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【発明の名称】 コンバインの上部点検用ハシゴ取付構造
【発明者】 【氏名】大谷 利克

【要約】 【課題】コンバインの上部を点検する為に使用されるハシゴを、機体より突出しない状態で収納することのできるコンバイン構造を提供することを目的とする。

【解決手段】グレンタン6の後方で穀粒搬出装置7の縦送り部より横側方の空間に点検用のハシゴ26を収納し、縦送りスクリューケース10Bを支持する支持フレーム13とグレンタンク6の後面とに亘ってハシゴ26を取り付けてある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グレンタンク後方で、かつ、そのグレンタンクから穀粒を搬出する穀粒搬出装置における縦送り部の横側方に位置する空間に、ハシゴを配置するとともに、前記ハシゴを取付固定する取付具を、前記縦送り部に設けてあるコンバインの上部点検用ハシゴ取付構造。
【請求項2】 前記空間を覆うカバーを前記グレンタンクに揺動開閉自在に支持するとともに、前記取付具に取り付けたハシゴの他端を前記カバーの揺動支点位置に揺動自在に支持し、前記取付具より取り外した前記ハシゴの一端を、前記カバーに設けてあるブラケットに対して着脱可能に構成してある請求項1記載のコンバインの上部点検用ハシゴ取付構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グレンタンク内を清掃するためにタンク上に一旦上るためや、エアクリーナの前段に備えてあるプレクリーナのフィルタ交換作業の為に、コンバインの上部に上る際に利用されるハシゴを備えているコンバインの上部点検用ハシゴ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】上記ハシゴ26を取り付けるに、図9に示すように、運転操縦部を覆うように設けてある運転キャビン5の側面に、その側面より突出する状態で設けてあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように突出する状態で設けるのは、足を掛ける部分を側面より突出させる必要がある為であるが、その突出する形状の為に、その分機体幅が大きくなり周り刈り時に障害物と接触する虞があった。
【0004】本発明の目的は、周り刈り時にも支障のないように、機体幅が大きくならない程度にハシゴを装着することのできるものを提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(構成) 請求項1に係る発明は、グレンタンク後方で、かつ、そのグレンタンクから穀粒を搬出する穀粒搬出装置における縦送り部の横側方に位置する空間に、ハシゴを配置するとともに、前記ハシゴを取付固定する取付具を、前記縦送り部に設けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】(作用効果) グレンタンク後方で、かつ、前記縦送り部の横側方に空き空間があることに着目し、この空き空間にハシゴを位置させることによって、グレンタンクより突出することなくハシゴを配置できる。しかも、ハシゴを比較的強固な構造を採る縦送り部に取り付けることができるので、ハシゴを使って上り下りする際にハシゴがガタ付かず使い易い。
【0007】(構成) 請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記空間を覆うカバーを前記グレンタンクに揺動開閉自在に支持するとともに、前記取付具に取り付けたハシゴの他端を前記カバーの揺動支点位置に揺動自在に支持し、前記取付具より取り外した前記ハシゴの一端を、前記カバーに設けてあるブラケットに対して着脱可能に構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】(作用効果) カバーを設けることによって、ハシゴを空間内に位置させて機体横側方に突出しない状態にしてあるが、周り刈り時に畦の草木等とハシゴが接触してハシゴにそれらが巻き付いてトラブルの原因となることを回避できるとともに、ハシゴの露出を抑えて美観上も良好である。このような目的で設けられたハシゴをカバーにも取付けることができるので、グレンタンクや縦送り部に対する作業を行う場合にもハシゴの仕舞いが良好になり、ハシゴ自体が作業の邪魔になることが少ない。
【0009】
【発明の実施の形態】図1及び図2に示すように、クローラ走行装置1で駆動走行する走行機体2の前端部に、昇降自在に刈取前処理部3を取付構成するとともに、刈取前処理部3の縦搬送装置3Aの後方に脱穀装置4、縦搬送装置3Aの横側方に運転キャビン5、運転キャビン5の後方で脱穀装置4の横側方に脱穀済みの穀粒を収納するグレンタンク6、グレンタンク6内の穀粒を機外に搬出する穀粒搬出装置7を走行機体2に装備して、コンバインを構成する。
【0010】穀粒搬出装置7について説明する。図1〜3に示すように、グレンタンク6の底部に底スクリューコンベア8を配設するとともに、底スクリューコンベア8からの穀粒を受け取り、機外に搬出する穀粒搬出装置7をグレンタンク6に連結してある。穀粒搬出装置7は、縦送り部としての縦姿勢の縦送りスクリューコンベア9と、この縦送りスクリューコンベア9の上端に連結される横送りスクリューコンベア10とで構成してある。縦送りスクリューコンベア9は、縦スクリュー11を収納した縦送りスクリューケース12を備え、縦送りスクリューケース12は、グレンタンク6の後面下端部より後向きに延出されたエルボ部分12Aと、エルボ部分12Aの上方側に連結された中間ケース部分12Bと、中間ケース部分12Bの上端に水平回動自在に連結された上端ケース部分12Cとからなる。上端ケース部分12Cにはリングギヤ12Dが設けてあり、図4に示すように、中間ケース部分12Bに取り付けた駆動モータ14で駆動されるピニオンがリングギヤ12Dと噛みあって、上端ケース部分12Cのみならず横送りスクリューコンベア10とが一体で水平回動可能に構成してある。
【0011】エルボ部分12Aより下向きに枢支軸部12aが突設してあり、走行機体2の支持台2Aに設けた軸受けボス2a内に支承するとともに、中間ケース部分12Bからグレンタンク6に連結用ブラケット15を延出して連結固定し、更に、上端ケース部分12Cを支持台2Aより立設した支持フレーム13の上端ボス部13Aで回動自在に支持してある。以上のような構成より、枢支軸部12aから中間ケース部分12Bを通って上端ケース部分12Cに至る縦軸心Y周りで、中間ケース部分12Bとエルボ部分12Aとがグレンタンク6と一体で、走行機体2の横外側方に揺動開放可能に構成してある。このような構成によって、グレンタンク6を機体横外側方に揺動移動させて、グレンタンク6と脱穀装置4との間の空間を広く開けて、メインテナンス作業を円滑に行えるようになっている。
【0012】図3に示すように、横送りスクリューコンベア10は、横スクリュー10Aを収納した横送りスクリューケース10Bを備え、横送りスクリューケース10Bを上端ケース部分12Cに横向き軸心X周りで上下揺動自在に連結構成してあり、上端ケース部分12Cと横送りスクリューケース10Bとに亘って架設された昇降シリンダ16によって上下揺動駆動されるように構成されている。以上のような構成より、横送りスクリューコンベア10を水平回動可能かつ上下揺動可能に構成することによって、横送りスクリューコンベア10の先端に設けられた穀粒排出口10aの位置を任意の位置に設定することができ、圃場より畦上の運搬用トラック等への搭載を円滑に行えるようになっている。
【0013】次に、グレンタンク6の増量構造について説明する。図5に示すように、脱穀装置4からの穀粒を搬送する穀粒搬送スクリューコンベア17からの穀粒を取り入れる取り入れ口6aを脱穀装置4に面する側面に形成するとともに、その側面に対向する側面で機体横外方側に位置する横外側面6Aに増量構造を形成している。つまり、図5及び図6に示すように、横外側面の一部に、横向き軸心Z周りで揺動開閉自在な拡張ケース18を取り付けるとともに、拡張ケース18を外側板部18Aとこの外側板部18Aの前後に配置された前後板部18B,18Cとで形成している。拡張ケース18の天井板部18Dとして折れ曲がり可能な板状部分が設けてあり、天井板部18Dには、中間位置に折れ曲がりを設けてあり、拡張ケース18の揺動開閉作動に連動して、天井板部18は拡張ケースの収納時に折れ曲がり状態となり、拡張ケース18の開放時には、伸長状態となる。
【0014】拡張ケース18の揺動開閉作動を駆動する構造について説明する。図5及び図6に示すように、拡張ケース18の上方でグレンタンク6内に駆動ピニオン19を回転支持するとともに、拡張ケース18の上端縁に前記駆動ピニオン19に咬合する咬合孔18aを形成したアングル状のラック縁18Eを設け、構成してある。このような構造によって、駆動ピニオン19を駆動することによって、ラック縁18Eを拡張ケース18と一体で揺動駆動できるようにしてある。そうすると、拡張ケース18の揺動角つまり横外側方への突出量を調節でき、収納必要量に対応した拡張量を採ることができる。
【0015】拡張ケース18とグレンタンク6との間のシール構造について説明する。図6に示すように、グレンタンク6の横外側面6Aに拡張ケース18の出入を許す抜き孔6bを形成するとともに、抜き孔6bを形成した外側板部18Aの縁を内側に折り曲げ形成し、更に、その内側にアングル状の当て板20を設けてある。外側板部18Aの折り曲げ縁とアングル状の当て板20との間に、パッキン21を挟み込み、パッキン21の内端を拡張ケース18の前後板部18B,18Cに当てつけて、シール構造を形成している。したがって、拡張ケース18が揺動する場合にも、パッキン21が前後板部18B,18Cに接触し、シール機能を発揮する。
【0016】以上の構成はグレンタンク6に拡張ケース18を設ける場合について説明したが、グレンタンク6の外側板部18Aが開閉せず、グレンタンク6の容量が一定の場合の構造について説明する。図7に示すように、外側板部18Aの内側に、前後板部18B,18Cの代わりに板状のブラケット18bを取付け固定するとともに、外側板部18Aと当て板20との間に、パッキン21の代わりにアングル状の連結部材22の一側辺を挟み込んでボルトで固定し、連結部材22における他側辺を板状のブラケット18bの外側面に当てつけて、この連結部材22の他側辺と板状のブラケット18bとをボルトで連結して、外側板部18Aの揺動を規制する構成を採っている。このような構造によって、拡張ケース18を有するグレンタンク6であっても、外側板部18Aの折り曲げ縁に当て板20を当て付ける構成を利用した改造が可能であり、兼用化による効果がある。
【0017】次に、メインテナンス時使用されるハシゴ26について説明する。図3に示すように、ハシゴ26は左右一対の側枠26Aとその側枠同士に亘って掛け渡された横桟26Bとで構成し、一方の横桟26Bにハシゴ26を回転可能に支持する軸26aを縦向きに固着してある。一方、グレンタンク6の後外側面6Cにハシゴ26を受け止めるブラケット23,23を上下二個所に設けてある。ブラケット23,23の先端に軸26aの下半分を差込み、軸26aの軸心P周りで、ハシゴ26を水平揺動可能に形成してある。一方、支持フレーム13の上端ボス部13Aの周面より取付具としての板状ブラケット24を突設してあり、軸26aを設けた側枠26Aとは反対側に位置する側枠26Aを板状ブラケット24間に挟み込みピン25で抜け止め固定するようになっている。以上のような構成によって、ハシゴ26はグレンタンク6の後方でかつ穀粒搬出装置の縦スクリューコンベア9の横外側方に形成された空間a内に配置でき、グレンタンク6より横外側方に突出することはない。メインテナンス作業としては、グレンタンク6ないに入っての作業や、運転キャビン5に設けてあるプレクリーナ29のフィルター交換作業が挙げられる。このプレクリーナ29は大豆等を刈り取る場合に出る埃がエアクリーナ30に吸入される前に除去するものである。
【0018】図2及び図8に示すように、ハシゴ26を隠して空間aを覆うカバー27を設けてあり、カバー27の内側に係止ブラケット27Aを設けてあり、係止ブラケット27Aの先端ボス部を軸26aの上半分に差込み、軸26aの軸心P周りで揺動開閉自在にカバー27を構成してある。カバー27の裏面にブラケットとしてのクランプ28を上下2個所に設けてあり、ハシゴ26の遊端側の側枠26Aを板状ブラケット24より取り外して、クランプ28で受け止めるように構成してある。このように、クランプ28にハシゴ26を固定することによって、ハシゴ26をカバー27に取り付けた状態でそのカバー27と一体で、軸心P周りに揺動開閉自在に構成してある。又、グレンタンク6を縦搬送スクリューコンベア9の軸心Y周りに水平回動する際にも、ハシゴ26をカバー27に取り付けることによって、ハシゴ26とカバー27とをグレンタンク6と一体で揺動移動できるようになっている。
【0019】〔別実施形態〕本発明は以下のような形態で実施することもできる。
・ ハシゴ26の取付構造としては、縦送りスクリューケース10Bとグレンタンク6の後面とで支持するようにしてあるが、縦送りスクリューケース10Bのに支持させる構成を採ってもよい。
・本発明は、コンバインとしては運転キャビン5を設けていない機種にも適用できる。
・ 穀粒搬出装置7の縦送り部は、縦スクリューケース10とともに支持フレ―ム13を含むものとする。
【出願人】 【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
【出願日】 平成11年12月24日(1999.12.24)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
【公開番号】 特開2001−178243(P2001−178243A)
【公開日】 平成13年7月3日(2001.7.3)
【出願番号】 特願平11−367297