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【発明の名称】 刈払機用回転刃及びその製造方法
【発明者】 【氏名】小山 幸夫

【氏名】井上 拓也

【要約】 【課題】小石や空き缶などの飛散をなくし、刃部の欠損、破損をなくし、草などの絡み付きをなくすようにすること。

【解決手段】薄肉の炭素工具鋼等の鋼板を素材とする。その外周に等間隔に多数の刃部を、レーザー切断して形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】回転刃母材1となる炭素工具鋼等を素材とした薄肉の鋼板の外周を、レーザーなどにて多数の刃部2を等間隔に形成するように切断するとともに、必要に応じて刃部2の外周縁を刃付3してなる刈払機用回転刃【請求項2】回転刃母材1となる炭素工具鋼等を素材とした薄肉の鋼板の外周を、レーザーなどにて多数の外方幅を広くした扇状の刃部2を等間隔に形成するように切断するとともに、必要に応じて刃部2の外周縁を刃付3してなる刈払機用回転刃【請求項3】回転刃母材1となる炭素工具鋼等を素材とした薄肉の鋼板の外周を、レーザーなどにて多数の刃部2を等間隔に形成するように切断するとともに、刃部2の外周縁の中央部を窪ませ、必要に応じて刃部2の外周縁を刃付3してなる刈払機用回転刃【請求項4】薄肉の炭素工具鋼等の鋼板の外周縁に多数の刃部2を等間隔に形成するようにレーザーなどにより切断してなる刈払機用回転刃の製造方法
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、小石、空缶等を飛び散らさず、刃部の破損や欠損がなく、草や蔓等の絡み付きもない安全性を重視し、しかも、切れ味が低下することなく何度も表裏面を利用でき、地球資源の節約、自然環境の保全につながる刈払機用回転刃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の回転刃は、切れ味をよくするため刃部の回転方向に鉤状の切断刃を形成したり、刃先にアサリを出すことによって雑草を刈り取るようにしたものが殆どであった(実公昭61−5063、実公平2−3728号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、刃部を鉤状としているためこの個所が作業中に小石をはね飛ばしたり、破損し易くなり、またアサリを出していると、この部分に雑草や蔓が絡み付き、それが回転軸に巻き付くこととなり危険であった。
【0004】そこで、回転刃母材の外周にピッチを小さくした多数の刃部を形成し、刃部の両端部に刃付やチップを取り付けたものが提案されている(特公平3−35081、同6−79801、同7−39388、実公平5−34506号)。
【0005】しかしながら、アサリは交互に反対方向に屈曲して形成するので刃部にアサリを形成すると、この部分に草や蔓などが絡み付きやすいものとなっていた。またチップの取り付けは各刃部のピッチが狭くなると、その取り付け作業は技術的に困難性を伴うものであったためコストアップにつながっていた。
【0006】しかも、従来のものは、刃部で草などを引っ掛けて刈り取るようにしたものであるので母材の強度がある程度なくては利用できない。そこで1.4mm程度の厚みのある鋼板を使用しているため、重量があり刈払作業の負担が大きなものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような問題点を解決するために、本発明は、薄肉の炭素工具鋼等の鋼板を、レーザーにて多数の刃部2を等間隔に形成するように母材の外周を切断加工している。そして、刃部をレーザーにて形成するためこの部分の硬度が上がり母材が薄い鋼板であっても十分に耐えることができる。また、このようにレーザー切断加工により製造するため製品の品質を常に均一化し、精度の高いものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、薄肉の炭素工具鋼板で母材を形成するととともに、刃部に焼き入れ以上の硬度を持たせるために母材の外周をレーザー切断加工にて刃部を形成するものである。
【0009】鋼板の厚みは、使用中に母材が変形せず、回転刃としての強度を維持できるものであればよい。従って、刃体の径の大きさにより、それに適した厚みのものを使用することとなる。例えば9インチの回転刃の場合は、0.8mm程度のものであれば十分使用に耐えることができる。
【0010】刃部は、ピッチを小さくして等間隔で多数配設するが、その個数も刃体の径の大きさにより、それに適した数とする。例えば、9インチの回転刃の場合は、ピッチ幅を約18mm程度とし、38〜48個程度の刃部が適しており、10インチの回転刃の場合は、ピッチ幅を約18mm程度とし、40〜50個程度の刃部が適している。なお、刃部の幅は約6mm、高さは約5mm程度のものが望ましい。
【0011】刃部は、外周を円弧としたままのものであってもよいが、より切れ味の優れた刈払機用回転刃とするため、刃部の中央部をやや窪ませていると効果的である。
【0012】更に、回転刃は、根元から刃先まで平行の幅のものであってもよいが、刃先エッジ部を利用するとより効果的であるので、刃部は、掬い角を形成すべく上方にいく程幅を広くなる扇状としているとより効果的である。
【0013】本発明の場合、母材が薄肉のため刃部に刃付をしてなくても十分に草を刈ることができるが、よりエンジンの負担を少なくし、スムーズに雑草等が切断されるように刃部の外周縁に刃付をしておくとよい。
【0014】また、このような刃付は、両刃のものと片刃のものとが考えられるが、研削作業の関係からは片刃のものが経済的である。
【0015】なお、本考案で使用する鋼板素材としては、ハイス鋼のような炭素工具鋼の外、炭素を含む合金工具鋼、ハイス鋼、ステンレス鋼などがある。これらの鋼板は、事前熱処理しておくと、より強度を増すこととなり望ましい。
【0016】そして、このような刈払機用回転刃の製造方法としては、薄肉の炭素工具鋼等の鋼板の外周縁に多数の刃部2を等間隔に形成するようにレーザーなどにより切断加工してなる刈払機用回転刃の製造方法がある。
【0017】
【実施例】図面を参照しながら実施例について説明すると、図1において、約0.8mm〜1.0mm厚の円板状の炭素工具鋼を素材とし、円板状母材1の外周縁に等間隔に約30数個〜60数個の刃部2を突設している。刃部2は、上方の幅を広くして扇状とし、両端部にエッジ2a、2bを形成している。このような母材をレーザー切断加工により形成する。もっとも、レーザー切断でなく、コストアップとはなるが、プレス加工後に刃部を衝撃焼き入れし、形成することも可能である。
【0018】図2で示した実施例では、刃部2は、外周縁の中央部をやや窪ませるとともに、扇状形状とし上方の幅を広くしている。
【0019】次に図3において、刃部2の外周縁を刃付3した場合について説明する。刃部2は、レーザー切断加工により、焼き入れした以上の硬度となるが、刃部2の外周縁に片刃又は両刃の刃付3をしている。
【0020】
【発明の効果】本発明は、このような構成としているため、以下のような効果を有する。
【0021】炭素工具鋼等を素材とした母材を、レーザー切断加工により形成しているので、外周縁は焼き入れした以上の硬度を有し、刃部に刃付を施さなくても十分切れ味のよい刈払機用回転刃を提供できる。なお、従来の回転刃の硬度は、ビッカース硬度が450程度のものが殆どであったが、本発明の場合、レーザー切断加工した後の回転刃の外周縁の硬度は、ビッカース硬度が1000以上であった。
【0022】刃部のピッチが一定していないと、駆動軸に偏重した負担が掛かりエンジントラブルの原因となるが、本発明では刃部を等間隔に小さいピッチで形成しているので、均一に負担が掛かることとなり、駆動軸への過度の偏重負担が無くエンジントラブルの発生を少なくすることができる。
【0023】本発明の場合、母材が薄い鋼板であるので、刃部の中央部をやや窪ませ、刃部の両端部にエッジが形成することによって、このエッジ部分でも草を刈ることとなるので、刃付をせず又は不十分な刃付のものであっても、切れ味のよい刈払機用回転刃の提供ができる。
【0024】小石や空缶等の飛散を防ぐには、できるだけ回転刃を円に近付けることが望ましい。しかし、余り円に近付けると、上滑りの現象を起こし草を刈ることができない。そこで、本発明では、刃部を上滑り現象が生じない程度のピッチとして円に近付けるようにしているため、小石や空缶等の飛散をなくすことができる。
【0025】刃部の外周縁に刃付をしていると、雑草等を単に引っ掛けてから切断するのではなく、雑草等が鎌やナイフで切断すると同様の状態となるため、軽く草に触れるだけで切断し刈り取ることができる。従って、切れ味が良くなるだけでなく、雑草や蔓などの絡み付きもなくなり、駆動軸への負担もより少なくなる。
【0026】刈払機を使用するとき回転刃本体は、地面に対し斜めに当てて使用するため回転刃の外周下面が地面に接することとなる。それ故、刈り取り作業中に外周下面が絶えず研削されたと同様の状態となる。特に、本発明では、刃部の外周縁で雑草等を切断刈り取りを行うものであるからいつまでも切れ味のよい状態を保つことができる。
【0027】また、従来のものは、刃部が小石などに衝突すると、刃部の回転方向の側面が破損することとなるためすぐに切れ味が低下することとなる。
【0028】しかし、本発明では主として刃部の外周縁で切ることとなるため回転方向の刃部の側面が破損しても殆ど切れ味は影響されることがなく何時までも優れた切れ味を保つことができる。
【0029】ところで、刈払機で草を刈る場合は、できるだけ草の根元から刈る必要があるので回転刃は地面に接触するように使用することとなる。その結果、回転刃は、回転方向の刃部のエッジにより、草等を引っ掛けるようにして刈り取るため、徐々にこの部分が摩耗あるいは破損し、切れ味が低下することとなる。
【0030】しかし、本発明では、回転刃が地面等に接触することによって、回転刃の外周下面が研削された状態となる。そのため、作業中も刃先を研いでいるのと同様となり、それと同時に回転方向と反対側の刃のエッジが鋭利となる。
【0031】従って、本発明では、切れ味が低下すると回転刃を裏返しにして使用すれば、回転方向のエッジがいつも鋭利となっているので切れ味の低下のない回転刃を利用することができる。
【0032】このように本発明は、何度も裏返しにして使用することができるので経済性にも優れている。
【0033】本発明では、刃部をレーザー切断加工により形成しているので、従来の焼き入れではできなかったビッカース硬度が1000以上の硬度の高い刃部を形成できる。その結果、刃部の摩耗が少なく、耐久性に優れた回転刃を提供できる。
【0034】しかも、単に母材外周縁を研削するだけで刃付ができるので製造過程での消費燃料を少なくできエネルギー資源の節約も図ることができる。
【出願人】 【識別番号】592206503
【氏名又は名称】株式会社小山金属工業所
【識別番号】599167630
【氏名又は名称】井上 拓也
【出願日】 平成11年10月25日(1999.10.25)
【代理人】 【識別番号】230100284
【弁護士】
【氏名又は名称】神矢 三郎
【公開番号】 特開2001−120031(P2001−120031A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−340893