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【発明の名称】 収穫機の穀稈搬送装置
【発明者】 【氏名】山本 陽一郎

【要約】 【課題】搬送チェーンとガイドレール間で穀稈が円滑に挟持搬送されるようにする。

【解決手段】搬送チェーン24に対設したガイドレール25にローラ28、無端帯36等の補助搬送手段を設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 搬送チェーンとこれに対設したガイドレール間で穀稈を挟持搬送するようにした穀稈搬送装置において、ガイドレールに補助搬送手段を設けたことを特徴とする収穫機の穀稈搬送装置。
【請求項2】 補助搬送手段を自由回動するローラ等で構成したことを特徴とする請求項1記載の収穫機の穀稈搬送装置。
【請求項3】 補助搬送手段をベルト等の無端帯で構成したことを特徴とする請求項1記載の収穫機の穀稈搬送装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等の収穫機において、搬送チェーンとこれに対設したガイドレール間で穀稈を挟持搬送するようにした穀稈搬送装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種穀稈搬送装置は、搬送チェーンに対向して単に棒状のガイドレールが設けられているだけである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のもは、搬送チェーンとガイドレールとの間で穀稈を挟持搬送する際に、穀稈がガイドレールとの摩擦抵抗で搬送中に姿勢が乱れたり搬送斑を生じ円滑な搬送ができなくなることがしばしばあった。特に大型の収穫機では搬送される穀稈量が多く、搬送チェーンとガイドレール間に厚層の穀稈が挟持されるため、該厚層の穀稈を安定した姿勢で搬送するためには搬送チェーンとガイドレール間の挟持力を強くしなければならず、該挟持力を強くするとガイドレールによる摩擦抵抗が一層増大し円滑な搬送ができなくなるばかりか、搬送に伴う消費動力の損失も増大する等の問題が生ずる。また、上記の現象は搬送される穀稈量に影響するところが大であるが、穀稈の種類(長い穀稈や腰の弱い穀稈は姿勢が乱れ易い)や、刈取条件(朝露等湿気を含む穀稈は搬送時にその茎葉等がガイドレールに付着し搬送を阻害する)等の影響もある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては、第1に、搬送チェーンとこれに対設したガイドレール間で穀稈を挟持搬送するようにした穀稈搬送装置において、ガイドレールに補助搬送手段を設けたことを特徴としている。
【0005】第2に、補助搬送手段を自由回動するローラ等で構成したことを特徴としている。第3に、補助搬送手段をベルト等の無端帯で構成したことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明を適用した収穫機の一例を示すコンバインの側面図であり、該コンバインはクローラ式の走行装置1に支持された走行機体2の前方に前処理部3が昇降自在に支持され、該前処理部3の後方には左側に脱穀部4が右側に操縦パネル等を備えた運転席5が各配設されており、該コンバインは、従来同様圃場内を走行しながら前処理部3により圃場内の穀稈を刈り取り、刈り取られた穀稈を脱穀部4へ供給することにより脱穀選別して穀粒を回収するようになっている。
【0007】次に前処理部3の構造について説明する。該前処理部3は圃場における数条の穀稈を刈り取るものであり、主要構成として、前部から圃場中の穀稈を分草する分草体6、該分草された穀稈を引き起こす引起装置7、引き起こされた穀稈を刈り取る刈取装置8、刈り取られた穀稈を横送りする横送体9、横送りされた穀稈を後方のフィードチェーン10に搬送する穀稈搬送装置11等からなっており、穀稈搬送装置11を除く他の構成部材は全て前処理フレーム12に装着されている。
【0008】そして前処理フレーム12は支軸13により走行機体2に昇降自在に装着されており、穀稈の刈高さ調節時や機体の回行時等に運転席5から昇降するようになっている。また、穀稈搬送装置11も前処理フレーム12と同様に支軸13に上下揺動自在に枢着されており、該稈搬送装置11には穀稈搬送部に稈丈感知センサー(図外)が設けられていて、搬送する穀稈の長さに応じて自動的に上下揺動し脱穀部4における穀稈の扱ぎ深さを自動調節するようになっている。
【0009】次に刈取装置8について説明する。図2に示すように、上刃15に設けた駆動片16をクランク等の駆動機構(図外)により駆動することにより該上刃15は下刃14上を左右に往復動するものであるが、上刃15の両端部と下刃14の両端部には夫々ピン14a,15aが立設され、両ピン14a,15a間には夫々引張スプリング17が張設されている。しかして、上記上刃15の左右往復動により穀稈の刈り取りを行うものであるが、その際、該刈取装置8の両側に設けた引張スプリング17は次の様な作用を行う。
【0010】即ち、左右往復動する上刃15は、その往動終端部から複動に移行する際に往動時に働く慣性力によって駆動機構に衝撃が与えられ、これが振動や騒音の発生原因となっているが、刈取装置8は上記のように、上刃15の両端と下刃14の両端間に引張スプリング17が張設されているため、上刃15が一側に向け往動するとこれに伴って他側の引張スプリング17が引っ張られてその引張力が漸次増大し、該増大した引張力によって往動終端部から複動に移行する際の慣性力が極端に抑制されるものであって、これにより駆動機構の振動や騒音の発生を極力少なくすることができるものである。
【0011】また、他の実施例として図3に示す如く、下刃14と上刃15の重合両端部に夫々左右に突起14b,15bを対設させた窓孔14c,15cを形成し、該窓孔14c,15c内において両突起14b,15b間に圧縮スプリング18を嵌合支持させても良く、この場合は、上刃15が一側に向け往動すると該往動側の圧縮スプリング18の圧縮力が漸次増大し、上記と同様に往動終端部から複動に移行する際の慣性力を抑制することができる。
【0012】次に、穀稈搬送装置11の構造について説明する。該穀稈搬送装置11は支軸13に上下揺動自在に枢着した搬送枠体19に、複数個のスプロケット20〜22,テンションスプロケット23を介して搬送チェーン24が略逆三角状に懸架され、駆動スプロケット21の駆動により図4の矢印方向に回転し、一側の搬送懸架部24aで穀稈を搬送するようになっている。
【0013】25は上記搬送チェーン24との間に穀稈を挟持するガイドレールであって、該ガイドレール25には次のような補助搬送手段26を有している。即ち、図4に示す如く、刈取った穀稈を受入れ易くするためにその先端部を外方に屈曲させたガイドレール25は、図5の(A),(B)に示す如く上下一対のレール部材27からなり、該上下のレール部材27間にはその全長に亙って多数のローラ28を回転自在に軸着28aすることにより補助搬送手段26が構成されている。なお、前記レール部材27は上下に設けることなく上方又は下方の一方を用いて、これにローラ28を片持状に軸着28aしてもよい。29は、穀稈搬送装置11からフィードチェーン10へ穀稈を円滑に受継搬送できるようにレール部材27の後端部に角度調節自在に設けた継送杆である。
【0014】また、ガイドレール25の前後2箇所にはスライド杆30が軸着30aされ、該スライド杆30は側方の取付枠31にスプリング32を介して摺動自在に装着されている。そして、取付枠31は穀稈の株元側が通過できるように略U字状に形成した取付アーム33を介して搬送枠体19に取り付けられていると共に、取付枠31は取付アーム33に左右移動可能に取り付けられており、該取付枠31を移動調節することによって、ガイドレール25と搬送チェーン24間に挟持される穀稈の挟持力を調節するようになっている。
【0015】図6の(A)、(B)に示すものは、補助搬送手段26の他の実施例を示すものであって、一体からなるレール部材27の周面にV溝が形成されていると共に、レール部材27の前後には支持アーム34を介して該レール部材27のV溝と合致するVプーリ35が回転自在に軸着35aされ、これらレール部材27及び両Vプーリ35のV溝間に表面に多数の突起36aを有するVベルトからなる無端帯36を懸架し、該無端帯36をテンションプーリ37により緊張することによって補助搬送手段26が形成されている。38は前記テンションプーリ37の揺動アームでレール部材27に装着されスプリング39で引張されている。40は搬送チェーン24上方に装架された穀稈の穂先側搬送ベルトである。
【0016】次に本発明の作用を説明する。引起装置7により引き起こされた穀稈は、上記したように振動や騒音の発生が極めて少ない刈取装置8によって円滑に刈り取られた後、横送体9で横送りされ、穀稈搬送装置11によってフイードチェーン10に移送されると共に、該フイードチェーン10によって脱穀部4に供給され脱穀選別処理される。
【0017】この過程で、穀稈搬送装置11は搬送チェーン24の矢印方向の回転により該搬送チェーン24とガイドレール25間で穀稈を挟持しながら後方へ搬送するが、その際、ガイドレール25には多数のローラ28、又はVベルトからなる無端帯36が回転自在に設けられているため、穀稈が搬送チェーン24の回転により後方に搬送される際に、ローラ28、又は無端帯36は、穀稈の移動に追従して自由回転し移送される穀稈に対して摩擦抵抗を殆ど生じさせないため、搬送中の穀稈の姿勢が乱れたり搬送斑を生じさせることがなく終始円滑な搬送が行なわれる。
【0018】特に、かかる穀稈搬送装置11を実施例に示すような、扱深さ調節用の穀稈搬送装置11に用いる場合には、該穀稈搬送装置11は作業中穀稈丈に応じて常に上下動し穀稈の搬送姿勢が乱れ易いものであるが、本発明の補助搬送手段26を用いることにより穀稈の搬送をより円滑に行うことができるものである。尚、本発明の補助搬送手段26は上記ローラ28又は無端帯36に限定されることなく、ガイドレール25に穀稈に対する摩擦抵抗を低減させる手段を設ければ良いものである。
【0019】
【発明の効果】本発明は上記の如く、搬送チェーンとこれに対設したガイドレール間で穀稈を挟持搬送するようにした穀稈搬送装置において、ガイドレールに補助搬送手段を設けたことにより、穀稈が挟持搬送される際にガイドレールによる摩擦抵抗を低減させることができるため、搬送中の穀稈の姿勢が乱れたり搬送斑を生じさせることがなく終始円滑な穀稈の搬送を行うことができる。従って穀稈の種類や刈取条件はもとより穀稈の搬送量が多い大型の収穫機においても、穀稈を安定姿勢で円滑に搬送することができ作業性能を高めることができる。
【0020】また、補助搬送装置を自由回動するローラ等で構成した場合には、格別なローラ等の強制回転駆動機構を設ける必要もなく、かつ穀稈に対して摩擦抵抗を殆ど生じさせないため、穀稈の搬送をより円滑に行うことができる。また、補助搬送装置を無端帯で構成した場合には、搬送チェーンとの間で挟持される穀稈の極一部によって無端帯が回動した場合でも、該無端帯はその全体が回動するため、挟持される穀稈の全てを円滑に搬送することができる。
【0021】更に、その構成は、ガイドレールを改造するだけの簡単なものであり、従来の穀稈搬送装置に容易に実施できる。
【出願人】 【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
【出願日】 平成12年3月2日(2000.3.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−238518(P2001−238518A)
【公開日】 平成13年9月4日(2001.9.4)
【出願番号】 特願2000−57167(P2000−57167)