| 【発明の名称】 |
乗用型作業機の運転部構造。 |
| 【発明者】 |
【氏名】河瀬 宗之
【氏名】西尾 恒雄
【氏名】平岡 実
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| 【要約】 |
【課題】ステップの前方にハンドル塔を立設するとともに、ステップの後方にエンジンを配備し、このエンジンを覆うエンジンカバーの上部に運転座席を配備してある乗用型作業機の運転部構造において、エンジン周りのメンテナンスを一層容易に行うことができるようにする。
【解決手段】ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11によって一連のカバー体Aを構成し、このカバー体Aをその前部の支点部において縦向き支点yおよび横向き支点x周りに揺動開閉可能に支持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ステップの前方にハンドル塔を立設するとともに、ステップの後方にエンジンを配備し、このエンジンを覆うエンジンカバーの上部に運転座席を配備してある乗用型作業機の運転部構造であって、前記ハンドル塔、ステップ、エンジンカバーによって一連のカバー体を構成し、このカバー体をその前部の支点部において縦向き支点および横向き支点周りに揺動開閉可能に支持してあることを特徴とする乗用型作業機の運転部構造。 【請求項2】 前記エンジンカバーの外側の横壁部を中空構造にして、その内部に外気を導入可能に構成し、横壁部内面とエンジンルーム内のラジエータとを連通接続し、横壁部内に導入した外気をラジエータに供給するよう構成してある請求項1記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項3】 前記エンジンカバー内に配備したエアークリーナの吸気口を前記横壁部に連通して、横壁部内に導入した外気をエアークリーナに供給するよう構成してある請求項2記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項4】 前記カバー体を開放する際の縦向き支点周りの揺動範囲を小角度に制限してある請求項1〜3のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項5】 前記カバー体の全体を樹脂材で一体形成してある請求項1〜4のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項6】 前記支点部を、前記ハンドル塔における下端基部近くの横幅方向の略中央個所に配置してある請求項1〜5のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項7】 前記ステップに、燃料補給管の端部を挿通する開口を形成するとともに、この開口を前記支点部近くに配備してある請求項1〜6のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項8】 前記ステップに開口を形成してペダルを挿通するとともに、このペダルのペダル本体をペダルアームに対して脱着可能に構成してある請求項1〜7のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項9】 前記ハンドル塔にステアリング操作装置を取り付け、このステアリング操作装置から延出した操作ワイヤを、前記カバー体の支点部近くを挿通させてある請求項1〜8のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。 【請求項10】 前記カバー体を備えた運転部の後方に穀粒タンクを配備するとともに、この穀粒タンクをタンク後部に備えた縦向き軸心を中心に旋回可能に構成してある請求項1〜9のいずれか一項に記載の乗用型作業機の運転部構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインや各種収穫機などの乗用型作業機の運転部構造に係り、特には、ステップの前方にハンドル塔を立設するとともに、ステップの後方にエンジンを配備し、このエンジンを覆うエンジンカバーの上部に運転座席を配備してある乗用型作業機の運転部構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】コンバインの運転部構造としては、例えば実開平5−9235号公報に示されるように、運転座席を搭載したエンジンカバーを機体の横外方に揺動開放して、エンジン周りのメンテナンスを行う構成したものが知られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記構成においては、エンジンカバーを揺動開放することで、エンジンを大きく露出させることができるのであるが、開放されたエンジンカバーがエンジンの横外方に位置しているために、エンジンの真横に作業者が立ち居るスペースはなく、作業の種類によっては開放状態が未だ不充分なものであった。 【0004】本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、エンジン周りのメンテナンスを一層容易に行うことができる乗用型作業機の運転部構造を提供することを主たる目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明の構成、作用および効果〕 【0006】(構成) 請求項1に係る発明は、ステップの前方にハンドル塔を立設するとともに、ステップの後方にエンジンを配備し、このエンジンを覆うエンジンカバーの上部に運転座席を配備してある乗用型作業機の運転部構造であって、前記ハンドル塔、ステップ、エンジンカバーによって一連のカバー体を構成し、このカバー体をその前部の支点部において縦向き支点および横向き支点周りに揺動開閉可能に支持してあることを特徴とする。 【0007】(作用) 上記構成によると、ハンドル塔、ステップ、エンジンカバーからなる一連のカバー体が前部の支点部を中心にして上方に大きく揺動開放できるので、エンジン周りをその全周において開放することができる。この場合、カバー体を横方向にも揺動することで、カバー体をエンジンルーム内の機器に干渉させたり擦れさせるようなことなく上下に揺動させることができる。 【0008】(効果) 従って、請求項1に係る発明によると、エンジンカバーのみを開放していた従来に比べて、エンジン周りを大きく空けて所望の方向からメンテナンス作業を容易に行うことができるようになった。しかも、カバー体を開閉する際に、横揺動を伴うことで、エンジンルーム内の機器にカバー体をぶつけたり、擦ったりすることなく揺動させることができるので、エンジンルーム内での機器の配置がカバー体の上下揺動軌跡によって制約されたり、逆に、エンジンルーム内に配置された機器によってカバー体の形状が制約されたりすることが少なくなる。 【0009】〔請求項2に係る発明の構成、作用および効果〕 【0010】(構成) 請求項2に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1記載の発明において、前記エンジンカバーの外側の横壁部を中空構造にして、その内部に外気を導入可能に構成し、横壁部内面とエンジンルーム内のラジエータとを連通接続し、横壁部内に導入した外気をラジエータに供給するよう構成してある。 【0011】(作用)上記構成によると、カバー体が閉じ状態にある時に、エンジンカバーにおける横壁部の内面とラジエータの冷却風受け入れ部とを密着させておくことで、横壁部内に導入された外気をラジエータに漏れなく供給することができるとともに、エンジンルーム内の熱気が短絡してラジエータに供給されてしまうことを防止できる。また、カバー体を上方に揺動開放する場合、上記閉じ状態から直ちにカバー体を持ち上げると、横壁部の内面とラジエータの冷却風受け入れ部との間に介在させたシール材を擦って損傷するおそれがあるが、カバー体を横外方に少し揺動させながら上方に揺動させるか、カバー体を横外方に少し揺動させた後に上方に揺動させる、等することで、上記のような擦り合わせをもたらすことなく横壁部の内面をラジエータの冷却風受け入れ部から分離することができる。 【0012】(効果) 従って、請求項2に係る発明によると、カバー体を繰り返し開閉しても、擦れによるシール材などの損傷を回避でき、カバー体が閉じ状態にある時の横壁部とラジエータとの密着を図って、常に良好な冷却を行わせることができる。 【0013】〔請求項3に係る発明の構成、作用および効果〕 【0014】(構成) 請求項3に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項2に記載の発明において、前記エンジンカバー内に配備したエアークリーナの吸気口を前記横壁部に連通して、横壁部内に導入した外気をエアークリーナに供給するよう構成してある。 【0015】(作用) 上記構成によると、ラジエータの場合と同様に、カバー体が閉じ状態にある時に、エンジンカバーにおける横壁部の内面とエアークリーナの吸気口とを密着させておくことで、エンジンルーム内の熱気が短絡してエアークリーナに供給されてしまうことを防止して、横壁部内に導入された冷外気をエアークリーナに供給することができる。また、カバー体を上方に揺動開放する場合、上記閉じ状態から直ちにカバー体を持ち上げると、横壁部の内面とエアークリーナの吸気口との間に介在させたシール材を擦って損傷するおそれがあるが、カバー体を横外方に少し揺動させながら上方に揺動させるか、カバー体を横外方に少し揺動させた後に上方に揺動させる、等することで、上記のような擦り合わせをもたらすことなく横壁部の内面をエアークリーナの吸気口から分離することができる。 【0016】(効果) 従って、請求項3に係る発明によると、カバー体を繰り返し開閉しても、擦れによるシール材などの損傷を回避でき、カバー体が閉じ状態にある時の横壁部とエアークリーナの吸気口との密着を図って、エンジンルーム内の熱気が混ざらない冷外気をエアークリーナに供給して、出力の低下を招くことなく好適にエンジンを作動させることができる。 【0017】〔請求項4に係る発明の構成、作用および効果〕 【0018】(構成) 請求項4に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明において、前記カバー体を開放する際の縦向き支点周りの揺動範囲を小角度に制限してある。 【0019】(作用・効果)上記構成によると、閉じ状態のカバー体を開放する際に、必要以上に横方向に揺動させて、エンジンルーム内の別の機器に干渉させるようなことが未然に回避され、安全にカバー体を操作することができる。 【0020】〔請求項5に係る発明の構成、作用および効果〕 【0021】(構成) 請求項5に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明において、前記カバー体の全体を樹脂材で一体形成してある。 【0022】(作用・効果) 上記構成によると、相当大きい部材となるカバー体でも樹脂化によって比較的軽量に構成することができるので、その開閉操作を軽快に行うことができ、取扱い性およびメンテナンス作業性が向上する。 【0023】〔請求項6係る発明の構成、作用および効果〕 【0024】(構成) 請求項6に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明において、前記支点部を、前記ハンドル塔における下端基部近くの横幅方向の略中央個所に配置してある。 【0025】(作用・効果) 上記構成によると、ハンドル塔の下端基部近くが機体フレームに支持されるので、ハンドル塔全体をしっかりと安定よく起立支持することができる。 【0026】〔請求項7に係る発明の構成、作用および効果〕 【0027】(構成) 請求項7に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発明において、前記ステップに、燃料補給管の端部を挿通する開口を形成するとともに、この開口を前記支点部近くに配備してある。 【0028】(作用) 上記構成によると、カバー体を横揺動させる時に燃料補給管の端部が開口の縁に干渉しない大きさに開口を形成しておくことになるが、開口が支点部に近いので、あまり大きい開口にしておく必要はない。 【0029】(効果) 従って、請求項7係る発明によると、燃料補給管の端部をステップ上に突出させて、燃料補補給を容易に行えるものでありながら、挿通用の開口を小さいものですまして、ステップ前端側の強度を確保することができ、これに連なるハンドル塔の支持強度を高くすることができる。 【0030】〔請求項8に係る発明の構成、作用および効果〕 【0031】(構成) 請求項8に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発明において、前記ステップに開口を形成してペダルを挿通するとともに、このペダルのペダル本体をペダルアームに対して脱着可能に構成してある。 【0032】(作用) 上記構成によると、カバー体を上下揺動させる際には、大きい踏み面を有するペダル本体をペダルアームから取り外しておくことで、比較的小さい開口でもペダルアームを容易に相対挿通させることができる。 【0033】(効果) 従って、請求項8に係る発明によると、ペダル挿通用の開口を小さいものですまして、ステップの前端側の強度を確保することができる。 【0034】〔請求項9に係る発明の構成、作用および効果〕 【0035】(構成) 請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発明において、前記ハンドル塔にステアリング操作装置を取り付け、このステアリング操作装置から延出した操作ワイヤを、前記カバー体の支点部近くを挿通させてある。 【0036】(作用・効果) 上記構成によると、カバー体を支点部を中心に揺動開閉する場合に、操作ワイヤの振り回しが少ないものとなり、操作ワイヤを比較的短いものですますことができ、部品コストを低く抑えることができる。また、操作ワイヤを不要に撓ませることなく使用するので、ワイヤの摺動抵抗に起因する操作抵抗を少なくできる利点もある。 【0037】〔請求項10に係る発明の構成、作用および効果〕 【0038】(構成) 請求項10に係る発明の乗用型作業機の運転部構造は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明において、前記カバー体を備えた運転部の後方に穀粒タンクを配備するとともに、この穀粒タンクをタンク後部に備えた縦向き軸心を中心に旋回可能に構成してある。 【0039】(作用・効果) 上記構成によると、カバー体をその前部の支点部を介して上方に揺動開放するとともに、穀粒タンクを横外方に揺動開放することで、エンジン周りを更に大きく空けることができ、エンジン周辺のメンテナンスを一層容易に行うことが可能となる。 【0040】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1に乗用型作業機の一例としてのコンバインの側面図が、また、図2にその平面図が示されている。このコンバインは、クローラ走行装置1で走行する機体2の前部に、2条の刈り取りを行う刈取り前処理部3を昇降自在に連結するとともに、機体2上の左側に脱穀装置4を、また、機体2上の右側に運転部5、および、アンローダ6付きの穀粒タンク7、等をそれぞれ搭載配備して構成されている。 【0041】前記運転部5は、エンジン10の搭載部と重複して配備されており、ステップ8、その前端に起立連設されたハンドル塔9、ステップ8の後方において横向きに配置された水冷式のエンジン10を覆うエンジンカバー11、その上面に装着された運転座席12、ハンドル塔9の左側から運転座席12の左横側に亘って配備された操作盤13、および、操作盤13の下方においてハンドル塔9の左側端部とエンジンカバー11の左側端部とを繋ぐ側板14、などを備えている。なお、操作盤13には、走行用の変速レバー15、作業用のクラッチレバー16類、メータパネル17、等が備えられるとともに、ハンドル塔9の右端にはステアリングリングレバー18が備えられている。このステアリングレバー18は、十字操作可能に構成されており、左方または右方への揺動操作によって、揺動操作された側のクローラ走行装置1の速度を落として機体をレバー操作方向に操向するよう構成されるとともに、前方向への揺動操作によって刈取り前処理部3を下降させ、後方への揺動操作によって刈取り前処理部3を上昇させるよう構成されている。 【0042】前記エンジンカバー11は、上壁部21と、前壁部22と、後壁部23と、横壁部24とによって、機体内方に向けて開放された箱形に構成されており、前壁部22と横壁部24を介して取り入れた外気をラジエータ19に導いてこれを冷却するよう構成されている。 【0043】ここで、前記ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11の前壁部22、および、エンジンカバー11の上壁部21は、それぞれがブロー成形によって一体化された壁状の中空体であり、互いを繋ぐ境界部が屈曲変形可能な薄肉のヒンジ部25で構成されている。そして、4個の中空体をヒンジ部25で繋いだブロー成形品は、図8,図9(イ),図10に示すように、全体が偏平な展開状態で成形され、成形後に、ヒンジ部25を介して所定の使用姿勢に折り曲げられるものである。 【0044】ステップ8の前端辺に沿って立設される前記ハンドル塔9の上半部には、中空構造のループハンドル部9aが一体成形されるとともに、下半部の前面には、前記ステアリングレバー18を備えたステアリング操作装置20などを装着する凹入部9bが成形され、この前面に化粧カバー26が脱着可能に装着されるようになっている。また、ハンドル塔9の下半部の前面には、化粧カバー26の周縁を係入して位置決めする凹溝9cが成形されるとともに、ステアリング操作装置20から延出された操作ワイヤ20aを挿通する開口9dが後加工によって形成されている。 【0045】図12,図13に示すように、ステップ8は、その上面に滑り止め用および補強用の凹凸パターンが形成されるとともに、上壁8aと下壁8bとを局部的に繋ぐ複数の部分接続部8cが分散して形成されて、運転者の重量に耐える強度が確保されている。また、ステップ8の前端部に前上がりの幅狭部8dが形成されるとともに、ハンドル塔9の基部には、前記幅狭部8dを嵌入可能な凹部9eが形成されており、ハンドル塔9をヒンジ部25を介して起立屈曲させた際、幅狭部8dが凹部9eに嵌入されることで、ハンドル塔9の起立姿勢が安定するようになっている。また、このステップ8の底部の左右には、機体フレーム34に取り付けた前後に長い係合部材34aに上方から係合する下向きの段部8eが形成されて、ステップ8にかかる荷重を確実に機体フレーム34で受け止め支持するよう構成されている。また、ステップ8の前部には、機体停止用のペダル41や図外の燃料タンクに接続された燃料補給管42を挿通するための開口8fが形成されている。 【0046】図20に示すように、ステップ8の後端辺に沿って起立される中空の前記前壁部22は、起立状態においてその下端角部22bがステップ8の上面に接当して起立限界となるよう形成されている。また、図19に示すように、エンジンカバー11の上壁部21の前端辺に沿って折り下げられる前壁部22は、折り下げ状態においてその上端面22cが上壁部21の前端下面に接当して折り曲げ限界となるよう形成されている。 【0047】そして、この前壁部22の右の側辺には他部材取付け用のフランジ22aが突設されるとともに、上壁部21の右側辺にもフランジ21aが突設されており、これらのフランジ22a,21aに横壁部24が連結されるようになっている。 【0048】前記前壁部22の前面には、ブロー成形後の加工により形成された防塵構造の外気取入れ口27が設けられるとともに、前壁部22の横側面にはブロー成形後の加工によって開口28が設けられ、前記外気取入れ口27から導入した外気を、この開口28を介して横壁部24内に導くよう構成されている。また、横壁部24の外面には、ブロー成形後の加工により形成された外気取入れ口29が設けられるとともに、その外気取入れ口29を覆う防塵カバー30が配備され、防塵カバー30の周囲に形成された間隙sから取り入れた外気と前壁部22の外気取入れ口27からの外気とを合流して、エンジンルーム内のラジエータ19に供給するように構成されている。 【0049】図17および図18に示すように、上壁部21の内壁21cは局部的に上方に凹入されて外壁21bに接続され、外壁21bと内壁21cとを局部的に繋ぐ多数の部分接続部21dが分散して形成されて、運転者の着座荷重に耐える強度が確保されるとともに、内壁21cにエンジンルーム内に向かう多数の凹部が形成されることで、エンジン騒音を吸収減衰することが可能となっている。なお、この部分接続部21dを不規則に分散形成したり、それぞれの大きさを異ならせることで、エンジン騒音の吸収減衰機能を一層高めることが可能となる。また、上壁部21の後辺と右側辺とに亘って断面積の大きい周縁部21eが形成されており、ブロー成形時に、この周縁部21eが断面積の大きいエアー通路となって、成形が容易に行われる。 【0050】前記横壁部24と後壁部23とは、ブロー成形によって一体に成形されるとともに、屈曲可能な薄肉のヒンジ部31で繋がれており、このヒンジ部31を介して屈曲した後に、横壁部24を前壁部22と上壁部21にボルト等で連結するとともに、後壁部24の上縁を上壁部21の後端辺にボルト等で連結することで、機体内方に開放された箱形のエンジンカバー11が構成されるようになってる。なお、上壁部21の後部上面には、外気取入れ用のダクト32が付設され、このダクト32に形成された防塵構造の外気取入れ口33から取り入れた外気も横壁部24内に導入されてラジエータ19の冷却に利用されるようになっている。また、エンジンルーム内のエアークリーナ43の吸気口43aは、横向きの支点xと略同じ高さに配置されて横壁部24に連通接続され、横壁部24内に導入された清浄外気を取り入れるように構成されている。 【0051】ここで、ラジエータ19の外側端縁の周縁部に沿ってスポンジ等からなるシール材44が装着されるとともに、エアークリーナ43の吸気口43aの周端縁にも同様なシール材45が装着され、カバー体Aが閉じられた状態において、前記横壁部24の内面がラジエータ19のシール材44およびエアークリーナ43のシール材45に密着するように構成されている。つまり、エンジンルーム内の熱気が、横壁部24内に導入された冷外気に混じってラジエータ19およびエアークリーナ43に供給されるのを防止している。 【0052】なお、ヒンジ部25,31を介して屈曲された各部の繋ぎ部位は分離することはないが、必要に応じてL形の連結補強金具を取り付けて、屈曲姿勢を強固に維持する。 【0053】上記のように、運転部5には、ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11、側板14、および、操作盤13を一体化したカバー体Aが備えられることになり、このカバー体Aは、機体フレーム34の前端部に支点金具35を介して左右および上下揺動可能に連結支持される。つまり、前記支点金具35は、図23および図24に示すように、機体フレーム34に立設された縦ボス36と、この縦ボス36に縦向き支点y周りに回動可能に挿通支持されるとともに、周方向長孔36aとピン37aとによって回動範囲が規制された支点軸37と、この支点軸37の上端に連結された横ボス38とから構成されており、前記カバー体Aは、前記横ボス38に横向き支点x周りに上下揺動可能に連結されている。 【0054】なお、図4、および、図14に示すように、ステップ8の前部に形成された幅狭部8dの背面には凹部が8gが形成され、この凹部8gに前記支点金具35の一部が入り込んで配置されており、凹部8gの横側面と支点金具35の一部とが接当干渉することによって、カバー体Aの実際の横揺動角度は数度程度に規制されている。 【0055】従って、エンジン搭載部の周辺を開放してメンテナンス作業を行う場合には、先ず、前記カバー体Aを縦向き支点yを中心にして少し横外方に揺動させながら上方へ持ち上げて、ラジエータ19のシール材44およびエアークリーナ43の吸気口43aのシール材45に対して横壁部24の内面を摺らせることなく斜め外上方に離反させた後、図7に示すように、横向きの支点xを中心に大きく上方に揺動することで、エンジン周りに広いメンテナンス作業空間を形成するのである。また、カバー体Aを閉じる場合は逆に揺動操作することで、シール材44,45に横壁部24の内面を摺らせることなく接触させることができる。 【0056】なお、前記ペダル41のペダル本体41aは、前記開口8eに挿通されたペダルアーム41bに脱着可能にピン連結されており、カバー体Aを上下に揺動開閉する際には、ペダル本体41aをペダルアーム41bから抜き外しておく。 【0057】また、前記ハンドル塔9からはステアリング装置20の操作ワイヤ20aが導出されているが、この操作ワイヤ20aを挿通する開口9dは、ハンドル塔9の下部、すなわち、横向き支点xにできるだけ近く設けてあるので、カバー体Aを揺動開閉する際の操作ワイヤ20aの振れ動きは少ないものとなっている。 【0058】また、上記構成の運転部5の後方に配備された穀粒タンク7は、スクリュウ式のアンローダ6の縦スクリュウ部6aにおける縦向き軸心zを中心にして機体内外方向に旋回揺動可能に構成されており、穀粒タンク7を機体外方に旋回揺動することで、穀粒タンク7と脱穀装置4との間に配備された機構のメンテナンスを広い空間から行うことができるようになっている。ここで、穀粒タンク7を旋回させる縦向き軸心zは、カバー体Aの縦向き支点xから直後方に延ばされた延長線近くに位置しており、上記のようにカバー体Aを上方に開放するとともに穀粒タンク7をも横外方に旋回開放することで、エンジン10の周囲を更に大きく開放することができる。 【0059】図4,図6に示すように、エンジン10の上部にはマフラ46が配備され、このマフラ46から導出された排気管47が、エンジンルーム内で下方に向けて屈曲された後、左右の走行装置1の間を通って機体後部にまで延長されている。そして、マフラ46を上方から覆う防熱カバー48と、エンジンルーム内の排気管47部分を後方から覆う防熱カバー49とが備えられ、樹脂製のエンジンカバー11がマフラ46および排気管47からの熱によって不当に加熱されないようにしている。 【0060】図23に示すように、燃料補給管42は取付け板50に貫通支持されており、機体フレーム34に形成した切欠き部51を塞ぐように取付け板50を連結することで、燃料補給管42を後付けで機体フレーム34に装着できるように構成されている。なお、前記燃料補給管42と機体後方に配備した図示しない燃料タンクとは、ホース52によって連通接続されている。 【0061】本発明は、上記のように、ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11の前壁部22、および、上壁部21の四面をブロー成形によって一体化するほかに、以下のような形態で実施することも可能である。 【0062】(1)ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11の前壁部22、上壁部21、および、後壁部23の五面をブロー成形によって一体化する。この場合、側板14を前壁部22に一体連設するか、あるいは、ステップ8に一体連設することも可能である。 【0063】(2)ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11の前壁部22、上壁部21、および、後壁部23のうちの、互いに連なる少なくとも2つの面をブロー成形によって一体化する。 【0064】(3)操作盤13と側板14とを樹脂材で一体成形するもよい。 【0065】(4)ハンドル塔9、ステップ8、エンジンカバー11を一体化して揺動開閉可能なカバー体Aを構成し、操作盤13と側板14とを機体側に固定して実施することもできる。 【0066】(5)カバー体Aは樹脂化されていることが望ましいが、必ずしも全体が樹脂化されているものである必要はなく、一部が板金構造であってもよい。 【0067】(6)カバー体Aの支点部を構成する支点金具35の構造は上記した構造に限られるものではなく、例えば、球支点のように、縦向き支点と横向き支点を含んでいるものでもよい。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年11月16日(1999.11.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−136823(P2001−136823A) |
| 【公開日】 |
平成13年5月22日(2001.5.22) |
| 【出願番号】 |
特願平11−325600 |
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