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【発明の名称】 コンバインの操縦部
【発明者】 【氏名】佐村木 仁

【氏名】新保 喜崇

【氏名】新福 勇一

【氏名】坂田 淳哉

【氏名】矢吹 誠

【氏名】松井 孝広

【氏名】三好 正剛

【要約】 【課題】コンバインの操縦部における主変速レバー等、各動力伝達装置の操作性を向上させることを課題とする。

【解決手段】コンバインにおいて、該丸型ハンドル17の回転軸の軸心17bより主変速レバー18を左右方向に横設し、該丸型ハンドル17の周部に自扱スイッチ45を配設する。また、主変速レバー18のグリップに脱穀クラッチスイッチ54と刈取クラッチスイッチ55を配設する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 丸型ハンドルにより操向するコンバインにおいて、該丸型ハンドルの回転軸を構成するコラムより主変速レバーを左右方向に横設したことを特徴とするコンバインの操縦部。
【請求項2】 丸型ハンドルにより操向するコンバインにおいて、該丸型ハンドルの周部に脱穀部における扱ぎ深さを調節する自扱スイッチを配設したことを特徴とするコンバインの操縦部。
【請求項3】 操縦席前方あるいは側方に主変速レバーを立設するコンバインにおいて、該主変速レバー上端のグリップに脱穀部への動力を断・接する脱穀クラッチスイッチと刈取部への動力を断・接する刈取クラッチスイッチを配設したことを特徴とするコンバインの操縦部。
【請求項4】 前記脱穀クラッチスイッチが「切」のとき、刈取クラッチスイッチの入・切操作ができない機構にしたことを特徴とする請求項3記載のコンバインの操縦部。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの操縦部の配置構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術は、コンバインにおける操縦部は、ステップの後部に座席を配置し、前部に操作コラムを立設し、内側部にサイドコラムを立設していた。そして、該操作コラム上に丸型のハンドルを配置して操向できるようにし、その側部に主変速レバーを配置し、該サイドコラムの上面に脱穀部における扱ぎ深さを調節する自扱スイッチを配設していた。また、前記ステップは、ステップ板とステップマットから構成され、オペレータの足場を形成し、該ステップの前部より脱穀クラッチレバーおよび刈取クラッチレバーを立設していた。また、エンジンなどの高温部において、冷却ファンを配設し、該冷却ファンはシュラウドにより高温部に強い風をあてていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記のように従来のような、主変速レバー、自扱スイッチ、脱穀クラッチレバー、および、刈取クラッチレバーの配設位置では、それぞれの操作をする際にやや前屈みしたり、手をいっぱいに伸ばすなどしなけらばならず、やや操作性が悪かった。
【0004】本発明は前記の点を鑑み、コンバインの操縦部における主変速レバー等、各動力伝達装置の操作性を向上させることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。すなわち、請求項1に記載の如く、丸型ハンドルにより操向するコンバインにおいて、該丸型ハンドルの回転軸を構成するコラムより主変速レバーを左右方向に横設する。
【0006】また、請求項2記載の如く、丸型ハンドルにより操向するコンバインにおいて、該丸型ハンドルの周部に脱穀部における扱ぎ深さを調節する自扱スイッチを配設する。
【0007】また、請求項3記載の如く、操縦席前方あるいは側方に主変速レバーを立設するコンバインにおいて、該主変速レバー上端のグリップに脱穀部への動力を断・接する脱穀クラッチスイッチと刈取部への動力を断・接する刈取クラッチスイッチを配設する。
【0008】また、請求項4記載の如く、前記脱穀クラッチスイッチが「切」のとき、刈取クラッチスイッチの入・切操作ができない機構にする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明を解決するための手段は以上の如くであり、次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に係るコンバインの全体側面図、図2は同じく平面図、図3は従来における操縦部ステップの構成を示す斜視図、図4は本発明に係る操縦部ステップの構成を示す平面図、図5は図4におけるAより見たバーリング孔を示す側面断面図、図6は従来における操縦部の構成を示す平面図、図7は本発明に係る扱ぎ深さ調節スイッチの配設位置を示す操縦部の平面図、図8は変速レバーのリンク機構を示す平面図、図9は同じく左側面図、図10は本発明の別実施例における主変速レバーの構成を示す側面図、図11はベルトテンションクラッチの構成を示す側面図、図12は脱穀クラッチスイッチが「切」の状態における主変速レバーの部分正面断面図、図13は脱穀クラッチスイッチが「入」の状態における主変速レバーの部分正面断面図、図14は脱穀クラッチスイッチと刈取クラッチスイッチの連動構成を示す回路図、図15はトランスミッション全体の模式斜視図、図16は走行用の第一無段変速ユニットを含むトランスミッションの断面展開図、図17は旋回用の第二無段変速ユニットを含むトランスミッションの断面展開図、図18はトランスミッションの左側面断面図、図19はトランスミッションの左側面図、図20はHST装置を搭載したコンバインの全体的な構成を示した正面模式図、図21は本発明の一実施例に係るHST装置と操縦席との間のリンク機構の構成を示す平面図、図22は本発明の別実施例に係るHST装置と操縦席との間のリンク機構の構成を示す平面図、図23は本発明に係る冷却ファンの構成を示すミッションケース周辺の平面断面図、図24は同じく側面断面図である。
【0010】図1及び図2において、コンバインの全体的な構成から説明する。本実施例におけるコンバインの扱胴4はその回転軸心4aが左右方向に配置され、機体前後方向の長さが短くなるように配設している。このコンバインはクローラ式走行装置1・1上に機体を支持しており、該クローラ式走行装置1・1はトラックフレーム2にアイドラや転輪を支持し、該トラックフレーム2に機体フレームを固定している。機体フレーム上に選別部、その上に脱穀部3が配置され、該脱穀部3は扱胴4やフィードチェーン5よりなり、選別部は揺動選別装置6や唐箕や流穀板等よりなる。該脱穀部3上にグレンタンク19が配置される。機体前端に刈取部7が配置され、引起しケース8L・8Rや掻込装置9や刈刃10や株元搬送装置12や穂先搬送装置13等より構成される。
【0011】前記刈取部7の進行方向右側に操縦部14が配置され、該操縦部14はステップ15の後部に座席16を配置し、前部に操作コラム11を立設し、該操作コラム11上に丸型のハンドル17を配置して操向できるようにし、操作コラム11の側部より主変速レバー18を突出している。前記脱穀部3上にグレンタンク19が配置され、揚穀筒20によって選別後の穀粒が投入される。そして、機体後部上にエンジン22が載置され、ミッションケース23を介してクローラ式走行装置1・1を駆動できるようにし、該エンジン22の側部に排藁カッター21が配置されている。
【0012】次に具体的構成及び作用を説明する。前記刈取部7は機体フレーム前部に設けた回動支点軸26を中心に上下回動自在に支持され、該トラックフレーム2と刈取フレーム29との間に油圧シリンダー27が介装されて刈取部7を昇降可能としている。前記刈取フレーム29の前端には三角形状の分草板41が配置され、該分草板41の後部に引起し装置40が配置され、その後部にスターホィールや掻込ベルト等よりなる掻込装置9が配置され、穀稈は引起し装置40によって引き起こされた後に掻込装置9によって左右中央から後方へ掻き込まれる。そして、株元が株元搬送装置12によって挟持されて刈刃10によって株元が切断される。引起し装置40の後部から進行方向左側の機体側部に沿って脱穀部3の後側部まで株元搬送装置12及び穂先搬送装置13が配設され、該株元搬送装置12及び穂先搬送装置13後部とフィードチェーン5の間の側部に受け継ぎ搬送装置24が配置されている。
【0013】前記フィードチェーン5は脱穀部3の後部でグレンタンク19の下方に位置して左右略水平方向に配置され、該フィードチェーン5の上部に略平行に挟扼杆42が配置され、穀稈の株元を挟持して進行方向左から右方向へ搬送するようにしている。穀稈の穂先側は穂先搬送装置13の後部から機体左上部に開口した脱穀入口25に案内されて投入され、脱穀部3の扱胴4の回転によって脱粒される。本実施例では脱穀部3を上扱き式として扱胴4の高さを低くして重心が下がるようにして機体の重量バランスの向上を図っている。
【0014】前記扱胴4の下方はクリンプ網30にて覆われ、該クリンプ網30の下方に選別機構31が配置されている。選別機構31は、後部を支点として前後方向に揺動させる揺動選別装置6と、該揺動選別装置6の前端に配置して揺動させる篩線32と、揺動選別装置6の後下方に設けて後部下方から前部上方に選別風を供給する唐箕33と、前記選別装置6の前下方に設けて漏下する穀粒を揚穀筒20に取り出す一番コンベア34や一番樋と、前記篩線32の下方に設けて漏下する穀粒や藁屑等が混じる二番還元物を取り出す二番コンベア36や二番樋と、二番コンベア36からの二番還元物を前記選別装置6上面に戻す二番還元コンベア36と、前記篩線32上方右側の吸引口から篩線32上面の藁屑及び粉塵等を吸い込んで機外に排出させる吸排塵ファン37等より構成されている。
【0015】また、前記扱胴4の後端右側を四番口として、扱胴4後右側から排藁カッター21に排藁が排出され、排藁コンベアをなくして機体の軽量化とコンパクト化を図っている。また、脱穀部3の上部にグレンタンク19が配置され、前後方向では座席16後部から機体後部まで、左右方向で略機体幅とすることで、穀粒を収納する容量をできるだけ大きくしている。該グレンタンク19の下部は正面視V字状として、その底部に排出コンベア39が前後方向に配置され、収納された籾を後方へ排出できるようにしている。
【0016】このような構成において、引起し装置40のタイン43・43・・・を回動して、倒伏穀稈を引起し、掻込装置9によって中央側に掻き込んで株元を刈刃10によって切断する。そして、株元搬送装置12穂先搬送装置13に穀稈を挟持して機体左側部に沿って起立した状態のまま後方へ搬送し、受け継ぎ搬送装置24によって株元をフィードチェーン5に受け継ぎ、穂先を脱穀入口25に案内する。
【0017】該フィードチェーン5により挟持された穀稈は右方へ搬送されながら、扱胴4の回転によって脱粒し、排藁は右端より排藁カッター21に送られて切断後に後方より圃場に放出される。また、クリンプ網30を漏下した穀粒や塵埃等は揺動選別装置6上に落ち、藁屑や塵等は風選別と揺動選別によって前方へ送られる。精粒はチャフフィンやグレンシーブ等を通過して流穀板等にガイドされて一番樋上に落下して、一番コンベア34によって右側方へ送られて、揚穀筒20を介してグレンタンク19に収納される。篩線32を通過して落下した二番物は二番樋上に落下して二番コンベア36より二番還元コンベアを介して再度揺動選別装置6の後部上に還元されて、再選別される。そして、藁屑や塵等は吸排塵ファン37より吸引されて機外に排出される。
【0018】次に本発明に係る操縦部14について説明する。図2に示すように、前記操縦部14はステップ15、座席16、ハンドル17等から構成され、該ステップ15の後部に座席16を配置して、前部に操作コラム11を立設し、該操作コラム11上に丸型のハンドル17を配置して、その側部に主変速レバー18を配置している。
【0019】従来、前記ステップ15’は、図3に示すように、ステップ板15’aとステップマット15’bとから構成され、該ステップ板15’aでオペレータの体重を支持し、樹脂製の該ステップマット15’bで圃場で付いた泥等をぬぐい、また、オペレータの足元の滑り止めの役割を果たしていた。
【0020】しかしながら、このように配設すると、ステップ15’の部品点数が増えるとともに、ステップ15’の重量が増し、機体全体を重たくしていた。そこで、図4及び図5に示すように、ステップ板15aにパンチング等により多数のバーリング孔15c・15c・・・を開口して配列し、該バーリング孔15c・15c・・・の突縁となった縁部15d・15d・・・にはゴム等の弾性体91・91・・・等を焼き付けて接着する構成としている。
【0021】このように構成することにより、該バーリング孔15c・15c・・・及びその縁部15d・15d・・・に周設した弾性体91・91・・・により滑り止め及び泥ぬぐい機能を果たし、また、該バーリング孔15c・15c・・・を開口することにより、ステップ板15aの重量を軽減している。さらには、ステップ板15aはバーリング孔15c・15c・・・の縁部15d・15d・・・を立設して構成することにより、バーリング孔15c・15c・・・開口部での応力集中による強度の低下を補強し、オペレータの体重を充分に支えるだけの強度を保っている。
【0022】また、従来、図6に示すように、前記座席側方のサイドコラム28に主変速レバー18’や穀稈の扱ぎ深さを調整する部材となる扱ぎ深さ調節スイッチ45等が配設され、該扱ぎ深さ調節スイッチ45は扱ぎ深さ調節のための自動・手動の切り替え、または、手動で扱き深さを設定するスイッチである。そして、本発明においては、主変速レバー18、扱ぎ深さ調節スイッチ45は操作性を考慮し、次のような位置に配置する。
【0023】すなわち、図7に示すように、扱ぎ深さ調節スイッチ45は、ハンドル17のハンドルリング17aの周部に設け、オペレータはハンドル17を握りながら指先だけで該扱ぎ深さ調節スイッチ45を操作できる。すなわち、入・切及び扱ぎ深さの調整を行なうことができるのである。
【0024】前記扱ぎ深さの調整は、刈取部7により刈り取った穀稈を株元搬送装置12と穂先搬送装置13により搬送するときに、該株元搬送装置12をモータ等で回動して上下させることにより穀稈の脱穀部3へ供給される位置を変えることができ、このとき扱ぎ深さが深すぎると、稲藁等が脱穀部3の扱胴4に巻き付いて、所要馬力が大きくなり能率が上がらなくなるうえ、藁屑の発生が多くなり、馬力を取り、しかも、選別が悪くなるのである。さらに、扱胴4の回転が低下するので詰まり易く、また、詰まることにより部分的に大きな力がかかり破損し易くなるのである。一方、扱ぎ深さが浅すぎると、扱ぎ残しが発生し、短稈稲や高刈り時に脱穀が不十分になるのである。
【0025】このように、脱穀作業における扱ぎ深さの調節は重要であり、本発明の如くハンドルリング17aに扱ぎ深さ調節スイッチ45を配設することにより、オペレータにとっては作業姿勢をそのままにしたまま、指先だけで容易に操作ができ、また、前方を視認しながらの手動操作ができるので、適切な扱ぎ深さに調節でき、作業性が向上するのである。
【0026】次に本発明に係る主変速レバー18の配置構成について説明する。図8及び図9に示すように、主変速レバー18の基部は軸18aに固設されて、該軸18a下端の回動支点49からアーム51、リンク52、アーム53と連結して該アーム53の他端を後述するリンク機構と連結してHST装置の可動斜板を傾倒するための連結部材50と連結されている。尚、本発明に係るコンバインは操向用及び走行用の静油圧式無段変速装置(HST装置)と該HST装置に動力を伝えるエンジン22を機体後部に搭載し、主変速レバー18とHST装置との間のリンク機構については後述する。
【0027】そして、本発明は変速レバー18の基部およびリンクをハンドル17の軸17bの支持部から水平方向側方に突出して配設しており、オペレータにとっては作業姿勢をそのままにして容易に操作ができ、操作性が向上するのである。さらに、前記主変速操作レバー18は軸17bから左右どちらの方向にも突出可能であり、オペレータの利き手に合せた配設とすることもでき、作業性、操作性を向上することができ、更に、着脱可能に構成することで、組立性を向上することができる。
【0028】次に主変速レバー18に配設した脱穀クラッチスイッチ54及び刈取クラッチスイッチ55について説明する。従来、脱穀クラッチレバー及び刈取クラッチレバーは、操作コラム11より立設し、それぞれのクラッチレバーを前後方向に回動操作してそれぞれの動力の伝達を断接していたのであるが、本発明においては、図10に示すように、主変速レバー18先端のグリップ18bに脱穀部への動力を断・接する脱穀クラッチスイッチ54及び刈取部への動力を断・接する刈取クラッチスイッチ55を配設し、また、該グリップ18bの先端面に刈取昇降レバー56を配設している。
【0029】脱穀部3及び刈取部7への動力の断・接は、図11に示すように、それぞれベルトテンションクラッチ60を使用し、前記脱穀クラッチスイッチ54、または、刈取クラッチスイッチ55のスイッチ操作によりベルトテンションクラッチ60を作動させ、それぞれエンジン22からの動力を断・接するのである。尚、クラッチはベルトテンション式に限定するものではなく、電磁クラッチや歯車噛合式等で構成することも可能である。
【0030】前記ベルトテンションクラッチ60は、モータ59、テンションアーム61、テンションプーリー62等から構成され、プーリ65・66間を巻回するベルト67上方にモータ59を配設し、該プーリ66の回転軸66aを支点としてテンションアーム61を回動自在に枢支し、該テンションアーム61の他端にはテンションプーリー62を回転自在に配設し、該テンションアーム61の中途部をバネ69及びワイヤー68を介してモータ59と連結する。
【0031】ここで、ベルトテンションクラッチ60の作動について説明する。ベルトテンションクラッチ60の作動は、それぞれ脱穀クラッチスイッチ54または、刈取クラッチスイッチ55のON・OFFにより電気信号を送信してモータ59を発停し、動力の断・接を行なうのである。例えば、前記脱穀クラッチスイッチ54(刈取クラッチスイッチ55)を押し込んでONにすると、前記モータ59が駆動されてワイヤー68を巻上げテンションアーム61を引き上げてテンションプーリー62を回転軸66aを中心に回動させ、ベルト67の張りを強めて一方のプーリから他方のプーリーに動力が伝達される。また、脱穀クラッチスイッチ54(刈取クラッチスイッチ55)を再び押してOFF(スイッチボタンが元位置)にすると、前記モータ59の停止信号が送られて、ワイヤー68は巻き戻され、また、テンションプーリーは回転軸66aを中心に斜下方へ回動し、ベルト67の緊張が解かれてプーリ65・66間の動力伝達が絶たれるのである。
【0032】また、脱穀クラッチスイッチ54がOFFのときに、刈取クラッチスイッチ55をONにすることができないように安全機構が施され、すなわち、図12及び図13に示すように、脱穀クラッチスイッチ54の内端部にストッパー71を接合し、すなわち、脱穀クラッチスイッチ54とストッパー71は一体的に構成され、また、該ストッパー71の長手方向中央部には絶縁体72を挿設して両端間には電気信号が流れないようにしている。そして、該ストッパー71の刈取クラッチスイッチ55側の外側面71aは、該刈取クラッチスイッチ55の内端部55aと近接あるいは当接する構成としている。
【0033】このようにして、図12に示すように、脱穀クラッチスイッチ54がOFFのときには、該ストッパー71に刈取クラッチスイッチ55の内端部55aが当接して、該刈取クラッチスイッチ55の内部方向への摺動が規制されスイッチをON状態にすることができず、また、図13に示すように、脱穀クラッチスイッチ54がONのときには、ストッパー71は該脱穀クラッチスイッチ54ととも一体的に摺動し、該ストッパー71の内側面71bが両クラッチスイッチ54・55の電気接点73・74に当接し、この状態で刈取クラッチスイッチ55を押してONにすれば、該刈取クラッチスイッチ55の内端部55aがストッパー71の外側面71aに当接して導通し、動力を伝達することができるのである。
【0034】また、前記安全機構は前述のようにストッパー付スイッチとした機械的機構のほか、半導体を使用したり、あるいは、閉回路を組み合わせた電気的機構としてもよい。一例として、図14に示すように、回路C1は、主電源Bの出力側と脱穀クラッチスイッチS1とを接続し、該脱穀クラッチスイッチS1→分岐点j1→脱穀部3ベルトテンションクラッチを作動させるモータM1→分岐点j2→主電源Bと閉回路を構成する。また、回路C2は、主電源B→脱穀クラッチスイッチS1→分岐点j1→刈取クラッチスイッチS2→刈取部ベルトテンションクラッチを作動させるモータM2→分岐点j2→主電源Bと閉回路を構成する。
【0035】このような構成において、脱穀クラッチスイッチS1がONのときには、刈取クラッチスイッチS2はON/OFF自在に操作して刈取作業をすることができ、脱穀クラッチスイッチS1をOFFにすると回路が開らいて刈取クラッチスイッチS2をONとしても刈取作業をすることができないのである。
【0036】次にトランスミッションMの構成について15乃至図19より説明する。図15乃至図17に示すように、本実施例においては無段変速ユニットとして静油圧式無段変速装置(以下HST装置)Hを採用しており、前記クローラ式走行装置1・1を駆動するトランスミッションMは前記ミッションケース23内の走行系伝動機構R、正逆転付与機構S及び遊星ギア機構135L・135R、及び該ミッションケース23に載置されたHST装置Hより構成される。HST装置Hは、一組の走行油圧ポンプ123及び走行油圧モータ124からなる主変速機構である走行用の第一無段変速ユニット125と、一組の旋回油圧ポンプ126及び旋回油圧モータ127からなる旋回機構である旋回用の第二無段変速ユニット128とからなる。また、ミッションケース23は左側(図16及び図17において左側)のケース部23L及び右側のケース部23Rより構成され、ケース部23L・23Rがミッションケース23の左右方向で中央付近において接合されている。
【0037】そして、図16及び図17に示すように、両ケース部23L・23Rの内部においては、主区画たる走行駆動用歯車収容部200が形成され、該収容部200内に潤滑油及びHST作動油としての油を溜めることができるようにしている。該走行駆動用歯車収容部200内には、遊星ギア機構135L・135R、走行系伝動機構Rの大部分及び差動機構133等、駐車ブレーキ機構等が配置されている。
【0038】また、図18及び図19に示すように前記走行用の第一無段変速ユニット125は、機体の前後方向における後方(図18における右側)に横置きしたケース内に走行油圧ポンプ123及び走行油圧モータ124が並設されており、該走行油圧ポンプ123の入力軸123a及び、該走行油圧モータ124の出力軸124aの各々が機体左右方向に軸支され、互いに前後方向に並列されている。
【0039】また、前記旋回用の第二無段変速ユニット128においては、機体の前後方向における前方(図18における左側)から旋回油圧ポンプ126及び、旋回油圧モータ127が並設され横置きのケースに内装されており、該旋回油圧ポンプ126の入力軸126a及び、該旋回油圧モータ127の出力軸127aの各々が機体左右方向に軸支され、互いに前後方向に並列されている。
【0040】一方、図15に示すように、前記ミッションケース23の右側のケース部23Rの右上部には、ミッションケース23の上面よりも上方に延出する入力ケース部22aが突出形成されている。入力ケース部23aは右側ケース部23Rの右端部に一体形成され、該入力ケース部23aの右端開口を閉じるべく蓋体23bが固定されている。そして、該ミッションケース23の上面に臨む入力ケース部23aの左側面において、機体後方から順に走行用の第一無段変速ユニット125及び旋回用の第二無段変速ユニット128を並設させるように、両無段変速ユニット125・128のケースを取り付けている。
【0041】また、ミッションケース23内には走行系伝動機構R及び正逆転付与機構Sが配設されており、図16に示すように、前記第一無段変速ユニット125の走行油圧モータ124の出力軸124aの一端が入力ケース部23a内に挿入されてギア142を固設し、図17に示すように、前記第二無段変速ユニット128の旋回油圧モータ127の出力軸127aの一端が入力ケース部23a内に挿入されてギア197を固設している。
【0042】また、図16で示すように、走行用の第一無段変速ユニット125のケースから入力ケース部23aとは反対側へ、前記走行油圧ポンプ123の入力軸123aが突出しており、その端部には二連の入力プーリー123bが入力軸123aに一体的に装着されており、また、図17で示すように、旋回用の第二無段変速ユニット128のケースから入力ケース部23aとは反対側へ、前記旋回油圧ポンプ126の入力軸126aが突出しており、その端部には一連の入力プーリー126bが入力軸126aに一体的に装着されている。
【0043】そして、図15で示すように、前記入力プーリー123bは2連のプーリーを有し、該プーリーの一(内側のプーリー)と入力プーリー126bとを伝動ベルト130により巻回し、旋回油圧ポンプ126の入力軸126a(入力プーリー126b)と走行油圧ポンプ123の入力軸123a(入力プーリー123b)とは、該伝動ベルト130を介して連動連結させている。131は伝動ベルト130を適当な張り具合に調整するテンションプーリーである。また、前記エンジン22の出力軸22aには出力プーリー22bが一体的に装着されており、該出力プーリー21bと前記走行油圧ポンプ23の入力プーリー123bの他(外側プーリー)との間には伝動ベルト129が巻回されている。このようにして走行油圧ポンプ123の入力軸123aを伝動ベルト129、プーリー等を介しエンジン22に連動連結させている。
【0044】また、図15に示すように、第一・第二無段変速ユニット125・128の各々のケース上面には、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポンプ126に対するトラニオンアーム123c、126cが配設されており、該トラニオンアーム123c、126cの回動操作により、走行油圧ポンプ123及び旋回油圧ポンプ126の可動斜板171、172がそれぞれ傾動され、走行油圧モータ124及び旋回油圧モータ127の回転速度及び回転方向が制御される。
【0045】次に差動機構133の構成について説明する。図16に示すように、ミッションケース23内の差動機構133は左右の一対の遊星ギア機構135L・135Rを有し、各遊星ギア機構135L・135Rはサンギア136L・136Rと、該サンギア136L・136Rの外周で噛合う複数のプラネタリギア137L・137Rと、リングギア138L・138Rに一体構成されプラネタリギア137L・137Rに噛合うインターナルギア138a・138aと、サンギア軸139と同軸線上の車軸140L・140Rに固設されプラネタリギア137L・137Rを枢支するキャリア141L・141R等から構成されている。該プラネタリギア137L・137Rは車軸140L・140Rから放射状に均等配置されてキャリア141L・141Rにそれぞれ回転自在に軸支され、左右のサンギア136L・136Rを挟んで左右のキャリア141L・141Rを配置させると共に、前記インターナルギア138a・138aは各プラネタリギア137L・137Rに噛み合い、サンギア軸139とは同一軸心上に配置させ、車軸140L・140Rに回転自在に軸支させている。
【0046】そして、左右の前記サンギア136L・136Rは共通のサンギア軸139の外周面上に刻設され、両サンギア136L・136Rの中間部に係止したセンタギア146を介して、副変速機構132等からなる走行系伝動機構Rに連動連結され、さらに走行系伝動機構Rの入力部には、前記第一無段変速ユニット125の出力軸124aに係合されるギア142が連動連結されている。
【0047】副変速機構132は、ミッションケース23に横架した副変速駆動軸153の一端に入力用ギア144を固設し、該副変速駆動軸153上には低速用ギア150、中速用ギア151を固設し、高速用ギア152を遊嵌し、高速ギア152と噛合可能なクラッチスライダ181を摺動可能にスプライン嵌合している。また、前記副変速駆動軸153と平行に回転自在に横架した副変速従動軸145上には、ギア147・148を遊嵌し、その間にクラッチスライダ180を両者に嵌合可能にスプライン嵌合し、出力ギア149を固設している。そして、ギア147と低速用ギア150、ギア148と中速用ギア151、ギア149と高速用ギア152とをそれぞれ常時嵌合させている。
【0048】これら二つのクラッチスライダ180・181は運転席近傍に配備した一本の副変速レバーに連係され、該副変速レバーが操作されることで各々の軸153、145上を同時に摺動して、クラッチスライダ180・181のいずれかがギア147・148・152のいずれかと係合するように構成され、これにより、副変速従動軸145に三段の変速回転が得られ、出力ギア149から出力されるようになっている。
【0049】このような構成において走行油圧モータ124の回転出力が、図16に示すように、出力軸124aから入力ケース部23a内のギア142を介して、カウンター軸143上のギア143a、入力用ギア144を介して副変速機構132に伝達され、副変速機構132において変速したのち出力ギア149からカウンターギア154、センタギア146を経由して左右のサンギア136L・136Rを回転駆動させるのである。そして、左右の遊星歯車機構135L・135Rを介し車軸140に伝達させることにより、左右の駆動スプロケット134L・134Rを回転駆動させ、クローラ式走行装置1・1を駆動させるのである。
【0050】一方、図17及び図18に示すように、左右の前記リングギア138L・138Rは、支軸163上に遊嵌したギア163c・163d、アイドル軸162上のアイドルギア162a等からなる正逆転付与機構Sに連動連結され、さらに正逆転付与機構Sの入力部には第二無段変速ユニット128の出力軸127aに係合されるギア197が連動連結されている。
【0051】そして、旋回用の第二無段変速ユニット128の旋回油圧モータ127の回転出力が、出力軸127aから順に伝達ギア197、カウンター軸196上の駆動ギア196aに伝達され、さらに入力用の伝動ギア191を介して旋回入力軸190、クラッチ装置Cを介してクラッチ軸161へと伝達される。
【0052】前記旋回入力軸190には同歯数の駆動ギア190a・190bが刻設され、またクラッチ軸161上には、該駆動ギア190a・190bと常時噛み合うクラッチギア161b・161cが遊嵌配置されている。そして、両クラッチギア161b・161cの間に、該クラッチギア161b・161cの各々に対して係脱自在なクラッチスライダ161dを、クラッチ軸161と相対回転不能で、かつ、軸方向摺動自在に設置することにより、前記クラッチ装置Cを構成している。このクラッチスライダ161dは前述の副変速機構132のクラッチスライダ180・181と連動連係され、副変速機構132が中立位置にあるときにはクラッチギア161b・161cのいずれとも係合せず、副変速機構132が1速から3速までの伝動状態にあるときのみ係合して旋回入力軸190からの動力をクラッチ軸161に伝達し、クラッチ軸161と一体の出力ギア161aより出力するように構成されている。
【0053】そして、クラッチ軸161上の出力ギア161aの回転は支軸163上に遊嵌した旋回入力ギア163bに直接的に伝達され、ギア163dを介してリングギア138Rに伝達される。また、左側のリングギア138Lに対しては、クラッチ軸161上の出力ギア161aの回転はアイドル軸162上のアイドルギア162aにて逆転されたのち、支軸163上の旋回入力ギア163aに伝達され、ギア163cを介してリングギア138Lに伝達される。このようにして旋回油圧モータ127の回転出力が、左右のリングギア138L・138Rを互いに逆回転方向へ、かつ左右同一回転数で伝達される。
【0054】このような構成で、走行油圧ポンプ123の可動斜板171に対するトラニオンアーム123cが、運転席近傍に配備した主変速レバー18に後述するリンク機構を介して連動連係されており、第一無段変速ユニット125は該主変速レバー18の回動操作により可動斜板171の傾斜角度が変更されて走行油圧モータ124の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行うことが可能となっている。また、旋回油圧ポンプ126の可動斜板172に対するトラニオンアーム126cが操向ハンドル17に後述する別リンク機構を介して連動連係されており、第二無段変速ユニット128は該操向ハンドル17の回動により可動斜板172の傾斜角度が変更されて旋回油圧モータ127の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行うよう構成されている。
【0055】そして、操向ハンドル17を直進走行位置におくと、旋回油圧ポンプ126が中立位置となり、旋回油圧モータ127の駆動が停止して左右リングギア138が静止固定された状態となり、主変速レバー18にて走行油圧ポンプ123より圧油を吐出させて走行油圧モータ124を駆動すると、その回転はセンタギア146から左右のサンギア136L・136Rに同一回転数で伝達され、左右遊星ギア機構135L・135Rのプラネタリギア137L・137R、キャリア141L・141Rを介し、図20に示す左右の駆動スプロケット134L・134Rが左右同回転方向の同一回転数で駆動されて、機体の前進直進走行が行われる。また、主変速レバー18にて走行油圧ポンプ123からの圧油吐出方向を反転させると、機体は後進状態で直進走行する。
【0056】ここで、操向ハンドル17を右に切ると、旋回油圧ポンプ126は作動状態となって圧油を吐出し、該圧油を受けて旋回油圧モータ127が駆動される。該旋回油圧モータ127から出力された動力は旋回入力軸190からクラッチ装置Cを経て正逆転付与機構Sに至り、ここで同一回転数のまま二手に分けられ、その一方は前記遊星ギア機構135のリングギア138Lを正転させ、他方はリングギア138Rを逆転させる。正転するリングギア138Lの回転数はサンギア136Lによって正転している左キャリア141Lの回転数に加算される一方、逆転するリングギア138Rの回転数はサンギア136Rによって正転している右キャリア141Rの回転数に減算される。これによって図20に示す両駆動スプロケット134L・134Rの駆動状態を維持しつつ、駆動スプロケット134Lの回転数が駆動スプロケット134Rのそれよりも高くなって右方へ進路が変更されるのである。
【0057】旋回油圧ポンプ126からの吐出油量は操向ハンドル17の切れ角度が大きくなるに従って増加し、これに応じて旋回油圧モータ127の回転数も無段に増加するので、左右の駆動スプロケット134・134に生じる相対回転差は次第に大きくなり、より小さな旋回半径で機体が旋回することとなる。また、操向ハンドル17を左に切ると、旋回油圧ポンプ126の圧油吐出方向が反転して旋回油圧モータ127の回転方向が逆になり、これによって最終的に、左キャリア141Lの回転数が減算される一方、右キャリア141Rの回転数が加算されて、駆動スプロケット134Rの回転数が駆動スプロケット134Lのそれよりも高くなって左方へ進路が変更されるのである。
【0058】次に、本発明に係るHST装置のリンク機構について説明する。図21に示すように、操縦部の操作コラム11に配置した主変速レバー18と第一無段変速ユニット125のトラニオンアーム123cとをリンク機構L1を介して連結し、また、ハンドル17と第二無段変速ユニット128のトラニオンアーム126cとを別のリンク機構L2を介して連結して構成する。
【0059】また、前記リンク機構L1とリンク機構L2とは、前後方向で上下略平行に配設して互いに交わらないように構成している。すなわち、該リンク機構L2はリンク機構L1のやや上方に配設し、平面視でクローラ式走行装置1・1の内側部の直上方に配置して、両リンク機構L1・L2は機体(右)側部を迂回させる構成としている。すなわち、第一・第二無段変速ユニット125・128は両方を並列駆動できるように機体前後方向に並べて配設され、後側に配置された第一無段変速ユニット125は、前記リンク機構L1に連結され、第一無段変速ユニット125のトラニオンアーム123cの先端123dはリンクロッド111の一端と連結し、また、該リンクロッド111の他端は機体前方に向けて延出してその前端111aはリンクアーム112と連結している。該リンクアーム112の中央部は枢支軸100によって枢支され、該リンクアーム112の他端112aは脱穀部3等を被装する機体側方カバー47Rの外に突出させ、リンクロッド110の一(後)端と連結する。そして、該リンクロッド110の他(前)端を機体側方カバー47Rと略平行に、かつ、前方に向けて延出し、該リンクロッド110の前端110aを主変速レバー18と連結した連結部材50と連結している。
【0060】また、第二無段変速ユニット128のトラニオンアーム126cはリンク機構L2と連結される。該トラニオンアーム126cの先端126dはリンクロッド121と連結され、該リンクロッド121は前方に向けて延出してその前端121aはリンクアーム122と連結する。該リンクアーム122の中間部は前記枢支軸100によって枢支され、そして、該リンクアーム122の他端122aは機体側方カバー47Rの外に突出させ、リンクロッド120と連結する。該リンクロッド120は機体側方カバー47Rと略平行に、かつ、前方に向けて延出され、該リンクロッド120の前端120aとハンドル17の回転軸17aに軸支されたリンクアーム119と連結する。
【0061】このようにしてリンク機構を構成し、例えば、オペレータが主変速レバー18を前進方向に回動すれば(前方に押し込めば)、図9に示す軸18a、アーム51、リンク52、アーム53、連結部材50とその回動操作が伝達し、該連結部材50によりリンクロッド110を後方へ押し下げ、さらに、該リンクロッド110の後方摺動に連動して、リンクアーム112は支点軸100を中心に時計回りに回転してリンクロッド111を前方に引っ張り、その結果、トラニオンアーム123cは反時計回りに回動して、前記走行油圧ポンプ123の可動斜板171が傾動し、走行油圧モータ124の回転速度が制御されるのである。
【0062】また、旋回操作については、オペレータが左(時計回り)にハンドル17を切れば、ハンドル回転軸17aを中心にリンクアーム119も時計回りに回動してリンクロッド120を後方へ押し下げ、さらに、該リンクロッド120の後方摺動に連動して、リンクアーム122は支点軸100を中心に時計回りに回転してリンクロッド121を前方に引っ張り、その結果、トラニオンアーム126cは反時計回りに回動して、前記走行油圧ポンプ128の可動斜板172が傾動し、走行油圧モータ127の回転方向が制御されるのである。
【0063】このように前記リンク機構L1・L2は、機体側方カバー47Rの直側方を迂回して配設するため、この位置(機体外側部位置)ではクローラ走行装置1の内側部の直上方になって、該クローラ走行装置1から直接泥等の飛散が防がれ、また、路面の石、岩等に当たることもなく、安全性が向上するのである。また、リンクロッド110・120が機体側方で配設されているため、オペレータは、機体側方カバー47Rを開けたり、機体下方に潜り込まなくとも、前記リンク機構L1・L2の微調整等の保守を機体側方より簡単に行なえ、メンテナンス性の向上が図れるのである。
【0064】次にリンク機構の構成の別実施例として、第一・第二無段変速ユニット125・128を機体左右方向に並べて配設した構成について説明する。図22に示すように、第一無段変速ユニット125を左方に配設するものとし、また、リンク機構L’2はリンク機構L’1のやや上方に配設する構成とする。このような構成において、該リンク機構L1’では、第一無段変速ユニット125のトラニオンアーム123cの先端123dとリンクロッド111’とを連結し、また、該リンクロッド111’を右方に向けて配設し、その右端111’aでリンクアーム112’と連結する。該リンクアーム112’は平面視、「L」字状に形成され、略中央に枢支軸101を設けて枢支し、該リンクアーム112’の右端112’aとリンクロッド110とを機体側方カバー47Rの外側方位置で連結する。また、該リンクロッド110を機体側方カバー47Rと略平行に、前方に向けて延出し、該リンクロッド110の前端110aと主変速レバー18の連結部材50とを連結する。
【0065】また、リンク機構L2’は、第二無段変速ユニット128のトラニオンアーム126cの先端126dとリンクロッド121’とを連結し、また、該リンクロッド121’を右方に向けて延出してその右端121’aでリンクアーム122’とを連結する。該リンクアーム122’は平面視、「L」字状に形成されその中央部を前記枢支軸101により枢支し、該リンクアーム122’の右端122’aとリンクロッド120とを機体側方カバー47Rの外側方位置で連結する。また、該リンクロッド123を機体側方カバー47Rと略平行に、前方に向けて延出し、該リンクロッド120の前端120aとハンドル17のリンクアーム124を連結し、該リンクアーム119の左右中央位置とハンドル17の回転軸17aとを連結する。
【0066】このようにしてリンク機構を構成し、例えば、オペレータが主変速レバー18を前方に押し込めば、図9に示す軸18a、アーム51、リンク52、アーム53、連結部材50とその回動操作が伝達し、リンクロッド110を後方へ押し下げ、さらに、該リンクロッド110の後方摺動に連動して、リンクアーム112’は支点軸101を中心に時計回りに回転してリンクロッド111を右方に押し、その結果、トラニオンアーム123cは平面視、右方に回動して、前記走行油圧ポンプ123の可動斜板171が傾動し、走行油圧モータ124の回転速度が制御されるのである。
【0067】また、旋回操作については、オペレータが左(時計回り)にハンドル17を切れば、ハンドル回転軸17aを中心にリンクアーム119も時計回りに回動してリンクロッド120を後方へ押し下げ、さらに、該リンクロッド120の後方摺動に連動して、リンクアーム122’は支点軸101を中心に時計回りに回転してリンクロッド121を右方に押し、その結果、トラニオンアーム126cは右方に回動して、前記走行油圧ポンプ128の可動斜板172が傾動し、走行油圧モータ127の回転方向が制御されるのである。
【0068】このようにリンク機構L’1・L’2は、機体側方カバー47Rの直側方を迂回して配設するため、この位置(機体外側部位置)ではクローラ走行装置1の内側部の直上方になって、該クローラ走行装置1に遮られて泥等の飛散が防がれ、また、路面の石、岩等に当たることもなく、安全性が向上するのである。また、リンクロッド110・120が機体側方で配設されているため、オペレータは、機体側方カバー47Rを開けたり、機体下方に潜り込まなくとも、前記リンク機構L1’・L2’の微調整等の保守を機体側方より簡単に行なえ、メンテナンス性の向上が図れるのである。
【0069】尚、本発明では、主変速レバーの配置構成は特に限定するものではなく、例えば、運転席側方のサイドコラムに主変速レバーを配置した構成であってもよく、、この場合もリンク機構を機体側方を迂回させて配設することができる。また、前記リンク機構の変わりにワイヤー、あるいは、ワイヤーとリンクとの複合で機体側方を迂回してHST装置と操縦席とを連結してもよい。以上、コンバインを参照しながら、本発明に係るHST装置のリンク機構を説明したが、このようなリンク機構は、機体後部にHST装置を搭載した農作業機にも広く採用することができる。
【0070】次に本発明に係る冷却ファンの構成を説明する。コンバインの機体後部に載置されたエンジン22や、該エンジン22下方に配置されたミッションケース23等の高温部には冷却機構を設けて、各部材が熱膨張で変形したり、燃焼室内での異常燃焼がおこるのを防いでいる。
【0071】図23及び図24に示すように、ミッションケース23上方に冷却ファン81を設け、該冷却ファン81の回転面の円周方向にフレーム82を配設し、該フレーム82は、風の流れを作るシュラウドの役割を果たすとともに、機体の一部としての補強部材の役割をも果たすように構成している。前記フレーム82の上面に沿ってシュラウドカバー83を配設し、該シュラウドカバー83の両端をボルト85・85で機体フレームに締結する。
【0072】このように構成することにより、従来使用していた複雑な形状のシュラウドを配設することなく、コスト面においても冷却機構を安価に仕上げることができ、また、本発明に係るシュラウドはフレーム82とシュラウドカバー83に分割可能な構成としているため、シュラウドカバー83を取り外し、冷却ファン81の清掃等メンテナンスが容易となる。
【0073】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したもので、次のような効果を奏するものである。すなわち、請求項1のように、丸型ハンドルにより操向するコンバインにおいて、該丸型ハンドルの回転軸を構成するコラムより主変速レバーを左右方向に横設することにより、従来のシートレバー式の主変速機構に比べて変速機構を構成する部品点数が削減でき、また、オペレータにとっては作業姿勢をそのままにしたまま指先だけで容易に操作ができるため、操作性が向上する。さらに、前記主変速操作レバーを前記コラムの左右どちらにでも横設でき、着脱可能に構成しているため、オペレータの利き手に合せた配設ができ、操作性が向上する。
【0074】また、請求項2のように、丸型ハンドルにより操向するコンバインにおいて、該丸型ハンドルの周部に脱穀部における扱ぎ深さを調節する自扱スイッチを配設することにより、オペレータにとっては作業姿勢をそのままにしたまま、指先だけで容易に操作ができ、また、直接脱穀部を視認しながらの操作もできるので、適切な扱ぎ深さに調節でき、作業性が向上するのである。
【0075】また、請求項3のように、操縦席前方あるいは側方に主変速レバーを立設するコンバインにおいて、該主変速レバー上端のグリップに脱穀部への動力を断・接する脱穀クラッチスイッチと刈取部への動力を断・接する刈取クラッチスイッチを配設することにより、オペレータは、従来のように脱穀クラッチレバーと刈取クラッチレバーを持ち替える必要がなく、作業姿勢をそのままにしたまま、指先だけで容易に両スイッチを操作することができ、また、片手だけで主変速レバーを操作しながらも同時に該両スイッチを難なく操作することができるのである。また、前記主変速レバーのグリップに脱穀クラッチスイッチ、刈取クラッチスイッチとして配設することにより、従来の脱穀クラッチレバー、刈取クラッチレバーに比べて、レバーやロッド、ワイヤーや締結部品等が削減できるため、軽量となり、また、組立工数の削減を図ることができるのである。さらに、従来に比べて、配設スペースも大幅に小さくできるのである。
【0076】また、請求項4のように、前記脱穀クラッチスイッチが「切」のとき、刈取クラッチスイッチの入・切操作ができない機構にすることにより、脱穀ロータが回転中には刈取部の操作ができないようにして安全面の向上を図っている。
【出願人】 【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
【出願日】 平成11年12月20日(1999.12.20)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−169643(P2001−169643A)
【公開日】 平成13年6月26日(2001.6.26)
【出願番号】 特願平11−360800