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【発明の名称】 根菜収穫機
【発明者】 【氏名】切手 肇

【氏名】矢野 典弘

【氏名】川口 弘道

【氏名】高木 真吾

【氏名】岩部 孝章

【要約】 【課題】茎葉部が弱い根菜であっても、掘り取った根菜を傷つけずに全て収納コンテナに回収できる構成の根菜収穫機を提供すること。

【解決手段】霜枯れ等冬取り根菜類は茎葉部が非常に弱いために根菜近傍の土壌を掘起し、掘起こした根菜の茎葉を挟持して引抜き、後方へ搬送する引抜搬送装置28で搬送途中に落下するものがあっても、引抜搬送装置28の下方に根菜を受け止める落下防止用シュータ60を設けたので、根菜が搬送コンベア13直前で落下してもコンベア落下防止シュータ60から搬送コンベア13に回収できるので、落下する根菜を傷つけずに搬送コンベア13から収納コンテナに回収することができ、従来の収穫機に比べて根菜の収穫作業の能率が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 根菜近傍の土壌を掘起し、掘起こした根菜の茎葉を挟持して引抜き、後方へ搬送する挟持搬送手段と該挟持搬送手段から受け取った茎葉切断後の根菜をコンテナの積載部まで搬送する根菜搬送手段を有する根菜収穫機において、根菜搬送手段到達前に挟持搬送手段から落下する根菜を受け止める落下防止用シュータを挟持搬送手段の下方に設けたことを特徴とする根菜収穫機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニンジンなどの根菜収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】根菜としてニンジンを例にして従来の根菜収穫機の一例を以下説明する。従来のニンジン収穫機は、圃場においてニンジン収穫機の前進走行にともない、引起手段によりニンジンの茎葉を引起した後、掘起手段によりニンジンの両側面の土壌を掘り起こし、互いに逆回転する一対の無端ベルトからなる挟持搬送ベルトでニンジンの茎葉を挟持した状態で引き抜いて掘り取り、その後、前記挟持搬送ベルトで収穫機後方に搬送する過程で茎葉を切断し、さらに後方に搬送するための搬送コンベアに移し、搬送コンベアからニンジンを収納コンテナに収納する機械である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】霜枯れ等により、冬採り根菜類は茎葉部が非常に弱いため、上記従来技術のニンジン収穫機の挟持搬送ベルトで搬送中に落下するものがあり、搬送コンベアにより挟持搬送ベルトで搬送しているニンジンの全てを受け取ることができず、一部は圃場に落下してしまい掘り取ったニンジンを全て回収できるわけではなかった。
【0004】圃場に落下したニンジンは損傷してしまい、商品価値を損なうために、このような落下ニンジンが発生することは、損失であるだけでなく、ニンジン収穫作業の能率が低下する原因になっていた。
【0005】本発明の課題は、茎葉部が弱い根菜であっても、掘り取った根菜を傷つけずに全て収納コンテナに回収できる構成の根菜収穫機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は根菜近傍の土壌を掘起し、掘起こした根菜の茎葉を挟持して引抜き、後方へ搬送する挟持搬送手段と該挟持搬送手段から受け取った茎葉切断後の根菜をコンテナの積載部まで搬送する根菜搬送手段を有する根菜収穫機において、根菜搬送手段到達前に挟持搬送手段から落下する根菜を受け止める落下防止用シュータを挟持搬送手段の下方に設けた根菜収穫機である。
【0007】
【発明の効果】本発明では、霜枯れ等冬取り根菜類は茎葉部が非常に弱いために挟持搬送手段(挟持搬送ベルト28a)で搬送途中に落下するものがあっても、挟持搬送手段(挟持搬送ベルト28a)の下方に根菜を受け止める落下防止用シュータを設けたので、根菜が搬送手段(搬送コンベア13)の直前で落下してもコンベア落下防止シュータ(シュータ60)から搬送手段に回収できるので、落下する根菜を傷つけずに搬送手段(搬送コンベア13)から収納コンテナに回収することができ、従来の収穫機に比べて根菜の収穫作業の能率が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図1に本発明の実施の形態の根菜収穫機の側面図を示し、図2に図1の根菜収穫機の上面図を示し、図3は図1の根菜収穫機の背面一部切り欠き立面図を示す。図1、図2に示す根菜収穫機により、根菜野菜(イ)として、ニンジン(イ)を収穫する場合について説明する。図1および図2に示す根菜収穫機1は、ニンジン(イ)を圃場から掘起し、この掘起したニンジン(イ)を移送しながら葉部の反対側の下部の所定位置から直根を切断し、ついで葉部を切断して、箱形の収納コンテナ49に一次貯留する。
【0009】前記根菜収穫機1は、走行車両2の車体7の左側に収穫用作業装置3を設け、この収穫用作業装置3は前部の引起装置4、掘起装置5及び後部の根菜搬送装置6等を備えている。
【0010】前記走行車両2は、車体7の下側の左右両側にはクローラ8を張設し、該車体7上部の右前方側には走行操作及び収穫操作等を行う操作装置9及び作業者が搭乗して各種操作を行う操縦席10等を設け、この操縦席10の下部には、原動機(エンジン)11等を設けている。この原動機11から走行ケース11a内の伝動機構11bを介して上記クローラ8を駆動する構成である。なお、操縦席10の後部には、燃料タンク11fを設けている。
【0011】前記車体7の上側で操縦席10の後部には、後述する葉切断装置12でニンジン(イ)の葉部の所定位置が切断され、葉部切断済み、及び葉部の反対側の下部の所定位置を切断済みニンジン(イ)の供給を受けて、車体7の横方向へ向けて移送する搬送コンベア13を設け、搬送コンベア13は移送終端部へ向けて上り傾斜させて設けている。この搬送コンベア13の移送終端部の下側で、該車体7の上側には、この搬送コンベア13から葉部切断済みニンジン(イ)の供給を受けて、収納して一次貯留する収納コンテナ49を載置した構成である。
【0012】前記車体7の後部の左側には、上方へ突出するコ字形状の支持板16を設け、この支持板16の上部には、伝動機構17aを内装した伝動ケース17を回動自在に設けている。この伝動ケース17には、前方下部へ突出する支持板18を設け、この支持板18の前端部には、左右両側に前方下部へ突出する受板19aを固着した取付板19bを装着して設けると共に、この受板19a、19aの前端部には、前方下部へ突出する補助受板19cを固着している。
【0013】前記左右両側の引起装置4は上部を伝動ケース17から前方へ突出する伝動機構20cを内装する上受杆20aで支持すると共に、回転駆動させる構成であり、下部を補助受板19cから前方へ突出する下受杆20bで支持させている。
【0014】前記引起装置4は根菜搬送装置6の前部の左右両側に設け、該引起装置4は、左右一対の引起ケース21に内装して回転自在な引起チェン22aを設け、この引起チェン22aには所定間隔で引起ラグ22bを設け、この引起ラグ22bは引起ケース21の前方下端部から前方上端部の間では一対の引起ケース21の間から突出して、ニンジン(イ)の葉部を引起す作用部とし、又、後方部は引起さない不作用部としている。
【0015】前記一対の引起ケース21の下部外側面には、ニンジン(イ)の葉部を分離する分草具23、23を前方へ突出させて設けており、図1で示すように畝の凸凹を検出する凸凹センサ24をニンジン(イ)を掘起す条とこの条に隣接する隣接条との間に設けている。この凸凹センサ24は、該引起ケース21の外側面に回動自在に設けた支持板25aに接地プレート25bを接着すると共に、該支持板25aの上端部とポテンショメータ25cとを連結する連結ロッド25dから構成されている。
【0016】前記接地プレート25bが圃場の凸凹を検出して上下回動し、この回動が該ポテンショメータ25cで検出され、この検出によって左右両側の引起装置4、後述する掘起装置5及び根菜搬送装置6等を上下シリンダ26aの作動により、伝動ケース17の上下回動中心26位置を中心として、上下回動制御する構成である。接地プレート25bの後端部は根菜搬送装置6の後述する引抜搬送装置28の下部前端位置より、前部に位置させて検出性能の向上を図る構成としている。
【0017】前記掘起装置5は左右両側の一対の補助受板19cに取り付けて、手動または自動によって掘起装置5全体を一斉に上下回動調節可能に自在に設けている。この掘起装置5は補助受板19cに一対の支持杆27aの後端部を取り付けて、該支持杆27aを前方下部へ突出させている。支持杆27aの前端部にそれぞれ土切り刃27bを装着し、この左右一対の土切り刃27bでニンジン(イ)の左右両側の土壌を掘起すことができる。
【0018】前記車体7の支持板16の前部には前支持板16aを設け、この前支持板16aには前方へ突出させた支持杆16bを設け、この支持杆16bの前端部には、L字形状の回動板16cを回動自在に装着し、回動板16cの一方側の下端部と、上下シリンダ26aの前端部とを連接させ、他方側の前端部には、支持杆16dの一方側の端部を装着し、この支持杆16dの他方側の端部と受板19aの前端の近傍部とを連接させている。
【0019】前記上下シリンダ26aの作動により、伝動ケース17の上下回動中心26を回動中心として回動板16c、支持杆16d、受板19a、補助受板19c及び後述する連結板29等を介して、引起装置4、掘起装置5及び根菜搬送装置6等を自動で一斉に上下回動制御する。
【0020】前記引起装置4の後部の左右両側には、根菜搬送装置6の引抜搬送装置28を設け、この引抜搬送装置28の上端部の移送終端部は、伝動ケース17の後側に、連結板29を介して設けた伝動機構30aを内装した伝動ケース30に前方上部へ突出する伝動機構31aを内装した支持杆31の上側に設けた伝動ケース32に内装した伝動機構32aで支持すると共に、回転駆動する構成である。この伝動ケース30は伝動ケース17の上下回動によって、該連結板29を介して同時に上下回動する。
【0021】前記引抜搬送装置28は、前方から後方に向けて上昇傾斜していて、その上・下端部に回転自在に軸支して設けた上・下プーリ28b、28cに挟持搬送ベルト28a、28aを掛け渡している。掘起装置5で掘起したニンジン(イ)の葉部は、この引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28a、28a間に挟持され、後方上部へ向けて移送される。
【0022】ニンジン下部切断装置47は掘起装置5後方上部で、引抜搬送装置28中間部の下側に設けている。このニンジン下部切断装置47は左右方向に所定間隔で、上下方向2箇所に山形状を形成した案内杆48aを複数個設けると共に、この2箇所の山形状内には、回転外周部に複数個の切断刃48bを装着した回転具48cを回転自在に軸支している。
【0023】前記ニンジン下部切断装置47の案内杆48aの下側の山形状部で全長の短い形状のニンジン(イ)は、挟持搬送ベルト28a、28aで挟持されて上部へ向けて移送中に葉部の反対側の下部所定位置が切断刃48bによって切断される。ニンジン(イ)の全長によって所定位置を切断するように構成されている。
【0024】前記根菜搬送装置6の首揃移送装置33、タッピング移送装置34、葉部移送装置35及び葉切断装置12はニンジン(イ)の収穫作業状態時には圃場面に略平行状態に設けている(図1)。
【0025】前記首揃移送装置33は、引抜搬送装置28の後側で移送終端部から所定距離下方に位置させて、平面視左右両側に一対設けている。この首揃移送装置33の移送終端部は伝動ケース30に上方へ向けて突出させて設けた伝動機構37aを内装した下支持ケース37上側に設けた上伝動ケース38に内装した伝動機構38aで支持すると共に回転駆動する。
【0026】前記首揃移送装置33は、支持プレート39の前・後端部に回転自在に軸支した前・後プーリ39a、39bを設けると共に、これら前・後プーリ39a、39b間には、複数個のV字形状の支持板とテンションローラを設け、これら前・後プーリ39a、39b及び各テンションローラに首揃移送ベルト39cを掛け渡している。平面視左右両側に設けたこれら首揃移送ベルト39c、39c間には所定の隙間を設け、これら首揃移送ベルト39c、39c間にニンジン(イ)の葉部を挟持するが、この挟持力は引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28a、28aの挟持力より弱くしている。
【0027】前記首揃移送装置33は、引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28a、28aにニンジン(イ)の葉部を挟持して上部へ移送する途中で、この首揃移送装置33の首揃移送ベルト39c、39cにもニンジン(イ)の葉部下部を挟持させる構成であり、ニンジン(イ)の葉部を両者で挟持しながら、挟持搬送ベルト28a、28aにより更に上部へ移送されることにより、ニンジン(イ)の胴部側の上端部(肩部)が首揃移送ベルト39c、39cの下端部位置まで引き上げられて、ニンジン(イ)の首揃えが行われる。
【0028】前記タッピング移送装置34の移送終端部は、上伝動ケース38に上下に突出させて設けた上支持ケース41に内装した伝動機構41aの下部側で支持すると共に回転駆動する構成である。このタッピング移送装置34は、首揃移送装置33の上側に側面視所定間隔を設けて平行状態に設けると共に、移送始端部は該首揃移送装置33の前後方向略中央部に位置させ、前・後端部に回転自在に軸支して設けた前・後プーリ42a、42bにタッピング移送ベルト42cを掛け渡した構成であり、平面視左右両側の該タッピング移送ベルト42c、42cの間に、ニンジン(イ)の葉部を挟持することができる。
【0029】ニンジン(イ)の葉部は引継のはじめには、挟持搬送ベルト28a、28a、首揃移送ベルト39c、39cおよびタッピング移送ベルト42c、42cの三者で挟持し、所定位置から後方では首揃移送ベルト39c、39cとタッピング移送ベルト42c、42cとの両者で挟持して移送する。
【0030】前記葉部移送装置35の移送終端部は、上支持ケース41に内装した伝動機構41aの上部側で支持すると共に回転駆動する構成である。この葉部移送装置35はタッピング移送装置34の上側に側面視所定間隔を設けて平行状態に設けると共に移送始端部は該タッピング移送装置34の移送始端部より、所定距離後方に位置させ、前・後端部に回転自在に軸支して設けた前・後プーリ43a、43bに葉部移送ベルト43cを掛け渡し、平面視左右両側の該葉部移送ベルト43c、43cの間にニンジン(イ)の葉部を挟持する。
【0031】引継のはじめは、ニンジン(イ)の葉部を首揃移送ベルト39c、39c、タッピング移送ベルト42c、42cおよび葉部移送ベルト43c、43cの三者で挟持し、首揃移送ベルト39c、39cの後端部から後方では、タッピング移送ベルト42c、42cと葉部移送ベルト43c、43cとの両者で挟持し、かつ後述する葉切断装置12の後部からは、この葉切断装置12で切断された切断葉のみを移送し、これらタッピング移送装置34、及び葉部移送装置35の両者の移送終端部から切断葉を圃場へ排出する。
【0032】前記葉切断装置12は、上伝動ケース38から垂直下方へ突出させて設けた回転軸46の軸端部に水平面内で回転する切断刃46aを装着した構成であり、この葉切断装置12は、上下回動中心26位置である伝動ケース17に近接させると共に、首揃移送装置33の移送終端部にも近接させている。この切断刃46aはタッピング移送装置34の下側で、該首揃移送装置33の所定位置下位に配置している。
【0033】この切断刃46aにより、前記タッピング移送装置34と葉部移送装置35との両者により、ニンジン(イ)の葉部を挟持して移送する首揃したニンジン(イ)の葉部の所定位置を切断する。ニンジン(イ)の根部は葉切断装置12で葉部が切断されると、前記搬送コンベア13の始端部に落下する。
【0034】前記車体7の後部に後方キャリア50を設け、操縦席10の側方後部に側方キャリア52を設け、さらに側方キャリア52の後方に側方補助キャリア54を設け、これらの後方キャリア50、側方キャリア52および側方補助キャリア54の上側には収穫したニンジンを一時貯留する複数の収納コンテナ49を載置できるようにしている。
【0035】搬送コンベア13の終端部の下方かつ側方キャリア52の上部に、シュータ15およびダンプ53を設け、搬送コンベア13で搬送されたニンジン(イ)は、シュータ15を経て滑落させ、ダンパーを具備するダンプ53に積載した収納コンテナ49に収納する構成である。
【0036】根菜収穫機1の背面一部切り欠き立面図である図3に示すように、搬送コンベア13のサイドフレーム13a、13aに掛け渡して空コンテナ置き用ステー55aおよび55bを立設する。サイドフレーム13a、13aと空コンテナ置き用ステー55aおよび55bとはボルトナット(図示せず)により剛に結合する。空コンテナ置き用ステー55aおよび55bの上部にキャリア部材55c、55cを掛け渡して搬送コンベア13と平行に設け、図示しない締結部材によりステー55a、55bに結合する。
【0037】キャリア部材55cは、軽量型鋼材あるいはパイプ材で構成し、キャリア部材55cの端部および側部にはストッパー55d、55d、・・・を形成し、キャリア部材55cの上に空の収納コンテナ49を積載する。ストッパー55d、55d、・・・は空の収納コンテナ49の側面に当接して、収納コンテナ49が落下するのを防止する。
【0038】霜枯れ等冬取り根菜類は茎葉部が非常に弱いため挟持搬送ベルト28aでの搬送途中に弱い茎葉部から圃場に落下するニンジンがあり、搬送コンベア13に掘取った全てのニンジンを回収することはできなかった。
【0039】そこで、根菜収穫機1の引抜搬送装置28の挟持搬送ベルト28aと搬送コンベア13は互いに搬送方向が直交配置されているので、図4に示すように引抜搬送装置28の受板19aにコンベア落下防止シュータ60を取り付ける。図4(a)にはコンベア落下防止シュータ60の斜視図を示し、図4(b)にはコンベア落下防止シュータ60の取り付け部分の側面図を示す。
【0040】このコンベア落下防止シュータ60により、茎葉部を挟持した挟持搬送ベルト28aで搬送されてきたニンジンが搬送コンベア13直前で落下してもコンベア落下防止シュータ60から搬送コンベア13に回収できるので、落下するニンジンを傷つけずに搬送コンベア13から収納コンテナ49に回収することができ、従来の収穫機に比べてニンジン収穫作業の能率が向上する。
【0041】コンベア落下防止シュータ60の下方位置に搬送コンベア13に取り付けたサブシュータ61(図4(b))を設けることもできる。通常より大きなニンジンを収穫する場合には挟持搬送ベルト28aとメインのコンベア落下防止シュータ60との間にニンジンが詰まるおそれがあるので、このときは、メインのコンベア落下防止シュータ60を取り外し、サブのコンベア落下防止シュータ61のみでニンジンを回収できる。
【0042】また図4に示す落下防止用シュータに代えて、図5に示すような挟持搬送ベルト28aの受板19aと搬送コンベア13のサイドフレーム13aに一対のバネ材63を骨組みとし、バネ材63上にゴム材又はスポンジ材64を張り付けた落下防止用シュータ60を設けても良い。骨組みとなるバネ材63の一端部を搬送コンベア13のサイドフレーム13aに取り付け、他端部をフリーにしておき、当該他端部を矢印Aのように自由に上下動できるようにしておく。
【0043】この場合は、霜枯れ等茎部の弱いニンジンを収穫する際に、挟持搬送ベルト28aから落下するものを傷つけずに回収できる。
【0044】また図4に示す落下防止用シュータ60に図6の斜視図で示すように、シュータ60上面に格子状に多数の溝60aを設けておくことで、ニンジンに付着した泥、土等をそこから落下除去させて搬送コンベア13及び収納コンテナ49内に混入させないようにすることもできる。
【0045】また、図7に示すように落下防止用シュータ60と搬送コンベア13の間に回転するブラシ66を設けることで、搬送コンベア13内に泥、土等の不純物を混入させないようにすると同時に落下防止用シュータ60に落下したニンジン(イ)がシュータ60内に停滞することを防止できる。
【0046】図8に示すように土切り刃支持扞27aと土切り刃27bから成るソイラ部を引抜搬送装置掘28の先端部に設けた取付板19cに取り付け固定しているが、このとき土切り刃27bの畦表面からの侵入深さは変えないで土切り刃支持扞27aの畦表面に対する取付角度θを20°未満になるように取り付けることが望ましい。
【0047】従来は、土切り刃支持扞27aの対地取付角度はθ≒30°であったため、この角度では雨降り後の多少水分のある圃場では、土切り刃支持扞27aの上面で泥押しが発生し、その押した泥を挟持搬送ベルト28aが挟持し、機体後方へ泥が持ち上げられて機体が汚れたり、泥とニンジン茎葉部を挟持するので、挟持ミスが発生するなどの欠点があった。
【0048】しかし、図8に示すように土切り刃支持扞27aの畦表面に対する取付角度θを20°未満にすると、泥押しが小さくなり挟持搬送ベルト28aの下プーリ28cにおける安定したニンジン茎葉部の挟持性能が維持でき、掘り残しも発生しないので、収穫作業効率も向上する。
【0049】図9の破線で示す土切り刃27bが挟持搬送ベルト28aの始端部である下プーリ28cより前方に位置している場合は、その分だけ土切り刃支持扞27aが長くなり、また泥押し量も多くなるため、下プーリ28cで泥を挟持し、ニンジン茎葉部の挟持ミスが発生し、結果的に掘り残しが発生するといった欠点があったが、図9の実線で示すように土切り刃27bを、挟持搬送装置28の先端部下方に設けた挟持搬送装置28の下プーリ28cのほぼ下方に位置させることにより、ニンジン側面の畦のほぐし性能を維持し、かつ、泥押し量が小さくなるので挟持搬送ベルト28aによるニンジン茎葉部の挟持性能が向上し、作業効率が向上し、ニンジンの掘り残しもなくなる。
【0050】図10(平面図)、図11(側面図)には縦引起装置4aおよび横引起し装置4bを有する根菜収穫機1を示す。この構成は縦引起装置4aおよび横引起し装置4bへ伝達する動力軸68を機体後方にある引抜搬送装置28の上下回動中心26に位置する伝動ケース17より取り出し、この動力軸68が操縦席10と引抜搬送装置28の間に位置することを特徴とした根菜収穫機1を示す。
【0051】図10、図11に示す構成では、伝達される動力軸68の取り出しを、引抜搬送装置28の外側より行っている構造のものに比べて、機体が横方向に張り出すこともなく、ハウス内でのニンジンの掘り取り作業においては手堀り面積が大きく採れ、作業効率が向上する。
【0052】図12には、縦引起装置4aと横引起し装置4bへのエンジン67からの動力伝達の機構を示す図である。エンジン67からの動力は引起・掘起装置の駆動軸65に伝達され、駆動軸65から挟持搬送ベルト28a、伝動機構17a、動力軸68を経由して縦引起装置4aと横引起し装置4bの各チェーンを駆動する。
【0053】図13に示すように縦引起し装置4aと横引起し装置4bを有する根菜収穫機1において、横引起し装置4bを縦引起し装置4aの後方に位置させて横引起し装置4bの下端部と引抜搬送装置28の先端部にある下プーリ28cをより接近させた位置関係に配置した構成とすることもできる。
【0054】横引起し装置4bを縦引起し装置4aの前方に位置させていた根菜収穫機1では、横引起し装置4bの下端部と引抜搬送装置28の先端部下プーリ28cの間に一定の距離を設けて配置していたため、短い茎葉部は一度横引起し装置4bのラグ22bにより引き起こされても、下プーリ28cの位置に来るまでに、再び倒れてしまい、キャッチングミスを起こし、掘り残しが発生するという不具合があった。
【0055】しかし、図13に示す構成では、横引起し装置4bにより引き起こされたニンジンの葉茎部は直後に挟持搬送ベルト28aの先端部により挟持されるので、葉の長さに関係なく高いキャッチング性能を維持できる。
【0056】図14(図14(a)は側面図、図14(b)は平面図)には倒伏した葉を掻き上げる目的で設置された引起装置4の引起ケース21(図1参照)を支持する下受扞20bが圃場の隣りの条のニンジンの葉を押し倒さないような湾曲形状にした例を示す。
【0057】図15は側面図、図16は図15のA−A線矢視図であり、それらはニンジン下部切断装置47の変形例を示す。回転する切断刃48bの下方部に人身的な事故を防止する一対の安全カバー70を備え、この一対の安全カバー70間に泥や小さなゴミが排出されるすき間を設ける。
【0058】この構成により、作業者はニンジンの下部(直根)の切断を安全に作業できる。また、安全カバー支持部材69に取り付けられた安全カバー70内(底部)に泥、ゴミが堆積しないので切断された葉の摩耗が防げ、長期間、安定した切断性能を維持できる。
【0059】また、一対の根部案内扞48aは一対の受板19aの内側に切断刃48bを挟むように設けられいる。根部案内扞48aは側面視で上向きに凸の半円環状であり平面視では切断刄48bの軸84を中心軸とする円錐面をなし、一対の根部案内扞48aの円錐面を向かい合わせて谷間状案内面を形成し、移送されてきたニンジンの茎部の左右方向が一対の根部案内扞48aの谷間状案内面により規制されて位置決めされる構成である。
【0060】なお、ニンジン下部切断装置47は切断刃48bの回転軸71は図示しないエンジンの動力を伝動軸72に軸着した駆動プーリ73から駆動ベルト74を経て被動プーリ75に伝動され、被動プーリ75に軸着する回転軸76を回転させる。回転軸76は引起装置4、掘起装置5及び根菜搬送装置6などを駆動させる他、切断刃48bを駆動させる。回転軸76に軸着した伝動プーリ77に掛けたベルト78は軸受79により回転自在に支承される軸80に軸着したプーリ81を駆動し、該軸80には歯車82が軸着し、該歯車82は切断刃48bの軸84に軸着する歯車83にかみ合っているので切断刃48bは回転する。
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【出願日】 平成11年9月16日(1999.9.16)
【代理人】 【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義
【公開番号】 特開2001−78526(P2001−78526A)
【公開日】 平成13年3月27日(2001.3.27)
【出願番号】 特願平11−261465