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【発明の名称】 茶刈機等における刈刃体の支持構造
【発明者】 【氏名】阿部 哲也

【氏名】増田 進

【要約】 【課題】茶刈機からの刈刃の取り外し及び茶刈機への刈刃の取り付けを容易に且つ迅速に行うことができるとともに、異種仕様の摘採機間での本体部の共通化を図るようにした新規な茶刈機等における刈刃体の支持構造を開発することを技術課題とした。

【解決手段】適宜の駆動源5によって往復駆動される刈刃体10を具えて成る茶刈機等において、前記刈刃体10と、この刈刃体10を支持する刈刃支持ガイド板11と、駆動源5から伝達される動力を刈刃体10の往復運動に変換するための往復駆動部12とを一組立体として刈刃ユニット1を構成するとともに、この刈刃ユニット1を乗用式摘採機Cの本体部2に対して着脱自在に取り付けるように構成したことを特徴として成るものであり、従来煩わしい作業であった刈刃体10の着脱をユニット交換で行うことができるため、機器の扱いに精通したメーカーの人間でなくとも容易に且つ迅速に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 適宜の駆動源によって往復駆動される刈刃体を具えて成る刈刃ユニットと、この刈刃ユニットを支持する本体部とを具えて成る茶刈機等において、前記刈刃ユニットは、刈刃体を支持する刈刃支持ガイド板と、駆動源から伝達される動力を刈刃体の往復運動に変換するための往復駆動部とを一組立体として構成されるとともに、この刈刃ユニットを本体部に対して着脱自在に取り付けるように構成したことを特徴とする茶刈機等における刈刃体の支持構造。
【請求項2】 前記刈刃ユニットにおける刈刃支持ガイド板と、刈刃体によって刈り取られた茶枝葉を導くために本体部に具えた案内板との間を分断自在としたことを特徴とする請求項1記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造。
【請求項3】 前記刈刃ユニットは刈刃体によって刈り取られた茶枝葉を導くための案内板を含み、この案内板と本体部のフレーム部材との間を分断自在としたことを特徴とする請求項1記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造。
【請求項4】 前記駆動源は本体部に対して支持されるものであり、前記刈刃ユニットが本体部に対して装着された状態で、前記駆動源の出力軸の先端部分に形成したカップリング要素と、前記往復駆動部の入力軸の先端部分に形成したカップリング要素とが結合することを特徴とする請求項1、2または3記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造。
【請求項5】 前記本体部と、前記刈刃ユニットとには、相互に係合することで双方の位置決めを行うことのできる一対の係止機構を具えたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造。
【請求項6】 前記本体部に対して装着される刈刃ユニットは、作業形態に応じて刈刃形態の異なる複数種の刈刃ユニットの内から適宜選択されたものであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の茶刈機等における刈刃支持構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば茶刈機に適用することが好ましい構造に関するものであって、特に茶刈機からの刈刃体の取り外し及び茶刈機への刈刃体の取り付けを容易に且つ迅速に行うことができるようにした新規な茶刈機等における刈刃体の支持構造に係るものである。
【0002】
【発明の背景】茶園で用いる茶刈機は、適宜のフレームに対して駆動源を搭載するとともに、この駆動源によって往復駆動される刈刃体と、この刈刃体に形成した歯によって刈り取られた茶葉を例えば後方の収葉袋に導くための案内板とを具えて構成されている。そして当然ながら前記歯は使用とともに切れ味が低下していくため、刃研ぎを行うことで切れ味の回復を図るものであり、更に数回の刃研ぎを行った後にはやがて新たな刈刃体との交換が必要となる。
【0003】このような刃研ぎまたは交換の際に刈刃体を茶刈機から取り外すにあたっては、従来の茶刈機における構造は、図11に示すように刈刃体10′が、刈刃支持ガイド板11′に対してガイドピン13′を用いて取り付けられているため、このガイドピン13′を解除するとともに、往復駆動部12′を分解して駆動機構と刈刃体10′との接続部を解除する作業が必要となる。
【0004】しかしながら前記刈刃体10′に形成された歯102′は鋭利な刃物であるため作業者は慎重さを要求され、更に二人以上の作業者が左右のバランスを保ちながら上記作業を行わなければならい。このような作業形態はユーザーたる茶農家の人が茶園で行う作業としては非常に煩わしく且つ長時間を要してしまうものであった。特に刃研ぎを行った刈刃体10′を茶刈機(C′)に取り付けるにあたっては、上下一対の刈刃体10′の隙間調整を要するものであり、この隙間調整作業を正確に行うことができるのは熟練した作業者に限られるものである。
【0005】このため現状では、茶農家の要請を受けたメーカー側のサービススタッフがユーザーの下に赴いて上述の煩わしい着脱作業を行うものであり、いったん替わりの刈刃体を装着して茶刈り作業の継続を図るようにしている。一方、取り外した刈刃体は作業場に持ち帰って歯の研磨を行い、再度ユーザーの下に赴いて再び取り付け作業を行うという作業形態が採られている。もちろん可搬式等小型で安価な茶刈機の場合には茶農家としても予備のものを用いて実質的な稼働率の低下を回避する余地もあるが、近時主流となっている自走式やレール走行式等の茶刈機は高価であるため刈刃体のメンテナンスだけのために装置全体の予備を備えておくのは実情に合わない。
【0006】一方、茶刈機における刈刃体には製造サイドの技術的な面で以下に示す独自の課題が存在するものである。すなわち茶刈機の仕様は、このものが茶樹に歯を作用させる機器であるという点で多くの共通部分を有するものの、摘採機、刈りならし機、浅刈り機、軽剪枝機、中刈り機及び刈り込み機等、刈り取り形態が異なる機器毎に異なっているものであって、それぞれの仕様に応じた専用の部品を要することとなっている。
【0007】そこでメーカーは、原動機や、これを含んだ本体部、更には刈刃体、往復駆動部等の部材については何通りかの仕様のものを用意しておいて、各々最適な組み合わせを選択することで、摘採機、刈りならし機、浅刈機、軽剪枝機、中刈機及び刈り込み機等を構成しているものである。とはいえ、前記刈刃体及び往復駆動部の組み合わせパターンは、刈り取り形態毎の負荷に応じてほぼ固定化されてくるものであって、上述した異種仕様の茶刈機の製造面での合理化を達成しようとした場合、更なる改善の余地が残されている。
【0008】そこで本発明者は、上述したユーザーにおける刈刃体のメンテナンスに係る問題点と、メーカーにおける製造上での問題点との、互いに一見関連のない問題点を更に究明した結果、双方の目的を同時に達成できるであろうという着想を得て、これに基づき新規な機構の開発を試みたものである。すなわち刈刃体と往復駆動部とが一体化された状態で付け替え自在となれば、本体部と、刈刃体周辺部材等とのそれぞれのモジュール化を図ることができ、異種仕様のものをより合理的に製造することが可能となり、更にユーザーにおけるメンテナンスもユニット交換で容易に刈刃体の交換が行えるであろうという具体的な着想を得るに至ったものである。
【0009】
【開発を試みた技術課題】本発明はこのような背景並びに着想に基づいてなされたものであって、茶刈機からの刈刃体の取り外し及び茶刈機への刈刃体の取り付けを容易に且つ迅速に行うことができるとともに、異種仕様の茶刈機間での本体部の共通化を図るようにした新規な茶刈機等における刈刃体の支持構造を開発することを技術課題としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造は、適宜の駆動源によって往復駆動される刈刃体を具えて成る刈刃ユニットと、この刈刃ユニットを支持する本体部とを具えて成る茶刈機等において、前記刈刃ユニットは、刈刃体を支持する刈刃支持ガイド板と、駆動源から伝達される動力を刈刃体の往復運動に変換するための往復駆動部とを一組立体として構成されるとともに、この刈刃ユニットを本体部に対して着脱自在に取り付けるように構成したことを特徴として成るものである。この発明によれば、従来煩わしい作業であった刈刃体の着脱をユニット交換で行うことができるため、機器の扱いに精通したメーカーの人間でなくとも容易に且つ迅速に行うことができる。また本体部と、刈刃体周辺部材等のそれぞれのモジュール化を図ることができ、異種仕様のものをより合理的に製造することが可能となる。
【0011】また請求項2記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造は、前記要件に加え、前記刈刃ユニットにおける刈刃支持ガイド板と、刈刃体によって刈り取られた茶枝葉を導くために本体部に具えた案内板との間を分断自在としたことを特徴として成るものである。この発明によれば、容易に且つ迅速に刈刃体の着脱作業を行うことができる。
【0012】また請求項3記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造は、前記請求項1記載の要件に加え、前記刈刃ユニットは刈刃体によって刈り取られた茶枝葉を導くための案内板を含み、この案内板と本体部のフレーム部材との間を分断自在としたことを特徴として成るものである。この発明によれば、容易に且つ迅速に刈刃体の着脱作業を行うことができる。
【0013】更にまた請求項4記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造は、前記要件に加え、前記駆動源は本体部に対して支持されるものであり、前記刈刃ユニットが本体部に対して装着された状態で、前記駆動源の出力軸の先端部分に形成したカップリング要素と、前記往復駆動部の入力軸の先端部分に形成したカップリング要素とが結合することを特徴として成るものである。この発明によれば、駆動源から刈刃体に供給される動力の伝達経路の形成を、刈刃ユニットを本体部に対して装着する一連の動作の中で簡素に行うことができるため、刈刃体の着脱作業に要する時間を著しく短縮することができる。
【0014】更にまた請求項5記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造は、前記要件に加え、前記本体部と、前記刈刃ユニットとには、相互に係合することで双方の位置決めを行うことのできる一対の係止機構を具えたことを特徴として成るものである。この発明によれば、格別繊細な作業を要することなく、刈刃体の着脱作業を正確に行うことができる。
【0015】また請求項6記載の茶刈機等における刈刃体の支持構造は、前記要件に加え、前記本体部に対して装着される刈刃ユニットは、作業形態に応じて刈刃形態の異なる複数種の刈刃ユニットの内から適宜選択されたものであることを特徴として成るものである。この発明によれば、単一の本体部を摘採用、浅刈用及び中刈用等として用いることができるため、メーカーにとっては異種仕様の茶刈機を合理的に製造することができ、一方、ユーザーにとっては個々の茶刈機をそれぞれ専用機として購入する場合に比べてイニシャルコスト及びランニングコストを著しく低減することができる。そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の茶刈機等における刈刃体の支持構造について具体的に説明する。なお本明細書中では茶葉の収穫を目的とした摘採機並びに茶園管理のために茶畝を刈り揃えるための各段階に応じて用いられる刈りならし機、浅刈機、軽剪枝機、中刈機及び刈り込み機、裾刈機等を総称して茶刈機と呼ぶものとする。更に茶刈機は基本的には可搬式のものでもよいが、近時の省力化等の傾向に従い、このものに適宜の走行機構を組み合わせることで、自走式、レール走行式、乗用式等種々の進行形態を採るようにすることもできる。なお茶刈機の基本的な構成はすでに従来の装置において公知となっている構成を採り、また部分的には将来開発されるであろう構成を適用することが可能である。
【0017】本実施の形態では、茶刈機として乗用式摘採機Cを用いて説明を行う。前記乗用式摘採機Cは図1に示すように、茶刈機ユニットUを走行台車Bに対して着脱自在に取り付けるように構成されるものであって、前記茶刈機ユニットUは茶葉Aに対して直接作用する刈刃ユニット1を本体部2に対して着脱自在に取り付けるように構成するものである。
【0018】ここで前記刈刃ユニット1及び本体部2についての定義について言及しておくと、まず前記刈刃ユニット1は茶葉Aに対して直接作用するものであって、請求項1で定義したように、刈刃体10と、この刈刃体10を支持する刈刃支持ガイド板11と、駆動源5から伝達される動力を刈刃体10の往復運動に変換するための往復駆動部12とを一組立体として構成したものである。また前記本体部2は、前記刈刃ユニット1を支持する強度メンバーとなるものであり、茶刈機ユニットUから前記刈刃ユニット1に含まれる諸部材を除外した部材によって構成される。本実施の形態では風送管3、駆動源5等の部材と、これらを支持する枠部材とによって構成されるものである。
【0019】前記本体部2について詳細に説明すると、前記本体部2の枠部材は一例として前後に平行したアルミパイプ等の軽量な部材を適宜適用した上部フレーム20の両端部分にそれぞれ側板21、側板22を具えるとともに、これら側板21、22の下部に案内板23を具えることで、正面視でいくぶんか湾曲した矩形状の開口を有するように構成されるものである。
【0020】そして前記側板22の外側に対しては、図2に示すように後述する刈刃ユニット1におけるスリット16aと係合するピン22aを具えるものである。また前記案内板23は後述する刈刃体10の後方に位置するものであり、例えばアルミニウム等の金属板をアーチ側に湾曲させるとともに、その長手方向に沿って複数カ所に雌ネジ孔23aを形成する。
【0021】次にこのような枠部材に保持される諸部材について説明する。風送管3は、前記案内板23の前方斜め上方に、前記上部フレーム20のほぼ全幅にわたって横臥状態に設けられるものであって、このものは案内板23上に指向するように多数本が分岐形成された分岐ノズル3aから、後述する駆動源5によって駆動されるファンユニット30より供給されるエアを噴出するものである。
【0022】また駆動源5は、前記上部フレーム20の間に保持されるようにして搭載されるものであって、本実施の形態では一例として2サイクルエンジン等を適用するものであるが、もちろん他の電動機、オイルモータ等、要は後述する刈刃体10を駆動することができるようなものであれば、どのようなものであっても差し支えない。そして駆動源5の下面には出力軸50が突出するとともにファンユニット30を貫通しており、この出力軸50の下端部分にカップリング要素たる凹部50Aが形成されている。凹部50Aの形状は後述する凸部15Aの形状に対応させるものであって、円形状の横断面において中心線からその両側に同寸法離れた二本の直線によって区画された部分を、出力軸50の下端面から上方に一定範囲にわたって切除した形状とする。
【0023】また前記上部フレーム20の左右に位置する側板21、22には、前記走行台車Bへの組み付け手段の一例である金属パイプを適用した組付体6が設けられる。
【0024】次に前記本体部2とともに茶刈機ユニットUを構成する刈刃ユニット1について詳細に説明する。このものは刈刃体10の周辺部材のモジュール化を図ったものであって、上下一対の刈刃体10と、これら刈刃体10を摺動自在に支持する刈刃支持ガイド板11と、駆動源5から伝達される動力を刈刃体10の往復運動に変換するための往復駆動部12とを一組立体として構成して成るものである。そして前記上下一対の刈刃体10が交互に往復動することで、各刈刃体10に形成した歯102のバリカン作用により茶葉Aの摘採を行うものである。
【0025】以下、刈刃ユニット1を構成する諸部材について説明する。まず前記刈刃体10は図4の斜視図に示すように、一例としてステンレス材を平面視L字形に加工して成るものであり、その長辺部である摺動部101に対して長手方向に沿って適宜の間隔で前記歯102を形成するとともに、短辺部には角を丸くした長方形状のエキセンプレート受入部103を形成して成るものである。
【0026】また前記刈刃支持ガイド板11は比較的肉厚の充分な剛性を持った金属部材であって、茶畝にほぼ沿うような湾曲した形状を有し、前記本体部2の幅寸法とほぼ同じ幅寸法を有するものである。そしてこの刈刃支持ガイド板11に対して摺動自在に上下一対の刈刃体10をガイドピン13を用いて取り付ける。また刈刃支持ガイド板11には、その長手方向に沿って複数カ所に孔11aを形成するものとする。
【0027】また前記刈刃支持ガイド板11の一端側には前記往復駆動部12を組み付けるものであって、この往復駆動部12はいわゆるエキセントリックシャフトの機構を用いたものであり、前記駆動源5の出力軸50の回転運動を刈刃体10の直線往復運動に変換する機構を具えるものである。
【0028】前記往復駆動部12の具体的な構造は図4に示すように、まず入力軸15の一端に対して、実質的に偏心運動を行わせる上下二枚に重なったエキセンプレート14を設けるものである。この二枚のエキセンプレート14はその位相を180°異ならせて構成されるものであって、個々のエキセンプレート14に対してそれぞれケージ付きのニードルベアリング14aを外嵌する。そして上下一対の刈刃体10におけるエキセンプレート受入部103内にそれぞれ前記ニードルベアリング14aを外嵌したエキセンプレート14を位置させる。更にケーシング12Aに固定された軸受14bに対して入力軸15を挿通するようにして、刈刃体10におけるエキセンプレート受入部103の周辺をケーシング12A内に収容するものである。
【0029】このとき本実施の形態では入力軸15の上端部分はケーシング12Aの上面より突出した状態となっており、この入力軸15の上端部分にカップリング要素たる凸部15Aを形成する。また凸部15Aの形状は前記凹部50Aの形状に対応させるものであって、円形状の横断面において中心線からその両側に同寸法離れた二本の直線によって区画された部分の外側を、入力軸15の上端面から下方に一定範囲にわたって切除した形状とする。
【0030】更に前記ケーシング12Aにおける刈刃支持ガイド板11側の側面には、図2に示すように平面視くの字形の側板16が立設されるものであって、このものには前記本体部2における側板22に具えたピン22aと係合するスリット16aを形成する。
【0031】刈刃ユニット1は一例として上述のような構造を有するものであり、前記入力軸15の回転によってエキセンプレート14が偏心運動をすると、上下一対の刈刃体10が互いに行き違い方向に往復運動をして歯102がバリカン状の運動をするものである。なお、刈刃体10の駆動構造としては上述の往復駆動部12以外にも、片方の刈刃体10のみを駆動するタイプのものや、ベベルギヤとユニバーサルジョイントとの組み合わせを用いて動力伝達を行うものなど、種々の構成が採り得るものである。
【0032】刈刃ユニット1及び本体部2は一例として上述した構造を有するものであって、これらを互いに組み付けることで茶刈機ユニットUが構成される。具体的には図3に示すように、刈刃支持ガイド板11を案内板23に載置するとともに側板22に具えたピン22aに対して、側板16に形成したスリット16aを係合させ、このときカップリング要素たる凸部15A及び凹部50Aを相互に結合させるものである。なおこの時の作業手順の詳細については後述する。
【0033】そしてこのようにして構成した茶刈機ユニットUを、走行台車Bに対して組み付けることで茶刈機の一例である乗用式摘採機Cが構成されるものである。ここで走行台車Bについて簡単に説明しておくと、走行台車Bは図1に示すように適宜のフレームFに対して、走行体である無端軌道40と、収葉コンテナ41及びダクト45を具えて成るものである。そして前記フレームFの内側に茶刈機ユニットUとの接続要素となる二本のロッドRを具える。
【0034】そして前記茶刈機ユニットUにおける本体部2に具えた二本の組付体6に対して、前記走行台車Bに具えたロッドRを装嵌させるようにした後、適宜固定を行うことで乗用式摘採機Cを構成するものである。
【0035】茶刈機の一例である乗用式摘採機Cは、一例として上述したような構成を有するものであり、適宜の保護カバーを刈刃体10に装着した状態で出荷される。そして茶園においては以下に示すような手順によって刈刃ユニット1と本体部2との着脱、すなわち実質的な乗用式摘採機Cからの刈刃体10の着脱作業を迅速且つ安全に行うものである。
【0036】(1)刈刃ユニットの取り外し使用中の乗用式摘採機Cにおける茶刈機ユニットUの刈刃体10の保守、研磨等の必要が生じた場合には、作業者は駆動源5を停止した状態で、刈刃体10に対して保護カバーを装着した上で更に以下のような手順で刈刃ユニット1の取り外しを行う。
【0037】〔カップリング要素の設定〕作業者はまず結合状態にあるカップリング要素たる凸部15A及び凹部50Aを具えた入力軸15及び出力軸50を回転させて、図3(b)に示すように双方の長手方向が側板16及び側板22に対して平行になるようにする。なお往復駆動部12または駆動源5に対して適宜位置決め用のマーキングを付しておけばこのような操作を容易に行うことができる。
【0038】〔係止機構及びカップリング要素の解除〕そしてビス17を取り外した後、図3(a)に示すように刈刃ユニット1を保持してこのものを引き抜くことで、前記カップリング要素たる凸部15A及び凹部50Aの結合を解除するとともに、係止機構であるスリット16aとピン22aとの係合を解除する。このとき作業者は一組立体として構成された刈刃ユニット1を扱うことになるため、左右のバランスを保つ等の微妙な操作を行うことなく、実質的な乗用式摘採機Cからの刈刃体10の取り外し作業を一人で容易且つ安全に行うことができる。
【0039】(2)新たな刈刃ユニットの装着次いで別途用意しておいた保守、研磨済みの刈刃体10を具えた刈刃ユニット1を、以下のような手順で本体部2に対して装着するものである。
【0040】〔カップリング要素の設定〕作業者はまず図3(a)に示すように、カップリング要素たる凸部15A及び凹部50Aを具えた入力軸15及び出力軸50を回転させてこれらの長手方向がそれぞれ側板16及び側板22に対して平行になるようにする。
【0041】〔係止機構及びカップリング要素の結合〕次いで刈刃ユニット1を保持して、刈刃支持ガイド板11を案内板23に載置するものであり、この際図3(b)に示すように、側板22に具えたピン22aに対して、側板16に形成したスリット16aを係合させた状態で、刈刃ユニット1を本体部2側に押し込み、スリット16aの終端部分にピン22aを位置させる。このような一連の動作により、前記カップリング要素たる凸部15A及び凹部50Aが相互に結合するとともに、入力軸15及び出力軸50の中心が重なることとなる。なおこのとき吊りバネを用いるなどして刈刃ユニット1を本体部2に対して吊持状態にしておけば、このような作業を容易に行うことが可能となるものである。
【0042】続いて刈刃支持ガイド板11に形成した孔11a及び案内板23に形成した雌ネジ孔23aに対してビス17をねじ込むことで両者を固定するものである。このように刈刃体10を具えた刈刃ユニット1を乗用式摘採機Cに固定された本体部2に組み付けることで、実質的に刈刃体10を乗用式摘採機Cに対して装着する作業が簡易に行えるものであり、茶園においては乗用式摘採機Cの稼働率の低下が最小限に抑えられ、茶葉Aの摘採を効率的に行うことができる。
【0043】(3)刈刃ユニットの再生及び本体部への装着一方、すでに取り外した、切れ味の鈍った刈刃体10を具えた刈刃ユニット1については、このものを適宜作業所に持ち込み、ガイドピン13を解除し、往復駆動部12を分解するとともに刈刃体10を刈刃支持ガイド板11から取り外し、歯102の刃研ぎを行う。そしてこの刃研ぎの完了した刈刃体10を再度刈刃支持ガイド板11に組み付けるとともに往復駆動部12を組み立てることで使用可能な刈刃ユニット1を構成し、次の使用に備えて待機する。そして刈刃体10の切れ味が鈍った時点で、上述した手法と同様にして、再生した刈刃ユニット1を乗用式摘採機Cに固定された本体部2に対して装着するものである。
【0044】
【他の実施の形態】本発明は上述した実施の形態を基本となる実施の形態とするものであるが、本発明の技術的思想に基づいて以下に示す実施の形態を採ることもできる。
【0045】〔本体部の形態を異ならせた実施の形態〕まず先の基本となる実施の形態においては、走行台車Bに対して、刈刃ユニット1と本体部2とを具えて成る茶刈機ユニットUを着脱自在に取り付けるようにしたが、前記本体部2の形態を以下のように異ならせることもできる。つまり先の基本となる実施の形態における本体部2の形態は、本体部2の枠部材に対して風送管3、駆動源5等の部材を保持するようにしたものであり、これらの部材を一まとめとして走行台車Bから取り外すことを可能としたものであったが、この実施の形態では本体部2を走行台車Bに具えたダクト45の一部に構成し、風送管3、駆動源5等の部材を走行台車B側に保持するものとする。具体的には図7に示すように、走行台車Bのダクト45における導入部分をモノコックフレームとして把握されるような強度メンバーとして、この部分に風送管3、駆動源5等の部材を支持するものである。そしてこのダクト45に対して刈刃ユニット1における刈刃支持ガイド板11を取り付けることで茶刈機ユニットUが構成されるものである。つまりこの実施の形態では、本体部2は走行台車Bと一体的に構成されるものであり、このような走行台車Bに対して、刈刃ユニット1を取り付けた時点で茶刈機ユニットUが構成されるものとなる。
【0046】〔作業形態に応じた複数種の刈刃ユニットを選択する実施の形態〕また先の基本となる実施の形態は、本発明を茶刈機の一例である摘採機について適用したものであるが、茶樹の管理に用いる刈りならし機、浅刈機、軽剪枝機、中刈機及び刈り込み機等他の茶刈機あるいは茶園管理以外に用いるトリマに対しても適用することが可能である。
【0047】このような種々の茶刈機に対して本発明を適用する場合には、本体部2に対して装着される刈刃ユニット1を、作業形態に応じて刈刃形態の異なるものを複数種用意しておくことで、単一の本体部2を摘採用、浅刈用及び中刈用等として用いることができるため、個々の茶刈機をそれぞれ専用機として購入する場合に比べてイニシャルコスト及びランニングコストを著しく低減することができる。
【0048】また先の基本となる実施の形態では、茶刈機については摘採機ユニットUを走行台車Bに組み合わせることで構成した乗用式摘採機Cを例に挙げて説明したが、茶刈機の形態としては、摘採機ユニットUに対してハンドルを取り付けた可搬式のもの、摘採機ユニットUに自走台車を取り付けたもの、あるいは摘採機ユニットUに管理用レール上を移動する台車を組み付けたレール走行式のもの等の形態が採り得るものでる。
【0049】〔刈刃ユニットに対して駆動源を具える実施の形態〕また先の基本となる実施の形態は駆動源5を本体部2に対して具えるようにしたものであったが、これはこの本体部2から分離される刈刃体10の周辺部材をモジュール化した刈刃ユニット1を軽量なものとするためである。従って駆動源5としてオイルモータ、電気モータ等軽量なものを用いた場合には、この駆動源5を図6に示すように刈刃ユニット1における往復駆動部12の上方に対して具えるようにすることもできる。
【0050】駆動源5としてオイルモータを用いた場合には、適宜油圧経路の配管途中をワンタッチカップリングで着脱自在として刈刃ユニット1と本体部2との分断を図ることができ、更に本体部2が固定される走行台車B等に対して駆動用の油圧ポンプを搭載することで、茶刈機ユニットUの軽量化も図ることができる。また駆動源5として電気モータを用いた場合には、適宜給電用配線の途中をジャック、プラグ等を用いてワンタッチで着脱自在として刈刃ユニット1と本体部2との分断を図ることができ、更に本体部2が固定される走行台車B等に対して駆動用の発電機を搭載することで、茶刈機ユニットUの軽量化も図ることができる。
【0051】〔係止機構の他の実施の形態〕また係止機構については、先の基本となる実施の形態ではこのものを側板16に形成した直線状のスリット16aと、側板22に具えたピン22aとによって構成としたが、要は刈刃ユニット1と本体部2との位置決めを簡易に行うことができ、このときカップリング要素同士の結合を行え得るような構造であればよいので、以下に示す実施の形態を採ることもできる。
【0052】図7に示す係止機構は、スリット16aの形状をL字形とすることで、このスリット16aとピン22aとがバヨネット方式で係合するようにしたものである。このような構造とすることで、刈刃ユニット1を本体部2に対して組み付ける際に、ピン22aがスリット16aの水平部における終端部に位置したときに、案内板23と刈刃支持ガイド板11の前後方向の位置決めが成され、更にピン22aがスリット16aの垂直部における下端部に位置したときに、案内板23と刈刃支持ガイド板11の上下方向の位置決めが成されるものである。
【0053】なお係止機構をこのような構造とする場合には、図7(b)(c) に示すように刈刃支持ガイド板11の断面形状を段違いの水平部を有するものとすることで、低位置の水平部に案内板23が載置状態となったときに、高位置の水平部の上面が案内板23の上面よりも上方に位置するため、案内板23側への茶葉Aの移送を妨げることがない。
【0054】〔カップリング要素の他の実施の形態〕またカップリング要素については、先の基本となる実施の形態では、凸部15Aと凹部50Aとが互いに水平方向に接近することで結合することができる構成としたが、要は入力軸15と出力軸50との結合を容易且つ確実に行うことができるような構造であればよいので、以下に示す実施の形態を採ることもできる。
【0055】まず図8(a)に示すカップリング要素は、凸部15A及び凹部50Aの形状を方形とすることで、これらが互いに垂直方向に接近することでのみ結合できる構成としたものである。
【0056】また図8(b)に示すカップリング要素は、凹部50Aを入力軸15に形成し、凸部15Aを出力軸50に形成したものであって、更にこの実施の形態では入力軸15の上端部がケーシング12Aの上面から突出しないようにしたものである。
【0057】上述した二形態のようなカップリング要素の構造を採る場合には、前出のバヨネット方式の係止機構(図7に示したスリット16a及びピン22a)とすることで、凸部15A及び凹部50Aが互いに垂直方向に接近して結合することが可能となるものである。そしてこのようなカップリング要素の構造を採ることで、入力軸15と出力軸50とが前後方向にずれた場合には互いに結合することができないため、互いの中心を確実に一致させた状態で結合させることができる。
【0058】また図8(c)に示すカップリング要素は、入力軸15及び出力軸50自体をカップリング要素とするものであり、これら入力軸15及び出力軸50の形状を一例として方形としたものである。そしてスリーブSを出力軸50と、入力軸15とに外嵌することで双方の結合を行うようにしたものである。
【0059】更にまたカップリング要素としては上述したものの他、図示は省略するがフレキシブルシャフトを用いることで出力軸50と入力軸15との結合を図るようにしてもよく、この場合には、刈刃ユニット1と本体部2との組み付けは、案内板23と刈刃支持ガイド板11との位置関係のみを正確に合わせればよいので、組み付け作業を更に簡素化することができる。
【0060】〔刈刃ユニットの形態を異ならせた実施の形態〕また先の基本となる実施の形態においては本体部2の枠部材は、図1、2、3、5、6に示したように、上部フレーム20の下方に対向して位置させた案内板23を強度メンバーの一部として用いたものであったが、この部分の強度メンバーとしては図9に示すように、一例として角鋼管を適用した下部フレーム24を用い、案内板23についてはむしろ刈刃ユニット1の一部としてもよい。
【0061】すなわち、刈刃ユニット1の構成を刈刃支持ガイド板11と案内板23とを一体的に固定することで案内板23を含んだものとし、これを本体部2に対して着脱自在に取り付けるものとする。もちろん案内板23とダクト45との間に他の部材が設けられる場合には、その部材までをも刈刃ユニット1の構成部材としてもよい。
【0062】またこの実施の形態での刈刃ユニット1の本体部2への装着は、図9(a)に示すように案内板23の下方に対向させて下面板25を具えることで、これら案内板23と下面板25とによって下部フレーム24を挟持状態にするとともに、ビス17等を用いて案内板23を下部フレーム24に固定して行うものとする。なお前記下面板25は刈刃ユニット1の強度メンバーの一部としても機能することとなる。
【0063】また図9(b)に示すように下面板25を折り曲げることで、案内板23に対して垂直な面となる位置決め部25aを形成して、この位置決め部25aと案内板23の下面とによって下部フレーム24の位置決めを確実に行えるような構造とすることもできる。更に図9(c)に示すように、上述のような位置決め部25aに対向させて位置決め補助板25bを具えることで、これら位置決め部25aと位置決め補助板25bとの間に下部フレーム24が嵌まり込むようにして、下部フレーム24の位置決めをより確実に行えるような構造とすることもできる。
【0064】また図10に示すように、前記下部フレーム24を側板21、側板22から取り外せるような構成とすることもできるものであり、下部フレーム24の両端部に取付ブラケット24aを形成するとともに、バックル26やボルト27等を用いて取付ブラケット24aと側板21及び側板22との接続を行うものとする。この場合、下部フレーム24は刈刃ユニット1の構成部材となるものであり、図9に示した手段等によって案内板23に固定されるものである。なお前記取付ブラケット24aを限りなく高く立ち上げ、一方、この取付ブラケット24aが組み付けられる側板21、側板22を限りなく短寸の部材として、あたかも取付ブラケット24aが本体部2の側板を形成するような形態となっても、もとより差し支えない。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、茶刈機からの刈刃体10の取り外し及び茶刈機への刈刃体10の取り付けを、刈刃体10と、この刈刃体10を支持する刈刃支持ガイド板11と、駆動源5から伝達される動力を刈刃体10の往復運動に変換するための往復駆動部12とを一体的に具えて成る刈刃ユニット1を構成するとともに、この刈刃ユニット1を茶刈機の本体部2に対して着脱自在に構成することで容易に且つ迅速に行うことができる。また本体部2と、刈刃体10周辺部材等のそれぞれのモジュール化を図ることができ、異種仕様の茶刈機をより合理的に製造することが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000104386
【氏名又は名称】カワサキ技研株式会社
【出願日】 平成11年12月6日(1999.12.6)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
【公開番号】 特開2001−190129(P2001−190129A)
【公開日】 平成13年7月17日(2001.7.17)
【出願番号】 特願平11−346766