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【発明の名称】 コンバインの倒伏引起装置
【発明者】 【氏名】上田 康文

【氏名】市原 等

【氏名】福井 一

【要約】 【課題】複数並設した倒伏引起装置の取付位置によって変化する分草板の傾斜角を設定し易くするとともに、衝突による刈取フレームを保護する屈折構造の板状ヒッチにした倒伏引起装置を提供する。

【解決手段】引起装置に隣接して倒伏引起装置を複数設けたコンバインにおいて、分草パイプ(1)の先端圧接部(2)と分草板(3)を板状ヒッチ(4)で連設し、締結穴(6)部分の縦断面強度よりも少ない屈折部(7)を中途間(L)に形設して前記分草板(3)の傾斜角に適合させるとともに、衝突による座屈変形を生じさせて刈取フレーム(34)を保護するものである。又、取付座(8)と板状ヒッチ(4)に設けたU字型溝(36)に嵌入する支点ボルト(37)で回動支点(P)を形成し、ヒッチ穴(10)を長穴にして分草板(3)の上下調節を可能にした構造である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行する機体の先方に刈取部を昇降自在に装着し、前面の引起装置に隣接して倒伏倒伏引起装置を設けたコンバインにおいて、刈取分草パイプ(1)の先端圧接部(2)を引起ケース(18)よりも突設させて、分草板(3)を板状ヒッチ(4)で連設するとともに、倒伏引起装置(A)の下端部に設けた係止具(5)を前記板状ヒッチ(4)の上方に直付したことを特徴とするコンバインの倒伏引起装置。
【請求項2】 分草パイプ(1)の先端に設けた締結穴(6)に螺着した板状ヒッチ(4)の断面強度よりも減少する中途間(L)に屈折部(7)を形設し、衝突による圧縮荷重で座屈し易くするようにした請求項1に記載のコンバインの倒伏引起装置。
【請求項3】 分草バイプ(1)に固着した取付座(8)に、倒伏引起装置(A)の係止具(5)と板状ヒッチ(4)を重設する支点ボルト(37)を挿通させることで回動支点(P)を形成し、ヒッチ穴(10)を長穴にして分草板(3)の上下調節を可能にした請求項1に記載のコンバインの倒伏引起装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】刈取部の引起ケースに隣接して倒伏引起装置を設け、分草板を刈取フレームと連設する板状ヒッチの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機体全長を短縮して輸送と保管をし易くするために分草板を引起ケースよりも内側で脱着し、突出する分草板をパイプ材で形設して刈取フレームに嵌挿させていたが緩みを生じたり、ボルト締結の操作が搬送部材で囲まれて難しくなるので、分草パイプの先端を引起ケースの前方に延長し、分草板を直付けする取付穴を圧接部に設けるようにしたものが実開平3−12729号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】倒伏引起装置の分草板は通常位置よりも更に前方に突出し、障害物と衝突し易くなって刈取フレームが変形するので、その修復に手間が掛かる。又、多条刈の刈取フレームでは、分草板の傾きが設置場所によって異なり種類数が増加したり、クローラが沈降する湿田では分草板の先端が上向きになり、倒伏杆を浮揚しなくなって刈残す問題点がある。
【0004】倒伏引起装置と分草板を連結する板状ヒッチの折曲形状を変化させて関連部品の互換性を高め、更に衝突による圧縮荷重で変形させて刈取フレームを保護する板状ヒッチにするとともに、その上方を回動支点にして上下調節できるようにした分草板取付構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】分草板の取付角度が異なる多条刈の引起ケースに並設した倒伏引起装置において、刈取フレームの分草パイプと分草板を連結する板状ヒッチの折曲形状を変化させて、複数の分草板角度に適合するようにした分草板取付構造である。
【0006】刈取分草パイプの先端圧接部と突設する分草板を板状ヒッチで連設し、倒伏引起装置の下端部に設けた係止具を前記板状ヒッチに嵌着させ、刈取フレームから前記倒伏引起装置を支持する手段を講じた。
【0007】分草パイプの締結穴に螺着した板状ヒッチの断面強度よりも減少する中途間に屈折部を形設し、衝突による圧縮荷重で変形させて刈取フレームを保護するとともに、修復し易い機体最前部で締結操作ができる脱着構造にする手段を講じた。
【0008】倒伏引起装置の係止具と板状ヒッチを重設する取付座に支点ボルトを挿通させて回動支点を形成し、ヒッチ穴を長穴にすることで分草板の上下調節を可能にし、湿田作業で先端が接地する分草姿勢に調節できる手段を講じた。
【0009】
【発明実施の形態】
【実施例】本発明による倒伏引起装置(A)と分草パイプを連結する板状ヒッチの構造について実施例図を参照に説明すると、図4はコンバインに装着した倒伏引起装置(A)を示す要部側面図であって、クローラ走行装置(12)に連結した機台(13)上に脱穀部(B)を搭載し、右側には仕上り穀粒を一時貯留するグレンタンク(14)を併設してあり、操縦装置(15)と座席(16)を設けた運転席(17)が前方に連設するものである。その左側方から脱穀部(B)の前面にかけて、前期機台(13)に立設させた回動支点(P2)を中心に昇降する刈取部(C)を装着し、引起ケース(18)に隣接するように前記倒伏引起装置(A)を並設して植立穀稈を起立させて刈取り、後送する揚上搬送(20)によって脱穀フィードチェン(21)に受継ぎ、穀稈を横送しながら回転する扱胴(22)で脱粒処理を行なうようにしたコンバインの形態である。
【0010】図5は、コンバインの刈取部を前方から見た全体正面図であって、多条刈の引起ケース(18)に装着した複数の倒伏引起装置(A)を並設し、引起タイン(23)のスプロッケト軸(38)から受動し、進行方向に突出する倒伏用タイン(33)で引起通路左、右(24)、(25)を挟設するように配置したものであり、傾斜角の異なる分草板(3)と分草板右、中(26)、(27)からはガイド棒(28)を前記引起通路左、右(24)、(25)に向けて穀稈を誘導するように張設してある。又、引起ケース(18)に取付けるには、上部を駆動ケース(30)で機体前面に固着し、下部を分草パイプ(1)と連設する異形状の前記板状ヒッチ(4)と板状ヒッチ右、中(31)、(32)に直付けに支持したので、刈取部(C)の先端に3連の倒伏引起装置(A)が並設する構成になった。
【0011】図1は、分草板と倒伏引起装置の連結構造を示す平面図であって、刈取フレーム(34)から延設した分草パイプ(1)の先端圧接部(2)を、引起ケース(18)よりも前方に突出させて締結穴(6)を設け、取付座(8)を同列上に溶着した刈取フレーム(34)側の取付構造と、分草板(3)を連結する板状ヒッチ(4)をボルト(35)で螺着したものであって、双方を締結する中途間(L)に屈折部(7)を設けて前記分草板(3)の傾斜角に適合する曲げ角度にしてあり、その上方に開設したU字型溝(36)には、係止具(5)に臨ませた支点ボルト(37)を嵌着させ倒伏引起装置(A)を設置することと、前記分草板(3)を上下調節させる回動支点(P)にしたものである。又、傾倒穀稈を引起通路左(24)と機外側方に案内するガイド棒(28)をハ字型に分草板(3)の後方に張設した分草板構造である。
【0012】倒伏引起装置(A)の動力伝達は、引起タイン(23)を駆動するスプロケット軸(38)に嵌設させた縦軸(40)に一対のベベルギヤ(41)を設け、直角方向に転換した横軸(45)の先端に駆動スプロケット(39)を固着し、駆動ケース(30)に内装して倒伏用ケース(42)に臨ませた入力構造にしてあって、引起ケース(18)に対して前記倒伏引起装置(A)を機体進行方向に装着したので、突出する倒伏用タイン(33)が傾倒穀稈の正面から進入してタイン付チェン(42)の回転で起立させながら分草するものである。
【0013】板状ヒッチ(4)の屈折形状は、刈取フレーム(34)側に形設した先端圧接部(2)に設けた締結穴(6)と、分草板(3)側の締結穴(6b)を連結する板状ヒッチ(4)の中途間(L)に屈折部(7)を形成し、取付基部である前記締結穴(6)の断面強度よりも減少させた折曲構造にしたものであって、図5に示してあるように板状ヒッチ(4)と板状ヒッチ中、右(32)(31)では各々分草傾斜角が異なるために前記屈折部(7)の折曲げを変化させて適合させ、関連部品の互換性を高めるようにしたものである。
【0014】図2は、板状ヒッチの取付構造を示す側面図であって、刈取フレーム(34)の分草パイプ(1)に連設する分草板(3)と、倒伏引起装置(A)の下端部を締結するようにした板状ヒッチ(4)の連結構造を示してあり、前記分草パイプ(1)に立設する取付座(8)の上部には、倒伏用ケース(42)が重合するようにU字型溝(36)を開設し、係止具(5)に挿通する支点ボルト(37)が嵌着することで回動支点(P)を形成したものである。これを中心にヒッチ穴(10)を長穴にして矢印(イ)の方向に前記分草板(3)が調節できるようにしてあって、鎖線で図示する位置に下降して湿田作業でも先端が接地するようになり、傾倒穀稈を浮揚させて倒伏用タイン(33)に受継がせ傾倒杆の絡みを分離するようにしたものである。尚、板状ヒッチ(4)の先端に設けたヒッチ穴前(9)を上下に複数穿孔して分草板(3)を垂直移動させて装着すれば調節範囲が一層拡大してなほ良くなる。
【0015】図3は、回動支点(P)を断面した後面図であって、分草パイプ(1)に立設した取付座(8)と板状ヒッチ(4)の上部に開設した双方のU字型溝(36)に,係止具(5)に螺合させた支点ボルト(37)が嵌着して取付位置を設定し、その後に前記取付座(8)を中央にして倒伏引起装置(A)と前記板状ヒッチ(4)で挟着するように締結した連結構造である。又、分草板(3)の上下調節は、一体化した板状ヒッチ(4)が回動支点(P)を中心に扇動する構成であって、支点ボルト(37)とヒッチ穴(10)に装着するボルト(35)を弛めて長穴の範囲内を移動させ、分草先端の変動幅が拡大するようにした調節構造である。尚(44)は先端圧接部(2)との厚み調整をする座金である。
【0016】図6は、板状ヒッチの右側装着を示す斜視図であって、倒伏用ケース(42)と分草パイプ(1)との間隔が拡大し、分草板右(26)が図4に示す引起通路右(25)に案内をするように傾斜方向が変化したものであって、板状ヒッチ右(31)に形設した屈折部(7)の折曲げ形状を上方のみ屈折変化させ、前記分草板右(25)の左傾斜を強くした実施例図であって、倒伏用ケース(42)の下方に設けた係止具(5)の背丈を高くして拡大する間隔を補うようにしたものに支点ボルト(37)を挿通させ、取付座(8)と板状ヒッチ右(31)の双方に設けたU字型溝(36)に嵌入させることによって、倒伏引起装置(A)を設置するものである。又、位置決めをした後に支点ボルト(37)とボルト(35)で刈取フレーム(34)側に螺着し、ヒッチ穴前(9)に分草板右(26)を内側方向に傾斜するように前記ボルト(35)で装着した倒伏引起装置(A)の分草板取付構造である。
【0017】
【発明の効果】引起装置に隣接して倒伏引起装置を設けたコンバインにおいて、刈取分草パイプの先端圧接部と突設する分草板を板状ヒッチで連設し、倒伏引起装置の下端部に設けた係止具を前記板状ヒッチに嵌着させ、倒伏用ケースの設定位置を決めるとともに、分草板の傾斜角を変化させる屈折構造にしたものである。
【0018】分草パイプの先端圧接部に螺着した板状ヒッチの縦断面強度よりも減少する中途間(L)に屈折部を形設したので、衝突による圧縮荷重で座屈し易くなって、刈取フレームが保護され、変形部品が脱着でき修復作業が容易になった。
【0019】分草バイプに固着した取付座に、倒伏引起装置の係止具と板状ヒッチを重設する支点ボルトを挿通させて回動支点を形成し、ヒッチ穴を長穴にして分草板の上下調節を可能にしたので、別途部品を用いずとも、先端ストロークが拡大してクローラが沈降する湿田作業で分草先端が接地し易くなって倒伏性能が向上した。
【0020】
【出願人】 【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
【出願日】 平成12年1月17日(2000.1.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−197821(P2001−197821A)
【公開日】 平成13年7月24日(2001.7.24)
【出願番号】 特願2000−7592(P2000−7592)