。そこで、前記対地高さセンサ25の保護のため、走行機体3の後退動時における刈取前処理装置6の昇降制御について、図12に示すフローチャートを実行する。
【0039】まず、スタートに続き、後退動スイッチ50がON状態か否か、即ち、後退指令があったか否かを判別する(T1)。後退動スイッチ50がON状態のときには(T1:YES)、昇降用油圧シリンダ12にて、刈取前処理装置6を感知体27が圃場面24と接触しない刈高さH1(図11の実線状態参照)まで上昇させる(T2)。そして、走行機体3が所定距離Lだけ後退した後、図11の二点鎖線状態のように、前記刈取前処理装置6を畦等に接触しない程度に高い所定高さまで強制的に上昇させるように制御するのである。
【0040】具体的には、車速センサ49の検出値を所定時間毎に入力して、走行機体3における前記ステップT1判断時からの後退距離Zを演算し(T3)、当該後退距離Zが所定距離Lよりも大きいか否かを判別する(T4)。ここで、所定距離Lに関するデータはROMに記憶させることで予め設定しておく。
【0041】前記後退距離Zが前記所定距離Lよりも大きいと判断されたときには(T4:YES)、図11の二点鎖線状態のように、前記刈取前処理装置6を前記所定高さまで強制的に上昇させ(T5)、その後リターンする。前記後退距離Zが前記所定距離L以下であると判断されたときには(T4:NO)、ステップT3へ戻る。尚、ステップT1において、後退動スイッチ50がOFF状態のときには(T1:NO)、リターンする。
【0042】このように制御すると、走行機体3における後退動開始の直前に、若しくは、先立って、刈取前処理装置6が図11の実線状態まで上昇して、対地高さセンサ25の感知体27が圃場面24から離れ、その後走行機体3が後退動する。従って、感知体27が圃場の土等を掻くおそれがなくなり、対地高さセンサ25が保護されるのである。
【0043】また、走行機体3が長い距離を後退動する場合には、走行機体3が所定距離Lだけ後退した後、前記刈取前処理装置6が図11の二点鎖線状態に強制的に上昇するから、前記対地高さセンサ25は、より確実に、圃場の土等から保護されるのである。
【0044】本発明は、前記した実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、本実施形態では、感知体27を有する接地式の対地高さセンサ25を採用しているが、これに限らず、超音波を利用した非接触式の対地高さセンサを採用してもよい。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成12年3月13日(2000.3.13)
【代理人】 【識別番号】100079131
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 暁夫 (外2名)
【公開番号】 特開2001−251923(P2001−251923A)
【公開日】 平成13年9月18日(2001.9.18)
【出願番号】 特願2000−68771(P2000−68771)