| 【発明の名称】 |
高設栽培用果実収穫ロボット |
| 【発明者】 |
【氏名】有馬 誠一
【氏名】近藤 直
|
| 【要約】 |
【課題】高設栽培におけるイチゴ等果実類を、果実収穫ロボットによって自動的に管理及び収穫作業を行わせる。
【解決手段】作業者の作業容易な高さ位置に土耕又は水耕栽培により果実類を栽培する横長の栽培ベッド1を配置した高設栽培において、該栽培ベッド1を下側から支持するベッド架台2の内部空間Sを、ガイドレール3に沿って果実類の管理及び収穫作業を行う作業ロボット4を案内移動可能としたことを特徴とする果実収穫ロボットの構成とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作業者の作業容易な高さ位置に土耕又は水耕栽培により果実類を栽培する横長の栽培ベッド1を配置した高設栽培において、該栽培ベッド1を下側から支持するベッド架台2の内部空間Sを、ガイドレール3に沿って果実類の管理及び収穫作業を行う作業ロボット4を案内移動可能としたことを特徴とする果実収穫ロボット。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、高設栽培用果実収穫ロボットに関し、作業者の作業容易な高さ位置に栽培ベッドを配置した高設栽培において、果実類の管理及び収穫作業を行う果実収穫ロボットの分野に属する。 【0002】 【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】従来では、果実類を作業者の作業容易な高さ位置に土耕又は水耕栽培による栽培ベッドにより栽培を行い、これらの果実類の管理及び収穫作業は全て人手により処理を行っているものが一般的であった。 【0003】しかし、これら工場生産的な手法により栽培を行うものにおいては、近年、農村における人手不足や人件費の高騰等のため管理及び収穫作業の自動化が要望されるようになってきた。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明は、作業者の作業容易な高さ位置に土耕又は水耕栽培により果実類を栽培する横長の栽培ベッド1を配置した高設栽培において、該栽培ベッド1を下側から支持するベッド架台2の内部空間Sを、ガイドレール3に沿って果実類の管理及び収穫作業を行う作業ロボット4を案内移動可能としたことを特徴とする果実収穫ロボットの構成とする。 【0005】 【作用】上記の構成により、土耕又は水耕栽培によって果実類を栽培する横長の栽培ベッド1を、作業者の作業容易な高さ位置に下側から配置支持する枠組み形態のベッド架台2を設置し、このベッド架台2の内部空間Sを長手方向にその上部に延設したガイドレール3に沿って、例えばラックとピニオン等により作業ロボット4を案内移動させ、この作業ロボット4の作用により果実類の管理及び収穫作業を自動的に行わせることができる。 【0006】 【発明の効果】上記作用の如く、作業者の作業容易な高さ位置に栽培ベッド1を下側からベッド架台2により配置支持し、このベッド架台2の内部空間Sを長手方向にガイドレール3に沿って作業ロボット4を案内移動させ、この移動により果実類の管理及び収穫作業を自動的に行わせることができるから、従来の如く、農村における人手不足や人件費の増大等に煩わされることなく、作業ロボット4の使用による省力化により合理的な果実類の栽培収穫を行うことができる。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施例を果実類の収穫を行う果実収穫ロボットについて図面に基づき説明する。 【0008】図4及び図5は果実収穫ロボットの使用による収穫作業の全体配置状態を示すもので、土耕栽培又は水耕栽培によるイチゴ等果実類の結実時にその両端側から垂れ下がるよう栽培する一定の厚みと幅を有する横長の栽培ベッド1を、作業者の作業容易な高さ位置にベッド架台2により支持して高設栽培を構成させる。 【0009】該ベッド架台2の構造は、栽培ベッド1下面部1aの横長方向全長を支持する複数本のパイプ状横長方向部材7を、栽培ベッド1の幅方向に掛け渡した複数本のパイプ状幅方向部材8により支持し、この幅方向部材8を、栽培ベッド1の外周部1bを取り囲み保持する鉛直状の支柱5に接合固定して構成させる。 【0010】該各支柱5の幅方向部材8下側近傍から外側へ向け、適宜幅下方傾斜させて果実の果柄a位置を規制する果柄位置規制プレート9を横長方向の全支柱5間に設けると共に、この規制プレート9と協同して果実の垂れ下がり時の不揃いを防止する各支柱5を外巻きにした果実支持プレート10を配設して構成させる。 【0011】該ベッド架台2の内部空間Sに、果実類の管理及び収穫作業を自動的に行わせる作業ロボット4のマニピュレータ11を配置し、このマニピュレータ11の上部ベース12を、ボール等により円滑に摺動保持して横長方向全長に亘り案内移動させるガイドレール3を、該幅方向部材8に取付金13を介してその両端側に各々延長固定して構成させる。 【0012】該各取付金13の下面部中間位置に横長方向全長に亘り横長方向ラック14を延長固定すると共に、このラック14と噛合連動する横長方向ピニオン15を出力軸16aに軸止したX軸モータ16を該上部ベース12の下面に取り付け構成させる。 【0013】図1及び図2に示す如く、該上部ベース12下面の幅方向一側寄りに鉛直状で一定長さの縦フレーム17を取付金17aにより固定し、この縦フレーム17に沿った補強金18を介してスライド螺子軸19を支承する上部軸受20と下部軸受21を取り付けると共に、この下部軸受21から突出させた該螺子軸19の下端部と、縦フレーム17の下端部に取付金17bにより固定したZ軸モータ22の出力軸22aとを軸継ぎ手23により駆動可能に連結して構成させる。 【0014】該スライド螺子軸19の回動により横フレーム24を昇降させるフレーム昇降環25と、幅方向ピニオン26を出力軸27aに軸止したY軸モータ27とを固定した適宜大きさの昇降ベース28を、該補強金18に対し昇降摺動可能なるよう一端部を下側に折曲すると共に、この昇降ベース28の上面に、該縦フレーム17とフレーム昇降環25及びY軸モータ27等との接触を避ける空間を形成した方形状枠組の横フレーム24を幅方向に往復摺動可能に保持して構成させる。 【0015】該横フレーム24は、その枠組の摺動方向に直交する一端部に、幅方向ピニオン26と噛合連動する幅方向ラック29を設けると共に、このラック29と反対側他端部に、該昇降ベース28から立ち上げた、ボール等により円滑に摺動保持して横フレーム24を幅方向に案内移動させる摺動規制レール30を設ける。なお、横フレーム24の摺動方向における該縦フレーム17側と反対側の端部適宜位置に、収穫した果実を収納する収納箱32を接合して構成させる。 【0016】該横フレーム24の摺動規制レール30部分から更に外側に、エンドエフェクタ33を支持する適宜幅と長さを有した支持アーム34を上方へ向け取り付けると共に、図3に示す如く、該支持アーム34に、エンドエフェクタ33の果実取込用としてのリストロール35の後部適宜位置を回動可能に支承する支承枠36を螺子止め固定して構成させる。 【0017】該支承枠36の下部側に固定したロールモータ37の出力軸に軸止するロール駆動ギヤ38と、リストロール35の支承枠36近傍に固定したロール従動ギヤ39とを噛合連動して構成させる。 【0018】該リストロール35の前部適宜位置に、発光部40aからの発光を該ロール35の穴を貫通して受光部40bにて受光することにより、この光を遮るものを検出するフォトインタラプタ40を対角位置に複数組配置すると共に、リストロール35前端部の果実取込部35aの先端下方に果実を円滑に誘導できるよう切り落としてフック部fを設け、このフック部fに果柄a切断用のカッタ刃41を後方へ向けて取り付け構成させる。 【0019】該リストロール35の後端部に、前記図1に示す如く、果柄aの切断により収穫した果実を前記収納箱32に収納可能に吸引筒42を接続すると共に、この吸引筒42から更に吸引装置Fに接続して構成させる。 【0020】前記上部ベース12のエンドエフェクタ33後方上部に相当する位置に、視覚センサ部としてのカラーCCD等によるカメラ43を設けると共に、上部ベース12の前記ベッド架台2の支柱5に最も近い位置の横長方向両端部に、各々支柱5を検出する支柱検出手段6としての支柱センサ6を取り付け構成させる。 【0021】作業ロボット4の動作手順として、まずマニピュレータ11を初期姿勢により待機させる。この初期姿勢は、まずマニピュレータ11をX軸モータ16の駆動により栽培ベッド1に平行してその一端部まで横長方向へ案内移動し、次に、Y軸モータ27によりエンドエフェクタ33を横フレーム24の枠組前側が縦フレーム17位置に接するまで後退させると共に、Z軸モータ22の駆動により横フレーム24を縦フレーム17の下端位置まで下降させた位置で待機させる。 【0022】このように、エンドエフェクタ33を待機させた初期姿勢において、カメラ43による画像入力により果実の認識及び位置検出を行い、この果実の検出位置に合わせて収穫アプローチを行わせる。このアプローチは、果実の位置に対しX軸モータ16により上部ベース12を栽培ベッド1に沿って横長方向に移動させると共に、Z軸モータ22により横フレーム24を上昇移動させ、エンドエフェクタ33の横長方向位置と高さ位置を調整する。 【0023】このエンドエフェクタ33の横長方向と高さ位置の調整により吸引装置FをONさせると共に、Y軸モータ27による横フレーム24の移動によりエンドエフェクタ33を果実の方向へ移動させる。この移動により、果実へ接近したエンドエフェクタ33のリストロール35果実取込部35aから果実を吸引誘導し、リストロール35内へ誘導できたかどうかをフォトインタラプタ40により検出を行う。 【0024】このフォトインタラプタ40により果実を検出したときは、各軸モータ16,22,27を各々停止させ、ロールモータ37によりリストロール35の回動を行うことにより果実の果柄aをそのフック部fに誘導させると共に、エンドエフェクタ33をY軸モータ27により後退させフック部fに取り込まれた果柄aを後向きのカッタ刃41により切断し、この切断された果実をリストロール35内の吸引作用により収納箱32へ送り込む。 【0025】このように、高設栽培における栽培ベッド1で栽培されたイチゴ等果実類を作業ロボット4により収穫作業を行うときに、果実は大きくなったものから栽培ベッド1の幅方向両端外周部1b域に赤く熟して垂れ下がるため、栽培ベッド1を支持するベッド架台2の内部空間Sを案内移動させる作業ロボット4により容易に収穫できると共に、作業者と作業領域が分離でき作業ロボット4の間近でも作業が可能となる。 【0026】また、果実をエンドエフェクタ33のリストロール35果実取込部35aへ誘導しようとする際に、フォトインタラプタ40が果実を検出しないときは、エンドエフェクタ33を、Y軸モータ27による前方移動と、Z軸モータ22による上方移動とを繰り返しながら斜め上方へ進ませて果実へアプローチさせることにより、アプローチの位置にずれが生じても位置修正を行って果実の誘導が可能となる。 【0027】なお、果実取込部35aと果実の距離が近接しているため果柄aが曲がりにくく誘導でき難いときでも、位置修正により果柄aの自由度が大きくなり果実の誘導が容易となる。 【0028】また、高設栽培におけるイチゴ等果実類は、栽培ベッド1の幅方向外周部bに赤く色付いたものから垂れ下がるようになり、この垂れ下がり時に果柄aの径や堅さ及び果柄aの位置等によって果実に重なりを生じるため、この重なりを生じた複数の果実を前記カメラ43により認識したときは、この重なり状態を把握して収穫の順序を決めなければならないという煩わしさがあった。 【0029】このため、栽培ベッド1を支持するベッド架台2の横長方向各支柱5間の上部位置に前記果柄位置規制プレート9を掛け渡すことにより、この規制プレート9により赤く色付いた果実を重なることなく一定に揃えて整列させることができるから、該カメラ43により複数の果実を認識したときでも、その重なりを把握する必要がなく、常に端の果実から順序付けを行って収穫することができる。 【0030】また、栽培ベッド1を支持するベッド架台2の横長方向各支柱5に果実が垂れ下がるときは、支柱5が障害となって作業ロボット4による収穫作業ができなかったり、前記エンドエフェクタ33が支柱5に接触して破損する場合があると共に、果実が支柱5に邪魔されて日光が入りにくく、赤の色付きが悪くなり商品価値が低下するという難点があった。 【0031】このため、該各支柱5に前記果実支持プレート10を外巻きにし、該果柄位置規制プレート9と共に連続可能に設けることにより、これらの難点を防止することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000000125 【氏名又は名称】井関農機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成11年11月19日(1999.11.19) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2001−145411(P2001−145411A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月29日(2001.5.29) |
| 【出願番号】 |
特願平11−330267 |
|