| 【発明の名称】 |
コンバインにおける機体構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】小松原 浩
【氏名】三島 圭介
|
| 【要約】 |
【課題】トラックフレームに巻装した弾性体クローラの着脱を伴う点検保守作業を容易に行うことができるコンバインにおける機体構造に関する。
【解決手段】左右メインフレーム3a、3aの各トラックフレーム14、14に対する相対高さ変化を同時に行って機体を最大車高とした際に、これに連繋して上動する左右メインフレーム3a、3aの下面と地表面との間に支持台Bをそれぞれ介在可能に構成し、上記支持台B上に左右メインフレーム3a、3aを支承させたまま、相対高さを最小車高に再度復帰させた際に、支持台Bを介して各クローラ17、17接地面の少なくとも機体進行方向の前後端が地表面から浮動するようにした。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体フレームを形成する左右メインフレームの外側方に、弾性体クローラを巻装したトラックフレームをそれぞれ装着し、当該各トラックフレームに対する左右メインフレームの相対高さを変更して機体の左右水平バランスを制御するように構成したコンバインにおいて、上記左右メインフレームの各トラックフレームに対する相対高さ変化を同時に行って機体を最大車高とした際に、これに連繋して上動する左右メインフレームの下面と地表面との間に支持台をそれぞれ介在可能に構成し、上記支持台上に左右メインフレームを支承させたまま、前記相対高さを最小車高に再度復帰させた際には、支持台を介して各クローラ接地面の少なくとも機体進行方向の前後端が地表面から浮動するように構成したことを特徴とするコンバインにおける機体構造。 【請求項2】 上記左右メインフレーム間の機体進行前後方向の略中央位置に機体の重心が位置するように構成されていることを特徴とする請求項1記載のコンバインにおける機体構造。 【請求項3】 上記左右メインフレームの下面のうち、少なくとも機体進行方向の前後端に位置する下面には平面状の支承面がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンバインにおける機体構造。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインにおける機体構造に係り、特にトラックフレームに巻装した弾性体クローラの着脱を伴う点検保守作業を容易に行うことができるコンバインにおける機体構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、コンバインの走行部を形成するクローラ走行装置は、機体フレームを形成する左右メインフレームの外側方に、弾性体クローラを巻装したトラックフレームをそれぞれ装着し、当該各トラックフレームに対する左右メインフレームの相対高さを変更して機体の左右水平バランスを制御するように構成されている。 【0003】そして弾性体クローラの着脱作業を伴う点検保守作業の際には、機体フレームの前後左右に昇降ジャッキをそれぞれ設置したり、クレーンで機体全体をつり上げて機体フレームを水平状に上昇させた状態で、各支持台を機体フレームの前後左右位置に介装して弾性体クローラの取り外し、取り付けを行うことになるが、従来は上記支持台を利用して機体フレームを安定に支持する部位が機体フレームに確保されておらず、各支持台の設置場所がその都度まちまちとなって不安定な機体フレームの支持状態で作業をせざるを得ないばかりでなく、前後左右に配した各昇降ジャッキの水平状態を保持して上昇させるような煩わしい作業やクレーン吊り上げ作業を伴う大掛かりな作業を余儀なくされる、という改善の余地を残すものであった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き実状に鑑み弾性体クローラの着脱を伴う点検保守作業を行う上での作業者の負担を軽減すべく創案されたものであって、その目的とするところは、各弾性体クローラの緊張、弛緩の調整および脱着作業に必須の機体持ち上げ作業を容易かつ円滑に行うことができ、不用意な機体の傾倒やぐらつきを誘発することなく、左右メインフレームを支持台上に安定して支承し得て作業の安全性を確保できるコンバインにおける機体構造を提供しようとするものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本発明が採用した第1の技術的手段は、機体フレームを形成する左右メインフレームの外側方に、弾性体クローラを巻装したトラックフレームをそれぞれ装着し、当該各トラックフレームに対する左右メインフレームの相対高さを変更して機体の左右水平バランスを制御するように構成したコンバインにおいて、上記左右メインフレームの各トラックフレームに対する相対高さ変化を同時に行って機体を最大車高とした際に、これに連繋して上動する左右メインフレームの下面と地表面との間に支持台をそれぞれ介在可能に構成し、上記支持台上に左右メインフレームを支承させたまま、前記相対高さを最小車高に再度復帰させた際には、支持台を介して各クローラ接地面の少なくとも機体進行方向の前後端が地表面から浮動するように構成したことを特徴とし、第2の技術的手段として、上記左右メインフレーム間の機体進行前後方向の略中央位置に機体の重心が位置するように構成されていることを特徴とし、第3の技術的手段として、上記左右メインフレームの下面のうち、少なくとも機体進行方向の前後端に位置する下面には平面状の支承面がそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明の構成を図面に示した一実施例ついて詳細に説明する。図1ないし図3において、1はコンバインであって、該コンバイン1は左右のクローラ走行装置2、2を備えた機体フレーム3の前部に、穀稈梳起し体4、分草体5等からなる前処理部6が昇降自在に装着されており、その後方には、運転操作部7を備えた運転キャビン8が配設されていると共に、上記運転キャビン8後部の一側にはグレンタンク9が水平回動自在に配設され、かつ該グレンタンク9の他側には脱穀部10が配けられている。 【0007】また上記グレンタンク9の後方には、縦送りラセンを内装した縦搬送パイプ11が立設されており、脱穀部10で脱穀選別処理された籾を、揚穀筒により揚上搬送してグレンタンク9に貯留した後、グレンタンク9の底部に配設した横送りラセンから縦搬送パイプ11の縦送りラセンを経て、排出オーガ12の排出口12aから機外に放出するようにコンバイン1が構成されている。 【0008】上記各クローラ走行装置2、2は、機体フレーム3の前部側に軸支される駆動スプロケット13、13に前端臨ませたトラックフレーム14、14の後端に、伸縮自在な支持フレーム15、15を介して遊動輪16、16を軸支し、かつ上記各駆動スプロケット13、13と遊動輪16、16との間に弾性体クローラ17、17をそれぞれ巻装して構成されると共に、上記トラックフレーム14、14の中間域には、遊転輪18、18…と可動転輪19および上部転輪20が設けられて弾性体クローラ17、17を巻装支持し、かつ前後に離間して配設した橇状のクローラガイド17a、17bで巻装外れを防止するようになっている。なお図7に示すように、前後方向にそれぞれ延長したクローラガイド17´a、17´bの構成とすれば、弾性体クローラ17、17の接地面の中央域で地表面の凹凸変化に応じた適度の弛みと可動転輪19の上下動軌跡を確保して、弾性体クローラ17、17の伸びによる外れをより一層確実に防止することができるようになる。 【0009】一方前記機体フレーム3を形成する左右メインフレーム3a、3aの機体進行方向の下面全域は平面状をなす支承面A、Aが形成されており、かつ当該メインフレーム3a、3aの外側方に、上記各トラックフレーム14、14を図示しない水平リンク機構を介してそれぞれ装着し、該各トラックフレーム14、14に対する左右メインフレーム3a、3aの相対高さを水平リンク機構により各別に変更して左右水平バランスを制御するようになっており、加えて上記左右メインフレーム3a、3a間の機体進行前後方向の略中央位置に、機体の重心Gが位置するような機体構成となっている。 【0010】ここで上述した機体の左右水平バランスは通常自動制御により行われるが、図4に示すように、運転操作部7に設けられた傾斜手動レバー21、傾斜角調整ダイヤル22の操作で手動による制御も可能となっている。 【0011】すなわち図視で前後左右に傾倒自在な傾斜手動レバー21は、圃場状況に応じて前後方向に傾倒操作することにより、左右各別の水平リンク機構を同時に制御して最大車高から最小車高の範囲内で機体の水平状態を手動制御すると共に、左右方向に傾斜手動レバー21を傾倒操作することによって、機体を右下りまたは左下りの機体姿勢に手動で変更することが可能になる。また、傾斜角調整ダイヤル22の操作は、傾斜地の圃場などで傾斜状態が連続する走行を行う際に、機体を右下りまたは左下りに保持して相対的に水平姿勢とする目的で使用される。23は選別調整ダイヤル、24は刈高さ調整ダイヤルである。 【0012】本発明は叙上の如く構成されているから、クローラ走行装置2、2によるコンバイン1の走行時において、機体の左右水平バランスは、各トラックフレーム14、14に対する左右メインフレーム3a、3aの相対高さを各別の水平リンク機構で変更する自動制御により通常は行われ、手動制御に切り替えた際には、傾斜手動レバー21、傾斜角調整ダイヤル22の操作で機体姿勢を圃場状況に応じて変更することになる。 【0013】そして弾性体クローラ17、17の着脱を伴うクローラ走行装置2、2の点検保守作業を行うに際しては、コンバイン1の停止状態で機体の左右水平バランスを自動制御から手動制御に切り替えてから、傾斜手動レバー21を図4の図視で手前の「上る」方向に傾倒操作して機体を水平状態を保持して最大車高にする。この時、弾性体クローラ17、17の接地面域が地表面に上方から押しつけられ、相対的に各トラックフレーム14、14に対する左右メインフレーム3a、3aが上昇するが、上記左右メインフレーム3a、3a間の機体進行前後方向の略中央位置に機体の重心Gが位置しているので、機体進行の前後方向に機体全体が倒れ込むような不具合を伴うことなく機体を安定して最大車高に保持できる。 【0014】次いで、図5および図6に示すように、上昇した左右メインフレーム3a、3aの下面、すなわち支承面A、Aと地表面との間に支持台B、Bを介在させ、当該支持台B、B上に左右メインフレーム3a、3aを支承させたまま、傾斜手動レバー21を「下る」方向に傾倒操作して機体を通常走行時の最小車高に復帰させると、最大車高位置に保持される左右メインフレーム3a、3aに対して各トラックフレーム14、14が相対的に上昇移動することになり、当該トラックフレーム14、14に巻装した弾性体クローラ17、17の接地面のうち、少なくとも機体進行方向の前後域が地表面から浮動した状態になる。 【0015】ここで図5に点線で示すように、上記弾性体クローラ17、17の接地面中央域は自重で垂れ下がって地表面に接地しており、弾性体クローラ17、17の着脱に適したクローラ走行装置2、2の高さ位置に保持されていることになる。すなわち弾性体クローラ17、17全体が浮動するように支持台Bを高く設定すると、着脱作業において該クローラ17、17の全重量に抗するだけの持ち上げ力が必要となり、また弾性体クローラ17、17の接地面全域が接地するような支持台Bの低い設定では、弾性体クローラ17、17の内周面に形成した図示しない芯金突起が、遊動輪16や遊転輪18あるいは可動転輪19、上部転輪20に引き掛かってしまい、何れの場合でも弾性体クローラ17、17の着脱作業が困難を極めることとなる。 【0016】また、傾斜手動レバー21を「下る」方向に傾倒操作して機体を最小車高に設定すれば、支持台B、Bを介して上記弾性体クローラ17、17の着脱に適した高さ位置にクローラ走行装置2、2が保持されるので、上記傾斜手動レバー21を少しずつ操作しながら該レバー21の操作を行うオペレータとは別の作業者が目視でクローラ走行装置2、2の最適な高さ位置を指示する、というような煩わしい作業を伴うことなく着脱作業を行うことが可能になる。 【0017】従って、上述のように最適な高さ位置で浮動状態を保持する弾性体クローラ17、17に対して着脱作業を行ったり各種の点検保守を行えば、不用意な機体の傾倒やぐらつきを誘発することなく、左右メインフレーム3a、3aを支持台B、B上に安定して支承し得て点検保守作業を安全かつ効率よく行うことができる。 【0018】 【発明の効果】これを要するに本発明は、機体フレームを形成する左右メインフレームの外側方に、弾性体クローラを巻装したトラックフレームをそれぞれ装着し、当該各トラックフレームに対する左右メインフレームの相対高さを変更して機体の左右水平バランスを制御するように構成したコンバインにおいて、上記左右メインフレームの各トラックフレームに対する相対高さ変化を同時に行って機体を最大車高とした際に、これに連繋して上動する左右メインフレームの下面と地表面との間に支持台をそれぞれ介在可能に構成し、上記支持台上に左右メインフレームを支承させたまま、前記相対高さを最小車高に再度復帰させた際には、支持台を介して各クローラ接地面の少なくとも機体進行方向の前後端が地表面から浮動するように構成したから、■各弾性体クローラの緊張、弛緩の調整および脱着作業に必須の機体持ち上げ作業を容易かつ円滑に行うことができる。また上記左右メインフレーム間の機体進行前後方向の略中央位置に機体の重心が位置するように構成されているから、■機体を安定状態に保持したまま機体を最大車高に保持でき、機体持ち上げ作業の安全性を向上させることができる。更に上記左右メインフレームの下面のうち、少なくとも機体進行方向の前後端に位置する下面には平面状の支承面がそれぞれ形成されているから、■弾性体クローラに係る調整、脱着作業中において、不用意な機体の傾倒やぐらつきを誘発することなく、左右メインフレームを支持台上に安定して支承し得て作業の安全性を確保できる。等という極めて有用な新規的効果を奏するものである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001878 【氏名又は名称】三菱農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成12年1月19日(2000.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066876 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 昭治
|
| 【公開番号】 |
特開2001−204228(P2001−204228A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月31日(2001.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−11005(P2000−11005) |
|