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【発明の名称】 自走式茶刈機
【発明者】 【氏名】川口 ▲きよ▼久

【氏名】斉藤 広志

【要約】 【課題】従来のような、列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に、茶刈装置を吊設した自走式茶刈機においては、刈取作業操作部材は走行操作部材を設けた操作部と離間して配設される場合が多く、走行操作しながらの刈取作業操作が難しく、誤操作が発生しやすい、という問題があった。特に、自走式茶刈機のコスト低減を目的に手持ちの可搬式茶刈機を自走式茶刈装置に流用する場合は、可搬式茶刈機に設けてある操作部材と走行操作部材を設けた操作部との間が大きく離れ、走行操作しながらの刈取作業操作が一層難しく、コスト低減は図れるものの操作性が悪くなる、という問題があった【解決手段】 操作部13に刈取作業操作部材67・68・127・128を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部13にて実施可能な構成とした。

【解決手段】操作部13に刈取作業操作部材67・68・127・128を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部13にて実施可能な構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に茶刈装置を吊設すると共に、前記走行装置の近傍に、走行操作部材を設けた操作部を配設する自走式茶刈機において、該操作部に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部おいて実施可能な構成としたことを特徴とする自走式茶刈機。
【請求項2】 列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に茶刈装置を吊設し、該茶刈装置として可搬式茶刈機が利用可能な取付構造を設けると共に、前記走行装置の近傍に、走行操作部材を設けた操作部を配設する自走式茶刈機において、該操作部に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部おいて実施可能な構成としたことを特徴とする自走式茶刈機。
【請求項3】 前記刈取作業操作部材は、刈刃駆動用のエンジン制御のための駆動操作部材と、茶刈装置の位置・姿勢制御のための配置操作部材とを含むと共に、該配置操作部材を操作することにより、走行中でも茶刈装置を適正な位置と姿勢に調節可能な構成とすることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自走式茶刈機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、茶畝を跨いで移動しながら茶刈作業を行う自走式茶刈機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に、茶刈装置を吊設した自走式茶刈機は知られている。そして、このような自走式茶刈機においては、前後進や左右旋回等を行う主変速レバー、副変速レバー、サイドクラッチレバーなどの走行操作部材は、走行中でも操作のしやすい走行装置近傍の操作部に集約して設けられていた。一方、茶刈装置の刈刃駆動や位置・姿勢制御のためのアクセルレバー、クラッチレバーなどの刈取作業操作部材は、走行操作とは直接関係がなく、しかも、一般に茶刈装置の位置・姿勢制御は走行装置を停止させて行うようにしていたことから、茶刈装置の刈取駆動用のエンジンや高さ調節機構の近傍に配置される場合が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような自走式茶刈機により茶葉を摘採する茶畝は、同じ列の中でも茶葉の密度や茶畝表面の形状は必ずしも一定ではなく、ある範囲内で変化している場合の多いのが現状であり、そのために、たとえ走行中であっても、茶刈装置の刈刃の往復動速度、茶刈装置の高さや上下傾斜角などを微調節する必要がある。しかしながら、従来の刈取作業操作部材は、前述のように走行操作部材を設けた操作部と離間して配設され、走行操作しながらの刈取作業操作が難しく、誤操作が発生しやすい、という問題があった。また、自走式茶刈機のコスト低減を目的に、手持ちの可搬式茶刈機を自走式茶刈装置に流用する手段が考えられるが、この場合は、特に刈取作業操作部材の配設位置が重要となる。すなわち、可搬式茶刈機をそのまま本体に吊設しただけで使用すると、該可搬式茶刈機に最初から設けてある操作部材と、本体の走行装置近傍に設けてある操作部との間が離れているため、走行操作しながらの刈取作業操作は非常に難しく、可搬式茶刈機の流用でコスト低減は図れるものの、操作性が良くない、という問題もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。すなわち、請求項1においては、列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に茶刈装置を吊設すると共に、前記走行装置の近傍に、走行操作部材を設けた操作部を配設する自走式茶刈機において、該操作部に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部おいて実施可能な構成としたものである。
【0005】請求項2においては、列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に茶刈装置を吊設し、該茶刈装置として可搬式茶刈機が利用可能な取付構造を設けると共に、前記走行装置の近傍に、走行操作部材を設けた操作部を配設する自走式茶刈機において、該操作部に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部おいて実施可能な構成としたものである。
【0006】請求項3においては、請求項1又は請求項2記載の刈取作業操作部材は、刈刃駆動用のエンジン制御のための駆動操作部材と、茶刈装置の位置・姿勢制御のための配置操作部材とを含むと共に、該配置操作部材を操作することにより、走行中でも茶刈装置を適正な位置と姿勢に調節可能な構成とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて説明する。図1は本発明の自走式茶刈機の全体正面図、図2は同じく側面図、図3は前部動力伝達系を示す斜視図、図4は後部動力伝達系を示す斜視図、図5は茶刈装置の全体斜視図、図6は操作部の正面図、図7は本体上部の斜視図、図8は操作部と茶刈エンジンとのリンク機構の斜視図、図9は左右位置調整機構の斜視図、図10は同じく斜視図、図11は高さ調節機構の斜視図、図12は高さ調節機構の昇降動作の説明図、図13は水平角度調節機構の下方からの斜視図、図14は同じく上方からの斜視図、図15は左右位置微調節機構の斜視図、図16は傾斜角調節機構の斜視図、図17は前後傾斜角調節機構の内側装着部の斜視図、図18は同じく外側装着部の斜視図である。
【0008】まず、本発明に係わる自走式茶刈機の全体構成、及び走行操作部材による走行操作について、図1乃至図7により説明する。図1、図7に示すように、左右の走行装置2L・2Rによって前後の門型フレーム17・18が走行可能に支持され、該門型フレーム17・18の左右両側は、左右のサイドフレーム16a・16bによって前後に連結されている。そして、前記門型フレーム17・18は略中央部で左右に2分割されており、左方には、前記左側走行装置2Lに下端が固定された固定側フレーム17b・18bが配設され、右方には、該固定側フレーム17b・18bに上部が内挿され下端が右側走行装置2Rに固定されたスライド側フレーム17a・18aが配設され、該スライド側フレーム17a・18aを前後に連結する前記右側サイドフレーム16bの内壁にはアーム20の先端が固定されている。
【0009】該アーム20の基部は、前記固定側フレーム17b・18b上部に固設された架台11側面に摺動可能に支持され、このアーム20を伸縮させることによって走行装置2L・2R間の間隔を自在に調節できるようにしている。また、この架台11には、支持部3が左右動可能に配設され、該支持部3には装着部4を介して、茶刈装置5が位置・姿勢を自在に調節可能に配置されている。
【0010】図1、図5に示すように、該茶刈装置5は、長さ方向に湾曲した機体ケース21を有し、該機体ケース21の一側上には刈取エンジン22と送風機23が同軸かつ一体的に搭載され、該送風機23の下方には刈刃駆動ケース24が設けられ、該刈刃駆動ケース24から機体ケース21の前縁部に沿ってはバリカン式の刈刃25が配設されている。前記送風機23の吹出口と連通する送風管26は、刈刃25の斜め前上方に沿って配設されると共に、送風管26には刈刃25の方向に多数の排風口27が所定の間隔で並設されている。
【0011】すなわち、このような茶刈装置5を茶畝6の片面側上を移動させながら前記刈取エンジン22を駆動させると、送風機23及び刈刃25が作動して往復動する刈刃25によって茶葉7が刈り取られ、この刈り取られた茶葉7は、送風機23で起風された風が送風管26を経て排風口27から吹き出されることにより、後方に吹き飛ばされて茶葉収容袋28に収容される構成となっている。
【0012】また、図2に示すように、前記左側走行装置2Lには、前後部に誘導輪30、駆動輪29とが配設され、該駆動輪29と誘導輪30との間にはクローラ32が捲回され、該クローラ32は、複数の転輪31・31・・によって走行装置2Lに回動可能に張設されている。なお、右側走行装置2Rについても同様である。
【0013】そして、図1乃至図4、図6、図7に示すように、本体1の左後部上方には、エンジン33が搭載され、該エンジン33の出力軸には出力プーリ34が固設されると共に、エンジン33に隣接して設けられたミッションケース35の入力軸にも入力プーリ36が固設され、該入力プーリ36と前記出力プーリ34との間にはベルト37が捲回されている。
【0014】前記ミッションケース35の出力軸には、出力プーリ39、走行動力伝達軸38、及び図示せぬスプロケットが固設され、該スプロケットは、左側走行伝達ケース44内の図示せぬチェーンを介して、前記駆動輪29と同軸上のスプロケットと連結されており、前記エンジン33の動力がミッションケース35内で変速されて前記左側走行装置2Lに伝達されるようにしている。
【0015】また、前記走行動力伝達軸38は、右方に延出されて、右側サイドフレーム16b側面に固設された右側走行伝達ケース45上部に内挿され、その延出端には図示せぬスプロケットが固設されており、該スプロケットに伝達された動力は、前記左側走行装置2Lの場合と同様にして、右側走行伝達ケース45内の図示せぬチェーン、スプロケット、及び駆動輪を介して、右側走行装置2Rに伝達されるようにしている。
【0016】ここで、前記後部の固定側フレーム18bには、操作部13が本体内側に収納可能に配設され、該操作部13には主変速レバー46及び副変速レバー47が配置され、これらの主変速レバー46及び副変速レバー47は、前記ミッションケース35と図示せぬリンク機構を介して連結されており、主変速レバー46及び副変速レバー47を操作することにより、前記ミッションケース35内で変速及び回転方向の切り換えを行い、左右の走行装置2L・2Rの前後進や変速を行うようにしている。操作部13には左右のサイドクラッチレバー48・49も配設され、該左右のサイドクラッチレバー48・49を操作することにより、前記ミッションケース35内の旋回側の走行装置のクラッチを切断してクローラの回動を停止し、他側の走行装置のクラッチはそのままでクローラを回動させて、機体を旋回できるようにし、一つの茶畝での刈取作業が終わり隣接する茶畝に移動する際の枕地での方向転換が、自在に行えるようにしている。
【0017】また、前記出力プーリ39は、さらに前方に配設された駆動プーリ43との間でベルト40により捲回され、該ベルト40は、両プーリ39・43間に配設したテンションプーリ41・42によって張設されている。そして、前記駆動プーリ43は、アーム支持フレーム51に内装された図示せぬ螺子シャフトの基部に固設され、該螺子シャフトは、内面に雌ねじが螺刻された前記アーム20に螺挿されている。
【0018】ここで、前記操作部13には機幅調節レバー50が配置され、該機幅調節レバー50は前記テンションプーリ41・42と図示せぬリンク機構を介して連結されており、機幅調節レバー50を操作することにより、前記テンションプーリ41・42がベルト40に押しつけられ、該ベルト40が緊張されて両プーリ39・43間が連結状態となり、出力プーリ39の回転力が駆動プーリ43に伝達される。該駆動プーリ43により前記螺子シャフトが回動されると、該螺子シャフトが螺挿された前記アーム20が伸縮されて、走行装置2L・2R間の間隔が調節されて、予め走行前に機幅を畝幅に合わせられるようにしている。なお、アーム20の伸縮の切り換えは、機体の前後進を切り換えて前記出力プーリ39の回転方向を逆転させ、ベルト40・駆動プーリ43を介して連動される螺子シャフトの回転方向を逆転させることによって行うことができる。
【0019】このように、走行装置2L上部に設けた操作部13には、主変速レバー46、副変速レバー47、左右のサイドクラッチレバー48・49、及び機幅調節レバー50からなる走行操作部材が設けられており、これらの走行操作部材を操作することによって、畝幅に適した機幅に本体1を変更し、その上で走行装置2L・2Rを前進させて、本体1に配設した茶刈装置5を茶畝6の一方の片面側上を移動させ、前記刈刃25により茶葉7を刈り取る。そして、茶畝端にまできたら、後述する水平角度調節機構によって茶刈装置5のみを180度回動させた後、走行装置2L・2Rを後進させて、他方の片面側に残った茶葉7を刈り取るようにしているのである。
【0020】次に、本発明に係わる刈取作業操作のうち、前記刈刃エンジン22の駆動操作について、図5、図6、図8により説明する。前記装着部4を構成する上部フレーム71aの外側部の上面にはリンク台113が載置固定され、該リンク台113の内側辺からは側板113aが立設され、該側板113aには、前記操作部13から延設された本体側のアクセルリンクコード114とクラッチリンクコード115の外装部が固設されている。
【0021】本体側アクセルリンクコード114からは、本体側アクセルワイヤー114aが延出され、該本体側アクセルワイヤー114aは、前記リンク台113上に枢支された本体側リンク板121に連結され、該本体側リンク板121上方には、同軸上に刈取側リンク板122が回動可能に設けられている。そして、該刈取側リンク板122の一端にはフック122aが形成され、該フック122aには、刈取側アクセルワイヤー116aの先端が係合し、その上を押えレバー125で押さえることにより、刈取側アクセルワイヤー116aを刈取側リンク板122に係止できるようにしている。なお、刈取側アクセルワイヤー116aは刈取側アクセルリンクコード116から延出されており、該刈取側アクセルリンクコード116は、前記リンク台113の外側辺に立設した係止部119に係止されている。
【0022】軸を挟んで押えレバー125と反対側の刈取側リンク板122には、左右方向に長孔122bを開口すると共に、該長孔122bには、ロックネジ123を挿通し、刈取側リンク板122と前記本体側リンク板121とを自由な角度で締結固定できるようにすると共に、本体側リンク板121とリンク台113との間には保持バネ124を弾装され、ロックネジ123解除時には、本体側リンク板121が内側に回動して保持されるようにしている。
【0023】また、本体側クラッチリンクコード115からは、本体側クラッチワイヤー115aが延出され、該本体側クラッチワイヤー115aは、前記リンク台113上に枢支されたリンク板120に連結固定され、該リンク板120上にはフック120aが形成され、該フック120aには、刈取側クラッチワイヤー117aの先端が係合し、その上を押えレバー126で押さえることにより、刈取側クラッチワイヤー117aをリンク板120に係止できるようにしている。なお、刈取側クラッチワイヤー117aは刈取側クラッチリンクコード117から延出されており、該刈取側クラッチリンクコード117は、前記リンク台113の外側辺に立設した係止部118に係止されている。
【0024】このような構成において、押えレバー125・126により、刈取側のアクセルワイヤー116a・クラッチワイヤー117aを各リンク板122・120に係止した上で、前記ロックネジ123を締結し、該刈取側リンク板122を前記本体側リンク板121と一体化すると、本体側アクセルワイヤー114aと刈取側アクセルワイヤー116a、本体側クラッチワイヤー115aと刈取側クラッチワイヤー117aとの間が連結された構造となる。
【0025】この状態で、操作部13に設けた刈取アクセルレバー127・刈取クラッチレバー128を操作することにより、本体側のアクセルワイヤー114aとクラッチワイヤー115aが伸縮し、その伸縮に応じて各リンク板120・121・122が回動し、刈取側のアクセルワイヤー116aとクラッチワイヤー117aに操作力が伝達され、該刈取側のアクセルワイヤー116aとクラッチワイヤー117aに連結された前記刈取エンジン22のアクセルやクラッチを操作することができるようにしている。
【0026】なお、この操作部13と刈取エンジン22の間との連結は、アクセルリンク系については、前記ロックネジ123を緩めて、上下のリンク板121・122を互いに長孔122aに沿って回動可能とし、クラッチリンク系については、前記押えレバー126を操作して刈取側クラッチワイヤー117aをリンク板120から取り外すだけで、簡単に切断することができるようにしている。本実施例においては、この断接自在なリンク機構111によって、茶刈装置5の位置の微調節等の後に茶刈装置5の刈取エンジン22を再始動する場合であっても、作業者は該リンク機構111を切断した上で、刈取エンジン22のスターター等で手元操作を行うことにより、わざわざ茶畝6を迂回して操作部13側まで行く必要がなく、簡単に刈取エンジン22を始動させることができる。
【0027】このように、走行操作部を設けた前記操作部13には、刈取アクセルレバー127・刈取クラッチレバー128からなる刈刃エンジン22の駆動操作部材も併設されており、前述のようにして操作部13と刈取エンジン22の間との連結を確保した上で、この駆動操作部材を操作することにより、走行中でも刈刃25の往復動速度などを適正化し、茶畝の状況に応じた適切な茶刈作業を行うことができるのである。
【0028】次に、茶刈装置5の各位置・姿勢制御調節機構、及び本発明に係わる刈取作業操作のうちの茶刈装置5の配置操作について説明する。まず、左右位置調節機構52について、図1、図7、図9、図10により説明する。前記架台11上には、前記支持部3上部を形成する移動台19が載置され、該移動台19に設けたガイド19aは、架台11に横設されるガイドバー60a・60bに摺動可能に外嵌されると共に、架台11からはゲージ19bが延出されている。一方、架台11の側方には左右動レバー58が配置され、該左右動レバー58の前端は前部の固定側フレーム17bに軸支されると共に、左右動レバー58の前後途中部にはアーム61の一端が枢結され、該アーム61の他端は前記移動台19に連結されている。
【0029】このような構成よりなる左右位置調節機構52において、前記左右動レバー58の把持部58aを掴んで左右に回動させると、移動台19も左右にスライドし、下方に吊設された茶刈装置5の左右位置を前記ゲージ19bで確認しながら移動させることができ、茶刈装置5を本体1の左右略中央部に調節可能としている。なお、調節後は、ノブねじなどの固定部材59により、左右動レバー58を後部の固定側フレーム18bに固定できるようにしている。
【0030】また、高さ調節機構53について、図1、図6、図7、図11、図12により説明する。前記移動台19には、操作部13の高さ調節スイッチ67と接続された昇降モータ10とギアケース66とが載置固定され、該ギアケース66内には、前記昇降モータ10からの出力軸に固設されたウォームギア62と、該ウォームギア62と噛合するウォームホイールの枢軸と同軸上に固設したスプロケット63と、該スプロケット63とチェーン65を介して連結連動するスプロケット64とを回動可能に配設している。
【0031】そして、該スプロケット63・64にS字状に捲回された前記チェーン65の上端は、昇降フレーム8の上フレーム8aに延出固定され、チェーン65の下端は、下方の昇降ディスク9の平面視略中央位置に固定され、該昇降ディスク9の左右直径端からはサイドバー8b・8bが立設され、移動台19内を摺動可能に挿通して、前記上フレーム8aの左右両端に連結固定されている。従って、この高さ調節機構53では、従来の門柱型昇降装置とは異なり、茶刈機を運搬車などで移送する際であっても、昇降フレーム8を最下位置にまで下降させるだけで本体1上方の突出部をほとんどなくすことができるため、高さ制限にかかることがなく、また車庫への保管も容易である。
【0032】このような構成において、前記高さ調節スイッチ67を操作することにより、昇降モータ10が作動してスプロケット63・64が回動され、チェーン65が上方又は下方に巻かれ、該チェーン65に連結した昇降フレーム8も昇降し、走行中であっても茶刈装置5の高さを簡単かつ迅速に調節することができる。
【0033】次に、水平角度調節機構54について、図1、図5、図13、図14により説明する。前記昇降ディスク9の下面には、該昇降ディスク9と同じ軸芯を中心にして回動可能な回転ディスク70が隣接され、該回転ディスク70の下方には、連結部材72・72・・を介して、後で詳述する左右位置微調節機構55が一体的に形成されており、該左右位置微調節機構55には、下方に茶刈装置5を係止する装着用フレーム71の前記上部フレーム71aが、左右にスライド可能に係合されている。
【0034】そして、上板の昇降ディスク9上面に固設した固定フレーム9aには、ノブねじ等の固定具74がばね75により下方に付勢された状態で配設され、該固定具74下部は、直下の昇降ディスク9に設けた孔を通して、互いに180度開いて回転ディスク70の対向位置に開口した係止用孔73の一つに挿通されており、これによって上下のディスク9・70が連結固定できるようにしている。また、前記昇降ディスク9の外縁近傍には締め付け具76が配設され、上下のディスク9・70を任意角度で挟持固定できるようにしている。
【0035】このような構成において、前記締め付け具76のレバー76aを操作してディスク9・70間の挟持を解除した後、固定具74を引き上げて前記係止用孔73から脱着させた上で、前記装着用フレーム71を把持して回転させることにより、下方に茶刈装置5を係止した回転ディスク70を、昇降ディスク9に対して所定の水平角度まで回動することができる。
【0036】この際、茶刈装置5を走行方向に対して直角に配設する場合は、前記固定具74は前後の係止用孔73のうちのいずれかに固定し、また、茶刈装置5を走行方向に対して直角以外の任意の角度に配設する場合は、前記固定具74を脱着し、軽く浮かせたままで昇降ディスク9上面を滑らせ、所定の水平角度まで回動させてから前記レバー76aを操作し、締め付け具76によってディスク9・70間を挟持固定させることができる。
【0037】すなわち、茶畝の一方の片面側の刈り取りが終わり、他方の片面側の刈り取りを行う際、このような水平角度調節機構54を用いて茶刈装置5を回動させ、刈刃25の向きを180度回転した後に走行装置2L・2Rを後進させるだけで、本体1を枕地で反転させる必要もなく、簡単かつ迅速に、他方の片面側の刈り取りを行うことができる。
【0038】さらに、茶刈装置5を走行方向に対して斜めにも配設可能であるため、水平角度を微調節することにより、刈刃25が茶畝6に実際に当たる面の幅や形状を自在に変更することができ、狭い上に様々な畝幅を有する茶畝や、上面の円弧形状が異なる茶畝であっても、精度良く刈り取りを行うことができる。
【0039】また、左右位置微調節機構55について、図5、図13、図15により説明する。前記回転ディスク70には、前記連結部材72・72・・等を介して保持部材80が固設され、該保持部材80には、前記上部フレーム71aが左右方向にスライド可能に内挿されると共に、該上部フレーム71aの側面には、チェーン77が固設されている。そして、前記保持部材80にはラチェット式のハンドル81が枢設され、該ハンドル81の基部に設けた図示せぬ爪が、前記チェーン77に一方向でのみ係止できるようにしている。
【0040】このような構成において、前記ハンドル81の基部に設けた切換部材81aにより、前記爪の係止可能向きを変更した上で、ハンドル81を左右のいずれかに揺動することにより、クリックによって前記上部フレーム71aを左右いずれかの方向に移動させることができ、下方に茶刈装置5を係止した装着用フレーム71を所定の左右位置まで移動し、茶刈装置5の左右位置を微調節することができる。
【0041】すなわち、前記左右位置調節機構52で茶刈装置5を本体1の左右略中央部に調節した後であっても、ハンドル81を操作することにより、茶畝6の状況に応じて最適な左右位置まで茶刈装置5を移動させることができ、刈り残しなどを防止することができる。なお、調節後は、上部フレーム71aを固定ネジ79によって保持部材80の側に固定できるようにしている。
【0042】次に、傾斜角調節機構56について、図5、図6、図16により説明する。前記上部フレーム71aから外方への延出端からは、正面視で菱形状の平行クランク機構からなるパンタグラフ部82が垂設され、該パンタグラフ部82の下端には、前記装着用フレーム71の下部フレーム71bを連結すると共に、連結部82a・82bの間隔を変更可能な伸縮機構を設けている。
【0043】該伸縮機構においては、傾斜角モータ83の回動軸に固設した螺子シャフト85が外方に延出され、該螺子シャフト85は前記連結部82a・82bに挿通されており、そのうちの機体外側の連結部82bには、螺子シャフト85の延出端が回動可能突出不能に嵌合され、機体内側の連結部82aには、内面に雌ねじが螺刻され、該雌ねじに前記螺子シャフト85の途中部が螺挿されている。
【0044】このような構成において、前記操作部13の傾斜角調節スイッチ68を操作するとにより、該傾斜角調節スイッチ68に接続された傾斜角モータ83が駆動されて螺子シャフト85が回動し、機体外側の連結部82bはそのままで、機体内側の連結部82aのみを前記雌ねじを介して左右に自在に移動させることができ、これによって、パンタグラフ部82の上下高さを変更させ、走行中であっても茶刈装置5の傾斜角を簡単かつ迅速に調節することができる。
【0045】なお、前記のように螺子シャフト85は決して連結部82bより外方には突出しない構成としているため、茶刈装置5の左右位置・水平角度等を調節すべく本体1の内側で作業を行う場合であっても、螺子シャフト85の突出部が邪魔になることはなく、良好な作業性を確保できる。
【0046】次に、前後傾斜角調節機構57について、図5、図17、図18により説明する。前記下部フレーム71bの内側辺71cには内側装着部14を介して内側支持アーム86が係止され、下部フレーム71bの外側辺71dには外側装着部15を介して外側支持アーム87が係止され、これら内外の支持アーム86・87によって茶刈装置5が支持されるようにしている。
【0047】前記内側装着部14においては、内側辺71cの一端に、取付部材88の一端が上下回動可能に枢結され、該取付部材88の他端には、前後傾斜用長孔88aが上下に長く開口され、該前後傾斜用長孔88aには固定具92が挿通され、該固定具92によって取付部材88の他端を内側辺71cの他端に所定の高さで締結固定できるようにすると共に、該取付部材88の下辺前後には、支持ステー88c・88cが側方に突設されている。そして、該支持ステー88c・88c上には前記内側支持アーム86が載置され、該内側支持アーム86上面には押止部材89が載置され、該押止部材89の前後に横架されたガイドバー90・90は、その両端部を前記取付部材88のスライド用長孔88bに昇降可能に挿通されると共に、押止部材89の前後上端と取付部材88下部との間には押止バネ91が弾装されている。
【0048】一方、外側装着部15においては、外側辺71dの一端に、取付部材93の一端が上下回動可能に枢結され、該取付部材93の他端には、前後傾斜用長孔93aが上下に長く開口され、該前後傾斜用長孔93aにはガイド部材94が挿通され、該ガイド部材94によって取付部材93の他端を外側辺71dの他端に対して上下動できるようにすると共に、取付部材93の前後下辺には、左右回動可能に連結板95が連結されている。なお、該取付部材93の下端と、装着用フレーム71との間には戻りバネ112を弾装されている。そして、該連結板95の下辺から側方に突設された支持ステー95a上面部と、該連結板95と下部で軸支された押止部材97の下辺部との間に、前記外側支持アーム87が挟持されると共に、連結板95と押止部材97の間には板バネ96が弾装されている。
【0049】このような構成において、内側装着部14で前記ガイドバー90を引き上げると共に、外側装着部15で前記押止部材97を左方に押して回動すると、内外の支持アーム86・87を簡単に外すことができる。また、逆の手順を踏むことにより、内側支持アーム86は支持ステー88c・88cと押止部材89の下辺部との間に、同様にして、外側支持アーム87は支持ステー95aと押止部材97の下辺部との間に、それぞれ押止バネ91と板バネ96の弾性力によって確実に挟持することができる。
【0050】すなわち、茶刈装置5として可搬式茶刈機が使用可能に前記内側装着部14・外側装着部15などの連結部材からなる取付構造を設けたので、それまでの可搬式茶刈機が流用できるようになり、自走式茶刈機に切り換える際のコスト低減を図ることができ、さらには、前記固定具92を緩めて内側支持アーム86を前後回動すると、外側支持アーム87も追従して回動するため、固定具92を締め付けて所定の前後傾斜角に設定することができ、刈刃25が茶畝6に実際に当たる面の幅や形状を自在に変更することが可能となり、上面の円弧形状が異なる茶畝6にも柔軟に対応することができる。
【0051】以上のような茶刈装置5の位置・姿勢制御調節機構のうち、刈取性に影響の大きな高さ調節機構53と傾斜角調節機構56については、それぞれ高さ調節スイッチ67と傾斜角調節スイッチ68とに連結され、該高さ調節スイッチ67と傾斜角調節スイッチ68は、図6に示すように、いずれも前記走行操作部を設けた操作部13に併設されており、これらの配置操作部材を操作することにより茶刈装置5の高さや上下傾斜角を自在に変更し、前記刈取アクセルレバー127・刈取クラッチレバー128の場合と同様、走行中でも茶畝6表面への刈刃25の当たりを適正化し、茶畝6の状況に応じた適切な茶刈作業を行うことができるのである。
【0052】特に、前述の如く手持ちの可搬式茶刈機を自走式茶刈装置に流用するような場合においては、このように操作部13に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部13おいて実施可能な構成とすることで、可搬式茶刈機に最初から設けてある刈刃エンジン22制御のための駆動操作部材などの操作部材を、走行操作部材と同じ位置で操作できるため、走行操作しながらの刈取作業操作を簡単に行うことができるようになる。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、以下の効果を奏するものである。すなわち、請求項1のように、列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に茶刈装置を吊設すると共に、前記走行装置の近傍に、走行操作部材を設けた操作部を配設する自走式茶刈機において、該操作部に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部おいて実施可能な構成としたので、走行中でも誤操作することなく、茶刈装置による刈取速度、高さ、上下傾斜角などを微調節することができるため、茶葉の密度や茶畝表面の形状などの茶畝の状況に最適な刈取作業を行うことができ、作業効率の向上や刈り取った茶葉品質の均質化などを図ることができるのである。
【0054】請求項2のように、列状の茶畝を跨ぎ、該茶畝の両側畝間を自走する左右の走行装置を有する本体に茶刈装置を吊設し、該茶刈装置として可搬式茶刈機が利用可能な取付構造を設けると共に、前記走行装置の近傍に、走行操作部材を設けた操作部を配設する自走式茶刈機において、該操作部に刈取作業操作部材を併設し、刈取作業操作を走行操作と同じ操作部おいて実施可能な構成としたので、操作性を悪化させることなく、可搬式茶刈機を自走式茶刈装置に流用できてコスト低減を図ることができる。
【0055】請求項3のように、請求項1又は請求項2記載の刈取作業操作部材は、刈刃駆動用のエンジン制御のための駆動操作部材と、茶刈装置の位置・姿勢制御のための配置操作部材とを含むと共に、該配置操作部材を操作することにより、走行中でも茶刈装置を適正な位置と姿勢に調節可能な構成とするので、茶刈装置を位置と刈刃動作の両面から確実に制御することができ、最適な刈取作業を実施できるのである。
【出願人】 【識別番号】390029621
【氏名又は名称】ニューデルタ工業株式会社
【出願日】 平成11年11月22日(1999.11.22)
【代理人】 【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
【公開番号】 特開2001−145410(P2001−145410A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−330990