| 【発明の名称】 |
刈取機の刈取部 |
| 【発明者】 |
【氏名】前田 一郎
【氏名】南 照男
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| 【要約】 |
【課題】アーチレス型駆動構造の刈取部を採用しながら、極力刈取部の重量増加がなく、基本構造も殆ど変えないように、かつ、穀稈搬送の妨げとなることなく刈取部の上部である引起し装置上部を振動少なく支持させる。
【解決手段】刈取伝動軸16を囲繞する横軸ケース35を、右側の下部軸部分17bを囲繞するアルミダイカスト製の第1縦軸ケース48と、主伝動軸15を囲繞した状態で刈取部を機体に支持する鉄パイプ製の刈取主フレーム12F、及び左右中央の下部軸部分17bを囲繞する第3縦軸ケース47が連結一体化されるとともに、クランク軸20を囲繞する軸支ケース部35a及び第2軸支ケース部35bが一体形成された鋳鉄製の主ケース部35Sと、左側の下部軸部分17bを囲繞するアルミダイカスト製の第2縦軸ケース46を左端に連結一体化した鉄パイプ製の副ケース部35Hとで構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右両端夫々に引起し装置駆動用の上下向きの縦伝動軸が、かつ、左右中間に機体から動力を入力するための入力軸が夫々連動連結されるとともに、左右いずれか一方の前記縦伝動軸と前記入力軸との左右間において刈取装置駆動用の刈刃駆動軸が連動連結される左右に長い刈取伝動軸を備え、前記刈取伝動軸を囲繞する横軸ケースを、前記一方の縦伝動軸を囲繞するアルミ合金製の第1縦軸ケースと、前記入力軸を囲繞した状態で刈取部を機体に支持する刈取主フレームとが連結一体化されるとともに、前記刈刃駆動軸を囲繞する刈刃軸ケース部分が一体形成された鋳鉄製の主ケース部を備えて構成し、左右の前記縦伝動軸のうちの他方の前記縦伝動軸を囲繞するアルミ合金製の第2縦軸ケースを、前記横軸ケースに連結一体化してある刈取機の刈取部。 【請求項2】 主ケース部と、該主ケース部と第2縦軸ケースとを連結一体化する鉄パイプ製の副ケース部とで横軸ケースを構成してある請求項1に記載の刈取機の刈取部。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインやバインダー等の刈取機の刈取部に係り、詳しくは、刈取フレームにおいて、機体からの動力を左右の引起し装置と刈取装置に伝動する刈取伝動軸を内部に有した入力フレーム部分を、強度十分としながら軽量に構成させる技術に関する。 【0002】 【従来の技術】刈取部の駆動構造としては、特開平10−327645号公報に示されたように、刈取部を支持するとともに機体に左右向き支点で枢支された1本の刈取主フレーム(符号9)の付け根部分から、引起し装置の上端部に向けて1本の伝動軸(符号26)を延設し、この伝動軸の前端部から穀稈搬送経路を迂回するようにベベルギヤ機構等を用いて引回された伝動軸を用いて、引起し装置や刈取装置等を駆動するものが知られている。 【0003】又、特開平10−146124号公報に示されたように、刈取部を支持する1本の刈取主フレーム内に配備された入力軸に連動される1本の伝動軸を刈取部の左右一側に立ち上げ配置し、複数の引起し装置の上方に横臥配置された1本の左右向き伝動軸を介して、各引起し装置を上方から駆動するようにした構造、所謂「アーチ型駆動構造」のものが知られている。 【0004】そして、実開昭63−53219号公報に示されたもののように、刈取主フレーム内を通した入力軸の動力を、穀稈搬送経路の下側において複数の引起し装置駆動用の縦向き伝動軸に連動される左右向きの伝動軸を介して、各引起し装置を下方から駆動するようにした構造、所謂「アーチレス型駆動構造」のものも知られている。これらの刈取部駆動構造は、刈取条数、刈取対象、地域等、機種や仕様設定に応じて適宜に設定されていた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】前記の各種構造のうち、最後者の「アーチレス型駆動構造」を採る場合、下部が支持された略片持ち状となる引起し装置の上部は機械振動、特に脱穀装置や刈刃の作動に起因して振動し易い傾向がある。これを解消させるには、支持強度を強化するか、引起し装置上部の質量を軽くするか、あるいはこれらを組み合わせるようにすれば良いが、多くの部品や機構類が錯綜する場所で刈取穀稈の搬送経路の妨げとなることなく、支持強度を向上させる等の前記対策を取るには、パイプ材や板材の肉厚を増す等、相当な重量増加を見込まねばならず、改善の余地があった。 【0006】本発明の目的は、アーチレス型駆動構造の刈取部を採用しながら、極力刈取部の重量増加がなく、基本構造も殆ど変えないように、かつ、穀稈搬送の妨げとなることなく刈取部の上部である引起し装置上部を振動少なく支持できるようにする点にある。 【0007】 【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1の構成は、刈取機の刈取部において、左右両端夫々に引起し装置駆動用の上下向きの縦伝動軸が、かつ、左右中間に機体から動力を入力するための入力軸が夫々連動連結されるとともに、左右いずれか一方の縦伝動軸と入力軸との左右間において刈取装置駆動用の刈刃駆動軸が連動連結される左右に長い刈取伝動軸を備え、刈取伝動軸を囲繞する横軸ケースを、一方の縦伝動軸を囲繞するアルミ合金製の第1縦軸ケースと、入力軸を囲繞した状態で刈取部を機体に支持する刈取主フレームとが連結一体化されるとともに、刈刃駆動軸を囲繞する刈刃軸ケース部分が一体形成された鋳鉄製の主ケース部を備えて構成し、左右の縦伝動軸のうちの他方の縦伝動軸を囲繞するアルミ合金製の第2縦軸ケースを、横軸ケースに連結一体化してあることを特徴とする。 【0008】請求項2の構成は、請求項1の構成において、主ケース部と、主ケース部と第2縦軸ケースとを連結一体化する鉄パイプ製の副ケース部とで横軸ケースを構成してあることを特徴とする。 【0009】〔作用〕請求項1の構成によれば、刈取部の機体側における底部に位置する横軸ケースのうち、刈取部を機体に支持する刈取主フレームと、左右一方の縦軸ケースとが連結され、かつ、刈刃軸ケース部分を一体に備えた強度的に厳しい主ケース部を鋳鉄製とすることにより、肉厚や形状の工夫設定によって必要以上に大型化することなく横軸ケースに十分な強度を持たせることが可能になる。 【0010】そして、引起し装置駆動用の縦伝動軸を囲繞する左右の第1及び第2縦軸ケースをアルミ合金製として、必要な強度を持たせながら軽量に構成させたので、刈取部の下方に位置する横軸ケースを質量の大きな材料で、かつ、横軸ケースの上方に位置する左右の縦軸ケースを質量の小さい材料で夫々製作したので、脱穀装置や刈取装置で発生する振動に共振し難いものにすることができる。 【0011】特に、刈取主フレームが連結される刈取部の付け根部を基点にして発生する刈取部の幅方向外側部を上下動させる振動を効果的に低減させることができるようになる。又、横軸ケースを重くしたことによる重量増加を、第1及び第2縦軸ケースを軽量化することで相殺できるので、刈取部としての重量が従来よりも重くならないようにすることが可能である。 【0012】請求項2の構成によれば、横軸ケースを、鋳鉄製の主ケース部と、主ケース部と第2縦軸ケースとを連結一体化する鉄パイプ製の副ケース部とで構成したので、刈取部の下部で付け根となる部分の強度、及び左右の縦軸ケースの支持強度を十分なものにすることができるとともに、刈取部の上部が下部に対して軽量となる比率を高めて、刈取部上部をより効果的に振動抑制できるようになる。 【0013】〔効果〕請求項1及び2に記載の刈取機の刈取部では、(イ)内部に伝動軸を備えた状態で刈取部下方の付け根部分に配置される横軸ケースを、機体への支持部であり、刈刃駆動軸の支持部であり、縦軸ケースの支持部である主ケース部を鋳鉄製に、かつ、その上側に位置する縦軸ケースをアルミ合金製とすることにより、アーチレス型駆動構造を採りながら、刈取部をその下部が重く上部が軽い状態で強度十分に支持することができるとともに、刈取部上部の振動を抑制又は解消できるように改善することができた。 【0014】請求項2に記載の刈取機の刈取部では、横軸ケース全体を鉄製として強固に構成させたので、上記効果(イ)をより強化できる利点がある。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、実施形態における左右は、機体進行方向を基準とする。図1には3条刈り用の自脱型コンバインの前半部側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1Aを備えた走行機体1の前部に、3条分の植立穀稈を刈取って左上後方に向けて搬送する刈取部2を左右向きの軸芯P周りに上下揺動駆動可能に連結するとともに、走行機体1の左側には、刈取部2から刈取穀稈を受け取って脱穀・選別処理を施す脱穀装置3を、又、走行機体1の右側には、脱穀装置3からの選別処理後の穀粒を貯留する穀粒タンク4、作業者が搭乗する操縦部5、等を搭載装備して構成されている。 【0016】図1〜4に示すように、刈取部2は、植立穀稈の株元側に作用して分草する4基の分草具6、分草された植立穀稈を引き起こす3基の引起装置7、引き起こされた植立穀稈の株元側を切断するバリカン型の刈取装置8、その切断により刈取られた植立穀稈(刈取穀稈)を後方に向けて掻き込み搬送する3基の第1搬送装置9、掻き込み搬送された刈取穀稈を左右中央に寄せ集めながら後方に向けて搬送する左右一対の第2搬送装置10、左右中央に寄せ集められた刈取穀稈を起立姿勢から横倒し姿勢に徐々に姿勢変更しながら後方の脱穀装置3に向けて供給搬送する第3搬送装置11、及び、それらを支持する刈取フレーム12等で構成されている。 【0017】図3及び図4に示すように、各引起装置7は、立設された引起ケース7a、引起ケース7aにおける植立穀稈引き起こし経路側(内側)の上部に配備された駆動スプロケット7b、引起ケース7aの下部に配備された従動スプロケット7c、それらのスプロケット7b,7cに亘って巻き掛けられた回動チェーン7d、回動チェーン7dに引き起こし姿勢と格納姿勢とに姿勢変更可能な状態で一定間隔ごとに取り付けられた複数の引起爪7e、及び、引起ケース7aにおける戻り経路側の上部に配備されたテンションスプロケット7f、などで構成されており、引き起こし姿勢で上昇する引起爪7eの係止引き上げ作用によって植立穀稈の引き起しを行うようになっている。 【0018】図1,図2,図4及び図5に示すように、各第1搬送装置9は、回動ベルト機構9Aとパッカ9Bとを備えており、回動ベルト機構9Aとパッカ9Bの係止搬送作用によって刈取穀稈の掻き込み搬送を行うようになっている。 【0019】左側の第2搬送装置10は、挾持搬送機構10Aと、上下2段の係止搬送機構10Bとを備えており、挾持搬送機構10Aの挾持搬送作用と各係止搬送機構10Bの係止搬送作用で刈取穀稈の寄せ集め搬送を行うようになっている。 【0020】図1,図2及び図4に示すように、第3搬送装置11は、挾持搬送機構11Aと係止搬送機構11Bとを備えており、挾持搬送機構11Aの挾持搬送作用と係止搬送機構11Bの係止搬送作用により刈取穀稈の供給搬送を行って、刈取穀稈の株元側を脱穀装置3のフィードチェーン3aに渡すとともに、刈取穀稈の穂先側を脱穀装置3内に導くようになっている。又、第3搬送装置11の係止搬送機構11Bは、右側の第1搬送装置9の後部上方から脱穀装置3のフィードチェーン3aに亘るように構成されていることから、その前部側部分が、右側の第2搬送装置10の係止搬送機構10Bとして機能して刈取穀稈の寄せ集め搬送を行うようになっている。 【0021】図1及び図4に示すように、刈取部2の上下揺動支点である軸芯P上には、右端部に図外のエンジンからの動力が伝達される入力プーリ13を備えた左右向きのカウンタ軸14が配設されており、このカウンタ軸14を介して、引起装置7、刈取装置8、第1搬送装置9、第2搬送装置10、及び、第3搬送装置11に対する伝動を行うようにしている。 【0022】その伝動構造について概略説明すると、図1、図2及び図4〜7に示すように、カウンタ軸14の左右中央部にはカウンタ軸14から前下方に向けて延出する主伝動軸(機体から動力を入力するための入力軸の一例)15が、主伝動軸15の前端部には左右向きの第1伝動軸(刈取伝動軸の一例)16の左右中央部が、第1伝動軸16の左右両端部と左右中央部には第1伝動軸16から対応する引起装置7に亘る縦向きの第2伝動軸17の下端部が、各第2伝動軸17の上端部には対応する引起装置7の駆動軸7gが、夫々ベベルギヤ18を介して伝動連結されている。つまり、各引起装置7には、カウンタ軸14に入力された動力を、主伝動軸15、第1伝動軸16、及び、第2伝動軸17を介して伝達するようにしている。 【0023】その結果、各引起装置7の上部に配備された駆動軸7gに亘って横架される動力分配軸などを設けなくても各引起装置7に対する伝動を行えるようになり、それによって、それらを外囲する伝動ケースや見栄えを良くするための化粧カバーなどを各引起装置7の上部に設ける必要がないので、その分、構成の簡素化並びに製造コストの低減化を図れるとともに、重心位置を低く抑えることができて機体の重量バランスの安定化を図れるようになる。 【0024】又、各引起装置7で引起こされた植立穀稈の穂先側が動力分配軸等を覆う伝動ケースや化粧カバーに引っ掛かることがないので、その引っ掛かりに起因した、穂先側の搬送遅れや絡み付きなどによる搬送不良や搬送詰まりなどの搬送トラブルの発生を未然に回避できるようになる。その上、図3に示すように、各引起装置7の上部同士の間が開放されて引起装置7の直前箇所にある分草具6などに対する操縦部5からの見通しが良くなることから、刈取り対象の植立穀稈に対してコンバインを正しく位置させる条合わせ作業などが行い易くなっている。 【0025】図1,図2及び図4〜7に示すように、各第2伝動軸17は、ベベルギヤ17aを介して伝動連結される下部軸部分(引起し装置駆動用の上下向きの縦伝動軸の一例)17bと上部軸部分17cからなる2分割構造に構成されている。各下部軸部分17bのうち、左右の下部軸部分17bは、対応する左右の引起装置7の上部に向かう状態で、又、中央の下部軸部分17bは、対応する中央の引起装置7の下部に向かう状態で、それぞれが第1伝動軸16に対して直角に設定されている。 【0026】各上部軸部分17cのうち、左右の上部軸部分17cは、対応する左右の引起装置7の駆動軸7gに向けて中央側に傾倒する状態で、又、中央の上部軸部分17cは、対応する中央の引起装置7の駆動軸7gに向けて傾倒する状態で、それらが伝動連結される下部軸部分17bから引起装置7の駆動軸7gに亘るように姿勢設定されている。 【0027】各下部軸部分17bのうち、左右の下部軸部分17bには、対応する第2搬送装置10の挾持搬送機構10Aの駆動スプロケット10aが一体回転するように外嵌装着されている。つまり、左右の第2伝動軸17の下部軸部分17bを第2搬送装置10の駆動軸に兼用した状態で、対応する左右の第2伝動軸17と第2搬送装置10とを連動連結している。 【0028】図4及び図6に示すように、刈取装置8は、その可動側の刈刃25が、第1伝動軸16にベベルギヤ38を介して伝動連結されたクランク軸(刈刃駆動軸の一例)20に連係されている。つまり、刈取装置8には第1伝動軸16からの動力を伝達するようにしている。 【0029】図1,図2及び図4に示すように、第3搬送装置11は、カウンタ軸14の左端部にベベルギヤ21を介して伝動連結された第3伝動軸22に、挾持搬送機構11Aの駆動スプロケット11aと係止搬送機構11Bの駆動スプロケット11eが一体回転するように外嵌装着されている。つまり、第3搬送装置11には、カウンタ軸14からの動力を第3伝動軸22を介して伝達するようにしている。 【0030】図1、図2、図8に示すように、刈取装置8は、刈取フレーム12における固定分草具7を取付けるために前方延出された複数の支持フレーム12xに亘って取付けられた受刃台23に固定される受刃24と、これに対して左右に摺動自在な刈刃25と、これに取付ステー26を介して固定されるナイフヘッド27とで構成されている。ナイフヘッド27は、平面視で後向き開放コ字状に折り曲げられた板材を備えて構成され、クランク機構28に前後軸芯X周りで回動自在に支持されたベアリングローラ29を、その外径が丁度ナイフヘッド27の内寸法に合致する状態で内嵌合させてある。 【0031】尚、クランク機構28は、クランク軸である刈刃駆動軸20の先端に刈刃クランク30を溶接し、その刈刃クランク30にベアリングローラ29を回転自在に外嵌支承して構成されている。又、右端の支持フレーム12xの後部は左方に曲げられており、その後端に固着したフランジ42を介して後述する軸支ケース部35aの側面にボルト連結されている。 【0032】図8、図9に示すように、刈刃25と取付ステー26とは、受刃24の後端面に摺接するナイフバーであるスライダー31を伴ってリベット等で一体化され、刈刃25を抑えるナイフクリップ32と共に締め上げ固定されるすらし板33が、スライダー31の後端面に摺接するようにして、刈刃25を前後上下に位置決めされて左右にのみ摺動移動するように構成してある。 【0033】そして、受刃台23の右側部分の後側に、ベアリングローラ29すなわち刈刃クランク30が配置構成されている。刈刃クランク30を前端に備えた刈刃駆動軸20は、刈取伝動軸16のケーシングである横軸ケース35に一体形成された軸支ケース部35aに対して前後向きに支承されており、その軸芯Qは、ナイフヘッド27に対する上下のほぼ中央に位置させてある。 【0034】又、刈刃クランク30は、回転軸芯Qに関してベアリングローラ29装着部の反対側に、軸芯方向に膨出した第1バランスウェイト34を一体に備えた円盤状に形成されており、刈刃25の横移動による振動を打ち消すとともに、刈刃クランク30の回転に伴う振動を軽減するバランサーとして、さらには、刈刃駆動軸20の回転に伴う負荷変動を円滑化するフライホイールとしても機能するようになっている。 【0035】刈刃駆動軸20は、その後端に嵌装した小径ベベルギヤ36と、刈取伝動軸16に嵌装した大径ベベルギヤ37との咬合構造を備えたベベルギヤ機構38により、回転動力が伝達されるようにしてある。そして、ベベルギヤ機構38を介して刈取伝動軸16に連動連結されて刈刃駆動軸20の回転方向と逆方向に、単位時間当たりの回転数が等しい同速で回転するカウンタ軸39を、刈刃駆動軸20と同芯状となるように後向きに取出してあるとともに、このカウンタ軸39の後端に、刈刃25の横移動に対抗する第2バランスウェイト40を設けてある。 【0036】すなわち、軸支ケース部35aの後側において横軸ケース35に一体形成された第2軸支ケース部35bにカウンタ軸39を回転自在に支承するとともに、このカウンタ軸39に、大径ベベルギヤ37に咬合する小径ベベルギヤ41を、刈刃駆動軸20の小径ベベルギヤ36と同じ部品(同径、同歯数)として嵌装してある。第2バランスウェイト40は、重り40aを円板40bの外周端に備えて構成してあり、第1バランスウェイト34の重心位置が軸芯Qの真上にあるときに、第2バランスウェイト40の重心が軸芯Qの真下に位置するように、3個のベベルギヤ36,37,41から成るベベルギヤ機構38を設定してある。 【0037】第1バランスウェイト34は、その重心が刈刃駆動軸20に対するクランク機構28と正反対側に位置するように装備してあり、クランク機構28の存在による刈刃駆動軸20の偏心を是正する機能、及び、刈刃25の横移動と反対側の横に移動して刈刃25の移動慣性を相殺する機能とを有するものである。しかしながら、刈刃25の慣性を相殺するための質量は、クランク機構28の質量よりも大きいので、刈刃25との慣性相殺作用が機能しない上下方向に第1バランスウェイト34が移動するときには、依然として回転バランスが偏っており、振動が生じ易い状態になる。 【0038】そこで、刈刃駆動軸20と同軸芯Qを有したカウンタ軸39とを、これら両軸20,39が互いに反対方向に同じ速度で回転駆動させるよう構成して、カウンタ軸39に刈刃25の横移動に対抗する第2バランスウェイト40を設けることにより、前述した上下方向の振動を解消させる手段を構成している。尚、刈刃駆動軸20、及びカウンタ軸39は、共に独立してベアリング支持されており、刈取伝動軸16は従来通りの1部品で良く、ベベルギヤ機構41部位を貫通して左右に伸びる六角軸に構成されている。 【0039】第1及び第2バランスウェイト34,40による作用を詳述する。図10(イ)に原理的に示すように、第2バランスウェイト40の重り40aは、刈刃25が左右往復動の丁度中間となる状態のとき、第1バランスウェイト34とは軸芯Qを中心とする上下での背反的な位置関係となるように、かつ、ベアリングローラ29に対しては、重り40aが逆回転ながらも上下方向で同じ位置側となるように夫々設定してある。 【0040】そして、図10(ロ)に原理的に示すように、刈刃25が左右往復動の端部に達している瞬間においては、第1バランスウェイト34と第2バランスウェイト40の重り40aとが夫々左右方向での同じ側に有って、互いに上下方向で逆向きに移動しているように、かつ、ベアリングローラ29に対しては、左右方向で互いに逆に位置するように夫々設定してある。 【0041】以上の構成により、ベアリングローラ29がナイフヘッド27に対して下方又は上方へ移動する際に第1バランスウェイト34とは逆の上下方向に移動し、同じく第2バランスウェイト40の重り40aも上下方向の動きに関してベアリングローラ29と一致することになる。故に、カウンタ軸39と同軸芯となる刈刃駆動軸20に対して、第2バランスウェイト40は刈刃クランク30とは上下逆向きの回転力が作用するものとなり、第2バランスウェイト40の重り40aと第1バランスウェイト34との刈刃駆動軸20に対して作用する上下方向での力が互いに相殺する状態となって、刈刃駆動軸20における振動の発生を抑制することになる。 【0042】一方、左右方向での第2バランスウェイト40の重り40aと第1バランスウェイト34の移動の向きは同じになっているので、第2バランスウェイト40と刈刃クランク30とによる回転に伴う左右方向での負荷変動を円滑化するフライホイールとしての機能は、刈刃クランク30のみが設けられている場合よりも刈刃25に対して倍増したものとして働くようになる。 【0043】図1及び図5〜7に示すように、カウンタ軸14や主伝動軸15等の引起し装置7、刈取装置8、第1搬送装置9、第2搬送装置10、及び、縦搬送装置11に対する各伝動系は刈取フレーム12を構成する部材に内装されている。つまり、刈取フレーム12は、それらの伝動系を外囲するケース類で構成されている。そのため、刈取フレーム12において、左右の第2伝動軸17の下部軸部分17bを外囲するケーシングである左右の縦軸ケース46,48には、第2搬送装置10の突起付き回動チェーン10dの挿通を許容する開口12aを形成し、この開口12aから、下部軸部分17bに装着された駆動スプロケット10aに突起付き回動チェーン10dを巻き掛けるようにしている。 【0044】次に、第1搬送装置9の支持構造について説明する。図8に示すように、各第1搬送装置9を支持する掻込みフレーム43〜45のいずれも、後部側が第2伝動軸17を囲繞する縦軸ケース46〜48に、かつ、前部側が分草具6を支持する分草フレーム12xに固定された引起し装置支持フレーム49に、ボルト止めによって着脱自在に取付けられている。 【0045】右側の右掻込みフレーム43は、右側の引起し装置支持フレーム49から後向きに突設されたステー50に前端部がボルト止めされる主パイプ51と、右側の第1縦軸ケース48にボルト止めされるブラケット53と、このブラケット53を後端に備えた補助パイプ52とで構成され、穀稈の搬送経路を構成する部材でもある搬送カバー54を支持している。 【0046】主パイプ51の前後中間部に、駆動プーリ9aやパッカ9Bの支軸9pを貫通固着し、前端部には、緊張プーリである従動プーリ9bを長孔支持するためのステー51bを溶着し、後端部には、右側の挾持搬送機構10Aの第1従動プーリ10bを回転自在に支持する支軸55を貫通固着してある。主パイプ51の支軸9p部分には、補助パイプ52の先端が溶着されている。突起付き回動ベルト9cを上方から覆う状態の搬送カバー54(61)は、強度アップのために段付き形状にプレス成形されている(図9参照)。 【0047】図13、図14に示すように、ブラケット53は、平面視でコ字状に屈曲された板材で成り、第1縦軸ケース48を構成する前ケース部48aと後ケース部48bとの合わせ部分を跨ぐ状態で、これら両ケース部48a,48b連結するためのボルト4本で共締め固定されるようになっている。そして、このブラケット53には、下方に屈曲された補助パイプ52の後端部が溶着されている。 【0048】図11、図12に示すように、左側の左掻込みフレーム45は、左側の引起し装置支持フレーム49から後向きに突設された縦板状のステー56に前端部がボルト止めされる主パイプ57と、左側の第2縦軸ケース46にボルト止めされるブラケット59と、このブラケット59を後端に備えた補助パイプ58とで構成され、穀稈の搬送経路を構成する部材でもある搬送カバー61を支持しており、基本的には右掻込みフレーム43と同様の構造である。 【0049】右側の搬送カバー54と同様にプレス成形された段付き形状の搬送カバー61を、前後2箇所のステー62,63で支持し、後ステー63には駆動プーリ9aやパッカ9Bの支軸10pが装備されている。右ブラケット53と同構造であり、第2縦軸ケース46の前ケース部46aと後ケース部46bとの連結ボルトで共締めされる左ブラケット59と、主パイプ57とに亘って補助パイプ58が架設されるとともに、主パイプ57の後端と左ブラケット59とに亘って、突起付き回動チェーン10dの移動経路を形成するための板金製の案内体65を取付けてある。 【0050】図8、図15に示すように、左右中央の掻込みフレーム44は、基本的には、左右中央の上部軸部分17cを囲繞するパイプ材製の第3縦軸ケース47にボルト止めされるパイプフレーム67のみで構成されており、プレス成形された搬送カバー68が補助フレームとして機能する。すなわち、第3縦軸ケース47に固着されたブラケット66に後端がボルト止めされるパイプフレーム67に搬送カバー68が固着されており、その搬送カバー68の前端部を、左から2番目の引起し装置支持フレーム49から後向きに突設されたステー60にボルト止めしてある。 【0051】パイプフレーム67の前端部に、駆動プーリ9aやパッカ9Bの支軸67aが固着されており、又、搬送カバー68とステー60とのボルト止め部分が、従動プーリ9bを緊張調節可能とするための長孔支持構造としてある。つまり、3基のいずれの第1搬送装置9の掻込みフレーム43〜45も、第2伝動軸17を囲繞するケーシング46〜48との2箇所で支持してあり、穀稈搬送の妨げとなることがないようにしてある。又、3基の掻込みフレーム43〜45は、いずれもボルト止めによる着脱自在構造である。 【0052】次に、左右の縦軸ケース46,48と、横軸ケース35との連結部構造について説明する。これら2箇所の連結部の構造は、向きが互いに逆である以外は同じであり、簡単のために右側のもので説明する。 【0053】図11〜図14に示すように、内部に下部軸部分17bを備えた筒状の右縦軸ケース48の下端部における左側面には、横軸ケース35をボルト連結するためのフランジ部71が形成されており、このフランジ部71から挿入される刈取伝動軸16、及び、刈取伝動軸16と下部軸部分17bとを連動連結するベベルギヤ18,18を内装している。右縦軸ケース48と横軸ケース35とは、刈取伝動軸16の軸方向で嵌合されるインロー部72と位置決め手段Aとで相対姿勢が定められた状態で、4本のボルト73を用いて連結一体化されている。 【0054】右縦軸ケース48は、刈取伝動軸16の軸方向に沿う割り面wを有した前ケース部48aと後ケース部48bとを連結して成る2つ割り構造に構成してあり、刈取伝動軸16及び下部軸部分17bを支持する各ベアリングを位置決め支持する各ホルダ部分74は、型成形のみの状態で機能しており、切削等の機械加工は一切施さずに済んでいる。又、前述したフランジ部71、及び開口12aは、共には両ケース部48a,48bに跨がって形成されている。 【0055】因みに、横軸ケース35の主ケース部35Sは、割り面vを持つ上ケース部35Aと下ケース部35Bで成る上下2つ割り構造であり、下ケース部35Bの左右向きの穴70は機械加工によって形成されている。尚、左縦軸ケース46と横軸ケース35とも前述した構造と同様の位置決め手段Aとインロー部72とを用いて4本のボルト73で連結されている。 【0056】図6、図16に示すように、第1伝動軸16を囲繞する横軸ケース35は、右側の下部軸部分17bを囲繞するアルミダイカスト製(アルミ合金製の一例)の第1縦軸ケース48と、主伝動軸15を囲繞した状態で刈取部2を機体に支持する鉄パイプ製の刈取主フレーム12F、及び左右中央の下部軸部分17bを囲繞する第3縦軸ケース47が連結一体化されるとともに、クランク軸20を囲繞する軸支ケース部(刈刃軸ケース部分の一例)35a及び第2軸支ケース部35bが一体形成された鋳鉄製の主ケース部35Sと、左側の下部軸部分17bを囲繞するアルミダイカスト製(アルミ合金製の一例)の第2縦軸ケース46を左端に連結一体化した鉄パイプ製の副ケース部35Hとで構成されている。 【0057】つまり、刈取主フレーム12Fが連結されて荷重条件の厳しい横軸ケース35を鉄製として強度十分に構成するとともに、1個の引起し装置7を支持する程度の強度があれば良く、かつ、上下途中部位にチェーン駆動用の開口12aを備えた比較的複雑な形状が要求される第1及び第2縦軸ケース48,46は、アルミダイカスト製として部品数少なく簡単で廉価に構成できるようにしてある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001052 【氏名又は名称】株式会社クボタ
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| 【出願日】 |
平成11年9月22日(1999.9.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107308 【弁理士】 【氏名又は名称】北村 修一郎
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| 【公開番号】 |
特開2001−86839(P2001−86839A) |
| 【公開日】 |
平成13年4月3日(2001.4.3) |
| 【出願番号】 |
特願平11−268441 |
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