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【発明の名称】 刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナ
【発明者】 【氏名】杉本 虎雄

【要約】 【課題】収容コンテナにおいて、刈取茶を送風した搬送風はスムーズに収容コンテナ外に排出されるとともに、刈取茶は、収容コンテナの側部体内面等に張り付き、付着したままとなるようなことがないものを提供する。

【解決手段】茶畝を跨いで走行する走行機体2と、この走行機体2に設けられ刈刃を具えて茶葉の摘採や枝幹の剪除等を行う茶刈機体3と、この茶刈機体3により刈り取られた刈取茶Aを前記収容コンテナ5に風送する中継移送装置4とを具えて成る茶畝跨走型茶刈装置における刈り取られた直後の刈取茶Aを保管・搬送のために収容する収容コンテナ5において、この収容コンテナ5の側部体51の一部または全部は、通気性を具えた多孔板52等の剛性部材の内面に対し、茶葉の茎Aaが入り込まない大きさの網目53aをした網体53が張設されて成ることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 刈り取られた直後の刈取茶を保管・搬送のために収容する収容コンテナにおいて、この収容コンテナの側部体の一部または全部は、通気性を具えた剛性部材の内面に対し、茶葉の茎が入り込まない大きさの網目をした網体が張設されて成ることを特徴とする刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナ。
【請求項2】 前記収容コンテナは、茶畝を跨いで走行する走行機体と、この走行機体に設けられ刈刃を具えて茶葉の摘採や枝幹の剪除等を行う茶刈機体と、この茶刈機体により刈り取られた刈取茶を前記収容コンテナに風送する中継移送装置とを具えて成る茶畝跨走型茶刈装置に設けられるものであることを特徴とする請求項1記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナ。
【請求項3】 前記網体の網目寸法は、16〜32メッシュであることを特徴とする請求項1または2記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は茶畝を跨いで走行する茶畝走行型茶刈機に設けることが適切な刈取茶を収容する収容コンテナに関するものである。
【0002】
【発明の背景】茶刈作業の省力化と能率化を図る目的から茶畝を跨いで走行する茶畝跨走型茶葉摘採機等が普及してきている。茶畝跨走型茶葉摘採機における刈取茶の一時的な収容は、茶刈機体に刈り取られた刈取茶を風送により装置後部に搭載された収容コンテナ内に送りこみ収容することにより行っている。
【0003】この収容コンテナの具体的な構造は、例えば側部体がパンチングメタル等の剛性を有した多孔板で構成され、前記刈取茶を風送した搬送風は、多孔板の孔から外部に排出され、孔を通過できない茶葉のみ収容コンテナ内に収容されるような構造を採っている。
【0004】ところで、現実の刈り取った刈取茶A′の収容にあっては、刈取茶A′の茎Aa′等が図3に示されるように多孔板52′の孔52a′に突き刺さって、そのまま外れなくなり、側部体51′(多孔板52′)内面に多数の刈取茶A′が張り付いた状態になってしまうという現象がある。
【0005】そしてこのような側部体51′内面に刈取茶A′が張り付くことによりもたらされる第一の問題点として、長時間張り付いたままとなった刈取茶A′が変質した後に落下して新しい刈取茶A′に混入してしまうと、生茶葉の格付を落とし、ひいては生産者の収益を損なってしまうということがあった。そこで摘採作業の際には、このように側部体51′内面に張り付いた刈取茶A′を残らず取り除いてやる必要があるが、このように付着した刈取茶A′を取り除く作業は、極めて面倒であり、摘採作業の遅延を招くという更なる問題点が存している。更に側部体51′の通気性が張り付いた刈取茶A′により阻害されることにより、摘採された生茶葉(刈取茶A′)の変質を速めてしまったり、収容コンテナの中で摘採された刈取茶A′が、その搬送用の送風が抜けにくいことの影響を受けて、円滑に堆積できなかったりする問題も生じていた。
【0006】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景からなされたものであって、収容コンテナにおいて、刈取茶を送風した搬送風はスムーズに収容コンテナ外に排出されるとともに、刈取茶は、収容コンテナの側部体内面等に張り付き、付着したままとなるようなことがない新規な刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナの開発を試みたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナは、刈り取られた直後の刈取茶を保管・搬送のために収容する収容コンテナにおいて、この収容コンテナの側部体の一部または全部は、通気性を具えた剛性部材の内面に対し、茶葉の茎が入り込まない大きさの網目をした網体が張設されて成ることを特徴として成るものである。この発明によれば、刈取茶の茎が側部体の網体の網目に突き刺さって張り付かず、そのまま下方に落下する。側部体に茶葉が張り付いたままとならないため、付着した刈取茶を取り除くような作業を必要としないし、長時間張り付いていて変質した刈取茶が後に剥がれ落ちて新たな刈取茶に混入し、刈取茶の格付けを落とすようなこともなくなる。また側部体の通気性が刈取茶により阻害されないため、例えば摘採された茶葉の鮮度保持時間が長くなることが望める。
【0008】また請求項2記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナは、前記要件に加え、前記収容コンテナは、茶畝を跨いで走行する走行機体と、この走行機体に設けられ刈刃を具えて茶葉の摘採や枝幹の剪除等を行う茶刈機体と、この茶刈機体により刈り取られた刈取茶を前記収容コンテナに風送する中継移送装置とを具えて成る茶畝跨走型茶刈装置に設けられるものであることを特徴として成るものである。この発明によれば、風送された刈取茶が側部体に当接し、搬送風のみが網体及び側部体を通過し、刈取茶は茎が網体の網目に突き刺さらないため、そのまま下方に落下する。側部体に茶葉が張り付いたままとならないため、付着した刈取茶を取り除くような作業を必要としないし、長時間張り付いていて変質した刈取茶が後に剥がれ落ちて新たな刈取茶に混入し、刈取茶の格付けを落とすようなことがなくなる。また側部体の通気性が刈取茶により阻害されないため、例えば摘採された茶葉の鮮度保持時間が長くなることが望める。
【0009】更に請求項3記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナは、前記要件に加え、前記網体の網目寸法は、16〜32メッシュであることを特徴として成るものである。この発明によれば、刈取茶が網体に付着しないとともに、一方、刈取茶を運んできた搬送風は、充分に外部に排出される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に基づき説明する。図1、2中符号1に示す装置は、本発明の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナが搭載された乗用式茶葉摘採機であり、このものは、一例として茶畝を跨ぐようにして走行する走行機体2と、この走行機体2によって支持される茶刈機体3と、茶刈機体3により刈り取られた刈取茶Aを移送する中継移送装置4と、この中継移送装置4により移送された刈取茶Aを収容する収容コンテナ5とを具備して成る。なお乗用式茶葉摘採機1は茶畝跨走型茶刈機の一例であるが、その他の茶畝跨走型茶刈機が適用できる。その例としては、走行形態でみれば畝間に敷設したレール上を走行するいわゆるレール走行型茶刈装置、また作業形態でみれば樹形を整えるよう剪枝を行うための剪枝装置等が挙げられる。
【0011】まず走行機体2について説明する。この走行機体2は図1、2に示すように、一例として茶畝を跨ぐように概ね門形状に形成されたフレーム部20を骨格部材とし、このフレーム部20に対し下方にクローラ21を設ける。そしてフレーム部20には茶刈機体3が取り付けられる。また更にフレーム部20には、クローラ21や茶刈機体3を操作するためのコントロールユニット、クローラ21や中継移送装置4のファン等を駆動させるためのエンジンユニット、茶刈機体3及び中継移送装置4等の昇降に関与するスライダやウインチ、作業者が座る操縦者用シート等が設けられる。
【0012】次に茶刈機体3について説明する。茶刈機体3は、茶畝の全面を一度に摘採するタイプの茶畝全面摘採機が用いられるものであり、この具体的な構成は、特に従来のものと変わらず、詳細については省略する。
【0013】次に中継移送装置4について説明する。中継移送装置4は、茶刈機体3とともにスライダによって昇降自在に支持され、刈り取られた刈取茶Aを収容コンテナ5まで移送するためのものであり、一例として吹き上げファン40と、送風ダクト41と、吐出案内部42とを具備して成る。
【0014】次に本発明に係る収容コンテナ5について説明する。収容コンテナ5は、図1に示されるように一例として角箱状をなし、ベルトコンベヤを適用した底部体50と、その上方の側部体51と、天部体55とを主要部材として成り、その他、前記側部体51を水平方向にずらす側部体水平ずらし機構56や、前記収容コンテナ5全体を上下に昇降させる昇降機構等を具える。もちろん収容コンテナ5としては、このようなコンベヤ形態のもののほか、単なるカゴ状のものを適用しても構わない。
【0015】そして本発明の特徴として、前記側部体51は、パンチングメタル等の孔52aの大きさが5mmφ〜8mmφで開口率50%程度の剛性を有する多孔板52で構成しており、この多孔板52の内面には網体53が張設されている。なお多孔板52のほか、本発明の剛性部材としては網体53を支持でき且つ通気性を有する範囲を代用できるものであり、例えばその他柵状のものなどを適用できる。網体53は具体的には、ナイロン等の軟性の合成樹脂から成る側部体51の一面を覆う大きさを有するものであり、その網目53aの寸法は24メッシュ、すなわち1インチあたりに24の網目53aが存在する大きさの孔である。もちろん網体53は、茶葉の茎Aaが入り込まない大きさの網目53aの適宜のものを使用することができるものであって、実用上16〜32メッシュ程度の範囲であればよい。なお本実施の形態では一例として側部体51の下方は、単に通気性のない金属パネル54で構成するに留めているが、前述したような多孔板52及び網体53で構成することも可能である。一方、天部体55には、多孔板52を適用するのみであるが、刈取茶Aがこの天部体55にも付着するような状況があれば、適宜この天部体55に網体を張設することが可能である。
【0016】側部体水平ずらし機構56について簡単に説明すると、側部体51が、前記底部体50上に摺動自在に設置されているものであり、油圧シリンダ56aにより側部体51及びその上部に固定された天部体55が前後に移動される。また側部体51の前部下端が底部体50のベルト50aに固定されている。以上のような構成により側部体51及び天部体55は、油圧シリンダ56aのシリンダロッドを伸張することにより、底部体50の上部搬送面側のベルト50aを引っ張りながら後方にスライド移動し、底部体50との間に排出開口部Eが開口され、ここから底部体50上の刈取茶Aが排出される。
【0017】本発明の刈取茶の収容コンテナは、以上のような具体的な形態を有するものであって、刈り取られた刈取茶Aは次のような作用を受けて収容コンテナ5に収容される。まず茶刈機体3により刈り取られた刈取茶Aは、吹き上げファン40から供給される搬送風Wにより風送されてダクト状の中継移送装置4を通って収容コンテナ5の上方に搬送される。この位置で刈取茶Aを搬送してきた搬送風Wは中継移送装置4のダクトによる規制から開放され、側部体51における網体53の網目53a及び多孔板52の孔52a、並びに天部体55の孔55aから外部に排出される。一方刈取茶Aは、搬送風Wによる積極的な搬送を受けなくなって、自然落下するように収容コンテナ5内に堆積していく。このとき図1の拡大図に示されるように刈取茶Aの一部は側部体51に張設された網体53に当接しながら落下するが、網体53の網目53aが細かいため、茎Aaが網体53の網目53aに入らず、円滑に収容されていく。従って従来のように側部体51に刈取茶Aが付着してしまうようなことがなく、ひいては時間が経って変質した刈取茶Aが新しい刈取茶Aに混入するようなことが起こらない。
【0018】
【発明の効果】請求項1記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナによれば、収容コンテナ5の側部体51の一部または全部は、通気性を具えた剛性部材の内面に対し、茶葉の茎Aaが入り込まない大きさの網目53aをした網体53が張設されて成るため、側部体51に茶葉が張り付くことがない。このため付着した刈取茶Aを取り除くような作業を必要としないし、長時間張り付いていて変質した刈取茶Aが後に剥がれ落ちて新たな刈取茶Aに混入し、刈取茶Aの格付けを落とすようなことがなくなる。また側部体51の通気性が刈取茶Aにより阻害されないため、例えば摘採された茶葉の鮮度保持時間が長くなることが望める。
【0019】請求項2記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナによれば、前記収容コンテナ5は、茶畝を跨いで走行する走行機体2と、この走行機体2に設けられ刈刃を具えて茶葉の摘採や枝幹の剪除等を行う茶刈機体3と、この茶刈機体3により刈り取られた刈取茶Aを前記収容コンテナ5に風送する中継移送装置4とを具えて成る茶畝跨走型茶刈装置に設けられるものであるため、風送された刈取茶Aが側部体51に当接し、搬送風Wのみが網体53及び側部体51を通過し、刈取茶Aは茎Aaが網体53の網目53aに突き刺さらず、そのまま下方に落下する。側部体51に茶葉が張り付いたままとならないため、付着した刈取茶Aを取り除くような作業を必要としないし、長時間張り付いていて変質した刈取茶Aが後に剥がれ落ちて新たな刈取茶Aに混入し、刈取茶Aの格付けを落とすようなことがなくなる。また側部体51の通気性が刈取茶Aにより阻害されないため、例えば摘採された茶葉の鮮度保持時間が長くなることが望める。
【0020】また請求項3記載の刈取茶付着防止構造を具えた収容コンテナによれば、網体53の網目寸法は、16〜32メッシュであるため、刈取茶Aが網体53に付着しないとともに、一方、刈取茶Aを運んできた搬送風Wは、充分に外部に排出される。
【出願人】 【識別番号】000104386
【氏名又は名称】カワサキ技研株式会社
【出願日】 平成11年11月4日(1999.11.4)
【代理人】 【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
【公開番号】 特開2001−128531(P2001−128531A)
【公開日】 平成13年5月15日(2001.5.15)
【出願番号】 特願平11−313586