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【発明の名称】 音声アラーム装置
【発明者】 【氏名】土居 義典

【要約】 【課題】装置の異常時に確実に警告音を聞き取ることができる農業機械を提供すること。

【解決手段】警告内容の重要度に応じて、警告音声を発する前にアラーム音を発声する構成を備えた農業機械の異常時に警告音声を発声する音声アラーム装置100である。また、前記警告音声またはアラーム音の発声があると、それらの発声を当該警告内容に対応した不具合の解消を目的とする対応策のアナウンスに切換えできる構成を備えることができる。警告内容を聞き取って対応をするとき、事前に挿入されたアラーム音で異常内容のレベルが分かるため、迅速に対応することができ、また、警告内容の重要度に応じて音声警告が発せられる前にアラーム音の発声回数またはアラーム音の種類を変更することで、アラーム音を聞くと、どこに不具合があるのか予測できて、迅速に対応できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 農業機械の異常時に警告音声を発声する音声アラーム装置において、警告内容の重要度に応じて、警告音声を発する前にアラーム音を発声する構成を備えたことを特徴とする音声アラーム装置。
【請求項2】 前記警告音声またはアラーム音の発声があると、それらの発声を当該警告内容に対応した不具合の解消を目的とする対応策のアナウンスに切換えできる構成を備えたことを特徴とする請求項1記載の音声アラーム装置。
【請求項3】 穀稈を刈取、脱穀及び一時貯留する各装置と、一時貯留した穀粒を外部に排出する伸縮可能なオーガを備えたコンバインにおいて、先端の穀粒排出口近傍のオーガの下側にレバー型のスイッチを設け、該スイッチをオペレータが操作しているときは前記スイッチはオーガ伸縮用のリミットスイッチとして働き、前記スイッチをオペレータが未操作中には前記スイッチはオーガ伸縮停止用入力スイッチとして働くように構成されたことを特徴とするコンバイン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業機械の音声アラーム装置などに関する。
【0002】
【従来の技術】コンバイン、ハーベスタなどの各種農業機械が現在使用され、人手による農作業の軽減化による重労働からの解放、農業生産性の向上等が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】各種農業機械は複雑な装置の組み合わせからなり、その操作には熟練を要する。特に農業機械が圃場内で収穫物を走行しながら収穫中に、農業機械を構成するいずれかの装置が異常になると、早めにオペレータに警告を発しないと、長時間をかけて収穫した穀類、野菜などが正常な状態で収穫できないことがある。そこで農業機械の装置がどこか異常になると、警告音を発する構成を備えている。しかし警告音のみでは、異常検出が多岐にわたっており、不具合の判断、認知に時間を要してしまう。
【0004】また、自動車等で音声により不具合を知らせる装置があるが、音声のみであると、農業機械が作動中は駆動部の作動音が大きく、警告音及び警告音声の内容が聞きづらいことがあった。また警告内容は、緊急度合が異なり、異常のレベルを瞬時に判断できる必要がある。すなわち低レベルの異常の警告で作業を中断しては、作業効率が低下するしエンジン異常などの緊急時には、即時にエンジンを停止しなければならない。
【0005】そこで、本発明の課題は、装置の異常発生時の緊急度合に応じて対応可能な音声アラーム装置を備えた農業機械を提供することである。
【0006】また、穀稈を刈取、脱穀及び一時貯留する各装置と、一時貯留した穀粒を排出する伸縮可能なオーガを備えたコンバインにおいて、伸縮可能なオーガの先端穀粒排出口付近にオーガを伸縮調整するスイッチを設けておくことで、オペレータが伸縮可能なオーガの先端穀粒排出口付近で、目視しながらオーガ伸縮位置の調整を前記スイッチを操作することで行っていた。
【0007】しかし、いつもオペレータがオーガの先端穀粒排出口付近に張り付いていることはできない。そのとき、オペレータがオーガの先端穀粒排出口付近から離れてしまうと、前記スイッチが誤動作することなどのためにオーガが伸びてオーガの先端穀粒排出口がトラックなどの荷台の上方位置から外れるおそれがあった。
【0008】そこで本発明の課題は、オーガの先端の穀粒排出口が誤動作などのために、設定位置から外れるようなことがないコンバインを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、農業機械の異常時に警告音声を発声する音声アラーム装置において、警告内容の重要度に応じて、警告音声を発する前にアラーム音を発声する構成を備えたことを特徴とする音声アラーム装置である。
【0010】また、前記警告音声またはアラーム音の発声があると、それらの発声を当該警告内容に対応した不具合の解消を目的とする対応策のアナウンスに切換えできる構成を備えることができる。
【0011】本発明によれば、警告内容を聞き取って対応をするとき、事前に挿入されたアラーム音で異常内容のレベルが分かるため、迅速に対応することができる。
【0012】また、警告内容の重要度に応じて音声警告が発せられる前にアラーム音の発声回数またはアラーム音の種類を変更することで、アラーム音を聞くと、どこに不具合があるのか予測できて、迅速に対応できる。
【0013】また、本発明では、前記警告音声またはアラーム音の発声があるとき、それらの発声を当該警告内容に対応した不具合の解消を目的とする対応策のアナウンスに切換えできるよう構成することによって、複雑な操作を必要とする不具合の解消方法でもスムーズに対応できる。
【0014】また、本発明の上記課題は次の構成から成る。すなわち、穀稈を刈取、脱穀及び一時貯留する各装置と、一時貯留した穀粒を排出する伸縮可能なオーガを備えたコンバインにおいて、先端の穀粒排出口近傍のオーガの下側にレバー型のスイッチを設け、該スイッチがオペレータが操作しているときは前記スイッチはオーガ伸縮用のリミットスイッチとして働き、オペレータが未操作中には前記スイッチはオーガ伸縮停止用入力スイッチとして働くように構成されたコンバインである。
【0015】伸縮可能なオーガの伸縮調整によりコンバインから穀粒の排出を行うが、穀粒排出中には微調整を行いたい場合にはオーガ先端の穀粒排出口近傍の下側に設けたレバー型のスイッチをオペレータが操作すると、レバー型のスイッチはリミットスイッチとして働く。また、オーガの穀類排出位置が設定された後の穀粒排出中には、オペレータが該レバー型スイッチを操作しないために、万一、オーガの先端が前記穀粒排出設定位置より先に伸びてしまうおそれがあっても、レバー型スイッチのレバー先端部がグレンタンクに予め設けられた突起等に当接することにより、オーガの先端が前記穀粒排出設定位置より先に伸びてしまうことはない。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態についてコンバインを例に図面と共に説明する。本発明が適用されるコンバインの構成図を図9を参照して述べる。
【0017】コンバインは、ゴムを素材として成型したクローラ7を設けた走行車体8上に、脱穀装置9を搭載し、その前側に刈取前処理装置10を設けて構成している。走行車体8の上部に図示しないエンジンを搭載し、走行車体8の前方側に設けられている刈取前処理装置10は、穀稈を所定の位置で刈取するために、刈取前処理装置支持フレームと共に上下動する構成である。
【0018】また、走行車体8の上部には、刈取前処理装置10から搬送されてくる穀稈を引き継いで搬送するフィードチェーンを有する脱穀装置9と、脱穀装置9で脱穀選別された穀粒を一時貯溜するグレンタンク1が載置されている。穀粒のついた穀稈を脱穀装置9に供給し、脱穀装置9内に軸架され、回転運動する扱胴の扱歯で穀粒を穀稈から脱穀し、穀粒を選別分離して、選別された穀粒はグレンタンク1へ搬送して一時貯留し、分離された藁屑などはカッタで切断してコンバイン後部から圃場に放出する。
【0019】グレンタンク1内の底部に穀粒移送用のグレンタンクラセンを設け、グレンタンクラセンの後部に縦オーガ12および横オーガ2からなる排出オーガを連接し、グレンタンク1内に貯留した穀粒を排出オーガを経由してコンバインの外部に排出する。横オーガ2は、コンバインの走行時および刈取作業時にはコンバイン上部の格納位置に収納し、穀粒を排出するときに旋回、昇降して穀粒輸送車などの受け入れ口の位置に横オーガ2の排出口を臨ませることができる。
【0020】図1にはコンバインに設けられる音声アラーム装置100を示す。上記したコンバインにおいて、例えばグレンタンク1内部で穀粒が詰まると、排出オーガ(縦オーガ12および横オーガ2)に穀粒を排出することができなくなる。また、エンジンを冷却するための冷却水の循環系統に異常があると、エンジンの故障の原因になる。また、ミッションの油圧回路に流れるオイルが正常に流れないとコンバインの走行に大きな影響を与える。
【0021】そこで、それぞれの異常を検出するセンサを設ける。またグレンタンク1内部には高さ方向に複数個の穀粒の有無を検出する穀粒センサを設け、冷却水の循環系統には水温センサを、さらに、油圧回路にはオイルの圧力を検出するオイルセンサを設ける。
【0022】図1には上記3種類のセンサだけを例示しているが、その他の装置の異常を検出するセンサをさらに設けることができる。穀粒センサ、水温センサ、オイルセンサは図1に示す音声アラーム装置100に信号を送信できる構成であり、各センサからの信号が音声アラーム装置100に入るとスピーカ41が音声を発する。
【0023】それぞれのセンサからの信号の入力により「穀粒が詰まりました」、「油圧異常です」または「水温が異常です」が音声としてスピーカ41から流れてオペレータに警告する。しかし、作動中のコンバインの騒音でオペレータが上記警告音を聞き取ることが難しいことがあるので、本実施の形態のアラーム装置100では上記具体的な警告音声を発する前に騒音に邪魔されないアラーム音を発することができるようになっている。図2にはアラーム音と警告音声の発生タイミングチャートの例を示す。
【0024】アラーム音は複数回発するようにしておくと、オペレータが聞き逃すことはない。また警告音声の内容の重要度に応じてそれぞれアラーム音の発生回数を決めておくことが望ましい。
【0025】コンバインが作動中は、機械の作動音が大きく警告内容が聞きづらい。また警告内容によっては、緊急にエンジンを停止しなければならない場合がある。本発明の実施の形態では、警告内容を聞き取って対応をするとき、事前に挿入されたアラーム音で異常内容のレベルが分かるため、迅速に対応ができる。
【0026】また、コンバインの異常時に上記警告音声アラーム装置100が作動したとき、警告停止スイッチを操作すると、警告内容の対応方法を音声で知らせる構成を設けても良い。
【0027】これをフローチャートで示すと図3の通りである。すなわち、異常を検出すると、アラーム音が鳴るので、オペレータはアラーム音で異常を知り、作業を中止するなどの対応をした後、警告音を停止させるべく音声警告停止スイッチ42(図1)を押すと異常内容の対応方法が音声で告知され、迅速に異常に対して対応することができる。このとき、音声だけでなく異常を示すランプ43が点灯しても良い。
【0028】また、コンバインのいずれかの装置の異常発生時に、上記警告音声アラーム装置100は、警告スイッチを操作すると警告内容の対応方法をステップ毎に告知し、前記スイッチを押す毎に対応方法を告知していく構成にしても良い。この場合は異常処置が単一の対応方法では終わらない場合に適用できる。
【0029】図4には上記構成のフローチャートを示すが、異常時にアラーム発声で異常を知り、作業を中止するなどの対応をした後、警告スイッチを押すと(S4、S5)、第一回目の異常内容の対応方法を発声する(S6)。その後コンピューターは、再び警告スイッチの認識を行い(S7)、警告スイッチが押されていないと(S8)、S6の異常内容の対応方法を発声する(S6)。新たに警告スイッチが押されると、第二回目の対応があれば(S9)、第一回目の異常処理を終え、S10において当該Yesへ向かい、S6で第二回目の異常内容の対応方法を発声する。再び警告スイッチが押され、三度目の対応があればS8においてYesへ向かう。警告スイッチを押しても、異常処理の対応方法が発声されないと、スタート位置に戻る。こうして複雑な異常の処置が容易に、手順を追って間違いなく行うことができる。
【0030】また、異常時の上記警告音声アラーム装置100において、警告スイッチを操作して警告音を停止後、異常を解除すると、異常が解除されたことを音声により知らせるようにすることが望ましい。こうして、警告音声を停止していても、異常が解除されると音声により知らせるため、確実に異常処置の終了したことを確認できる。
【0031】図5は、上記構成のフローチャートである。次に本発明の装置の一例であるコンバインのオーガ(揚穀)の構造についての実施の形態を示す。
【0032】本発明が適用されるコンバインについて図6〜図19を参照して述べる。図6は横オーガ内に伸縮螺旋4が収納された状態を示す内部構造図、図7は搬送螺旋13内から伸縮螺旋4が伸びた状態を示す内部構造図、図8は移動搬送筒2aの最大の伸長可能位置aとその手前の位置bを示す図である。
【0033】コンバインは、図9に示すように、ゴムを素材として成型したクローラ7を設けた走行車体8上に、脱穀装置9を搭載し、その前側に刈取前処理装置10を設けて構成している。
【0034】そして、グレンタンク1は、上記脱穀装置9の側部に併設して前述した走行車体8上に搭載し、その脱穀装置9から一番縦オーガ11を介して搬送されてきた脱穀・選別後の穀粒を貯留できる構成としている。そして、このグレンタンク1は、図面では省略しているが、従来から周知のように、その底部に排出螺旋を軸装して設け、この排出螺旋の一端部を縦オ−ガ縦オーガ12の下部まで延長し、内装している揚穀螺旋(図示せず)の下部に接続して構成している。
【0035】そして、横オーガ2は、上述の縦オーガ12に接続する固定搬送筒2b、移動搬送筒2aと、これら各搬送筒に内装されている搬送螺旋13、伸縮螺旋4からなり、グレンタンク1に貯留されている穀粒を機外に搬出できる構成としている。
【0036】固定搬送筒2bは、基部を前記縦オーガ12の上部に連結し、先端部を外方に延長して設け、その筒内には、始端部を前記揚穀螺旋に接続した搬送螺旋13を内装して、縦オーガ12から受け継いだ穀粒を搬送する構成としている。なお、この固定搬送筒2bは,図面では具体的に示さないが、従来から周知のように、基部を支点にして上下方向に回転できるとともに、縦オーガ12を回転中心として平面的に旋回できるように枢着連結して構成している。
【0037】そして、移動搬送筒2aは、先端部に穀粒排出口14を閉口して基部側を、前記固定搬送筒2bの先端側から摺動自由に挿入勘合して連結している。
【0038】次に、伸縮螺旋4は、図6から図8に示すように、移動搬送筒2a内において、先端部を穀粒排出口14の上方位置に軸受けして後部を固定搬送筒2b側に延長して搬送螺旋13の軸内に摺動自由に挿入した駆動軸3を軸架して設け、この駆動軸3に多数の螺旋単体4a、4b、4c・・・を摺動自由に勘合して構成している。そして、伸縮螺旋4は、各螺旋単体4a、4b、4cが駆動軸3に対して、軸方向には摺動自由で重合状態になったり、のびて連結状態になって伸縮可能であるが、回転方向には軸受部によって係合されて回転駆動されながら外側の螺旋部6(図11参照)により穀粒の搬送を行う構成としている。
【0039】また、図10から図15に螺旋単体4a、4b、4cの構造図を示す。図10は螺旋単体4aの軸方向から見た図、図11は螺旋単体4aの軸の垂直方向から見た図、図12は螺旋単体4aの軸方向から見た図、図13は螺旋単体4aの側面図、図14は螺旋単体4aの軸の垂直方向から見た図、図15は螺旋単体4aの軸の垂直方向から見た図である。
【0040】そこでまず、螺旋単体4a、4b、4cは、図10から図15に示す実施の形態に示すように、中心部にあって前述した角型の駆動軸3に摺動自由に勘合して軸受けする軸受け部5と、その外側に半円弧状の支持部材15を介して取り付けた螺旋部6とを一体に接合して構成している。この場合、支持部材15は、プレスによる絞り加工によって両側部分を、軸受部5を接合、連結する中央部分の外径より大径にして重合するとき隣の軸受部5の結合が容易にできるように段差を持たせて構成している。
【0041】そして、螺旋単体4a、4b、4cは、実施例の場合、金属素材を用いて構成しているが、場合によっては、強度を必要とする軸受部5を金属素材で構成し、ほかの支持部材15や螺旋部6を合成樹脂材で成型すると全体として計量の伸縮螺旋4を構成できる。さらに、伸縮螺旋4は、各螺旋単体4a、4b、4cの全部分を合成樹脂材で成型して、より軽量化を図ることもできる。
【0042】このように、移動搬送筒2aは、伸縮螺旋4を合成樹脂素材を使用することによって必要な強度を確保した状態で、さらに、軽量化を図り、全体を軽くできるから、円滑な伸縮作動ができる。
【0043】そして、伸縮螺旋4は、螺旋単体4a、4b、4cを構成している螺旋部6の一方側の端部に突起部16を設け、他方側の端部に係合部17を形成して伸長状態になったとき、隣接する突起部16と係合部17とが互いに契合して連結状態(図8参照)を保つように構成している。逆に、伸縮螺旋4は、縮小するときには相互に重合(図6参照)して短くなる構成としている。そして、伸縮螺旋4は、各螺旋単体4a、4b、4cの中でもっとも先端側(穀粒排出口14に近い位置)のもの4c(図16参照)を駆動軸3にねじ18により固着して揺動できない構成にしている。そして、この場合、最先端の螺旋単体4は、図16に示すように、他の螺旋単体4a、4bより軸受部5を含めて全体を長くして、先端側の螺旋部6を軸受部5に装着して強度を強く構成している。このように構成すると、最先端の螺旋単体4は、移動搬送筒2a内に穀粒の詰まり現象が発生しても、破損(変形)率が従来に比較して下がり、耐久性に富む構造になっている。
【0044】次に、支持部材15は、図13及び図14に示すように、軸受部5の両方の端縁部分の下側位置に穀粒排出孔19、19’を穿設し、その部分に穀粒が溜まらないようにしている。さらに、支持部材15は、図13に示すように、穀粒の溜まりを防止するために、軸受部5の端縁部分との接合部分に隙間をつくらないように確実に接着して構成している。そして、軸受部5は、図17に示すように、その両方の端部内側にそれぞれ空間部20を形成して左右から接合したとき(伸縮螺旋4がもっとも短くなったとき)、穀粒を挟んで圧砕しない工夫を施している。
【0045】そして、螺旋部6は、図18及び図19に示すように、中心側の軸受部5との隙間21を広く形成しておくと、各螺旋単体4a、4b、4cを重合したときに穀粒の排除が良好にできるから、破砕粒をなくすことができる。
【0046】また、支持部材15は、図18に示すように、側面視において、約120度程度の幅にして、従来に比較して狭い構成にすると、重量が著しく軽減されコストダウンにもなる利点がある。
【0047】次に、伸縮駆動装置22は、図6から図8に示すように、基部を縦オーガ12の上部側に軸受支持した螺旋軸23を端部に連結しているモータ24により強制駆動する構成としている。そして、移動装置25は、上記螺旋軸23に螺合して駆動に伴って強制的に軸方向に移動するように設け、前記移動搬送筒2aの基部側に連結して構成している。そして、リミットセンサSは、伸縮駆動装置22内の螺旋軸23の端部上方に設けるが、この場合、図8に示すように、前記移動搬送筒2aの最大の伸長可能位置aより手前の位置bで停止できる部位に取り付けている。S1は縮小側のリミットセンサであって、これも最大縮小可能位置の手前の位置で停止できる部位を選定して取り付けている。
【0048】そして、モータ24は、具体的に図示はしていないが、上記リミットセンサS、S1に移動装置25が接触すると自動停止し、操縦席の操作パネル上に設けたスイッチの切換操作に基づいて、正転又は逆転方向に駆動され、螺旋軸23を回転駆動する構成としている。この場合、伸縮駆動装置22は、螺旋軸23が正転すれば、螺合している移動装置25を介して移動搬送筒2aを伸長し、逆転すれば、縮小方向に強制的に移動する構成としている。
【0049】このようにして、移動搬送筒2aは、固定搬送筒2bに嵌合した状態で筒に沿って伸び縮みして、先端部の穀粒排出口14の位置を、基部の縦オーガ12に対して、遠ざけたり、近づけたりして穀粒の落下位置を選択しながら調節できる構成としている。
【0050】次にその作用について説明する。まず、エンジンを始動して機体の回転各部を駆動しながらクローラ7を伝動して走行車体8を前進させる。すると、圃場の穀稈は、刈取前処理装置10によって刈り取られ、搬送されて脱穀装置9に供給される。そして、穀稈は脱穀処理作用を受けた後、選別されて精選された穀粒が一番縦オーガ11により揚穀され、グレンタンク1に順次供給されて貯留される。
【0051】このようにして、脱穀作業が進むと、グレンタンク1は、脱穀作業に伴って処理された穀粒が貯溜されて一定量に達し、グレンタンク1内部に装備されている満杯センサの検出によって警報が発せられ、穀粒の搬出作業に移る。
【0052】まず、オペレータは、走行車体8を畦際まで移動して農道に待機しているトラックに近づける。次に、横オーガ2は、その先端の穀粒排出口14をトラックのタンクの上方に臨ませ、穀粒排出作業の準備をする。
【0053】このような準備作業中において、伸縮駆動装置22は、操縦席からのスイッチ操作によりモータ24を駆動して螺旋軸23を正転させながら、螺合している移動装置25を強制的に前方(先端側)に移動する。すると、移動装置25は、一体的に連結している移動搬送筒2aを固定搬送筒2bに対して前方に伸長させながら、先端部分の穀粒排出口14をトラックのタンクの上方位置に合わせることる。このとき、移動装置25は、図8に示すように、回転駆動されている螺旋軸23の終端部分の近傍に達すると、リミットセンサSに接触してモータ24を自動停止させて移動を停止する。
【0054】このようにして伸長した移動搬送筒2aは、リミットセンサSによって、最大の伸長可能位置aより手前の位置bで停止しているから、各螺旋単体4a、4b、4cが余裕を持って伸長し、伸縮螺旋4全体に無理がほとんど発生していない。このとき、伸縮螺旋4は、図8に示すように、各螺旋単体4a、4b、4cが両端部にある突起16と係合部17とが機能して、隣接するものと順次係合状態になって連結し、伸長している。
【0055】そして、横オーガ2は、穀粒排出口14の位置決めを完了して、排出レバーを入りに操作すると、グレンタンク1の底部にある排出螺旋から縦オーガ12内の揚穀螺旋、固定搬送筒2b内の搬送螺旋13、さらに、駆動軸3を介して移動搬送筒2a内の伸縮螺旋4が伝動されて回転を開始する。
【0056】すると、グレンタンク1内の穀粒は、縦オーガ12から固定搬送筒2bに送られ、さらに、移動搬送筒2aに受け継がれて穀粒排出口14から機外に放出され、トラックのタンクに搬出されるものである。
【0057】以上のように、横オーガ2は、一連の穀粒の搬出作業中が完了すると、前記モータ24を逆転操作して、伸びた状態で使用していた移動搬送筒2aを固定搬送筒2b側に縮小して脱穀装置9の上方に復帰して支持具に支持させる待機位置に収納する。
【0058】このような穀粒の排出作業において、螺旋単体4a、4b、4cは、充分な強度が保たれているから変形や破損がなく、しかも、合成樹脂材を素材として構成したから軽量化が図ることができる。
【0059】前記コンバインの横オーガ2において移動搬送筒2aの先端部に図20に示すレバー型のスイッチ30を設け、このスイッチがオペレータが操作しているときは伸縮のリミットスイッチとして働き、オペレータが未操作中には手動伸縮の入力スイッチとして働くように構成することができる。
【0060】横オーガ2を伸縮して穀粒の排出を行うが、穀粒排出中には微調整を行いたい場合が生じる。図20に示すレバー型のスイッチがモータ制御装置を介してモータの駆動制御をする構成とし、図20で示すレバーが真下より固定搬送筒側にレバー型スイッチ30の先端が傾く場合は、横オーガ2の伸びを停止させる、レバー型スイッチ30が真下より先端側に傾斜する場合は、横オーガ2が伸びるようにモータ24の駆動をさせる制御装置110を設けた構成にしておく。ただし、レバー型のスイッチ30が横オーガ2の伸びを停止させる位置から更に固定搬送筒側にレバー型スイッチ30のの先端が傾くと横オーガ2は縮む方向にモータ24の回転を制御させている。すなわち、レバー型のスイッチ30は横オーガ2の伸び、未入力、停止、縮みの領域を設けている。
【0061】上記構成により、穀粒排出作業開始時には、オペレータが横オーガ2による穀粒の排出位置を微調整する際にレバー型のスイッチ30を操作すると、これはリミットスイッチとして働き、横オーガ2の穀類排出位置が設定された後の穀粒排出中には、オペレータが該レバー型のスイッチ30を操作しなくて、万一、横オーガ2の先端が前記穀粒排出設定位置より先に伸びてしまうおそれがあっても、レバー型スイッチ30の先端部がグレンタンク1に予め設けられた突起32に当接することにより、横オーガ2の先端が前記穀粒排出設定位置より先に伸びてしまうことはない。この時の横オーガ2の伸縮のモータ24の駆動制御のフローチャートを図21に示す。
【0062】また、レバー型スイッチ30の先端部がグレンタンク1に予め設けられた突起32に当接する位置をトラックなどの荷台に穀粒を排出するのに適切な設定位置にしておくと、横オーガ2の伸びる位置をオペレータが微調整しなくても、該レバー型スイッチ30のグレンタンクの突起32への当接で簡単に横オーガ2の伸びの調節ができる。この時の横オーガ2の伸縮のモータ24の駆動制御のフローチャートを図22に示す。
【0063】また、横オーガ2が旋回出力または昇降出力時に、手動で前記レバー型のスイッチ30の入力があった場合には、該スイッチ30の入力を無効にするように構成することが安全対策上重要である。
【0064】横オーガ2の先端に前記手動のレバー型スイッチ30を設けた場合にオペレータが操作を誤り、オーガが障害物に当たるようなことがあると、レバー型スイッチ30の動作命令と前記横オーガ2の旋回または昇降出力命令が干渉して誤動作を起こす危険がある。そこで本発明では横オーガ2が旋回出力または昇降出力時に、オペレータが横オーガ2の先端のレバー型スイッチ30を作動させた場合には優先的にレバー型スイッチ30の入力を無効にすることで、前記誤作動の発生を防ぐ構成にしている。以上のオーガ制御のフローを図23に示す。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年11月22日(1999.11.22)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義
【公開番号】 特開2001−145407(P2001−145407A)
【公開日】 平成13年5月29日(2001.5.29)
【出願番号】 特願平11−330971