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【発明の名称】 刈払機の駆動軸用軸受
【発明者】 【氏名】斉藤 守弘

【氏名】斉藤 浩史

【要約】 【課題】軸受筒を金型内に収納させ、ゴム,弾性プラスチック等の弾性体より成る弾性外筒と一体成形して刈払機の駆動軸用軸受を作製することで、刈払機の振動を極端に少なくし、また、その軸受の重量を軽減可能とする。

【解決手段】金属,硬質プラスチック等より成る円筒状の軸受筒と、ゴム,弾性プラスチック等の弾性体を金型内に収納させ、上記軸受筒を、上記弾性体によって形成される円筒状の弾性外筒と同心になし、その軸受筒を弾性外筒内に喰込ませて弾性外筒を軸受筒と一体成形して刈払機の駆動軸用軸受を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属,硬質プラスチック等より成る円筒状の軸受筒と、ゴム,弾性プラスチック等の弾性体を金型内に収納させ、上記軸受筒を、上記弾性体によって形成される円筒状の弾性外筒と同心になし、その軸受筒を弾性外筒内に喰込ませて弾性外筒を軸受筒と一体成形したことを特徴とする刈払機の駆動軸用軸受。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、刈払機の主パイプ内の駆動軸を支承する軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の刈払機の駆動軸用軸受は、図15及び図16に示すようにゴム等により、円筒体の両端の外周角部を面取り(イ)して内方に孔(ロ)内へ突出する突縁(ハ)を設けた弾性外筒(ニ)を作製する。また、弾性外筒(ニ)と別個に、金属等によって円筒状の軸受筒(ホ)を作製する。
【0003】そして、図17に示すように軸受筒(ホ)の孔内に押込み棒(ヘ)の先端小径部(ト)を挿入してその押込み棒(ヘ)の小径部(ト)との肩部(チ)を軸受筒(ホ)の上面に当てる。
【0004】そこで、押込み棒(ヘ)により軸受筒(ホ)を弾性外筒(ニ)上に当ててプレス等により下圧し、該軸受筒(ホ)を弾性外筒(ニ)の上突縁(ハ)内に圧入挿通させて図15に示すように弾性外筒(ニ)の孔(ロ)の上下突縁(ハ)の間に押込み、その孔(ロ)内の上下突縁(ハ)の間に嵌着させて軸受(リ)を構成する。
【0005】その後、所要数の軸受(リ)を図18に示すように主パイプ(ヌ)内へ順次所要に圧入し、それぞれ主パイプ(ヌ)の所要箇所に圧接固定させて取付ける。
【0006】次いで、図示してないが上記所要数の軸受(リ)の軸受筒(ホ)内に駆動軸を挿通してその軸受筒(ホ)により駆動軸を支承している。
【0007】ところで、刈払機の駆動軸の回転数は、高速では10,000rpm以上となるから、該駆動軸を支承している軸受についても精度が要求され、その軸受の耐振動が刈払機の性能の良否を決定する重要な要素になっていると共に、該軸受は5〜7個使用しているから、その軸受の軽量化も刈払機の重要な要素である。
【0008】ところが、従来のこの種の軸受(リ)は、弾性外筒(ニ)と軸受筒(ホ)を独自に製造し、その軸受筒(ホ)をプレス等で弾性外筒(ニ)の上突縁(ハ)内に挿通させ孔(ロ)内に圧入して作製している。従って、【0009】(1) 弾性外筒(ニ)と軸受筒(ホ)の同心度及び直角度が正確には得られない。
【0010】(2) 時には、図18に鎖線で示すように軸受筒(ホ)の完全な圧入がなされなくて軸受筒(ホ)が弾性外筒(ニ)内に完全に入り切っていないものもある。この場合には、刈払機の使用中に軸受筒(ホ)が弾性外筒(ニ)の孔(ロ)内から飛出すことが発生し、その軸受筒(ホ)の不完全な圧入によるずれや、弾性外筒(ニ)の孔(ロ)内からの飛出しが刈払機の振動に大きな影響を及ぼしていた。
【0011】(3) 一方、軸受筒(ホ)の厚さ(t)については、その軸受筒(ホ)の内方部には押込み棒(ヘ)の肩部(チ)が当るための適当な厚さが必要であり、また、外方部には弾性外筒(ニ)の突縁(ハ)に引掛り保持するための適当な厚さが必要であるから、上記両者の確実性を考えた必要な厚さを加えると、軸受筒(ホ)の厚さ(t)は最低でも約3mm必要になる。もし、軸受筒(ホ)の厚さ(t)が約3mmの厚さを有しない場合には、上記の刈払機の使用中における軸受筒(ホ)の飛出しや、刈払機の振動増加の傾向が顕著になる。
【0012】(4) そのために、軸受筒(ホ)の厚さ(t)は約3mmよりも薄くできなく、刈払機の更なる軽量化は望めなかった点に問題があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題点は、軸受の弾性外筒と軸受筒の同心度及び直角度が正確に得られない上に、時には軸受筒の完全な圧入がなされなかったり、軸受筒が弾性外筒から飛出すことが発生してそれらが刈払機の振動に大きな影響を及ぼすことと、軸受筒には或る程度の厚さが必要で、刈払機の更なる軽量化を望めない点である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、刈払機の駆動軸用軸受の振動を極端に少なくし、また、その軸受の重量を軽減可能とするため、軸受筒を金型内に収納させ、ゴム,弾性プラスチック等の弾性外筒と一体成形することを最も主要な特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】刈払機の駆動軸用軸受の振動を極端に少なくし、また、その軸受の重量を軽減するという目的を、極めて簡単な構造で、軸受筒の厚さを薄くなして実現した。
【0016】すなわち、金属,硬質プラスチック等より成る円筒状の軸受筒と、ゴム,弾性プラスチック等の弾性体を金型内に収納させ、上記軸受筒を、上記弾性体によって形成される円筒状の弾性外筒と同心になし、その軸受筒を弾性外筒内に喰込ませて弾性外筒を軸受筒と一体成形して刈払機の駆動軸用軸受を構成する。
【0017】
【実施例】図1乃至図6は、本発明の第1実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、(1)は刈払機の主パイプ、(2)は主パイプ(1)の後端に取付けたエンジン、(3)はエンジン(2)のハウジングである。
【0018】(a)は主パイプ(1)内に適当間隔で5〜7個並設する軸受を示し、(4)は軸受(a)の円筒体の軸受筒で、金属,硬質プラスチック等より成り、外周面には軸心方向の数個、例えば8個の凹溝(5)を並設する。(6)は軸受(a)の弾性外筒で、ゴム,弾性プラスチック等より成り、円筒体の外周面に軸心方向の数個、例えば8個の凹溝(7)を並設し、上下端部において外方角部及び孔(8)の口縁部をそれぞれ面取り(9),(10)した形状である。
【0019】而して、軸受(a)は、軸受筒(4)と、ゴム、弾性プラスチック等の弾性体を金型内に収納させ、図2に示すように軸受筒(4)をゴム,弾性プラスチック等の弾性体によって形成される弾性外筒(6)と同心になし、軸受筒(4)の外方部を弾性外筒(6)内に喰込ませて弾性外筒(6)を軸受筒(4)と一体成形して作製する。
【0020】そして、軸受(a)を順次主パイプ(1)内に図6に示すように圧入し、図1に示すように主パイプ(1)内に所要数の軸受(a)を適当間隔で圧接固定する。(11)は数個の軸受(a)の軸受筒(4)内に挿通して主パイプ(1)内に収納した駆動軸で、図示してないが駆動軸(11)の後端はエンジン(2)のハウジング(3)内に設けた遠心クラッチを介してエンジン(2)の回転軸に連結する。
【0021】(12)は主パイプ(1)の前端部に縦軸により回転可能に支持した刈刃で、図示してないが駆動軸(11)の前端部と上記縦軸を伝動機構により連結する。(13)は刈刃(12)の安全カバー、(14)は主パイプ(1)の後部に取付けた把手、(15)は主パイプ(1)の中間部に取付けた肩掛けバンドである。
【0022】図7及び図8は、本発明の軸受に使用する軸受筒の第2実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、(4a)は外周,内周ともに円筒面の単なる円筒体の軸受筒で、金属,硬質プラスチック等より成る。
【0023】上記の第1実施例の軸受(a)における軸受筒(4)に代えて第2実施例の軸受筒(4a)を使用しても、同様に作用する。
【0024】図9及び図10は、本発明の第2実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、この軸受(a1)は、軸受筒の上記第2実施例の単なる円筒体の軸受筒(4a)を、外周が円筒面の単なる円筒状の弾性外筒(6a)内に同心になし、上記第1実施例の軸受(a)と同様にその弾性外筒(6a)と一体成形して作製したものである。その他の符号は、図1乃至図6におけると同一部分を示す。
【0025】図11及び図12は、本発明の第3実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、この軸受(a2)は、上記第1実施例の軸受(a)における軸受筒(4)に代え、軸受筒の上記第2実施例の単なる円筒体の軸受筒(4a)を使用し、該軸受筒(4a)を上記第1実施例の軸受(a)と同様に、凹溝(7)付き弾性外筒(6)内に同心になしその弾性外筒(6)と一体成形して作製したものである。その他の符号は、図1乃至図6におけると同一部分を示す。
【0026】図13及び図14は、本発明の第3実施例を示し、その構成を図面について説明すれば、この軸受(a3)は、上記第1実施例の軸受(a)における凹溝(5)付き軸受筒(4)を使用し、該軸受筒(4)を上記第2実施例の軸受(a1)と同様に、単なる円筒状の弾性外筒(6a)内に同心になしその弾性外筒(6a)と一体成形して作製したものである。その他の符号は、図1乃至図6におけると同一部分を示す。
【0027】上記の第2実施例の軸受(a1),第3実施例の軸受(a2),第4実施例の軸受(a3)においても、第1実施例の軸受(a)と同様に作用する。
【0028】
【発明の効果】本発明の刈払機の駆動軸用軸受は、下記のような利点がある。
【0029】(1) 金属,硬質プラスチック等より成る軸受筒を金型内で、ゴム,弾性プラスチック等の弾性体より成る弾性外筒と同心になし一体成形して軸受を作製する。従って、【0030】(イ) 軸受は軸受筒と弾性外筒が一体的な被覆軸受であり、且つ、弾性外筒は一様に成形直後の著しい吸縮が生じる性質を利用することにより、軸受筒が弾性外筒よりずれたり、弾性外筒内より飛び出すことは無くて作業能率を向上する。
【0031】(ロ) 軸受筒と弾性外筒の同心度及び直角度に精度が出て性能的高品質を作り出すことができる。
【0032】(ハ) 刈払機の振動を少なくなして作業者の不快感を減少する。
【0033】(ニ) 軸受筒の厚さを薄く形成することができ、従来の軸受筒に比べ、軸受筒の厚さを約60%以下に薄く形成して重量は約50%以下に軽くなり、刈払機の軽量化を計ることができる。
【0034】(ホ) 刈払機の軽量化によって長時間作業にも作業者の疲労は少ない。
【0035】(2) 極めて簡単に構成して容易安価に多量生産できる。
【0036】(3) 軸受筒の外周面に軸心方向の数個の凹溝を設ければ、軸受筒はその凹溝によって外周面が広くなるから、軸受筒の凹溝内への弾性外筒の喰込み,軸受筒と弾性外筒の接触面積の増加、及び軸受筒と弾性外筒の一体成形によって軸受筒の弾性外筒内への固定は更に確実堅固である。
【出願人】 【識別番号】000162353
【氏名又は名称】協同ゴム工業株式会社
【出願日】 平成11年10月28日(1999.10.28)
【代理人】 【識別番号】100062982
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 誠一 (外1名)
【公開番号】 特開2001−120029(P2001−120029A)
【公開日】 平成13年5月8日(2001.5.8)
【出願番号】 特願平11−306401