| 【発明の名称】 |
携帯型畔用草刈機 |
| 【発明者】 |
【氏名】島田 光雄
【氏名】弘中 佳昭
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| 【要約】 |
【課題】比較的軽量で簡素な構成でありながら、高畔の法面に生えている草を安全かつ容易に刈り取ることができ、かつ、作業者が高畔法面の草刈り作業時に負担する労力を、効果的に軽減できるようにされた携帯型畔用草刈機を提供する。
【解決手段】原動機31、32が操作桿50を連結したシールドカバー11、12上に搭載保持され、該シールドカバー11、12に地面を滑走可能な接地部材21、22が設けられ、前記シールドカバー11、12及び前記接地部材21、22を備えた草刈作業部5、6に、地面(M、N)を転動可能に車輪70、70’が設けられるとともに、該車輪70、70’に渦巻きばね90が配備され、前記草刈作業部5、6が前進時、前記車輪70、70’の正転によって付勢力を蓄え、前記草刈作業部5、6が後退時、その蓄えられた付勢力によって前記車輪70、70’を逆転させる方向に付勢するようにされてなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈刃(10)と、該刈刃(10)を駆動する原動機(31、32)と、前記刈刃(10)の一部又は全部を覆うシールドカバー(11、12)と、該シールドカバー(11、12)に連結された操作棹(50)と、を備え、前記原動機(31、32)が前記シールドカバー(11、12)上に搭載保持されるとともに、該シールドカバー(11、12)に地面を滑走可能な接地部材(21、22)が設けられた携帯型畔用草刈機(1、2)において、前記シールドカバー(11、12)及び前記接地部材(21、22)を備えた草刈作業部(5、6)に、地面(M、N)を転動可能に車輪(70、70’)が設けられるとともに、該車輪(70、70’)に渦巻きばね(90)が配備され、該渦巻きばね(90)は、前記草刈作業部(5、6)が前進せしめられるときには、前記車輪(70、70’)の正転によって付勢力を蓄えるように巻き込まれ、前記草刈作業部(5、6)が後退せしめられるときには、その蓄えられた付勢力によって前記車輪(70、70’)を逆転させる方向に付勢するようにされていることを特徴とする携帯型畔用草刈機。 【請求項2】 前記車輪(70、70’)と前記渦巻きばね(90)との間の回転力の伝達を任意に断接し得る断接手段(80、110)を備えていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型畔用草刈機。 【請求項3】 前記草刈作業部(5、6)に、前記車輪(70、70’)を支持する支軸(20)が回転自在に支持されるとともに、前記渦巻きばね(90)の外端部(91)が固定され、前記支軸(20)に前記渦巻きばね(90)の内端部(92)が固定されるとともに、前記車輪(70、70’)が、前記支軸(20)に着脱可能に装着される前記断接手段としての係止部材(80)により、前記支軸(20)に対して一体回動可能に係止されることを特徴とする請求項2に記載の携帯型畔用草刈機。 【請求項4】 前記草刈作業部(5、6)に、前記車輪(70、70’)を支持する支軸(20)が回転自在に支持されるとともに、前記渦巻きばね(90)の外端部(91)が固定され、前記支軸(20)に前記渦巻きばね(90)の内端部(92)が固定されるとともに、前記車輪(70、70’)が、前記支軸(20)にワンウェイクラッチ(110)を介して外嵌されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型畔用草刈機。 【請求項5】 前記車輪(70、70’)は、スパイク(72)付きであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の携帯型畔用草刈機。 【請求項6】 前記接地部材は、左右一対のそり状部材(21、22)からなっていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型畔用草刈機。 【請求項7】 前記左右一対のそり状部材(21、22)に、それぞれ同一外形の前記車輪(70、70、70’、70’)が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の携帯型畔用草刈機。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、作業者が手で容易に移動させることができる、比較的小型軽量の携帯型畔用草刈機に係り、特に、高畔の法面に生えている草を刈り取るのに好適なものに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、畔用草刈機としては、例えば、特公昭62−61290号公報等にも見られるように、原動機が搭載された車輪付きの機体と、畔の上面(平面)に生えている草を刈り取るためのメイン刈刃と、畔の斜面(法面)に生えている草を刈り取るためのサイド刈刃と、を備え、前記原動機の動力を減速機や伝動軸等からなる動力伝達機構を介して前記メイン刈刃及びサイド刈刃に伝達して、それらを同時に回転駆動させながら、前記機体を畔の上面を走行させることにより、畔の上面及び法面に生えている草を同時に刈り取るようにしたものが一般的である。 【0003】かかる従来の一般的な畔用草刈機においては、機体は畔の上面を走行させることを前提としており、また、前記サイド刈刃による法面の刈幅は、そのサイド刈刃の回転直径のみに依存しているため、通常の畔(低畔)には対応できても、段差の大きな高畔においては法面の上下幅が大きく、刈幅が不足する。この場合、メイン刈刃とサイド刈刃とを同一平面上に位置させて、機体を高畔の法面に沿って走行させれば、該法面の草刈りを行えないこともないが、高畔の法面は、傾斜がきつく、足場も悪いので、極めて危険である。 【0004】また、二つの刈刃を備えていること、原動機を搭載した車輪付きの機体を備えていること、及び、原動機の動力を前記両刈刃に伝達するために比較的長大で複雑な動力伝達機構を必要としていること、等のため、装置構成が複雑で重量も重く、装置コストが高くなるとともに、作業性、操作性も良いとはいえず、高畔の法面の草刈りに使用するのは、実際には無理があった。 【0005】そこで、本発明の発明者等は、前記した如くの従来の畔用草刈機に伴う問題を解消すべく、先に、刈刃と、該刈刃が取付固定された回転軸と、該回転軸を回転駆動する原動機と、前記刈刃の一部又は全部を覆うシールドカバーと、該シールドカバーに連結された操作桿と、を備え、前記原動機が前記シールドカバー上に搭載保持されるとともに、前記シールドカバーに地面を滑走可能な接地部材が設けられてなる構成の携帯型畔用草刈機を提案した(特願平11−300630号参照)。 【0006】かかる提案の携帯型畔用草刈機においては、高畔の法面の草刈りを行う際には、通常、作業者が操作桿を持って高畔の上面に立ち、原動機により刈刃を回転駆動しながら、該刈刃やシールドケース等からなる草刈作業部を、高畔の最上部に位置させるとともに、接地部材を高畔の法面に着地させ、続いて、前記操作桿で前記草刈作業部を軽く押せば、前記草刈作業部(接地部材)が、法面の最上部から底部に向けて滑走する。このとき、前記回転駆動されている刈刃により、法面の草が縦方向にその回転直径に相当する幅分刈り取られる。 【0007】次に、前記のようにして刈り取られた部分の横隣に生えている草を刈り取るべく、前記草刈作業部を一旦法面最上部まで引き上げ、続いて、前記草刈作業部を次に刈り取るべき草が生えている部分(横隣)に移動させて、前記と同様に、前記接地部材を高畔の法面最上部に着地させ、前記操作桿で前記草刈作業部を軽く押して、該草刈作業部(接地部材)を法面の最上部から底部に向けて滑走させ、以下、同様にして、法面に生えている草を縦方向に前記刈刃の回転直径に相当する幅分ずつ刈り取るようにする。 【0008】このように、前記提案の携帯型畔用草刈機を使用すれば、作業者は高畔の上面を横移動するだけでよく、法面に降りる必要はないので、高畔法面の草刈り作業を、安全かつ容易に、しかも、迅速に行える。また、草刈作業部全体の重量を、接地部材を介して地面(草刈り面)で受けるようにされているので、作業者の負担が少なくなるとともに、自走式ではないので、作業を必要に応じて任意に休み休み行え、その結果、草刈り作業に要する労力が軽減される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提案の携帯型畔用草刈機においても、作業者の労力軽減の観点から見ると、まだ充分ではなかった。すなわち、高畦法面の草刈作業を行う場合、前記草刈作業部(接地部材)を、法面の最上部から底部に向けて移動させるときは、作業者が前記草刈作業部を操作桿で軽く押すだけで、該草刈作業部が重力の作用により自然に滑走降下するので、作業者の労力負担は極めて軽微で済むが、前記草刈作業部を高畔底部から最上部に引き上げるときは、地面(法面)と接地部材との摩擦抵抗や接地部材に草の根元部分(刈り取られずに残っている部分)等が引っ掛かること等もあって、前記草刈作業部全体を持ち上げるようにして引き上げなければならず、作業者は大きな労力負担を強いられる。 【0010】本発明は、前記した如くの問題を解消すべくなされたもので、その目的とするところは、高畔の法面に生えている草を、安全かつ容易にしかも迅速に刈り取ることができるようにされるとともに、作業者が高畔法面の草刈り作業に負担する労力を、効果的に軽減できるようにされた携帯型畔用草刈機を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべく、本発明に係る携帯型畔用草刈機は、基本的には、刈刃と、該刈刃を駆動する原動機と、前記刈刃の一部又は全部を覆うシールドカバーと、該シールドカバーに連結された操作桿と、を備え、前記原動機が前記シールドカバー上に搭載保持されるとともに、前記シールドカバーに地面を滑走可能な接地部材が設けられる。 【0012】そして、前記シールドカバー及び前記接地部材を備えた草刈作業部に、地面を転動可能に車輪が設けられるとともに、該車輪に渦巻きばねが配備され、該渦巻きばねは、前記草刈作業部が前進せしめられるときには、前記車輪の正転によって付勢力を蓄えるように巻き込まれ、前記草刈作業部が後退せしめられるときには、その蓄えられた付勢力によって前記車輪を逆転させる方向に付勢するようにされていることを特徴としている。 【0013】本発明に係る携帯型畔用草刈機の好ましい態様では、前記車輪と前記渦巻きばねとの間の回転力の伝達を任意に断接し得る断接手段を備える。具体的な好ましい態様では、前記草刈作業部に、前記車輪を支持する支軸が回転自在に支持されるとともに、前記渦巻きばねの外端部が固定され、前記支軸に前記渦巻きばねの内端部が固定されるとともに、前記車輪が前記支軸に着脱可能に装着される前記断接手段としての係止部材により、前記支軸に対して一体回動可能に係止される。 【0014】他の具体的な好ましい態様では、前記草刈作業部に、前記車輪を支持する支軸が回転自在に支持されるとともに、前記渦巻きばねの外端部が固定され、前記支軸に前記渦巻きばねの内端部が固定されるとともに、前記車輪が、前記支軸にワンウェイクラッチを介して外嵌される。 【0015】前記車輪としては、前記草刈作業部(接地部材)の滑走時には、常に地面を捕捉してスリップを生じない、スパイク付きのものを用いることが好ましい。より好ましい態様では、前記左右一対のそり状部材に、それぞれ同一外形の前記車輪が設けられる。 【0016】このような構成とされた本発明に係る携帯型畔用草刈機の好ましい態様においては、高畔の法面の草刈りを行う際には、前記既提案のもの(特願平11−300630号)と同様に、作業者が操作桿を持って高畔の上面に立ち、原動機により刈刃を駆動しながら、該刈刃、シールドケース、接地部材等からなる草刈作業部を、高畔の最上部に位置させるとともに、前記接地部材を、高畔の法面に着地させ、続いて、前記操作桿で前記草刈作業部を軽く押せば、前記草刈作業部(接地部材)が、法面の最上部から底部に向けて滑走降下する。このとき、車輪が回転(正転)せしめられるとともに、前記草刈作業部に設けられた渦巻きばねが前記車輪の正転によって付勢力を蓄えるように巻き込まれ、前記刈刃により、法面の草が縦方向にその刈幅分刈り取られる。 【0017】次に、前記のようにして刈り取られた部分の横隣に生えている草を刈り取るべく、前記草刈作業部を法面を滑らすようにして一旦法面最上部まで引き上げる(後退させる)。このときには、前記滑走降下時の車輪の正転により巻き込まれて付勢力を蓄えている前記渦巻きばねにより、前記車輪が逆転方向(後退方向)に付勢される。 【0018】このため、前記草刈作業部の引き上げ時には、前記渦巻きばねの付勢力が引き上げ補助力として働き、前記既提案のもののように、前記草刈作業部全体を持ち上げるようにして引き上げる必要はなく、前記草刈作業部を操作桿で軽く引くだけで、前記車輪の逆転により、前記草刈作業部が法面を昇る方向に押し上げられ、その結果、作業者の労力負担は小さくて済む。 【0019】続いて、前記草刈作業部を、次に刈り取るべき草が生えている部分(横隣)に移動させて、前記と同様に、前記接地部材を高畔の法面最上部に着地させ、前記操作桿で前記草刈作業部を軽く押して、該草刈作業部(接地部材)を、法面の最上部から底部に向けて滑走させ、以下、同様にして、法面に生えている草を、縦方向に前記刈刃の刈幅分ずつ刈り取るようにする。 【0020】このように、本発明の携帯型畔用草刈機を使用すれば、作業者は高畔の上面を横移動するだけでよく、法面に降りる必要はないので、高畔法面の草刈り作業を安全かつ容易に、しかも、迅速に行えるとともに、前記草刈作業部の引き上げ時には、前記渦巻きばねの付勢力が引き上げ補助力として働くので、作業者が高畔法面の草刈り作業時に負担する労力を、効果的に軽減できる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、それぞれ本発明に係る携帯型畔用草刈機の第一実施形態の斜視図及び平面図を示している。図示実施形態の携帯型畔用草刈機1は、短冊状の刈刃10と、該刈刃10が取付固定された回転軸45(図3)と、前記刈刃10を前記回転軸45を介して回転駆動する原動機としての、比較的小型軽量(排気量は約20mL)の空冷2サイクルガソリンエンジン31と、前記刈刃10を覆う、平面視矩形のシールドカバー11と、該シールドカバー11に連結された操作桿50と、を備え、前記シールドカバー11の左右両側に、地面を滑走可能な、一対のそり状部材からなる接地部材21、21が、前後方向に若干突出した状態で設けられている。 【0022】前記シールドカバー11は、図1に加えて図3を参照すればよくわかるように、前側Fの前端部11aが斜め上に傾斜せしめられて、比較的大きく開口せしめられ、この開口(前面開口)を閉じるように、前記前端部11aの下側に、フラップ14が、ヒンジ部材18を介して前後方向に揺動可能に設けられ、また、その後側Rに位置する後端部11bは、後面開口を上から半分程度閉じるようになっている。 【0023】前記エンジン31は、前記シールドケース11に、その上面側中央にボルトナット類42、42、…で固定された概略漏斗形状の外装ケース部材37介して、保持固定されている。前記原動機31の動力は、クランク軸、冷却ファン付きフライホイール(以上図示省略)、及び、遠心クラッチドラム41等からなる出力部材40から、前記回転軸45に伝達されるようになっている。 【0024】前記回転軸45は、前記外装ケース部材37内に一体成形された筒状支持部38に、ベアリング46、48を介して、軸方向には移動を阻止された状態で回転自在に支持されている。前記回転軸45の下端部には、上押さえ部材61と下押さえ部材62との間に挟まれるようにして前記刈刃10が配在され、前記上押さえ部材61、前記刈刃10、及び、前記下押さえ部材62は、前記回転軸45に、その下端部に螺合せしめられたナット63により、一体回転可能に共締め固定されている。 【0025】また、前記操作桿50は、図1、図2に加えて図6を参照すればよくわかるように、前記シールドカバー11の左右両側部(前記左右一対の接地部材21、21)中央に突設された支持ピン55、55に、その先端部53a付近が回動可能に支持された二股状前段部53と、該二股状前段部53の共通根元部に外挿可能な管材からなる中段部52と、この中段部52に外挿可能な管材からなる後段部51と、を有し、それ自体周知の手段により、全体長を任意に伸縮可能とされるとともに、前記支持ピン55、55を支点にして、上下方向に揺動可能とされている。 【0026】また、前記操作桿50の前記先端部53a、53aと、前記接地部材21、21の前側Fに突設された係止ピン56、56と、の間には、引っ張りコイルばね57、57が張装されており、前記操作桿50は、前記引っ張りコイルばね57、57により、その把手部とされる前記後段部51を、左側面(図3参照)から見て下向き(時計回りに)回転させる方向に常時付勢されている。 【0027】そして、本実施形態では、前記左右一対のそり状部材からなる前記接地部材21、21の前端部付近に、それぞれ、前記接地部材21、21が地面を滑走せしめられるとき転動せしめられるように、同一外形の車輪70、70が設けられている。 【0028】該車輪70は、図4、図5を参照すればよくわかるように、中央にボス部材73が溶接等により固着された円板71と、この円板71の外周に溶接等に固着された断面コ字状で円環状のスパイク部72と、からなっており、該スパイク部72は、内側のものと外側のもので相互に半ピッチずつ位相をずらして対向する一対の星形板部からなっている。 【0029】前記車輪70は、前記接地部材21の前端部付近に設けられた取付部23に、その一方の鍔状部25bがボルト類24、24、…により取付固定された連結筒状部材25、この連結筒状部材25の他方の鍔状部25aにボルト類27、27、…により取付固定された支持部材26、及び、この支持部材26の中央に設けられた収納部26aに収納されたボールベアリング35を介して回転自在に支持された支軸20に、外嵌されている。 【0030】詳細には、前記支軸20は、前記接地部材21側(内側)から順次、前記ボールベアリング35が外嵌された基端側小径部20a、後述する渦巻きばね(ぜんまい)90が外装された中央大径部20c、前記車輪70の前記ボス部材73が外嵌された自由端側小径部20bを有し、その両端には、それぞれ前記ボールベアリング35の抜け止め用のナット36及び前記車輪70の抜け止め用のフランジ付きボルト37が螺合せしめられている。 【0031】また、前記車輪70の前記ボス部材73及び前記支軸20の前記自由端側小径部20bを径方向に貫くように、係止ピン80が着脱可能に装着されている。この係止ピン80の挿入突出端部には、その径方向に、抜け止め用のスプリングピン81が挿着されている。前記係止ピン80を装着することにより、前記車輪70が前記支軸20と一体に回動せしめられ、前記係止ピン80を抜くと、前記車輪70がフリーとなって自由に回動できる状態となる。 【0032】前記支軸20の前記中央大径部20cに外装された前記渦巻きばね90は、前記支持部材26と、該支持部26における前記収納部26aとは反対側に突設された短円筒部26bと、前記中央大径部20cの外側端面に溶接等により固定された円板74と、により画成されたばね室77内で拡縮するようにされている。 【0033】すなわち、前記渦巻きばね90の輪状外端部91は、前記支持部材26における前記ばね室77の外周側端部に位置する部位に溶接等により固定されたピン93に、外嵌係止されており、前記渦巻きばね90の輪状内端部92は、前記円板74における前記ばね室77の内周側端部に位置する部位を通して前記支軸20の前記中央大径部20cに形成された係止溝20dに挿入されたピン94に、外嵌係止されている。 【0034】したがって、前記渦巻きばね90は、前記カッター10、前記シールドカバー11、前記接地部材21等で構成される前記草刈作業部5が前進せしめられるとき(前記車輪70が、図3の左側面視で反時計回りに回転せしめられるとき)には、前記車輪70の回転(正転)によって付勢力を蓄えるように巻き込まれ、前記草刈作業部5が後退せしめられるときには、その蓄えられた付勢力によって前記車輪70を逆転させる方向に付勢するようになっている。 【0035】このような構成とされた第一実施形態の携帯型畔用草刈機1においては、高畔の法面Nの草刈りを行う際には、通常、図6を参照すればよくわかるように、作業者が、前記操作桿50を持って高畔の上面Mに立ち、前記エンジン31により前記刈刃10を回転駆動しながら、該刈刃10、前記シールドカバー11、前記接地部材21、21等からなる前記草刈作業部5を、高畔の法面N最上部に位置させるとともに、前記接地部材21、21を高畔の法面Nに着地させ、続いて、前記操作桿50で前記草刈作業部5を軽く押せば、該草刈作業部5(前記接地部材21)がその自重で法面Nの最上部から底部に向けて滑走降下する。このとき、前記車輪70が回転(正転)せしめられるとともに、前記草刈作業部5に設けられた前記渦巻きばね90が、前記車輪70の正転によって付勢力を蓄えるように巻き込まれ、前記回転駆動されている刈刃10により、法面Nの草が縦方向にその回転直径に相当する刈幅分刈り取られる。 【0036】次に、前記のようにして刈り取られた部分の横隣に生えている草を刈り取るべく、前記操作桿50を引き前記草刈作業部5を法面N上を滑らすようにして、一旦法面Nの最上部まで引き上げる(後退させる)。このときには、前記滑走降下時の前記車輪70の正転により巻き込まれて付勢力を蓄えている前記渦巻きばね90により、前記車輪70が逆転方向(後退方向)に付勢される。 【0037】このため、前記草刈作業部5の引き上げ時には、前記渦巻きばね90の付勢力が引き上げ補助力として働き、前記既提案のもののように、前記草刈作業部5全体を持ち上げるようにして引き上げる必要はなく、前記草刈作業部5を前記操作桿50で軽く引くだけで、前記車輪70の逆転により前記草刈作業部5が法面Nを昇る方向に押し上げられ、その結果、作業者の労力負担は小さくて済む。 【0038】続いて、前記草刈作業部5を、次に刈り取るべき草が生えている部分(横隣)に移動させて、前記と同様に、前記接地部材21、21を高畔の法面N最上部に着地させ、前記操作棹50で前記草刈作業部5を軽く押して、該草刈作業部5(前記接地部材21、21)を法面Nの最上部から底部に向けて滑走させ、以下、同様にして、法面Nに生えている草を、縦方向に前記刈刃10の回転直径に相当する幅分ずつ刈り取るようにする。 【0039】このように、本実施形態の携帯型畔用草刈機1を使用すれば、作業者は、高畔の上面Mを横方向にのみ移動すればよく、法面Nに降りる必要はないので、高畔法面Nの草刈り作業を、安全かつ容易に、しかも、迅速に行えるとともに、前記草刈作業部5の引き上げ時には、前記渦巻きばね90の付勢力が引き上げ補助力として働くので、作業者が高畔法面Nの草刈り作業時に負担する労力を、効果的に軽減できる。また、草刈作業部5全体の重量を、接地部材21、21を介して地面(草刈り面)で受けるようにされていることからも、作業者の負担が少なくなるとともに、自走式ではないので、作業を必要に応じて任意に休み休み行え、その結果、草刈り作業に要する労力が軽減される。 【0040】なお、法面Nの長さLが、前記渦巻きばね90が完全に巻き込まれる又は巻き戻される長さ以上であるときや、高畔の上面Mの草刈り作業を行うとき、あるいは、当該携帯型畔用草刈機1の運搬移送時等においては、前記車輪70と前記渦巻きばね90との間の回転力の伝達を行わない方がよい(前記車輪70が抵抗となる)ので、前記車輪70と前記渦巻きばね90との間の回転力の伝達を任意に断接し得る断接手段として働く前記係止ピン80を引き抜いて、前記車輪70を自由に回動させるようにすればよい。 【0041】図7及び図8は、第二実施形態の携帯型畔用草刈機2の斜視図及び平面図を示しており、この実施形態の携帯型畔用草刈機2においては、先に説明した第一実施形態の前記携帯型畔用草刈機1の各部と同一機能を有する部分乃至対応する部分には同一の符号を付して、重複説明を省略し、相違点を重点的に説明する。 【0042】図示の第二実施形態の携帯型畔用草刈機2は、比較的小型軽量(排気量は約20mL)の空冷2サイクルガソリンエンジン32と、刈刃10を覆う、平面視矩形のシールドカバー12と、を備え、該シールドカバー12の左右両側に、地面を滑走可能な、一対のそり状部材からなる接地部材22、22が、前後方向に若干突出した状態で設けられている。 【0043】前記シールドカバー12は、図7に加えて図8、図9を参照すればよくわかるように、前側Fの前端部12aが平面視半円状とされて、その前面全体が開口せしめられ、その後側Rに位置する後端部12bは、後面開口を上から半分程度閉じるようになっている。 【0044】前記エンジン32は、前記シールドカバー12の前部寄りに、回転軸45が、鉛直線に対して前側Fに傾斜した状態で固定支持具29に保持固定されて下方に突出する筒状支持部19と、上方に突出する歯車ケースを兼ねる外挿部材39と、にベアリング46、48を介して傾斜軸線Opの回りに回転自在に支持されており、これより、前記刈刃10は、地面(畔の上面M及び法面N)に対して若干前傾せしめられている。 【0045】そして、本実施形態では、前記エンジン32の出力部材(遠心クラッチドラム)40の終端部は、出力傘歯車91が設けられた最終出力軸40cとされ、前記出力傘歯車91は、前記回転軸45の上端部に設けられた入力傘歯車92に噛合せしめられており、前記回転軸45の前記傾斜軸線Opに対して、前記エンジン32及び前記最終出力軸40cの回転軸線Oq が、後方に傾斜せしめられている。 【0046】前記のように前記刈刃10を前傾させることにより、倒れている草等が刈りやすくされる。また、前記最終出力軸40cの前記回転軸線Oqを後傾させたことにより、法面N上での機体2の前側Fへの転倒傾向を効果的に抑えることができる。 【0047】そして、本実施形態では、図10を参照すればよくわかるように、支軸20の自由端側小径部20bと、車輪70’のボス部材73と、の間に、ベアリング100と、ワンウェイクラッチ110と、が介装されており、渦巻きばね90は、草刈作業部6が前進せしめられるとき(法面Nの滑走降下時)には、前記車輪70’の正転によって付勢力を蓄えるように前記ワンウェイクラッチ110を介して巻き込まれ、前記草刈作業部6が後退せしめられるとき(法面Nを引き上げるとき)には、その蓄えられた付勢力によって前記車輪70’を前記ワンウェイクラッチ110を介して逆転させる方向に付勢せしめる。さらに、前記渦巻きばね90が完全に巻き込まれた後は、前記車輪70は正方向には自由に回転できるようにされるので、法面Nの長さLが前記渦巻きばね90の設定より大きい場合や、移動時でも支障はない。 【0048】このようにされることにより、前記第1実施形態と略同様な作用効果が得られるとともに、当該携帯型畔用草刈機2の運搬や移動時の便宜も図られる。以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、設計において、種々の変更ができるものである。例えば、渦巻きばねは、片側の車軸にのみ配設してもよく、両側に配設した上で、左右の車軸が連動するようにせしめてもよい。 【0049】 【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発明によれば、高畔の草刈作業を行うにあたって、作業者は、高畔の上面を横に移動するだけでよく、法面に降りる必要はないので、高畔法面の草刈り作業を安全かつ容易に、しかも、迅速に行えるとともに、草刈作業部の引き上げ時には、渦巻きばねの付勢力が引き上げ補助力として働くので、作業者が高畔法面の草刈り作業に負担する労力を効果的に軽減できる。 【0050】また、草刈作業部全体の重量を接地部材を介して地面(草刈り面)で受けるようにされているので、作業者の負担が少なくなるとともに、自走式ではないので、作業を必要に応じて任意に休み休み行え、その結果、草刈り作業に要する労力が軽減される。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000141990 【氏名又は名称】株式会社共立
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| 【出願日】 |
平成12年1月19日(2000.1.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091096 【弁理士】 【氏名又は名称】平木 祐輔 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2001−204220(P2001−204220A) |
| 【公開日】 |
平成13年7月31日(2001.7.31) |
| 【出願番号】 |
特願2000−10758(P2000−10758) |
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