トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 浅水域における抽水植物群落の除去・回収方法
【発明者】 【氏名】植村 滋久

【要約】 【課題】河川・湖沼の浅水域において、繁殖過剰により水路閉塞等の通水阻害を招くヨシやガマ等の抽水植物群落を除去・回収する際、抽水植物群落が再生せぬよう抽水植物を土壌中の抽水植物地下茎もろとも完全に、かつ抽水植物地下茎と共に土壌を排除することなく除去し、除去した抽水植物および抽水植物地下茎を効率良く迅速に回収することを目的とする。

【解決手段】土壌を攪拌する機能を有し台船に搭載された重機、あるいは該重機と同様の機能を有する作業船を用いて、抽水植物が群落を形成する水面下の土壌を抽水植物地下茎を分断しつつ攪拌することで、土壌から抽水植物および抽水植物地下茎を分離・除去し、集塵網を用いて水面に浮遊した抽水植物および抽水植物地下茎を効率良く回収する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】河川・湖沼の浅水域において、ヨシやガマ等の抽水植物群落を除去・回収する際、作業用アームの先端に土壌を攪拌する機能を有するアタッチメントを装着して台船に搭載固定された重機、あるいは該重機と同様の機能を有する作業船を用いて、抽水植物が群落を形成する水面下の土壌を抽水植物地下茎を分断しつつ攪拌することで、抽水植物および抽水植物地下茎を土壌から分離・除去し、水面上に浮上し浮遊した抽水植物および抽水植物地下茎を集塵網で包囲収束し船で曳航して回収する、あるいは集塵網内で浮遊する抽水植物および抽水植物地下茎を水草回収船にて回収する抽水植物群落の除去・回収方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川・湖沼の浅水域に形成されるヨシやガマ等の抽水植物群落の除去・回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、河川・湖沼の浅水域において、繁殖過剰により水路閉塞等の通水阻害を招くヨシやガマ等の抽水植物群落を除去する際、船体前方に抽水植物を切断するカッター装置を有した水草刈り取り船にて、水面下で抽水植物の茎を切断し、切断され水面上に浮遊した抽水植物を刈り取り船にて回収するか、あるいは別途水草回収船等によって回収する方法が実施されている。あるいは、作業用のアームの先端に掘削ショベルを装着して台船に搭載されたバックホウ等の重機や浚渫船により、抽水植物および抽水植物地下茎を土壌と共に掬い取り、回収船に積んで除去・回収する方法が実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の刈り取り船によれば、土壌表面より上の抽水植物は迅速かつ有効に刈り取ることが出来るが、地中に張られた根や地下茎を除去することが出来ず、暫くすれば根や地下茎より萌芽して抽水植物群落が再生する。従って、抽水植物を刈り取った直後の状態を長期に渡り維持することが出来ず、短い周期で何度も刈り取りを行わなければならないため、作業効率も悪くランニングコストが嵩む。また、回収機能が備わっていない刈り取り船により刈り取りを行った場合、刈られた抽水植物は水面上を浮遊し、風や流れの影響を受けて時間が経過するほどに水面上を広範囲にわたって拡散する。一度拡散し浮遊する抽水植物を水草回収船等によって完全に回収することは非常に困難であった。台船に搭載されたバックホウ等の重機や浚渫船による除去方法によれば、抽水植物および抽水植物地下茎の全てを完全に除去することが出来るが、同時に土壌も掬い取ることになる。従って、回収物の堆積と重量が嵩み、回収の効率が悪くなる。さらには、回収後の処理においても、抽水植物と土の分別が必要となるため作業工程が増え、コスト面にも影響を生ずる。
【0004】本発明は、前記各問題を解決するために提案されたものであり、低コストにて確実かつ効率良く抽水植物群落を除去・回収することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、土壌を攪拌する機能を有し台船に搭載された重機、あるいは該重機と同様の機能を有する作業船を用いて、抽水植物が群落を形成する水面下の土壌を抽水植物地下茎を分断しつつ攪拌することで、土壌から抽水植物および抽水植物地下茎を分離・除去し、集塵網を用いて水面に浮遊した抽水植物および抽水植物地下茎を効率良く回収する方法を考案・具体化したことを要旨とする。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施形態の一例を図面に基づいて説明する。
【0007】図1は、台船1に搭載された重機による標準的な抽水植物群落の除去作業状況図である。例えば、水面上に浮かべた自走式の台船1にバックホウ等の重機を搭載固定し、重機の作業用アーム3の先端に耕耘機等に使用される土壌攪拌用アタッチメント4を装着する。台船1を沖側より抽水植物群落に接近させ、作業用アーム3の操作を介してアタッチメント4を駆動させつつ抽水植物a1が群落を形成する水面下の土壌b中に挿入し、土壌b中で網目状に張られた抽水植物地下茎a2を分断しつつ土壌bを攪拌する。この際、比重が水以下の抽水植物a1および抽水植物地下茎a2は水面上に浮上し、比重が水以上の土や砂等の土壌形成物b1は沈降する。よって、この土壌攪拌を抽水植物a1および抽水植物地下茎a2の除去が必要な範囲全域にわたり台船1を移動させつつ実施することにより、抽水植物a1と抽水植物地下茎a2のみを土壌bより完全に分離・除去することが出来る。また、該重機と同等の土壌攪拌機能を有する作業船(図示しない)等により、同様の除去作業を実施してもよい。当発明の除去方法によれば、水中で抽水植物地下茎a2を分断しつつ土壌bを攪拌できる物であれば、形状や機種を限定することはない。
【0008】図2は集塵網の標準図であり、図3は集塵網による標準的な抽水植物a1および抽水植物地下茎a2の回収作業状況図である。土壌bより分離・除去され、水面上を浮遊する抽水植物a1および抽水植物地下茎a2の拡散を防止し、効率良く回収を行う手段として、予め抽水植物群落a除去範囲を囲うように集塵網を水面に配置し、集塵網の内側で抽水植物aの除去作業を実施する。集塵網は浮力体6と網7と沈子8により構成されており、集塵網を構成する網7が水面上に一定高さの乾舷と水面下に一定深さの喫水を維持しているため、水面上を浮遊する抽水植物aを集塵網の内側に留めておくことが出来る。従って、抽水植物の除去作業が終了した後に集塵網により浮遊する抽水植物aを包囲収束し、集塵網と共に船9で曳航すれば、短時間で容易かつ確実に浮遊する抽水植物を回収することが出来る。あるいは、水草回収船10を用いて、集塵網で包囲収束された抽水植物aを集塵網の内側で回収すれば、効率良く回収作業を行うことが出来る。
【0007】
【発明の効果】本発明の抽水植物除去方法によれば、従来の水草刈り取り船による表面的な除去と異なり、抽水植物の根や地下茎までも確実に除去できるため、一度除去作業を行えば長期間に渡り除去作業直後の状態を維持することが出来る。また、従来のバックホウ等の重機や浚渫船を用いた除去方法と比べ、抽水植物と土や砂等の土壌形成物を完全に分離させるため、回収物の体積と重量を大幅に削減することが出来、回収後に抽水植物と土や砂等の土壌形成物の分別も不要なため、作業工程を短縮することが出来る。さらには、浮遊する抽水植物の回収作業に集塵網を用いることで、浮遊する抽水植物を逃すことなく迅速かつ確実に回収することが出来る。よって、本発明によれば抽水植物の除去・回収の作業効率を飛躍的に向上させ、コストを大幅に削減することが出来る。
【出願人】 【識別番号】392032292
【氏名又は名称】ジャパンレイクアンドキャナル株式会社
【出願日】 平成11年11月10日(1999.11.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2001−136821(P2001−136821A)
【公開日】 平成13年5月22日(2001.5.22)
【出願番号】 特願平11−356394