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【発明の名称】 振り出し式回転刃およびそのブレード
【発明者】 【氏名】金丸 豊

【要約】 【課題】ブレードの軸支構造を強化して安全性を一層向上させると共に、ブレードが回転体に軸支されている部分付近での草の絡まりを防止し、さらに切れ味を向上させた振り出し式回転刃およびそのブレードを提供する。

【解決手段】ブレード10を、ブレード本体1と、2枚の補助板2と、ボルト4と、挿通管3とから構成する。ブレード本体1および補助板2に、それぞれ挿通孔11および挿通孔21と、ボルト穴12およびボルト穴22とを穿設する。挿通孔11の直径を、挿通孔21の直径よりも僅かに大きく形成する。万が一、ボルト4が破壊されてブレード本体1と補助板2との固定が解けた際、挿通孔11が挿通管3に衝突して音を出し、使用者に知らせるため、早期に異常を認知することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動軸に連結して回転する回転体と、該回転体の外周部に軸支軸によって回転自在に軸支されたブレードとからなる振り出し式回転刃において、該ブレードを、ブレード本体と、これの上方および/または下方に設けられた補助板と、該ブレード本体と該補助板とを固定する固定手段とから構成し、前記ブレード本体の軸支側に前記軸支軸を挿通する第一挿通孔を穿設すると共に、それぞれの前記補助板の軸支側に前記軸支軸を挿通する第二挿通孔を穿設したことを特徴とする振り出し式回転刃。
【請求項2】 第一挿通孔および第二挿通孔に挿通する挿通管を設け、該挿通管内に軸支軸を挿通させるように設けたことを特徴とする請求項1記載の振り出し式回転刃。
【請求項3】 第一挿通孔の直径が、第二挿通管の直径より大きいことを特徴とする請求項1または2記載の振り出し式回転刃。
【請求項4】 駆動軸に連結して回転する回転体と、該回転体の外周部に軸支軸によって回転自在に軸支されたブレードとからなる振り出し式回転刃において、前記回転体が多角形に形成され、該多角形の各辺の一端に突出した軸支部分を形成し、該軸支部分の一部が隣接する各辺の延長線と一致し、前記軸支部分の一端に前記ブレードが軸支され、前記回転体の軸支部分が各辺の延長線と一致する部分から、前記ブレードの一部が回転方向にはみ出るように形成されたことを特徴とする振り出し式回転刃。
【請求項5】 ブレードの刃先部分が波状に形成され、該波状がブレードの先端に向けて徐々に後退する波状であって、前記波状の突出部分に超鋼が埋め込まれていることを特徴とする請求項4記載の振り出し式回転刃。
【請求項6】 駆動軸に連結して回転する回転体の外周部に、軸支軸によって回動自在に軸支された振り出し式回転刃のブレードにおいて、該ブレードを、ブレード本体と、これの上方および/または下方に設けられた補助板と、該ブレード本体と該補助板とを固定する固定手段とから構成し、前記ブレード本体の軸支側に前記軸支軸を挿通する第一挿通孔を穿設すると共に、それぞれの前記補助板の軸支側に軸支軸を挿通する第二挿通孔を穿設したことを特徴とする振り出し式回転刃のブレード。
【請求項7】 第一挿通孔および第二挿通孔に挿通する挿通管を設け、該挿通管内に軸支軸を挿通させるように設けたことを特徴とする請求項6記載の振り出し式回転刃のブレード。
【請求項8】 第一挿通孔の直径が、第二挿通管の直径より大きいことを特徴とする請求項6または7記載の振り出し式回転刃のブレード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する分野】本発明は、雑草などを刈り払う刈払機や、牧草や芝などの刈り込み機、または飼料などを細断する細断装置などに使用する振り出し式回転刃およびそのブレードに関するものである。尚、本出願において「ブレード」とは回転刃の刃先部分を構成し、草などの切断対象物に衝突してこれを切断する部分を示す。
【0002】
【従来の技術】従来から、牧草や雑草、芝生などを刈る機械に使用されている多くの刃は回転刃である。本出願人は、PCT/JP99/04098において「振り出し式回転刃およびそのブレード」を示している。この出願は、回転体が円形である従来からの振り出し式回転刃の問題点を解決したもので、回転体の外周部に直線部分を設け、その延長線上にブレードを軸支する軸支部分を形成し、草がこの回転体の直線部分からブレードへと進むことにより、ブレードが草を引き切るようにして切断するものである。従来の円形物ではブレードの先端が草に直角に衝突するため、効率よく切断されたない上に、ブレードに対する衝撃が大きくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本案も、本出願人が先の国際出願で示したものと同様のもので、さらにブレードの軸支構造を強化して安全性を一層向上させると共に、ブレードが回転体に軸支されている部分付近での草の絡まりを防止し、さらに切れ味を向上させた振り出し式回転刃およびそのブレードを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、駆動軸に連結して回転する回転体と、該回転体の外周部に軸支軸によって回転自在に軸支されたブレードとからなる振り出し式回転刃において、該ブレードを、ブレード本体と、これの上方および/または下方に設けられた補助板と、該ブレード本体と該補助板とを固定する固定手段とから構成し、前記ブレード本体の軸支側に前記軸支軸を挿通する第一挿通孔を穿設すると共に、それぞれの前記補助板の軸支側に前記軸支軸を挿通する第二挿通孔を穿設したものである。
【0005】また、駆動軸に連結して回転する回転体と、該回転体の外周部に軸支軸によって回転自在に軸支されたブレードとからなる振り出し式回転刃において、前記回転体が多角形に形成され、該多角形の各辺の一端に突出した軸支部分を形成し、該軸支部分の一部が隣接する各辺の延長線と一致し、前記軸支部分の一端に前記ブレードが軸支され、前記回転体の軸支部分が各辺の延長線と一致する部分から、前記ブレードの一部が回転方向にはみ出るように形成されたものである。
【0006】さらに、駆動軸に連結して回転する回転体の外周部に、軸支軸によって回動自在に軸支された振り出し式回転刃のブレードにおいて、該ブレードを、ブレード本体と、これの上方および/または下方に設けられた補助板と、該ブレード本体と該補助板とを固定する固定手段とから構成し、前記ブレード本体の軸支側に前記軸支軸を挿通する第一挿通孔を穿設すると共に、それぞれの前記補助板の軸支側に軸支軸を挿通する第二挿通孔を穿設したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明においては、本出願人が先の国際出願で示した振り出し式回転刃およびそのブレードにおいて、その軸支構造を著しく向上させたものである。具体的には、ブレードを、ブレード本体と、これを上下から挟持する補助板と、これらを固定するボルトなどの固定手段とから構成し、ブレードを軸支軸により軸支するための軸支孔をブレード本体および補助板の双方に設け、ブレード本体または補助板のいずれか、または固定手段が破壊された場合であっても、ブレードや補助板が飛散しないようにしたものである。尚、下記実施例では、ブレード本体を挟持するように補助板を2枚使用していたが、補助板の材質により強度を確保できるようであれば、どちらか一枚でも良い。
【0008】また、前記した飛散防止構造においては、さらにブレード本体および補助板双方の挿通孔に挿通する挿通管を設け、軸支軸はこの中を通して軸支するように設けたもので、これにより軸支軸と挿通孔との間の衝撃等を分散緩和して、軸支軸および挿通孔の耐久性を高めたものである。
【0009】このように飛散防止手段が強化されたブレードを取り付ける回転体は、先の国際出願で示したものと同様に、回転体に直線部分と、その延長線と一致する面を有する軸支部分とを形成し、それによって草などが引き切りされるようにしたものであるが、軸支部分における草の絡まりを更に防止するために、ブレードの一部がこの回転体の直線延長部分から前へせり出すように設けて、せり出した部分全体に刃を形成し、絡み着こうとする草等を切断排除するものである。
【0010】尚、下記実施例の回転体は正方形を基調とした形状であるが、これに限られるものではなく、三角形、六角形、八角形といった多角形でもよく、直線部分である各辺の延長線と一致する面を有する軸支部分を各角に形成し、この各軸支部分にそれぞれブレードを回動自在に軸支して構成すると同様の効果を得られる。また、回転体は一体型のものだけではなく、無限軌道型のものでも良く、ブレードを軸支する各軸支部分が直線とその延長線と一致する部分を備えれば同様の効果を得られる。
【0011】さらに、この回転刃の適用としては、使用目的によって回転刃およびブレードの大きさを適切にすることにより、雑草などを刈り払う刈払機、牧草を刈り取る自走式のモア、芝刈り機、飼料切断装置などと非常に広範囲な適用が望まれる。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づき各実施例を示す。
実施例1図1はブレードの分解斜視図、図2は回転体にブレードを取り付けた状態を示す回転刃の平面図、図3は図2のA−A線における部分断面図である。本実施例のブレード10は、ブレード本体1と、これを上下から挟持する2枚の補助板2と、これらを固定する固定手段であるボルト4と、それぞれの挿通孔に挿通される挿通管3とから構成されている。
【0013】ブレード本体1および補助板2には、それぞれ挿通孔11および挿通孔21と、ボルト4を貫通して固定するボルト穴12およびボルト穴22とが穿設されている。ブレード本体1の挿通孔11の直径は、補助板2の挿通孔21の直径よりも僅かに大きく形成されている。これは、万が一、ボルト4が破壊されてブレード本体1と補助板2との固定が解けた際、挿通孔11が挿通管3に衝突して音を出し、使用者に知らせるため、早期に異常を認知することができる。
【0014】また、これらに挿通する挿通管3はその上下端の直径が、その中間部分の直径より僅かに大きい臼型であって、実際の取り付けにおいては、均等な直径の管をそれぞれの挿通孔に挿通し、その上下端の口径を道具などにより広げることにより、補助板2の挿通孔21の直径より僅かに大きい外径とする。これによって、挿通管3は挿通孔21から外れなくなる。
【0015】組み立てられたブレード10は、図2に示すように回転体5に回動自在に軸支して取り付けられる。ここで示す回転体5は、本出願人が先の国際出願で示したものと同様であって、正方形の角の部分に軸支部分51を突出して形成したもので、その一部に正方形の直線部分52と一致する直線面53を有している。一方、回転体5が回転することにより、ブレード10はこの直線面に対して鈍角の開き角αをもって位置する。ブレード本体1の軸支される部分の幅は、直線面53より回転方向にせり出すように取り付けられ、このせり出した部分には直線刃13が形成されている。この直線刃13が軸支部分51からせり出していることにより、この付近に絡み付こうとする草などを切断して排除するため、回転のバランスも維持され、切れ味も落ちることが無い。
【0016】また、ブレード本体1の軸支端にかけて直線刃13から連続した湾曲刃14が形成されると更に絡み付き防止の点で効果的である。特に、草などによる抵抗でブレード1が後退してBの状態になった場合、軸支端が露出して、草などがここに絡み付こうとするが、湾曲刃14の働きにより切断除去される。
【0017】ブレード10の取り付けは、図3に示すように挿通管3に軸支軸54を挿通させ、ボルト55およびナット56により、上下の回転体5に固定される。挿通管3の最狭部の内径は、軸支軸54の外径より僅かに大きく、しかも軸支軸54は挿通管3より僅かに長く形成されており、挿通管3は軸支軸54の周囲で水平垂直方向に僅かに動くことが許されるため、軸支軸54との衝撃は一点に集中することなく分散される。
【0018】また、取扱い説明書を無視した長時間の使用により使用限界を超えた場合や、不測の大きな衝撃等により、ブレード本体1、補助板2、挿通管3、ボルト4のいずれかが破損した場合であっても、破損した部品以外の連結が外れるわけではないので、軸支軸54から外れて飛散することは防止される。特に、ボルト4の折損によりブレード本体1と補助板2との連結が解けたとしても、ブレード本体1は挿通管3により軸支され、その際には上記したような異音を発して使用者に異常を伝えることができる。
【0019】ブレード本体1の刃先形状は、波型に形成されており、先端方向に向かって徐々に幅が減ずる波型である。この波型は草等が凹凸に衝突して、凹部分の刃の働きにより切断されるため、高い切れ味を得られる。
【0020】実施例2実施例2においては、異なるタイプのブレード10aを示す。図4はブレードの斜視図である。本実施例2のブレード10aは、その形状および回転体への取り付け構造においては上記実施例1と同様であるが、波型に形成されたブレード本体1aの刃先の突出した部分に超鋼15aを埋設している。これにより衝撃や磨耗に対する耐久性が大きく向上する。
【0021】
【発明の効果】本発明は上記のように構成したため、次に示す効果を得られる。
(1)ブレードの軸支構造において、飛散防止対策が飛躍的に向上しているため、安全な回転刃を構成できる。
(2)ブレードを構成する部品の一部が何らかの理由で破損した際、飛散の防止に加え、異音等を発して異常の発生を使用者に知らせることができる。
(3)ブレードを軸支している部分の周囲における草等の絡まり付きを防止でき、切れ味の低下や駆動装置への過剰な付加などを防止できる。したがって、回転刃の高い切れ味を維持することができる。
【出願人】 【識別番号】391060719
【氏名又は名称】金丸 豊
【出願日】 平成12年3月7日(2000.3.7)
【代理人】 【識別番号】100087228
【弁理士】
【氏名又は名称】衞藤 彰
【公開番号】 特開2001−245517(P2001−245517A)
【公開日】 平成13年9月11日(2001.9.11)
【出願番号】 特願2000−61623(P2000−61623)