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【発明の名称】 軌道式茶葉摘採機
【発明者】 【氏名】松村 鋼司

【氏名】栗田 裕之

【氏名】斎木 雅宏

【要約】 【課題】急傾斜地での作業時での問題に鑑み、走行姿勢を安定させて直進性能を損ねることなく脱輪などを確実に防止することができる構成を備えた軌道式茶葉摘採機を提供する。

【解決手段】茶樹畝を跨ぐ門型フレーム1を有し、その左右両脚部1Aの下端部に装備した左右の車輪4,5により茶樹畝の両側の畝間に敷設された左右のレールJ、J上を走行する走行台車2と、この走行台車2に付設された支持フレーム14に吊持される茶葉摘採装置3とを備える軌道式茶葉摘採機において、上記脚部1Aの一部は垂直方向で伸縮可能に設けられ、上記レール間での地面Gの傾斜に応じて山側および谷側のいずれか若しくは双方を伸縮させて上記門型フレーム1の上面を水平方向に保つことができる構成とともに茶葉摘採装置3と一体化が可能な昇降フレーム18を駆動源23により位置調整する構成を備えたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 茶樹畝を跨ぐ門型フレームを有し、その左右両脚部の下端部に装備した左右の車輪により茶樹畝の両側の畝間に敷設された左右のレール上を走行する走行台車と、この走行台車に付設された支持フレームに吊持される茶葉摘採装置とを備える軌道式茶葉摘採機において、上記脚部の一部は垂直方向で伸縮可能に設けられ、上記レール間での地面の傾斜に応じて山側および谷側のいずれか若しくは双方を伸縮させて上記門型フレームの上面を水平方向に保つことができる構成を備えたことを特徴とする軌道式茶葉摘採機。
【請求項2】 上記門型フレームの側部には、上記車輪を支持する脚部主フレームと、該脚部主フレームに一体化されている門型フレームの上部枠部をなす脚部副フレームと、上記門型フレームにおける前後位置で上記脚部副フレームに対して垂直方向に移動可能な昇降フレームとが設けられ、該昇降フレームには、上記脚部主フレーム側に設けられている駆動源によって昇降可能な位置調整部材が連結可能に設けられ、上記位置調整部材を上記昇降フレームに連結した状態とすることで、上記傾斜に応じて駆動される上記駆動源の駆動時、上記位置調整部材の移動に連動して上記昇降フレームの位置を上記脚部主フレームの長手方向で変化させて上記門型フレームの上面が水平方向に補正されることを特徴とする請求項1記載の起動式茶葉摘採機。
【請求項3】 上記位置調整部材には上記駆動源によって回転駆動されるネジ部に噛み合うナット部材が一体化され、上記ネジ部の回転方向に応じて上記ナット部材が昇降することにより上記昇降フレームの位置を上記脚部主フレームの長手方向で変化させて上記門型フレームの上面を水平方向に補正することを特徴とする請求項1または2記載の軌道式茶葉摘採装置。
【請求項4】 上記昇降フレームは、上記位置調整部材との連結状態が解除されると、上記位置調整部材に対して独立して上記脚部主フレームの長手方向での位置を調整可能であることを特徴とする請求項1乃至3のうちの一つに記載の起動式茶葉摘採機。
【請求項5】 上記脚部主フレームは、その一部が他の部分に対して伸縮可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のうちの一つに記載の軌道式茶葉摘採機。
【請求項6】 上記駆動源は、上記門型フレームの前後に位置する脚部副フレームおよびこれら脚部副フレーム間に横架されるサイドフレームイの各設置方向に沿って配置されているネジ部材に対してそれぞれ駆動力を伝達する構成を備えていることを特徴とする請求項または3記載の軌道式茶葉摘採機。
【請求項7】 茶樹畝を跨ぐ門型フレームを有し、その左右両脚部の下端部に装備した左右の車輪により茶樹畝の両側の畝間に敷設された左右のレール上を走行する走行台車と、この走行台車に付設された支持フレームに吊持される茶葉摘採装置とを備える軌道式茶葉摘採機において、上記門型フレームの側部には、上記車輪を支持する脚部主フレームと、該脚部主フレームに一体化されている門型フレームの上部枠部をなす脚部副フレームと、上記門型フレームにおける前後位置で上記脚部副フレームに対して垂直方向に移動可能な昇降フレームとが設けられ、該昇降フレームには、上記脚部副フレーム側に設けられている駆動源によって昇降可能な位置調整部材が連結可能に設けられ、上記駆動源は、上記レール間での地面の傾斜を検出した結果に応じて駆動量を設定する制御部に電気的接続され、上記制御部は、上記走行台車の傾斜を検出する角度センサが入力側に接続され、出力側には上記駆動源が接続されて構成され、該制御部は上記走行台車の傾斜方向および傾斜量を割り出すことで上記駆動源の駆動量を設定し、上記位置調整部材を移動させることを特徴とする軌道式茶葉摘採機。
【請求項8】 上記角度センサは、常時重力方向に指向する習性を有したロータリエンコーダが用いられ、重力方向を基準として回転方向により傾斜方向を、そして回転量により傾斜量をそれぞれ検出することを特徴とする請求項7記載の軌道式茶葉摘採機。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、茶葉摘採機に関し、さらに詳しくは、軌道式茶葉摘採機の姿勢矯正機構に関する。
【0002】
【従来の技術】茶葉摘採機の一つとして、茶畝の両側に敷設されたレール上を移動可能な起動式茶葉摘採機が知られている。
【0003】このような軌道式茶葉摘採機の一例として、特公平6−40788号公報に記載のものがある。
【0004】上記公報に開示された構造は概ね次の通りである。
【0005】図9は、上記公報に開示された起動式茶葉摘採機の正面図である。同図において、軌道式茶葉摘採機は、茶樹畝Tを跨ぐ形態の門型フレームAの左右両脚部B,Cの下端部に左右の車輪D,Eを装備した自走式の走行台車Fと、この走行台車Fの門型フレームA上に支持された支持フレームGに吊持されて門型フレームAの内側の茶樹畝Tの上面に臨む茶葉摘採装置Hとを備えたもので、上記左右の車輪D,Eは、茶樹畝Tの左右の畝間に支柱Iを介して所定の地上高に敷設された左右のパイプレールJ,J上を走行するようになっている。
【0006】前記茶葉摘採装置Hは、茶樹畝Tの幅方向半分を作業対象としたものであり、茶樹畝Tの上面頂部に臨む部分が上下位置調節自在かつ縦軸廻りに反転自在に吊持されており、茶樹畝Tの上面裾部に臨む部分は左右の両脚部B,Cのいずれか一方に上下位置調節自在かつ着脱自在に接続固定されている。そしてこのような茶葉摘採装置Hは、走行台車Fが茶樹畝Tの一端側から他端側に向かって走行する往路過程で茶樹畝Tの片側半分の摘採作業を行い、続いて縦軸廻りに反転させることで、走行台車Fが茶樹畝Tの他端側から一端側に向かって走行する復路過程で茶樹畝Tの反対側半分の摘採作業を行うようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の茶葉摘採機は、図9に示すように平坦な地面に敷設されているレールJ、J上を移動することができるものの、このような茶葉摘採機は平坦な地面だけでなく、近年、労力軽減が急がれている急傾斜地での摘採作業においても使用できるようにすることが望まれている。
【0008】すなわち、比較的緩やかな傾斜地では走行台車の重心位置を調整して倒れないようにすることもある程度は可能であるが、等高線の急傾斜地ではそのような対策では不十分な場合があり、走行台車フレームが斜めになり摘採機全体が谷側に傾いてしまう虞がある。このため、レールに対する走行車輪の接面性が悪くなり安定した走行姿勢を得ることが難しくなるばかりでなく、最悪の場合には脱輪してしまうこともあり得る。
【0009】本発明の目的は、上記従来の軌道式茶葉摘採機における問題、特に急傾斜地での作業時での問題に鑑み、走行姿勢を安定させて直進性能を損ねることなく脱輪などを確実に防止することができる構成を備えた軌道式茶葉摘採機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1記載の発明は、茶樹畝を跨ぐ門型フレームを有し、その左右両脚部の下端部に装備した左右の車輪により茶樹畝の両側の畝間に敷設された左右のレール上を走行する走行台車と、この走行台車に付設された支持フレームに吊持される茶葉摘採装置とを備える軌道式茶葉摘採機において、上記脚部の一部は垂直方向で伸縮可能に設けられ、上記レール間での地面の傾斜に応じて山側および谷側のいずれか若しくは双方を伸縮させて上記門型フレームの上面を水平方向に保つことができる構成を備えたことを特徴としている。
【0011】請求項2記載の発明は、上記門型フレームの側部には、上記車輪を支持する脚部主フレームと、該脚部主フレームに一体化されている門型フレームの上部枠部をなす脚部副フレームと、上記門型フレームにおける前後位置で上記脚部副フレームに対して垂直方向に移動可能な昇降フレームとが設けられ、該昇降フレームには、上記脚部主フレーム側に設けられている駆動源によって昇降可能な位置調整部材が連結可能に設けられ、上記位置調整部材を上記昇降フレームに連結した状態とすることで、上記傾斜に応じて駆動される上記駆動源の駆動時、上記位置調整部材の移動に連動して上記昇降フレームの位置を上記脚部主フレームの長手方向で変化させて上記門型フレームの上面が水平方向に補正されることを特徴としている。
【0012】請求項3記載の発明は、上記位置調整部材には上記駆動源によって回転駆動されるネジ部に噛み合うナット部材が一体化され、上記ネジ部の回転方向に応じて上記ナット部材が昇降することにより上記昇降フレームの位置を上記脚部主フレームの長手方向で変化させて上記門型フレームの上面を水平方向に補正することを特徴としている。
【0013】請求項4記載の発明は、上記昇降フレームは、上記位置調整部材との連結状態が解除されると、上記位置調整部材に対して独立して上記脚部主フレームの長手方向での位置を調整可能であることを特徴としている。
【0014】請求項5記載の発明は、上記脚部主フレームは、その一部が他の部分に対して伸縮可能に構成されていることを特徴としている。
【0015】請求項6記載の発明は、上記駆動源は、上記門型フレームの前後に位置する脚部副フレームおよびこれら脚部副フレーム間に横架されるサイドフレームイの各設置方向に沿って配置されているネジ部材に対してそれぞれ駆動力を伝達する構成を備えていることを特徴としている。
【0016】請求項7記載の発明は、茶樹畝を跨ぐ門型フレームを有し、その左右両脚部の下端部に装備した左右の車輪により茶樹畝の両側の畝間に敷設された左右のレール上を走行する走行台車と、この走行台車に付設された支持フレームに吊持される茶葉摘採装置とを備える軌道式茶葉摘採機において、上記門型フレームの側部には、上記車輪を支持する脚部主フレームと、該脚部主フレームに一体化されている門型フレームの上部枠部をなす脚部副フレームと、上記門型フレームにおける前後位置で上記脚部副フレームに対して垂直方向に移動可能な昇降フレームとが設けられ、該昇降フレームには、上記脚部副フレーム側に設けられている駆動源によって昇降可能な位置調整部材が連結可能に設けられ、上記駆動源は、上記レール間での地面の傾斜を検出した結果に応じて駆動量を設定する制御部に電気的接続され、上記制御部は、上記走行台車の傾斜を検出する角度センサが入力側に接続され、出力側には上記駆動源が接続されて構成され、該制御部は上記走行台車の傾斜方向および傾斜量を割り出すことで上記駆動源の駆動量を設定し、上記位置調整部材を移動させることを特徴としている。
【0017】請求項8記載の発明は、上記角度センサは、常時重力方向に指向する習性を有したロータリエンコーダが用いられ、重力方向を基準として回転方向により傾斜方向を、そして回転量により傾斜量をそれぞれ検出することを特徴としている。
【0018】
【作用】請求項1乃至3および6記載の発明では、傾斜に応じて門型フレームの上面を水平に保つことが可能となる。とりわけ、請求項2記載の発明では、脚部フレームを構成する一つである脚部副フレームに対して昇降フレームが駆動源によって昇降可能な位置調整部材と連結されると、位置調整部材の昇降動作に連動して脚部主フレームの長手方向での位置が変化するので、山側および谷側のいずれか若しくは双方の昇降フレームを移動させることにより門型フレームの上面が水平に保たれることになる。しかも、このような昇降フレームの移動は、請求項3および6記載の発明にあるように、駆動源によって回転駆動されるネジ部に噛み合うナット部を位置調整部材に一体化させ、このネジ部への駆動力を同時に伝達できるので、左右両側に位置する昇降フレームを同時に相反する方向に移動させて傾斜状態に拘わらず、門型フレームの上面を水平に補正することができる。
【0019】請求項4記載の発明では、位置調整部材と昇降フレームとの連結状態を解除することにより昇降フレームが独自に変位できるので、これに摘採装置を取り付けることで茶畝に対する摘採装置の対面位置の微調整が可能となる。
【0020】請求項5記載の発明では、上述した昇降フレームを用いた昇降フレームの位置変化に加えて、脚部主フレーム自体の伸縮を用いることで傾斜量が大きい場合でも門型フレームの上面を水平方向に補正するための移動量を賄うことができる。
【0021】請求項7および8記載の発明では、門型フレームの上面の傾斜量を検出することにより駆動源の駆動量が設定されるので、オペレータによる目視に頼らずとも門型フレームの上面を水平に保てるようにすることができる。
【0022】
【実施例】以下、図示実施例により、本発明の詳細を説明する。
【0023】図1は本発明実施例による軌道式茶葉摘採機の正面図である。同図において軌道式茶葉摘採機は、図示省略する茶木畝を跨ぐ携帯の門型フレーム1を有する走行台車2と、この走行台車2に吊持される茶葉摘採装置3とを備えている。
【0024】門型フレーム1は、茶木畝の左右両側に位置して畝間に敷設されているレールJ、J上を転動可能な車輪4、5が回転自在に支持されている脚部主フレーム1Aを備えている。この脚部主フレーム1Aの内側には、図2に示すように、門型フレーム1の前後方向に横架された上部サイドフレーム1Bの端部に一体化されて垂下し、上部サイドフレーム1Bと共に門型フレーム1の上部枠をなす脚部副フレーム1Cとで構成されている。脚部副フレーム1Cにおける前面側および後面側の上部には、図1に示すように、前面フレーム1Dおよび後面フレーム1D’(1D’に関しては図示省略)が横架されて脚部副フレーム1C同士を一体的に結合している。
【0025】車輪4,5のうちで、符号4で示す車輪は駆動輪に相当しており、駆動トルクの大きい直流モータ6,6に連動可能な減速機構を介して回転駆動されるようになっており、符号5で示す車輪は従動輪に相当している。
【0026】これら各車輪4,5は、いずれも両側に鍔を有するU字溝付きのもので構成され、パイプレールJ、J上を転動する際に左右方向に傾動した場合でも不用意に脱輪しないようになっている。
【0027】脚部主フレーム1Aは、図2および図3に示すように、その上部に今ひとつの中空パイプからなる脚部主フレームパイプ1A2が挿嵌されており、脚部主フレーム1Aに形成されている係止孔1A1に対応する孔に係止ピン1A3を挿通することで脚部主フレームパイプ1A2に対する伸縮量が調整できるようになっている。
【0028】一方、脚部副フレーム1Cと共に門型フレーム1における上部枠の一構成部をなす上部サイドフレーム1Bの上面にはコントロールボックス7,バッテリ8および発電機9がそれぞれ搭載されて取り付けられており、これら電装部材は、走行モータ6および後述する昇降フレームの昇降動作のために用いられる。
【0029】脚部副フレーム1Cは、図2および図3に示すように、脚部主フレームパイプ1A2と上下一対のロッド部材1A4を介して一体的に連結されている。
【0030】脚部主フレーム1Aおよびこれに挿嵌されて係止ピン1A3を介して一体化される脚部主フレームパイプ1A2に対してロッド部材1A4を用いて脚部副フレーム1Cが一体化されることで門型フレーム1の全体構造が構成されている。
【0031】図1に示した起動式茶葉摘採機には、前面フレーム1Dおよび後面フレーム1D’が長手方向中央で2分割されており、分割位置に設けられた連結ピン10を支点として長手方向に沿って屈曲できる中折れ構造が採用されている。
【0032】すなわち、上記連結ピン10,10と一体のブラケット11,11には上方に延びるスライド支柱12,12が立設され、各スライド支柱12,12には、連結金具13,13の摺動筒部13A,13Aがそれぞれ摺動自在に嵌合し、ストッパレバー13Bの操作で任意の摺動位置に固定できるようになっている。
【0033】前記連結金具13,13は、摺動筒部13A,13Aを中心にして左右方向に若干斜め上方に突出する左右対称形をなすもので、門型フレーム1の上方に配置される支持フレーム14(図2参照)の前後両端部に固定されている。そこで、上記連結金具13,13を介して支持フレーム14を門型フレーム1の左右幅方向中央上方に支持し、かつ門型フレーム1が連結ピン10,10を屈折点として左右対称に屈折するように、左右一対の支持ステー15,15がそれぞれ前後に配置して設けられる。これら前後に位置する支持ステー15,15は、中間部が下方に若干屈曲した等長のものであり、各内端部は連結金具13,13の左右両端部にそれぞれ上下方向に回動自在に枢着されている。そして前側に配置された左右一対の支持ステー15,15の外端部は前面フレーム1Dの両端部付近にそれぞれ上下方向に回動自在に枢着され、後側に配置された左右一対の支持ステー15,15の外端部は後面フレーム1D’の両端部付近にそれぞれ上下方向に回動自在に枢着されている。
【0034】このような構成は、パイプレールJ、Jの相互間隔が異なった場合、その間隔に応じて支持ステー15,15を拡縮させることにより前面フレーム1Dおよび後面フレーム1D’を屈折させ、前面および後面フレーム1D、1D’に一体結合されている脚部副フレーム1Bを傾けてこれに一体化されている脚部主フレームパイプ1A2および脚部主フレーム1Aを傾動させて車輪4,5の相互間隔をパイプレールJ,Jの相互間隔に適合させるようになっている。このような構成は、本出願人の先願である特開平8−214667号公報に詳細が開示されている。
【0035】一方、前記茶葉摘採装置3は、図示省略した茶樹畝の幅方向半分を作業対象としたバリカン式のもので、茶樹畝上面の頂部から裾部に跨るバリカン刃3Aや、バリカン刃3Aで刈り取られた茶葉を後方に吹き飛ばすべく複数のノズル3Bを介してバリカン刃3Aに送風する送風ダクト3Cを有し、この送風ダクト3C内に送風する送風機3Dや上記バリカン刃3Aと共に送風機3Dを駆動するエンジン3Eは、茶樹畝上面の頂部側に臨む部分に配置されている。そしてこのような茶葉摘採装置3には、走行台車2に対する吊持用の部材として、茶樹畝上面の頂部側に臨む部分に前後2本の吊持ロッド3F,3Fが前後方向の軸廻りに左右揺動自在に枢着され、また裾側に臨む部分に後述する昇降フレーム側に取り付けられている支持用シャフト3Gが左右揺動自在に立設されている。
【0036】前記吊持ロッド3F,3Fの上端部には、吊持金具3Hが前後方向の軸廻りに回動自在に枢着され、また上記支持用シャフト3Gは口述する昇降フレームに対して着脱可能に取り付けられている。
【0037】前記支持フレーム14(図2参照)には、前記コントロールボックス7によって回転制御されるブレーキ機構及び減速機構付きの吊持モータ16と、この吊持モータ16により駆動されるピニオン・ラック機構17とが付設され、その上下方向に駆動されるラックシャフト17Aの下端部に上記吊持金具3Hが軸廻りに回転自在に連結されている。
【0038】図2において脚部副フレーム1Bには、この脚部副フレーム1Bに対して昇降可能な昇降フレーム18が挿嵌されている。
【0039】すなわち、昇降フレーム18は、図3および図4に示すように、門型フレーム1の前後に位置する脚部副フレーム1Cに跨って脚部副フレーム1Cの外側に位置する角形U字状フレームで構成されており、水平片部18Aとこの水平片部18Aの両側、つまり、脚部副フレーム1Cを跨ぐ位置から脚部副フレーム1Cと平行して延長された支持片部18Bとで構成されている。
【0040】支持片部18Bには、図4に示すように、位置調整部材19が昇降自在に挿嵌されており、支持片部18Bと位置調整部材19とは、位置調整部材19側に挿通された係止ボルト20の先端を支持片部18Bに押し当てることで摩擦的係合により連結することができるようになっている。
【0041】位置調整部材19には、取り付けブラケット21が固定されており、この取り付けブラケット21には脚部副フレーム1C上を転動可能な転動輪22が回転自在に支持されている。支持ブラケットに関しては、転動輪22の軸方向において位置調整部材19側と反対側の端部にも設けられている(便宜上、図4において符号21’で示す)
転動輪22は、脚部副フレーム1Cの前後面において上下に一対設けられており、後述する駆動機構により位置調整部材19の移動に連動して脚部副フレーム1Cの長手方向に沿って脚部副フレーム1Cを挟み込んだ状態で昇降することができる。
【0042】位置調整部材19は、次の構成からなる駆動機構により脚部副フレーム1Cの長手方向に沿った位置を変化させるようになっている。
【0043】すなわち、図3において、上部サイドフレーム1Bにおける前端部上面には昇降フレーム19の駆動用モータ23が配置されており、この駆動用モータ23の出力軸には傘歯車23Aが取り付けられている。
【0044】一方、上部サイドフレーム1B内および脚部副フレーム1C内には、それぞれネジ軸24,25が回転自在に設けられており、それらネジ軸24,25の端部には上記傘歯車23Aと互いに噛み合うことが可能な傘歯車24A,25Aが取り付けられている。本実施例では、上部サイドフレーム1Bにおける前後に位置する脚部副フレーム1C内のネジ軸25同士の回転方向を整合させる必要があるので、駆動力の伝達経路での歯車の使用段数を考慮してネジのリード方向が反対方向に設定されている。
【0045】脚部副フレーム1C内に配置されているネジ軸25には、図4に示すように、位置調整部材19に一体化されている支持用ブラケット21に固定されたナット部材28が噛み合っており、ネジ軸25の回転方向に応じて位置調整部材19を脚部副フレーム1Cの長手方向に沿って昇降させることができるようになっている。
【0046】上記駆動用モータ23は、コントロールパネル7での操作指令によって選択的に駆動されるようになっている。
【0047】すなわち、前面フレーム1Dの左右両側上面に位置する駆動モータ23同士は、正逆転いずれかを選択することで位置調整部材19を脚部主フレーム1Cの長手方向で昇降いずれかの動作を行わせることができるようになっている。従って、位置調整部材19を脚部主フレーム1Cの長手方向に沿って上昇させる場合には上昇させる側の駆動用モータ23を始動させる。また、位置調整部材19を脚部主フレーム1Cの長手方向に沿って下降させる場合には、下降させる側の駆動用モータ23を始動させる。位置調整部材19を昇降させる際には、その移動方向に応じて駆動用モータ23の回転方向が正逆切り換えされる。
【0048】本実施例は以上のような構成であるから、傾斜地Gでの茶木畝を対象として摘採作業を行う場合には、まず、谷側に位置する脚部主フレーム1Aを脚部主フレームパイプ1A2から張り出させる。この場合には、車輪4,5がパイプレールJ、Jに接触する位置まで張り出させ、係止ピン1A3を脚部主フレーム1Aの挿通孔1A1に挿通する。これにより、挿通孔1A1の形成ピッチを利用して門型フレーム1の上面を大まかに水平状態とすることができる。
【0049】一方、この状態において谷側に位置する昇降フレーム17を位置調整部材19が脚部主フレーム1Cの長手方向に沿って上昇する方向に駆動用モータ23を回転させる。これにより、位置調整部材19が係止ボルト20を介して昇降フレーム18と連結状態にあるときには、位置調整部材19の移動に連動して昇降フレーム18が上昇し、門型フレーム1の上面が図5に示すように、水平方向に姿勢を補正される。
【0050】なお、門型フレーム1の上面を水平方向に補正する際には、上述した谷側の昇降フレーム18を上昇させると共に山側に位置する昇降フレーム18を下降させることも可能である。この場合には、門型フレーム1の左右両側に位置する昇降フレーム18同士を相対的に昇降させるので、短時間で門型フレーム1の上面を水平状態に補正することができる。また、昇降フレーム18を上昇させる代わりに、山側に位置する昇降フレーム18を下降させて門型フレーム1の上面を水平状態に補正することも可能である。
【0051】一方、門型フレーム1の上面が水平な向きに補正されると、茶葉摘採装置3を茶木畝の頂面の位置に位置決めすることができる。この場合には、位置調整部材19に対して昇降フレーム18の連結状態を解除する。すなわち、係止ボルト20を緩めることで位置調整部材19に対する昇降フレーム18の摩擦係合が解除されるので、昇降フレーム18を昇降させることで茶木畝の裾部に対する茶葉摘採装置3のバリカン刃3Aの位置を調整することができる。
【0052】このようにして摘採態位が設定されると、コントロールボックス7に設けられている走行スイッチを操作することにより、その傾斜地での茶木畝の幅方向半分の領域を対象として摘採作業が実行できる。
【0053】茶木畝の幅方向半分を対象とした摘採作業が終了すると、茶樹畝の畝端部で走行台車2を停止し、またエンジン3Eを停止して茶葉摘採装置3を反転する。即ち、茶葉摘採装置3の支持用シャフト3Gを昇降フレーム18から取り外し、その後、茶葉摘採装置3と共に吊持金具3Hをラックシャフト17Aの軸廻りに回転して茶葉摘採装置3を反転するのであり、反転した茶葉摘採装置3の支持用シャフト3Gは、以前と反対の手順で反対側の昇降フレーム18に取り付けられる。
【0054】本実施例によれば、傾斜地Gでの摘採作業時には、脚部主フレームパイプ1A2に対する脚部主フレーム1Cの張り出し若しくは格納に加えて位置調整部材19の昇降に連動させた昇降フレーム18の昇降動作という2段階の動作を用いることで脚部主フレーム1Cのみの伸縮による門型フレーム1の上面を水平とする場合に比べて、門型フレーム1の上面の昇降ストロークを大きくすることができる。
【0055】上記実施例においては昇降フレーム18を昇降させるための駆動用モータ23をオペレータによって選択することが前提となっているが、本発明では、このような構成に限らない。
【0056】以下、この場合を図6において説明する。
【0057】図6は、駆動用モータ23を駆動制御するためのブロック図であり、同図において、駆動用モータ23は、制御部30によって自動的にその回転方向および回転量を設定されるようになっている。
【0058】制御部30は、マイクロコンピュータによって主要部が構成されており、図示しないI/Oインターフェースを介して入力側には角度センサ31が、また出力側には図示しない駆動部を介して門型フレーム1の左右両側にそれぞれ配置されている右駆動モータ(便宜上、符号23Aで示す)および左駆動モータ(便宜上、符号23Bで示す)が接続されている。
【0059】角度センサ31は、前面フレーム1Dの分割位置に配置されている連結ピン10に設けられたロータリエンコーダが用いられる。つまり、このロータリエンコーダは、周方向の所定位置が常時重力方向に指向する習性を備えたものであり、回転方向も割り出せるように電気角でπ/2の位相差を持つパルス列と上記所定位置に相当する回転方向検出基準用ゼロパルスとが出力信号の種類として設定されるようになっている。また、傾斜方向に順じた回転方向を検出する例としては、図7に示すように、パルス幅(符号T1、T1/2で示すパルス幅)を異ならせることで判別できるようにしてもよい。
【0060】制御部30では、回転方向の検出によって門型フレーム1の上面を水平に保つために必要な側の駆動用モータを選択し、回転量を検出することで駆動モータの回転駆動量を設定する。
【0061】上記構成においては、制御部30において図8に示すフローチャートに基づく処理が実行される。
【0062】図8において、制御部30では、角度センサ31からの信号に基づき、傾斜地であるかどうかが判別され(ST1)、角度センサ31からの回転方向の判別信号により傾斜方向が割り出される(ST2)。ステップST2において、図5に示すように門型フレーム1の右側が下がった状態で傾斜している場合には、傾斜量が角度センサ31の回転量から割り出され(ST3)、その回転量が「0」に復帰するように右駆動モータ23Aの回転駆動量が設定されて右駆動モータ23Aが駆動される(ST4)。右駆動モータ23Aの回転量は角度センサ31からの信号により監視され、設定値に達した時点(回転量が「0」に復帰した時点)で右駆動モータ23Aが停止される(ST5)。
【0063】一方、角度センサ31の回転方向によって傾斜方向が右側でない場合には再度傾斜方向が判別される(ST6)。この判別において傾斜方向が左側である場合にはステップST3に移行し、傾斜方向が左側として判別できない場合には、角度センサ31の機能不良などを含めて制御機能にエラーが生じているとしてエラー表示を行い(ST7)、図示しない手動による駆動モータの選択始動を行う。
【0064】なお、この制御において、門型フレーム1の傾斜速度を検出し、傾斜量を予測してリアルタイムではなくそれよりも速く駆動用モータの回転駆動量を設定して駆動モータを回転駆動させることも可能である。このような制御では、門型フレーム1の上面を水平方向に姿勢制御するまでの時間を短縮させることができる。
【0065】以上ような構成によれば、門型フレームの傾斜度合いに応じて自動的に門型フレーム1の上面が水平状態に姿勢補正されるので、オペレータによる選択操作が不要となる。
【0066】
【発明の効果】請求項1乃至3および6記載の発明によれば、傾斜に応じて門型フレームの上面を水平に保つことができるので、走行姿勢を安定させて脱輪などの不慮の事態の発生を未然に防止することが可能となる。
【0067】とりわけ、請求項2記載の発明では、脚部フレームを構成する一つである脚部副フレームに対して昇降フレームが駆動源によって昇降可能な位置調整部材と連結されると、位置調整部材の昇降動作に連動して脚部主フレームの長手方向での位置が変化するので、山側および谷側のいずれか若しくは双方の昇降フレームを移動させることにより門型フレームの上面が水平に保たれることになる。
【0068】しかも、このような昇降フレームの移動は、請求項3および6記載の発明によれば、駆動源によって回転駆動されるネジ部に噛み合うナット部を位置調整部材に一体化させ、このネジ部への駆動力を同時に伝達できるので、左右両側に位置する昇降フレームを同時に相反する方向に移動させることもでき、これにより、傾斜状態に拘わらず門型フレームの上面を水平に補正することができる。
【0069】請求項4記載の発明によれば、位置調整部材と昇降フレームとの連結状態を解除することにより昇降フレームが独自に変位できるので、これに摘採装置を取り付けることで茶畝頂面に対する摘採装置の対面位置を適正化して茶葉摘採効率を向上させることができる。
【0070】請求項5記載の発明によれば、上述した昇降フレームを用いた昇降フレームの位置変化に加えて、脚部主フレーム自体の伸縮を用いることで傾斜量が大きい場合でも門型フレームの上面を水平方向に補正するための移動量を賄うことができる。
【0071】請求項7および8記載の発明によれば、門型フレームの上面の傾斜量を検出することにより駆動源の駆動量が設定されるので、オペレータによる目視に頼らずとも門型フレームの上面を水平に保てるようにすることができる。
【出願人】 【識別番号】000250270
【氏名又は名称】落合刃物工業株式会社
【出願日】 平成11年8月27日(1999.8.27)
【代理人】 【識別番号】100063565
【弁理士】
【氏名又は名称】小橋 信淳
【公開番号】 特開2001−61327(P2001−61327A)
【公開日】 平成13年3月13日(2001.3.13)
【出願番号】 特願平11−242138